解説記事2004年03月08日 【ニュース特集】 ポスターとともに振り返る、確定申告“便利”の軌跡(2004年3月8日号・№057)
確定申告お疲れ様です!
ポスターとともに振り返る、確定申告“便利”の軌跡
確定申告もいよいよ大詰めです。税理士の先生方はお忙しい毎日をお過ごしのことと思います。今回は、“確定申告お疲れ様です!”の気持ちを込めて、納税者利便向上のための当局の施策の軌跡を、PRポスターとともに振り返ってみましょう!
平成9年以前は個別相談中心で、長い待ち時間が課題でした!
昭和62年分
・コンピュータが音声で答える電話サービス開始
主な税制改正 配偶者特別控除の創設
平成元年分
・年末調整を受けた給与所得者で医療費控除や住宅借入金等特別控除などで所得税の還付を受ける人を対象に、納税者の住所地を問わず、申告書用紙や各種届出書などの交付、申告書作成のアドバイス及び申告書の受付が行われる広域還付センターが福岡局で導入される(2ヵ所)
主な税制改正 消費税導入!!
平成4年分
・FAXサービス開始
路線価最高価格!東京の最高路線価は3,650万円
平成9年分
・タックスアンサーHPサービス開始
還付申告書の簡単な書き方、医療費控除や住宅取得等特別控除の還付金額を計算できる計算シュミレートコーナーを掲載
主な税制改正消費税率の引き上げ
平成10年分
地井武男さんと鈴木杏樹さん
タッチパネルの登場!自書申告への取組みも本番です!

・銀行のATMのように、画面上の該当箇所に触れていけば簡単に申告書が作成できるタッチパネル方式による自動申告書作成機タッチパネルを1,260台導入
・国税庁HPサービス開始!典型的なQ&Aや還付申告書の書き方などの情報を提供
主な税制改正 土地重課の適用停止
平成11年分
高橋英樹さんと水野真紀さん
平成11年分と平成15年分の「所得税の確定申告の手引き」
24時間体制のサービス開始!
・電話FAX24時間サービスの開始
・タッチパネル利用対象者拡大!2カ所以上から給与所得を得ている人、年末調整漏れの所得控除がある人も利用可能に
主な税制改正 住宅借入金等特別控除の創設
平成12年分
内藤剛志さんと沢口靖子さん
広域還付センターが全国展開!

・広域還付センターがすべての国税局で設置(51ヵ所)
・携帯電話対応のタックスアンサーHP開始
・タッチパネルを2,260台に増設し、公的年金のみを受給している人も利用可能に
主な税制改正 有価証券に時価法の導入
平成13年分
本上まなみさん
より簡単に、使いやすく!カラー版申告書が登場!
・申告書新様式(A・B、2種類)の導入!文字や記入欄が大きくなって見やすく・書きやすくなる
・計算シュミレートコーナーもA・B双方の様式に対応
・タッチパネルを4,460台に大幅増設し、A・B双方の様式に対応、計算確認機能も新たに追加
・確定申告の手引きを全面改訂
・広域還付センターを71ヵ所に増設
主な税制改正 企業組織再編税制導入
商法改正に対応した会社分割税制を創設するとともに、合併、現物出資などの既存の組織再編税制を抜本改革し、合併等の企業組織再編成に係る税制が整備された。
平成14年分
黒木瞳さん
申告書作成コーナーのアクセス数333万件!
・計算シュミレートコーナーを所得税の確定申告書作成コーナーに改称(右写真参照)。ここで作成した申告書がそのまま提出することが可能に(添付書類とともに郵送も可)アクセス数は333万件!
・タッチパネルを4,606台に増設し、申告書第三表(分離課税用)にも対応可能に
主な税制改正 連結納税制度の導入
平成15年分
長谷川京子さん:確定申告で長谷川京子さんは「福祉関係に使ってほしい」と話した。
e-Taxがスタート!!閉庁日も対応します!
・電子政府実現の一環として、これまで書面で行われていた申告・納税・申請・届出などの手続きについて、インターネット等でも行えるようにする国税電子申告・納税システム(e-Tax)が平成16年2月2日から名古屋国税局管内においてスタート!(下記コラム参照)6月から全国でサービスが開始
・2月22日と29日の日曜日に限り、全国248の税務署で確定申告の相談・申告書の受付を実施する閉庁日対応がスタート
・所得税の申告書作成コーナーの機能充実!入力データの一時保存機能を追加し、株式等の譲渡所得や退職所得に対応。マッキントッシュでも作成可能に!
・タッチパネルの機能充実!操作時間の短縮のため、画面構成を変更し、複数年分の申告書の作成に対応
主な税制改正 相続時精算課税制度の創設、研究開発費減税の導入
COLUMN
e-TAX利用のための手続き
e-TAXを利用するためには、開始届出書に住民票の写しなど一定の書類を添付して、事前に所轄する税務署に書面で提出し、利用者識別番号および暗証番号を取得する必要があります。その後、「e-Taxソフト」などを利用して申告等データを作成した上で、電子署名と電子証明書の添付を行います。次にe-Taxの受付システムにアクセスし、利用者識別番号及び暗証番号を入力してログインした後、申告等データを送信します。医療費の領収書などは別途提出することになります。
データで見る納税者利便の向上
5年間でアクセス件数が約26倍も増加している。平成14年に所得税の確定申告書作成コーナーが登場したことで、アクセス数は一気に加速した。今年は、2月3日から10日まで作成コーナーにシステム障害があり、サービスを一時停止するなどのアクシデントがあったが、サービスの人気は上々で、アクセス件数が前年を上回ることは必至だ。今後も、知名度の向上及びネット普及率の増加に伴いアクセス数も増加することに期待が寄せられている。
H11~15までのアクセス件数(各年1月から3月)

タッチパネルの状況
当初の設置台数と比較すると、現在の設置台数は4倍弱。申告書の作成件数は8倍以上に伸びた。ただ、現在のところ、事業所得や不動産所得等について平均課税を選択する申告、損失申告用(第四表)を併せて使用する申告には利用できないので注意が必要だ。また、タッチパネルで申告する内容に合わせて、源泉徴収票などのほか、医療費の領収書や生命保険料控除証明書などが必要となる。
納税者利便の向上と税理士の業務
各年のポスターとともに振り返った確定申告の“便利”の軌跡、いかがだったでしょうか?ポスターのイメージが一新されていくとともに、当局のサービスもかなり進化していることが見て取れたのではないでしょうか。今年6月には「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」が全国的にスタートし、納税者の利便は飛躍的に向上するものと思われます。また、現段階では“検討中”とのことですが、電子申告の際に別途提出する必要がある各種書類が電子化されれば、将来的には、申告書の入手から作成・申告までインターネット上で済ますことが可能になります。
余談ではありますが、当局のサービスが複雑な申告までカバーされることになると、税理士の先生方のお仕事にも影響が出てくるのではないでしょうか?電子化への対応も急がなくてはなりません。そんな日に備えて、早めに経営スタイルの見直しを図るのも一つの手だと思います。ともかく、確定申告もあと一息!当局のサービスの進化に負けないように最後まで頑張ってくださいね!
ポスターとともに振り返る、確定申告“便利”の軌跡
確定申告もいよいよ大詰めです。税理士の先生方はお忙しい毎日をお過ごしのことと思います。今回は、“確定申告お疲れ様です!”の気持ちを込めて、納税者利便向上のための当局の施策の軌跡を、PRポスターとともに振り返ってみましょう!
平成9年以前は個別相談中心で、長い待ち時間が課題でした!
昭和62年分
・コンピュータが音声で答える電話サービス開始
主な税制改正 配偶者特別控除の創設
平成元年分
・年末調整を受けた給与所得者で医療費控除や住宅借入金等特別控除などで所得税の還付を受ける人を対象に、納税者の住所地を問わず、申告書用紙や各種届出書などの交付、申告書作成のアドバイス及び申告書の受付が行われる広域還付センターが福岡局で導入される(2ヵ所)
主な税制改正 消費税導入!!
平成4年分
・FAXサービス開始
路線価最高価格!東京の最高路線価は3,650万円
平成9年分
・タックスアンサーHPサービス開始
還付申告書の簡単な書き方、医療費控除や住宅取得等特別控除の還付金額を計算できる計算シュミレートコーナーを掲載
主な税制改正消費税率の引き上げ
平成10年分

タッチパネルの登場!自書申告への取組みも本番です!

・銀行のATMのように、画面上の該当箇所に触れていけば簡単に申告書が作成できるタッチパネル方式による自動申告書作成機タッチパネルを1,260台導入
・国税庁HPサービス開始!典型的なQ&Aや還付申告書の書き方などの情報を提供
主な税制改正 土地重課の適用停止
平成11年分


24時間体制のサービス開始!
・電話FAX24時間サービスの開始
・タッチパネル利用対象者拡大!2カ所以上から給与所得を得ている人、年末調整漏れの所得控除がある人も利用可能に
主な税制改正 住宅借入金等特別控除の創設
平成12年分

広域還付センターが全国展開!

・広域還付センターがすべての国税局で設置(51ヵ所)
・携帯電話対応のタックスアンサーHP開始
・タッチパネルを2,260台に増設し、公的年金のみを受給している人も利用可能に
主な税制改正 有価証券に時価法の導入
平成13年分

より簡単に、使いやすく!カラー版申告書が登場!
・申告書新様式(A・B、2種類)の導入!文字や記入欄が大きくなって見やすく・書きやすくなる
・計算シュミレートコーナーもA・B双方の様式に対応
・タッチパネルを4,460台に大幅増設し、A・B双方の様式に対応、計算確認機能も新たに追加
・確定申告の手引きを全面改訂
・広域還付センターを71ヵ所に増設
主な税制改正 企業組織再編税制導入
商法改正に対応した会社分割税制を創設するとともに、合併、現物出資などの既存の組織再編税制を抜本改革し、合併等の企業組織再編成に係る税制が整備された。
平成14年分

申告書作成コーナーのアクセス数333万件!
・計算シュミレートコーナーを所得税の確定申告書作成コーナーに改称(右写真参照)。ここで作成した申告書がそのまま提出することが可能に(添付書類とともに郵送も可)アクセス数は333万件!
・タッチパネルを4,606台に増設し、申告書第三表(分離課税用)にも対応可能に
主な税制改正 連結納税制度の導入
平成15年分

e-Taxがスタート!!閉庁日も対応します!
・電子政府実現の一環として、これまで書面で行われていた申告・納税・申請・届出などの手続きについて、インターネット等でも行えるようにする国税電子申告・納税システム(e-Tax)が平成16年2月2日から名古屋国税局管内においてスタート!(下記コラム参照)6月から全国でサービスが開始
・2月22日と29日の日曜日に限り、全国248の税務署で確定申告の相談・申告書の受付を実施する閉庁日対応がスタート
・所得税の申告書作成コーナーの機能充実!入力データの一時保存機能を追加し、株式等の譲渡所得や退職所得に対応。マッキントッシュでも作成可能に!
・タッチパネルの機能充実!操作時間の短縮のため、画面構成を変更し、複数年分の申告書の作成に対応
主な税制改正 相続時精算課税制度の創設、研究開発費減税の導入
COLUMN
e-TAX利用のための手続き
e-TAXを利用するためには、開始届出書に住民票の写しなど一定の書類を添付して、事前に所轄する税務署に書面で提出し、利用者識別番号および暗証番号を取得する必要があります。その後、「e-Taxソフト」などを利用して申告等データを作成した上で、電子署名と電子証明書の添付を行います。次にe-Taxの受付システムにアクセスし、利用者識別番号及び暗証番号を入力してログインした後、申告等データを送信します。医療費の領収書などは別途提出することになります。

データで見る納税者利便の向上
5年間でアクセス件数が約26倍も増加している。平成14年に所得税の確定申告書作成コーナーが登場したことで、アクセス数は一気に加速した。今年は、2月3日から10日まで作成コーナーにシステム障害があり、サービスを一時停止するなどのアクシデントがあったが、サービスの人気は上々で、アクセス件数が前年を上回ることは必至だ。今後も、知名度の向上及びネット普及率の増加に伴いアクセス数も増加することに期待が寄せられている。
H11~15までのアクセス件数(各年1月から3月)

タッチパネルの状況
利用対象者 | 設置台数 | |
平成10年度分 | 給与所得者の還付申告用申告書を使用し、 ① 医療費控除の適用を受ける方 ②年の中途で退職した方 | 台 1,260 |
平成11年度分 | ③2か所以上から給与収入を受けている方 ④年末調整済の方及び年末調整済の方で、年末調整漏れの所得控除のある方 | 1,260 |
平成12年度分 | ⑤公的年金等のみの人用申告書を使用して申告する方 ⑥ 贈与税を申告する方 | 2,260 |
平成13年度分 | 1 所得税確定申告書(第一表及び第二表)を使用して申告する方 2 贈与税を申告する方 | 4,460 |
平成14年度分 | 上記1、2に加え、 3 申告書第三表(分離課税用)を使用して申告する方 | 4,606 |
平成15年度分 | 利用対象者は前年同様 | 4,756 |
当初の設置台数と比較すると、現在の設置台数は4倍弱。申告書の作成件数は8倍以上に伸びた。ただ、現在のところ、事業所得や不動産所得等について平均課税を選択する申告、損失申告用(第四表)を併せて使用する申告には利用できないので注意が必要だ。また、タッチパネルで申告する内容に合わせて、源泉徴収票などのほか、医療費の領収書や生命保険料控除証明書などが必要となる。
納税者利便の向上と税理士の業務
各年のポスターとともに振り返った確定申告の“便利”の軌跡、いかがだったでしょうか?ポスターのイメージが一新されていくとともに、当局のサービスもかなり進化していることが見て取れたのではないでしょうか。今年6月には「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」が全国的にスタートし、納税者の利便は飛躍的に向上するものと思われます。また、現段階では“検討中”とのことですが、電子申告の際に別途提出する必要がある各種書類が電子化されれば、将来的には、申告書の入手から作成・申告までインターネット上で済ますことが可能になります。
余談ではありますが、当局のサービスが複雑な申告までカバーされることになると、税理士の先生方のお仕事にも影響が出てくるのではないでしょうか?電子化への対応も急がなくてはなりません。そんな日に備えて、早めに経営スタイルの見直しを図るのも一つの手だと思います。ともかく、確定申告もあと一息!当局のサービスの進化に負けないように最後まで頑張ってくださいね!
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