解説記事2016年09月26日 【法人税の別表四・別表五(一)の実務】 非適格現物出資(デット・イクイティ・スワップ)(被現物出資法人)(2016年9月26日号・№660)
法人税の別表四・別表五(一)の実務
第14回
非適格現物出資(デット・イクイティ・スワップ)(被現物出資法人)
税理士 野原武夫
(答) 別表四は、「債務免除益計上もれ」として80加算(留保)します。
(解説) 申告調整は法人の会社処理と税務処理に差異が生じた場合、その差異を別表四及び別表五(一)において表示する技術的な作業となります。
1.税務処理について
(1)資産負債の取得価額 現物出資法人A社から受ける資産負債の取得価額は、非適格現物出資なので時価による取得価額となります(法法22)。
給付を受けた貸付金は、借入金と混同により消滅します(民法520)。
(2)資本金等の額の増加額 非適格現物出資である場合の資本金等の額の増加額は、次の算式により計算されます(法令8①一)。(※本件は事業の移転を伴わないものとして処理。伴うものは九号。)
したがって、B社の税務処理は、次のとおりです。
2.修正処理について
会社処理と税務処理とを比較すると、処理に差異が生じていますので修正処理する必要があります。
① 別表四は、「債務免除益計上もれ」として80加算(留保)します。
② 別表五(一)は翌期以後の貸借対照表(資本金等の額、利益積立金額)の消去処理のため、利益積立金額の計算明細は「資本金等の額」として80加算、資本金等の額の計算明細は「利益積立金額」として80減算します。
調整額である利益積立金額上の「資本金等の額」として80加算、資本金等の額上の「利益積立金額」として80減算は、現在の企業会計処理上、解散清算するまで消去できません。
3.申告調整について
第14回
非適格現物出資(デット・イクイティ・スワップ)(被現物出資法人)
税理士 野原武夫
(設例) 現物出資法人A社は被現物出資法人B社に対して、貸付金100(時価20)を帳簿価額で現物出資しました(事業の移転を伴う非適格現物出資)。B社の課税関係は、どのようになりますか。 (条件) ・A社は貸付金100(時価20)を帳簿価額100でB社に移転しました。 ・A社は対価としてB社株式を受けました。 ・B社は借入金100の減少、資本剰余金100増加しました。 ![]() |
(答) 別表四は、「債務免除益計上もれ」として80加算(留保)します。
(解説) 申告調整は法人の会社処理と税務処理に差異が生じた場合、その差異を別表四及び別表五(一)において表示する技術的な作業となります。
1.税務処理について
(1)資産負債の取得価額 現物出資法人A社から受ける資産負債の取得価額は、非適格現物出資なので時価による取得価額となります(法法22)。

給付を受けた貸付金は、借入金と混同により消滅します(民法520)。
(2)資本金等の額の増加額 非適格現物出資である場合の資本金等の額の増加額は、次の算式により計算されます(法令8①一)。(※本件は事業の移転を伴わないものとして処理。伴うものは九号。)

したがって、B社の税務処理は、次のとおりです。

2.修正処理について
会社処理と税務処理とを比較すると、処理に差異が生じていますので修正処理する必要があります。

② 別表五(一)は翌期以後の貸借対照表(資本金等の額、利益積立金額)の消去処理のため、利益積立金額の計算明細は「資本金等の額」として80加算、資本金等の額の計算明細は「利益積立金額」として80減算します。
調整額である利益積立金額上の「資本金等の額」として80加算、資本金等の額上の「利益積立金額」として80減算は、現在の企業会計処理上、解散清算するまで消去できません。
3.申告調整について

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