カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

資料2020年11月23日 重要資料 「攻めの経営」を促す役員報酬〜企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引〜(2020年9月時点版)(抄)(2020年11月23日号・№859)

重要資料
「攻めの経営」を促す役員報酬〜企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引〜(2020年9月時点版)(抄)

 (経済産業省)

Ⅱ.株式報酬、業績連動報酬に関するQ&A〜平成28年度以降の税制改正を踏まえて〜

(編注:令和2年度税制改正部分などの主な改訂部分を抜粋)

Q2−1 役員給与に関する令和2年度の税制改正について教えてください。

 令和2年度税制改正では、特定譲渡制限付株式等が交付された役員等の死亡時における所得税及び法人税に係る税務上の取扱いの整備(⇒Q22−1参照)及び、証券取引所の独立役員に係る基準の見直しに対応するための業績連動給与の手続に係る独立職務執行者の範囲の見直しが行われました(⇒Q64−2参照)。
 また、令和元年12月に成立した改正会社法により、役員(取締役又は執行役)に対する株式等の無償発行が可能となることにあわせ、税制においても譲渡制限付株式の定義の見直し等が行われます(この株式等の無償発行制度の創設に対応する手引の改訂は、改正会社法の施行に向け今後行うことを予定)。

Q2−2 役員給与に関する令和2年度の税制改正はいつから適用されるのですか。

 特定譲渡制限付株式等が交付された役員等の死亡時における所得税及び法人税に係る税務上の取扱いの整備は、令和2年4月1日以後に役員等が死亡した譲渡制限付株式について適用されます。また、業績連動給与の手続に係る独立職務執行者の範囲の見直しは、令和2年4月1日以後に最初に開始する事業年度の前事業年度に関する定時株主総会の日の翌日以後に終了する業績連動給与に係る算定方法の決定手続に係る給与から適用されます。例えば、3月決算で6月定時株主総会を行う会社の場合、令和2年6月開催の定時株主総会の日の翌日以後に業績連動給与に係る算定方法の決定手続を終了する給与から適用されます。
 役員に対する株式等の無償発行制度にかかる見直しは、改正会社法の施行日以後にその交付に係る決議(当該決議が行われない場合には、その交付)をするものから適用されます。

Q9 上場会社が株式報酬を交付するために第三者割当を行う際、金融商品取引法上の開示規制はどうなりますか。

 発行価額の総額が一億円未満の場合を除き、原則として、有価証券届出書の提出が必要です。有価証券届出書を提出する場合、「第三者割当の場合の特記事項」として割当先の状況等(取締役個人の氏名、住所、職業の内容など)を記載することが求められています。ただし、譲渡禁止条件付新株予約権や現物出資型の株式報酬に該当する場合は、金融商品取引法上の第三者割当の定義から除外されることとされているため(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第1号ヲ(2)(3))、有価証券届出書における「第三者割当の場合の特記事項」の記載は不要となります。
 もっとも、発行価額の総額が一億円以上の場合であっても、譲渡禁止条件付新株予約権や譲渡制限付株式(事後発行型を含む)を発行会社やその完全子会社等の取締役等(取締役、会計参与、監査役、執行役又は使用人)のみに対して交付する場合には、臨時報告書の提出で足り、有価証券届出書の提出は不要とされています(金融商品取引法第4条第1項第1号、金融商品取引法施行令第2条の12、企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2)。ただし、譲渡制限付株式には、取締役等が交付を受けることとなる日の属する事業年度経過後3か月(外国会社にあっては6か月)を超える期間、譲渡を禁止する旨の制限が付されていることが必要です。
 臨時報告書を提出する場合、銘柄、発行数、発行価格、勧誘の相手方、相手方と提出会社との取決め内容、譲渡制限付株式と普通株券等の分別管理方法等を記載することが求められています(企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2)。
 なお、発行価額の総額が一億円未満の場合には、原則として、有価証券通知書の提出が求められますが、譲渡禁止条件付新株予約権や譲渡制限付株式を発行会社やその完全子会社等の取締役等のみに対して交付する場合には、有価証券通知書の提出も不要となります(金融商品取引法第4条第1項第1号、第5号、第5項、第6項)。

Q22−1 譲渡制限付株式等を交付された役員等が死亡した場合の税務上の取扱いはどのようになりますか。

 譲渡制限付株式を交付された役員等がその譲渡制限付株式の譲渡制限が解除される前に死亡した場合は、死亡時点において無償取得事由に該当しないことが確定しているかどうかによって税務上の取扱いは次のとおりとなります。
① 死亡時点において無償取得事由に該当しないことが確定している株式(取扱い①)
 所得税法上は、死亡の日のその確定した譲渡制限付株式の価額がその死亡した役員等の譲渡制限付株式に係る収入金額(給与所得又は退職所得)となります(所得税法施行令第84条第1項)。
 法人税法上は、その確定の日にその役員等において給与等課税額が生ずることが確定することとなりますので、その確定の日に役務提供を受けたものとして、その役務提供に係る費用の額は、同日の属する事業年度において損金の額に算入されます。具体的に死亡時点において無償取得事由に該当しないことが確定している株式とは、(a)契約等に基づき自動的に死亡時点において無償取得事由に該当しないことが確定し、譲渡制限解除が行われる株式や、(b)死亡後において取締役会決議等により確認的に譲渡制限解除が行われるものの、それにより無償取得事由に該当しないことが確定するものではなく、契約等に基づき死亡時点において無償取得事由に該当しないことが確定している株式が該当します(脚注1)。
 なお、相続人が相続により取得した無償取得事由に該当しないことが確定している株式は、相続税の課税対象となります(※)。
※ 役員等に交付されていた譲渡制限付株式のうち、その役員等の死亡により無償取得される部分については相続税の課税対象とはなりませんが、後日、税務当局から無償取得が行われた事実の確認を求められる場合があるため、発行会社等が証券会社に提出する無償取得に係る指図書等の写し等、無償取得が行われたことが確認できる書面を、交付法人が相続人に提供してください。
② 死亡時点において無償取得事由に該当しないことが確定していない株式(取扱い②)
 所得税法上は、譲渡制限が解除された時にその死亡した役員等の相続人の収入金額(雑所得又は一時所得)となります。
 具体的に死亡時点において無償取得事由に該当しないことが確定していない株式とは、死亡後の取締役会決議等により譲渡制限解除が行われ、当該決議等の時点に無償取得事由の該当性が判断される株式や、死亡の後の業績条件が確定した時点で譲渡制限解除が行われる株式が該当します。
 取扱い①及び取扱い②における所得税、法人税及び相続税における取扱いは、それぞれ以下の通りです。

Q64−1 業績連動給与として損金に算入したい場合、どのような要件を満たす必要がありますか。

 内国法人(同族会社の場合、非同族法人による完全支配関係があるもの)がその役員に上場株式等を交付する場合で、有価証券報告書に記載された利益、株価、売上高の指標を基礎として客観的に算定される給与であることとされています(⇒Q59、Q60、Q61、Q62を参照)。また、職務執行期間開始日の属する事業年度開始から3月を経過する日(申告期限の延長の指定を受けている場合にはその指定に係る月数に2を加えた月数)等までに、報酬諮問委員会の諮問等で、その算定方法に関する決定手続を経ることとされ、その算定方法の内容を有価証券報告書で開示することとされています(法人税法第34条第1項第3号イ(2)(3)、法人税法施行令第69条第13項〜第18項)(⇒Q65、Q66を参照)。
 なお、「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)」(⇒P17〜P23を参照)では、指名委員会等設置会社以外の会社についても、任意の指名委員会・報酬委員会の利用を検討すべきとの指針を示しています。社長・CEOの指名の局面のみに委員会を利用するのではなく、報酬水準が適正であるかを検討するためにも活用すべきという主旨です。また、中長期的な企業価値向上に向けた報酬体系についての株主等の理解を促すため、企業に業績連動報酬や自社株報酬の導入状況やその内容について、積極的な情報発信としての開示を行うよう指針を示しています。

【業績連動給与の損金算入要件の概要】

① 算定方法が指標に基づく客観的なものであること
② 金銭の場合は確定額、株式又は新株予約権の場合は確定数を限度とすること(※1、2)
③ 他の業務執行役員と同様の算定方法を用いること
④ 算定方法を有価証券報告書等で開示していること
⑤ 算定方法を一定の日までに適正な手続により決定していること
 (※3、4)
⇒指名委員会等設置会社の場合
・法定の報酬委員会による決定であって、以下の要件の全てを満たすもの
イ 当該報酬委員会の委員の過半数が社外取締役である独立職務執行者(以下「独立社外取締役」といいます。独立職務執行者についてはQ64-2参照)であること
ロ 業務執行役員に係る特殊な関係のある者(主に業務執行役員の親族や使用人等をいい、以下「特殊関係者」といいます。)が当該報酬委員会の委員でないこと
ハ 当該報酬委員会の委員である独立社外取締役の全員が当該決定に係る当該報酬委員会の決議に賛成していること
⇒監査等委員会設置会社又は監査役会設置会社の場合(下記いずれかの方法)
・株主総会の決議による決定
・報酬諮問委員会(任意の報酬委員会。3人以上の委員から構成されるものに限ります。)への諮問を経た上での取締役会の決議による決定であって、以下の要件の全てを満たすもの
 イ 当該報酬諮問委員会の委員の過半数が社外取締役又は社外監査役である独立職務執行者(以下、合わせて「独立社外取締役等」といいます。)であること
 ロ 業務執行役員に係る特殊関係者が当該報酬諮問委員会の委員でないこと
 ハ 当該報酬諮問委員会の委員である独立社外取締役等の全員が当該諮問に対する当該報酬諮問委員会の意見に係る決議に賛成していること
 ニ 当該決定に係る給与の支給を受ける業務執行役員が当該報酬諮問委員会の意見に係る決議(ハの決議)に参加していないこと
⑥ 一定期間までに交付又は交付される見込であること
 (※5、6)
⇒金銭による給与の場合
・業績連動指標の数値が確定した日の翌日から一月を経過する日
⇒株式又は新株予約権による給与の場合
・業績連動指標の数値が確定した日の翌日から二月を経過する日
⇒金銭と株式又は新株予約権を合わせた給与の場合
・いずれか遅い日
⇒特定新株予約権又は承継新株予約権による給与で、無償取得され又は消滅する新株予約権の数が役務の提供期間以外の事由により変動するものの場合
・適正な手続の終了日の翌日から一月を経過する日(その一月を経過する日までに、新株予約権が交付又は交付される見込みであることが要件である点に注意(権利行使後の株式交付ではない))
⑦ 損金経理をしていること(損金経理により引当金勘定に繰り入れた金額を取り崩す方法により経理していることを含む)

※1 上記②の限度は、個人ごとでなく役位などごとに定めることも認められます(単年度分あるいは複数年度分のいずれも可)。
※2 株式交付信託において、株式の交付を行うに当たり受託者が一部株式の換価を行い役員に金銭を交付する場合(Q17参照)でも、株式数の上限のみで足ります。
※3 非同族会社の完全子法人の上記⑤の決定は、その非同族会社の報酬委員会等における決定等に従ってするその完全子法人の株主総会又は取締役会の決議による決定とされており、当該報酬委員会等については上記⑤の要件(指名委員会等設置会社の場合はイ及びハ、監査等委員会設置会社又は監査役会設置会社の場合はイ、ハ及びニ)に以下を加えた全ての要件を満たす必要があります。
 > 次に掲げる者(当該非同族会社の業務執行役員を除きます。)が当該報酬委員会等の委員でないこと
(1)当該非同族会社の完全子法人の業務執行役員
(2)当該非同族会社の完全子法人又は当該非同族会社の業務執行役員に係る特殊関係者
※4 平成31年度税制改正前の算定方法の決定手続に係る要件は以下の通りです。

⇒指名委員会等設置会社の場合
・法定の報酬委員会(業務執行役員又は業務執行役員に係る特殊関係者が委員であるものを除く)による決定
⇒監査等委員会設置会社の場合(下記いずれかの方法)
・株主総会の決議による決定
・任意の報酬委員会(3人以上の外部委員から構成されており、業務執行役員又は業務執行役員に係る特殊関係者が委員であるものを除く)への諮問を経た上での取締役会の決議による決定
・取締役会の決議による決定(監査等委員である取締役の過半数の賛成が必要、業務執行役員に係る特殊関係者が監査等委員である会社を除く)
⇒監査役会設置会社の場合(下記いずれかの方法)
・株主総会の決議による決定
・任意の報酬委員会(3人以上の外部委員から構成されており、業務執行役員等が委員であるものを除く)への諮問を経た上での取締役会の決議による決定
・取締役会の決議による決定(監査役の過半数の適正書面の提出が必要、監査役に業務執行役員に係る特殊関係者が含まれる場合を除く)

※5 交付時期について、複数年度の途中で退任した場合も、複数年度終了まで交付しないとすることも考えられます。また、途中退任後速やかに交付するとした場合には、退任の直前の事業年度の数値等により退任時に指標が確定することを予め定め、その退任による指標確定日から一定期間内に交付することになります。
※6 単年度の業績連動指標の数値を複数年度にわたり累積した数値を用いて交付する株式の数が確定する場合における法人税法施行令第69条第19項第1号イ(2)の「業績連動指標の数値が確定した日」は、指標の数値が最終的に確定した日、すなわち最終年度における業績連動指標の数値が確定した日になると考えられます。

脚注1 「Ⅳ.譲渡制限付株式割当契約書(例)」では、本文に(a)の場合、脚注5に(b)の場合を記載しています。

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索