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会社法ニュース2021年02月26日 配当落、基準日2営業日前は当然の前提(2021年3月1日号・№872) 特別配当を受ける株式購入期限を巡り株主が損害賠償請求も棄却

  • 特別配当を受けるための株式購入期限を巡り株主が注意喚起をしなかったと会社に対し損害賠償請求するも棄却。
  • 特別配当を受けるための株式購入期限は基準日の2営業日前。市場参加者には当然の前提。

 本件は、株主(原告)が東証1部上場の建設業を営む会社(被告)の株式を購入したものの、同社が特別配当を受けるための株式の購入期限が令和2年3月4日である旨の記載を公開書面に記載せず注意喚起をしなかったため、特別配当金130万円を得ることができなかったとして、同社に対し不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。
 同社は、A社による同社の普通株式を対象とする公開買付けに対して反対の意見表明をし、令和2年3月6日を基準日と定めた上で基準日時点の同社の株主に対し株式1株当たり650円の特別配当を行うこととした。東京証券取引所の業務規程等では、同取引所の株式の普通取引について、配当落又は権利落とする期日を権利確定日(基準日)の前日と定め、同期日以後に締結した売買契約は配当落又は権利落として決済するものとされているが、被告は、業務規程等は単なる平常時における一般的な業務規程であり、特別配当にはほとんど関係ないなどと主張していた。
 東京地裁(向井敬二裁判官)は、東京証券取引所における株式の普通取引に係る権利落日は業務規程等に明示的に定められており、これによれば、東京証券取引所における普通取引によって株式を取得する場合において、株主としての権利を行使するためにはその2営業日前までに株式を取得する必要があり、これを過ぎて株式を取得した場合には当該権利を行使することができないことは明らかであると指摘。本件業務規程等は公開されていることから、原告は被告の株主として、被告から特別配当を受けるために被告の株式の購入期限が基準日(令和2年3月6日)の2営業日である同月4日であることを容易に知り得たとし、また、業務規程等は東京証券取引所の市場における有価証券の売買に関して必要な事項を定めたもので一律に適用され、同取引所における有価証券の売買に参加する者にとっては当然の前提となるものといえるとした。
 加えて業務規程等とは別に被告において独自に公開書面に被告から特別配当を受けるための被告の株式の購入期限が令和2年3月4日である旨の記載をし、その旨の注意喚起をする義務を生じさせるような事情は認められないとし、原告の請求を斥けた(令和3年2月10日判決)。

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