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資料2021年03月24日 【税務通達等】 企業が特定のCSOに対し寄附することを希望して支出する寄附金に係る法人税法上の取扱いについて 福岡局(国税庁ホームページ)

企業が特定のCSOに対し寄附することを希望して支出する寄附金に係る法人税法上の取扱いについて

取引等に係る税務上の取扱い等に関する照会(同業者団体等用)

照会
照会者 ①(フリガナ)
 団体の名称
(サガケン ケンミンカンキョウブ ケンミンキョウドウカ)
 佐賀県 県民環境部 県民協働課
②(フリガナ)
 代表者等
(カチョウ スエイシ ミワコ)
 課長 居石 美和子
照会の内容 ③ 事前照会の趣旨(法令解釈・適用上の疑義の要約及び事前照会者の求める見解の内容)  別紙のとおり
④ 事前照会に係る取引等の事実関係(取引等関係者の名称、取引等における権利・義務関係等)  別紙のとおり
⑤ ④の事実関係に対して事前照会者の求める見解となることの理由
 別紙のとおり
⑥ 関係する法令条項等 法人税法第37条
法人税基本通達9-4-4
租税特別措置法42条の12の2、68条の15の3
⑦ 添付書類  


回答
⑧ 回答年月日 令和3年3月22日 ⑨ 回答者 福岡国税局審理官

⑩ 回答内容  標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。
 ただし、次のことを申し添えます。
(1) この文書回答は、ご照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答ですので、個々の納税者が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。
(2) この回答内容は福岡国税局としての見解であり、照会者の構成事業者等の申告内容等を拘束するものではありません。




別紙

企業が特定のCSOに対し寄附することを希望して支出する寄附金に係る法人税法上の取扱いについて

Ⅰ 照会の趣旨
 本県においては、CSO (Civil Society Organizations市民社会組織の略で、NPO法人、市民ボランティア団体等)の活動推進による協働社会づくりのため、個人によるふるさと納税(NPO等指定寄附)を活用して県内CSOの資金調達を支援するなど、CSOの経営基盤強化や活動活性化に取り組んでいます。(具体的には、県が登録した県内CSOの中から、寄附者が応援したい団体を指定して県に寄附をし、寄附者がふるさと納税の税額控除等の適用を受け、県に寄せられた寄附金を「佐賀県ふるさと寄附金基金」に積み立て、これを取り崩して原則として寄附者が指定したNPO法人等へ交付するというものです。)
 このような中、本県で活躍しているNPO法人から、新たに、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)を活用した資金調達に取り組み、更なる活動推進及び地域課題解決の推進を図りたいとの声があがりました。
 ついては、行政での実施が難しく、CSOだからこそ実施できる地域課題解決につながる取組を県が寄附事業として設定し、その取組を行うCSOへの寄附金につき企業版ふるさと納税を活用して募集するスキームの構築を検討しています。
 具体的には、企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業として、県内CSOを対象に、企業版ふるさと納税を活用して実施する地域課題解決につながる事業を公募し、県で審査・採択します。県で採択事業への寄附募集を広報するとともに、事業実施主体のCSOが採択事業への寄附を企業へ働きかけ、企業が当該CSOが実施する採択事業を指定して県へ寄附を行い、この寄附金を原資として、県から採択事業を実施するCSOへ寄附金として交付します。そして、寄附金を支出した企業のうち、本県に本店が所在する企業は法人税法第37条第3項の規定によりその支出金額の全額が損金算入となり、本県外に本店が所在する企業は、法人住民税や法人事業税の税額控除のほか租税特別措置法第42条の12の2又は第68条の15の3の規定による法人税額の特別控除の適用により、法人税法第37条第3項の損金算入による法人税の軽減効果と合わせて最大で寄附額の約9割が軽減され実質的な企業の税負担が約1割になる、というものです。
 ところで、法人税基本通達9-4-4(最終的に国等に帰属しない寄附金)では「国等に対して採納の手続を経て支出した寄附金であっても、その寄附金が特定の団体に交付されることが明らかである等最終的に国等に帰属しないと認められるものは、国等に対する寄附金には該当しないことに留意する。」(以下、本通達の寄附金に該当する寄附を「トンネル寄附」という。)とされています。
 本県において導入を予定している事業は、企業が特定のCSOへ寄附することとなる採択事業を指定して県に対する寄附を行うことから、上記法人税基本通達のトンネル寄附に該当し、本県に対する寄附には該当しないのではないかとも考えられます。
 本県としては、企業が特定のCSOへ寄附することを希望して支出する寄附金についての取扱いを明らかにすることにより、県内CSOの活動に対する企業からの資金協力を得やすくし、CSO活動の更なる推進や地域課題解決の推進を図りたいと考えております。
 つきましては、本件企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業に対して企業が支出する寄附金が、法人税法第37条第3項第1号の「国又は地方公共団体に対する寄附金」に該当するものと解して差し支えないか、また、当該寄附金は、佐賀県外本店の企業であれば、租税特別措置法第42条の12の2第1項又は第68条の15の3第1項に規定する特定寄附金に該当するものと解して差し支えないか、照会申し上げます。
 なお、本件の照会に当たっては、以下を前提とします。
・ 寄附金の募集に応じて支出される寄附金は、その寄附をした者がその寄附によって設けられた設備を専属的に利用することその他特別の利益がその寄附をした者に及ぶと認められるものではありません。
・ 本県は、企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業に対する寄附を行う法人企業に対し、その寄附を行うことの代償として経済的な利益を供与するものではありません。
・ 本件企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業において県が法人企業から採納する寄附金については、地方自治法第96条第1項第9号に規定する負担付きの寄附に該当するものではありません。

Ⅱ 照会に係る取引等の事実関係
「企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業」について

1 事業の流れ
① 県の県民協働課において県内CSOを対象に、「企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決事業」を公募する。
(1) 応募団体
・佐賀県内に事務所を置き活動しているCSO
・単体での応募のほか、複数団体による協働チームの応募も可
(2) 対象事業
・佐賀県における地域課題の解決を目的とし、CSOが自らの創意工夫により実施する事業で、地域課題解決のモデルとなることが期待できる事業
・特定非営利活動促進法別表(第2条関係)に掲げる活動に該当する事業又はその他社会貢献を行う分野の事業
・県民の便益につながる事業
・企業寄附が見込める事業
② 県において審査委員会を開催し事業を採択する。
(1) 審査基準
・具体性:特定非営利活動促進法別表(第2条関係)に掲げる活動に該当する事業又はその他社会責献を行う分野の事業であり、事業内容が具体的であるか
・補完性:行政では届きにくい部分を担う公益的な事業となっているか、県民の便益につながる事業であるか
・妥当性:事業内容に見合った適正な経費で積算されているか
・実現性:企業寄附の見込みがあるか
企業寄附が計画より少なかった場合であっても、実施主体のCSOの自己資金を用いるか若しくは、事業を縮小したり経費節減を図る等して事業を遂行することができるか
・波及効果:企業寄附を活用した地域課題解決のモデルとなるような事業であるか
(2) 募集事業が採択された場合、応募したCSOが事業を実施する。1つの採択事業の実施主体は1つのCSO又は協働チームとする。
(3) 採択事業数
2~4事業
③ 採択事業への企業寄附の募集を開始する。
 採択した「企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業」を県ホームページに公開する。
・採択事業の名称及び内容と実施主体の団体名を公開
④ 「企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業」を予算化する。
・原則として、寄附募集を開始する年度の翌年度の当初予算において、採択事業の実施に係る「企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業」を、議会の議決を経て予算化する。
※寄附募集を開始する年度中に採択事業を実施する場合は、同年度の補正予算において議会の議決を経て予算化する。
⑤ 企業が県へ寄附金を支出し、県で採納する。
(1) 企業は、応援したい採択事業を指定し、採択事業における事業費の範囲内の寄附金を県に支出。
(2) 県で寄附金を採納し、寄附金を支出した企業に対し、受領証(地域再生法施行規則第14条による別記様式第3 )を交付。
⑥ 寄附金を全額、「佐賀県ふるさと寄附金基金」に積み立てる。
※寄附金を受領した年度内に事業主体へ交付する場合は、基金に積み立てない。
※「佐賀県ふるさと寄附金基金」には、現在、ふるさと納税の寄附金を積み立てている。
今後、企業版ふるさと納税の寄附金が積み立て可能となるように基金条例を改正予定。
⑦ 基金を取り崩し、採択事業の事業主体であるCSOへ寄附金として交付
(1) 基金に積み立てた寄附金は採択事業の事業主体であるCSOへの交付に充てる。
(2) 採択事業の事業主体であるCSOは、企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業に係る寄附金交付要綱に基づき、基金に積み立てられた額(それぞれの採択事業毎)を上限として、寄附金の交付申請手続きを行う。
(3) 寄附金の交付申請に当たっては、採択事業の実施主体は寄附金交付申請書に事業計画書と予算書を添付して提出する。
(4) 県は、予算の範囲内で事業主体のCSOに寄附金を交付。
⑧ 事業主体のCSOが県から交付された寄附金を活用し、採択事業を実施
⑨ その他
・県は、交付先のCSOが、寄附金を不正な用途に使用した場合や交付後に生じた事情の変更により、寄附金を交付することが適当でないと判断した場合等は、寄附金の全部又は一部を取消すことができます。取消しにより返還された寄附金については県民協働課が実施する県民協働に係る事業に充当します。
・事業主体のCSOは、交付された寄附金の活用実績について記載した実績報告書を県へ提出することとし、この実績報告書は県ホームページに掲載します。
・寄附金の活用について必要があると認めるときは、交付先CSOに対し、報告の求め又は実地に調査することができます。
※ 寄附金として交付することについて(⑦の補足)
 採択事業の実施にあたっては、事業主体のCSOがより柔軟に使いやすいよう寄附金として交付することにより、CSOが採択事業に取り組みやすくするとともに事務処理等の負担軽減を図ることとしています。
 一方、寄附金交付要綱により一定の手続きを経て交付することとし、採択事業の実施状況を県が把握することができるようにしています。
2 まち・ひと・しごと創生寄附活用事業の該当性について
上記1の①~⑨の流れで行う「企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業」は、以下により、租税特別措置法第42条の12の2第1項に規定するまち・ひと・しごと創生寄附活用事業に該当するものです。
・佐賀県まち・ひと・しごと創生推進計画は、第55回地域再生計画の認定(令和2年3月31日)において、内閣府の認定を受けています。
・当該事業は、佐賀県総合戦略(佐賀県総合計画2019)において「6 自発の地域づくりさが(3)県民協働 ①多様な主体による協働社会づくり」に位置づけられる事業です。

Ⅲ Ⅱの事実関係に対して照会者の求める見解となることの理由
 法人税基本通達9-4-4のトンネル寄附とは、形式的には国等で採納されるといった手続きを経ているものであっても、実質的に寄附者から特定の団体等に交付されていると認められるものをいいます。したがって、トンネル寄附に該当するかどうかは、国又は地方公共団体等が採納した寄附金について、国又は地方公共団体がどのように判断し、交付しているかを、実質面からみて判断することとなると考えられます。
 本件の「企業版ふるさと納税活用型CSO地域課題解決支援事業」(以下「CSO地域課題解決支援事業」という。)は、次に掲げる事項からすれば、企業からの寄附金を採納した本県の事業として実施するものであり、また、本県が自ら寄附金の支出先を決定しているものと認められることから、上記のトンネル寄附(法基通9-4-4)には該当しないものと考えます。
・本県のホームページ及び本県が作成する企業版ふるさと納税のパンフレットにおいて、CSO地域課題解決支援事業における採択事業の名称及び採択事業の実施主体であるCSOの名称を紹介し、CSO地域課題解決支援事業は本県の事業であることを明示して、寄附募集を広く広報すること(上記Ⅱ1③)。
・寄附金交付の対象となる事業は、県が開催する審査委員会による審査を経て、県が採択するものであること(上記Ⅱ1②)。
・寄附企業が希望する団体が、一定の事情に至った場合には、県民協働課が実施する県民協働に係る事業への寄附として使用されること(上記Ⅱ1⑨)。
・CSO地域課題解決支援事業に対して支出された寄附金は、「佐賀県ふるさと寄附金基金」に積み立てられることとされていること(上記Ⅱ1⑥)。
・企業から採納する寄附金は、地方自治法上の負担付きの寄附に該当するものではなく、また、県の議会の議決(歳入歳出予算の議決)(地方自治法(以下「法」という。)第96条第1項第2号)に基づき収入(法第231条)し、CSOへ寄附される金額として支出(法第232条の4第2項)することとされているとともに、決算においては、監査委員の審査・議会の認定・住民への公表等(法第233条)が行われることとなること(上記Ⅱ1⑤、⑦)。
 したがって、本件CSO地域課題解決支援事業に対して企業が支出する寄附金については、法人税法第37条第3項第1号の「国又は地方公共団体に対する寄附金」に該当すると考えられます。
 また、県外に本店が所在する企業が、本件CSO地域課題解決支援事業に対して支出した寄附金は、租税特別措置法第42条の12の2第1項又は第68条の15の3第1項に規定する特定寄附金に該当すると考えられます。

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