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税務ニュース2022年02月11日 アレンジメント・フィーは一時の損金に(2022年2月14日号・№918) 審判所、「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」に該当せず

  • LBOを目的とする資金の借入れを行うために金融機関に支出したアレンジメント・フィーの効果が支出の日以後1年以上に及ぶものか争われた裁決(令和3年4月27日)。
  • 審判所は、アレンジメント・フィーは金銭消費貸借契約の調印という成果はもたらしたが、「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」には該当しないと判断。

 本件は、請求人(非鉄金属製造業)が適格合併により、被合併法人の長期前払費用及び前払費用を合併承継資産として引き継ぎ、その後の事業年度において損金の額に算入し、法人税の確定申告を行ったが、原処分庁が長期前払費用等は被合併法人の適格合併直前の事業年度の欠損金額に加算すべきものであり、請求人の合併承継資産とはならず、請求人の損金の額に算入することはできないとして更正処分を行ったもの。請求人は、長期前払費用等の基となるアレンジメント・フィーは、LBO(レバレッジド・バイアウト)を目的とする資金の借入れを行うためのアレンジメント業務を依頼した金融機関に対し支出したものであり、その支出により調達した資金によりLBOが実行され、成長投資が実行されることで、請求人の収益が増加することが計画されていたのであるから、法人税法2条24号(繰延資産)に規定する「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」に該当するとして、原処分の全部の取消しを求めた。
 審判所は、「支出の効果」とは費用収益対応の原則における「収益の発生」を意味し、「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」というのは、費用収益対応の原則の下、費用の支出が1年以上に及び継続的な収益を発生させる性質を有するものと解するのが相当であるとした。
 その上で審判所は、アレンジメント・フィーの支出の根拠となるものは覚書以外には存在せず、その内容の解釈に当たっては、処分証書である覚書に即して客観的に判断されるべきものであると指摘。覚書によると、アレンジメント業務は、資金調達スキームの構築に係る業務、契約の作成、各種契約調印等であり、金融機関との金銭消費貸借契約が締結された日をもって完了したと認められることから、審判所は、アレンジメント・フィーの支出は金銭消費貸借契約等の調印・交付という成果はもたらしたものの、請求人の非鉄金属製造業において「収益の発生」をもたらしたとまでは認めることができないとし、「支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶもの」には該当しないとの判断を示した。

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