税務ニュース2020年04月10日 再公売による見積価額、低廉とは認めず(2020年4月13日号・№830) 審判所、公売が複数回不成立になった事実は市場性が劣ると判断
本事案は、請求人が所有する土地(本件各土地)について公売を実施し、最高価申込者の決定処分を行ったのに対して、請求人が、最高価申込価額は任意売却を申し入れた際の金額等と比較して低廉であるため、当該決定処分は違法である旨主張し、原処分の取消しを求めたもの。
徴収法107条2項は、「公売に付する場合において、必要があると認めるときは、公売財産の見積価額の変更……ができる旨規定している」としており、これを受けた徴収法基本通達107条関係1-2においては「公売に付しても入札者等がない事実は、その公売財産の市場性が劣ることを示す合理的な理由の一つであることから、再公売を行う場合には、……市場性減価は、直前の基準価額のおおむね30%程度の範囲内とする」と定めている。
それを踏まえて審判所は、本件各土地は不動産鑑定士による評価(本件鑑定評価額)を元に、公売特殊性減価として30%を減価した上で公売を実施したが、入札者がいなかったため、市場性減価事由があるとして、基準価額である本件鑑定評価額から市場性減価として30%を減価した算出過程に不合理な点は認められないとの見解を示した。さらに、2回にわたって本件各土地の公売を実施したものの、いずれも入札がなく、市場性減価事由があるとして、基準価額である本件鑑定評価額から市場性減価として30%を減額したことについては、最初の見積価額から2回の市場性減価を入れたことで、見積価額を比較すると約半値となっていたが、当該公売がいずれも不成立となった事実は、本件各土地が見積価額によっては需要がなく、市場性が劣ることを示しているといえるものであるとの判断を示した。
審判所は、本件各土地の公売は徴収法107条2項や徴収法基本通達107条関係1-2を根拠として、強制売却であること等による公売特殊性減価した上で算出されたものであると指摘。原処分庁が2回にわたって市場性減価として30%を減価したことは、合理性を欠くものであるとはいえないとの判断を示し、請求人の主張を斥けた。
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