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税務ニュース2026年02月20日 金購入に係る借入利子は取得費にならず(2026年2月23号・№1112) 納税者の主張立証なければ、譲渡価額の5%超の取得費はなしと推認

  • 金地金を購入するための借入金利子は取得費への算入不可。
  • 取得費の主張立証責任は納税者に。

 地政学リスクの上昇を背景に金の価額高騰が続く中、借入金を原資に金地金を購入するケースがあるが、この場合に問題となるのが、借入金の利子を金地金の取得費に算入できるのかという点だ。
 所得税法上、金地金は同法施行令5条《固定資産の範囲》4号に規定する「前3号に掲げる資産に準ずるもの」に該当し、固定資産に当たる。したがって、金地金の取得は「固定資産の取得」に該当し、その取得費については所得税基本通達38−8《取得費等に算入する借入金の利子等》及び38−8の2《使用開始の日の判定》が適用される(平27年6月1日 名裁(所)平26−39)。また、金地金は「取得した時」にその財産的価値の全てを享受できるため、同38−8の2(3)にいう「書画、骨とう、美術工芸品などその資産の性質上取得の時が使用開始の時であると認められる資産」に当たる。すなわち、金地金については、所得税基本通達38−8の「その資金の借入れの日から当該固定資産の使用開始の日までの期間」はないことになる。したがって、借入金を原資として取得した金地金を譲渡した場合、その借入の日から譲渡の日までに支払った借入金の利子を金地金の取得費(所得税法38条1項における「資産の譲渡に要した金額」)に算入することはできない。
 また、本誌取材により、金地金の譲渡所得の申告を失念していたため課税処分を受けた事例も把握されている。この事例で問題になったのが、取得費の立証責任だ。課税処分の取消訴訟では、原則として、税務署(被告)がその課税要件事実について主張立証責任を負い、譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費(所法38①)についても、税務署が主張立証責任を負う。しかし、譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費は、不動産所得や事業所得における必要経費等と同様、所得算定の減算要素であり「納税者に有利」に働く上、資産の取得は納税者の支配領域内の行為であることから、取得費の額の主張立証は、通常、納税者たる原告の方が被告よりも容易にできる。このため、被告が主張する額(譲渡価額の5%相当額(所基通38−16))を超える資産の取得費が存在することを原告が積極的に主張立証しない場合には、上記の額を超える資産の取得費は存在しないことが事実上推認される(大阪地裁平成28年10月13日判決)。したがって、納税者が譲渡した金地金の取得価額を立証できない限り、課税処分の取り消しは認められない。

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