有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律施行規則
昭和四十九年九月二十六日 厚生省 令 第三十四号

有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律施行規則の一部を改正する省令
平成二十一年三月二十六日 厚生労働省 令 第四十六号

-本則-
-改正附則-
-その他-
有害物質 家庭用品 基準
塩化水素又は硫酸 住宅用の洗浄剤で液体状のもの(塩化水素又は硫酸を含有する製剤たる劇物を除く。) 左に掲げる家庭用品は、次の試験に適合しなければならない。
試料1ml中の塩化水素又は硫酸を中和するのに要する0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液の消費量が、家庭用品に含まれる劇物の定量方法及び容器又は被包の試験方法を定める省令(昭和47年厚生省令第27号)別表第1に定める方法により定量した場合において30ml以下でなければならない。
塩化ビニル 家庭用エアゾル製品 左に掲げる家庭用品は、次の試験に適合しなければならない。
噴射口を次の図に示すガス捕集装置の吸入口Aにシリコンゴム管で連結し、活せんB及びCを開き、約5秒間試料を噴出させたのち、直ちに活せんB及びCを閉じ、ガス分を分液漏斗Dに捕集する。このガス分を約13.3kPaに減圧した赤外吸収スペクトル測定用ガスセル(層長10cmのもの)に導入し、赤外吸収スペクトルを測定するとき、1,620cm-1、1,600cm-1、730cm-1及び710cm-1のすべてに塩化ビニルに特有の吸収が認められることがあつてはならない。
《図始》図〔省略〕《図終》
4,6―ジクロル―7―(2,4,5―トリクロルフエノキシ)―2―トリフルオルメチルベンズイミダゾール 繊維製品のうち、おしめカバー、下着、寝衣、手袋、くつした、中衣、外衣、帽子、寝具及び床敷物家庭用毛糸 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その約0.5gを精密に量り採り、50mlの共せん付き遠沈管に入れ、10%水酸化ナトリウム溶液10mlを加え、3時間放置して溶解する。次に、この液にエチルエーテル10mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、1分間4,000回転で10分間遠心分離を行い、エチルエーテル層を分取する。この操作を更に3回繰り返し、全エチルエーテル層を合わせる。これに硫酸ナトリウム(無水)約5gを加えてよく振り混ぜた後、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液を100mlのナス型フラスコに採り、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でエチルエーテルを除去する。
(2) N-メチル化
(1)の残留物に1mol/1水酸化ナトリウム溶液10ml及びジメチル硫酸1mlを加え、10分間放置する。次に、この液を50ml共せん付き遠沈管に移し、ヘキサン10mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、1分間4,000回転で2分間遠心分離を行い、ヘキサン層を分取する。この操作を更に3回繰り返し、全ヘキサン層を合わせる。これに硫酸ナトリウム(無水)約5gを加えてよく振り混ぜた後、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液を100mlのナス型フラスコに採り、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でヘキサンを除去する。残留物にアセトン10mlを正確に加えて溶かし、これを試験溶液とする。
2 試験
電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液及び4,6-ジクロル-7-(2,4,5-トリクロルフエノキシ)-2-トリフルオルメチルベンズイミダゾール(以下「DTTB」という。)のN-メチル化体標準液を正確にそれぞれ1μl採り、次の操作条件1及び2で試験を行い、得られたクロマトグラムのピークを比較する。DTTBのN-メチル化体標準液の保持時間と一致する保持時間を持つピークが、いずれの操作条件においても存在する場合は、そのピークについていずれか適切な条件のもとに得られたクロマトグラム上で試験溶液のピーク面積P及びDTTBのN-メチル化体標準液のピーク面積Pを測定する。このとき、次式により計算する試料1gについてのDTTB含有量は30μg以下でなければならない。
《数式始》試料1gについてのDTTB含有量(μg)=K×(P÷P)×10×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:DTTBのN-メチル化体標準液のDTTBとしての濃度(μg/ml)
操作条件1
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、アルコール性塩基で洗い、更に精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシリル化処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンゴムを2%含ませる。
カラム管 内径3mm 長さ1,500mmのガラス管を用いる。
カラム温度 200℃
試験溶液注入口及び検出器温度 250℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。DTTBのN-メチル化体が約11.7分及び12.4分で流出する流速に調整する。
操作条件2
次に示す操作条件以外は、操作条件1に示すところによる。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用50%フエニルシリコンを1.5%、ガスクロマトグラフ用50%トリフルオルプロピルシリコンを2%含ませる。
カラム温度 225℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。DTTBのN―メチル化体が約15.9分及び19.3分で流出する流速に調整する。
3 試薬、標準液等
(1) 10%水酸化ナトリウム溶液
水酸化ナトリウム(日本工業規格試薬特級)100gを精製水に溶かし、1,000mlとしたものを用いる。
(2) エチルエーテル
次の試験に適合するエチルエーテルを用いる。
エチルエーテル300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のエチルエーテル以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ-BHCが示すピークの高さ以下でなければならない。
(3) 硫酸ナトリウム(無水)
次の試験に適合する硫酸ナトリウム(無水)を用いる。
硫酸ナトリウム(無水)を20g採り、ヘキサン100mlに懸濁する。1分間振り混ぜた後10分間静置する操作を6回繰り返した後、ヘキサンを分取する。更にこの硫酸ナトリウム(無水)をヘキサン少量で洗い、洗液をこれに合わせる。このヘキサンの全量をロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のヘキサン以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ-BHCが示す高さ以下でなければならない。
(4) 1mol/l水酸化ナトリウム溶液
水酸化ナトリウム(日本工業規格試薬特級)40gを精製水に溶かし、1,000mlとしたものを用いる。
(5) ジメチル硫酸
日本工業規格試薬1級を用いる。
(6) ヘキサン
次の試験に適合するヘキサンを用いる。
ヘキサン300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のヘキサン以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ-BHCが示すピークの高さ以下でなければならない。
(7) アセトン
次の試験に適合するアセトンを用いる。
アセトン300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のアセトン以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ-BHCが示すピークの高さ以下でなければならない。
(8) DTTB標準品
無色粒状結晶。融点は156~158℃である。
(9) DTTBのN-メチル化体標準液
DTTB標準品10mgを正確に量り採り、アセトンに溶かし正確に500mlとする。その液1mlを正確に採り、溶媒を除去し、1 試験溶液の調整(2) N-メチル化の場合と同様に操作して得られたアセトン溶液をDTTBのN-メチル化体標準液とする。用時調整する。
(10) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(11) 6mol/l塩酸
塩酸(日本工業規格試薬特級)を精製水で約2倍に薄めたものを用いる。
(12) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(13) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
ジベンゾ[a,h]アントラセン クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤及び木材防虫剤 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
試料約0.5gを正確に量り採り、これをシリカゲルを充てんしたミニカートリツジカラムに流し込み、50mlのナス型フラスコに採る。さらに、そのミニカートリツジカラムにジクロルメタン10mlを流し込み、前述のナス型フラスコに加える。その液について、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で約2mlになるまでジクロルメタンを除去し、これをメスフラスコに移し、ジクロルメタンを加えて全量を正確に5mlとしたものを試験溶液とする。
2 試験
ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。試験溶液及びジベンゾ[a,h]アントラセン標準液2mlをそれぞれ正確に試験管に採り、内部標準液0.5mlを加え、それぞれの試験管から1μlを採り、次の操作条件で試験を行う。試験溶液を測定し、得られたクロマトグラム上で、標準液のジベンゾ[a,h]アントラセンのモニターイオンのピークと保持時間が一致するピークが存在する場合は、ジベンゾ[a,h]アントラセンに相当するピーク面積の内部標準物質のピーク面積に対する比(Rt)を求める。同時に、標準液において得られたクロマトグラム上でのジベンゾ[a,h]アントラセンのピーク面積の内部標準物質のピーク面積に対する比(Rs)を求める。このとき、次式により計算する試料1gについてのジベンゾ[a,h]アントラセンの量は、10μg以下でなければならない。
《数式始》試料1gについてのジベンゾ[a,h]アントラセンの含有量(μg)=K×Rt÷Rs×5×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:ジベンゾ[a,h]アントラセン標準液の濃度(μg/ml)
操作条件
カラム管 内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μmの5%フエニルメチルポリシロキサンを液相とするキヤピラリーカラムを用いる。
カラム温度 60℃で2分間保持し、その後毎分25℃で昇温し、300℃に到達後6分間保持する。
試験溶液注入口温度 280℃
キヤリヤーガス 高純度ヘリウムを用いる。ジベンゾ[a,h]アントラセンが約15~16分で流出する流速に調整する。
注入方法 スプリツトレス方式
(スプリツト保持時間4.5分)
モニターイオン 原則として「ジベンゾ[a,h]アントラセン278」を選択すべきであるが、使用する装置、カラム等により、対象とする物質に特異性が高く、かつ、イオン強度が高いフラグメントイオンを適切に選択することが望ましい。
3 試薬、標準液等
(1) ジクロルメタン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(2) ジベンゾ[a,h]アントラセン標準液
ジベンゾ[a,h]アントラセン0.010gを正確に量り採り、ジクロルメタンを加えて溶かし、正確に100mlとする。その1mlを採り、ジクロルメタンを加えて正確に100mlとしたものをジベンゾ[a,h]アントラセン標準液とする。
(3) 内部標準液
内部標準物質として、そのモニターイオンが対象物質に含有される他の多環芳香族炭化水素等のフラグメントイオンとクロマトグラム上で重複しないようなものを選択する。アセナフテン-d10、フエナントレン-d10、クリセン-d12等を用いることができる。その内部標準物質0.010gを正確に量り採り、ジクロルメタンを加えて溶かし、正確に100mlとする。その5~20mlを採り、ジクロルメタンを加えて正確に100mlとしたものを内部標準液とする。
(4) 高純度ヘリウム
純度99.999%以上のものを用いる。
クレオソート油及びその混合物で処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
試料の表面部分を削り取り細かく刻んだもの約1.0gをガラス管に採り、ジクロルメタン20mlを加えて、37℃で24時間静置して抽出する。抽出液はろ紙でろ過し、100mlのナス型フラスコに採る。抽出後の試料はジクロルメタン10~20mlで洗い、この洗液を前述のろ液に合わせる。その液について、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で約2mlになるまでジクロルメタンを除去し、これをシリカゲルを充てんしたミニカートリツジカラムに流し込み、50mlのナス型フラスコに採る。さらに、そのミニカートリツジカラムにジクロルメタン10mlを流し込み、前述のナス型フラスコに加える。その液について、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で約2mlになるまでジクロルメタンを除去し、これをメスフラスコに移し(試料中に対象物質が高濃度で含まれると認められる場合は、この除去操作を行わず、一定量の溶出液を直接メスフラスコに採る。)、ジクロルメタンを加えて全量を正確に5mlとしたものを試験溶液とする(検量線の範囲に収まるように、適宜ジクロルメタンで希釈する。)。
2 試験
ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。試験溶液及びジベンゾ[a,h]アントラセン標準液2mlをそれぞれ正確に試験管に採り、内部標準液0.5mlを加え、それぞれの試験管から1μlを採り、次の操作条件で試験を行う。試験溶液を測定し、得られたクロマトグラム上で、標準液のジベンゾ[a,h]アントラセンのモニターイオンのピークと保持時間が一致するピークが存在する場合は、ジベンゾ[a,h]アントラセンに相当するピーク面積の内部標準物質のピーク面積に対する比(Rt)を求める。同時に、標準液において得られたクロマトグラム上でのジベンゾ[a,h]アントラセンのピーク面積の内部標準物質のピーク面積に対する比(Rs)を求める。このとき、次式により計算する試料1gについてのジベンゾ[a,h]アントラセンの量は、3μg以下でなければならない。
《数式始》試料1gについてのジベンゾ[a,h]アントラセンの含有量(μg)=K×Rt÷Rs×5×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:ジベンゾ[a,h]アントラセン標準液の濃度(μg/ml)
操作条件
カラム管 内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μmの5%フエニルメチルポリシロキサンを液相とするキヤピラリーカラムを用いる。
カラム温度 60℃で2分間保持し、その後毎分25℃で昇温し、300℃に到達後6分間保持する。
試験溶液注入口温度 280℃
キヤリヤーガス 高純度ヘリウムを用いる。ジベンゾ[a,h]アントラセンが約15~16分で流出する流速に調整する。
注入方法 スプリツトレス方式
(スプリツト保持時間4.5分)
モニターイオン 原則として「ジベンゾ[a,h]アントラセン278」を選択すべきであるが、使用する装置、カラム等により、対象とする物質に特異性が高く、かつ、イオン強度が高いフラグメントイオンを適切に選択することが望ましい。
3 試薬、標準液等
(1) ガラス管
内容量30~50mlで密せんのできるもの。
(2) ジクロルメタン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(3) ジベンゾ[a,h]アントラセン標準液
ジベンゾ[a,h]アントラセン0.010gを正確に量り採り、ジクロルメタンを加えて溶かし、正確に100mlとする。その1mlを採り、ジクロルメタンを加えて正確に100mlとしたものをジベンゾ[a,h]アントラセン標準液とする。
(4) 内部標準液
内部標準物質として、そのモニターイオンが対象物質に含有される他の多環芳香族炭化水素等のフラグメントイオンとクロマトグラム上で重複しないようなものを選択する。アセナフテン-d10、フエナントレン-d10、クリセン-d12等を用いることができる。その内部標準物質0.010gを正確に量り採り、ジクロルメタンを加えて溶かし、正確に100mlとする。その5~20mlを採り、ジクロルメタンを加えて正確に100mlとしたものを内部標準液とする。
(5) 高純度ヘリウム
純度99.999%以上のものを用いる。
(6) ろ紙
日本工業規格に規定される化学分析用のものを用いる。
水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム 家庭用の洗浄剤で液体状のもの(水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを含有する製剤たる劇物を除く。) 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
試料約5gを精密に量り採り、50mlのメスフラスコに入れ、精製水を加えて正確に50mlとする。その10mlを正確に採り、かき混ぜながら3%過酸化水素水10mlを滴下した後、直火で2分間煮沸し、これを試験溶液とする。
2 試験
試験溶液を、メチルオレンジ試薬2滴を指示薬として0.1mol/l塩酸で滴定する。このとき、滴定に要した0.1mol/l塩酸の消費量をV(ml)とする。別に3%過酸化水素水10mlを採り、直火で2分間煮沸した後、同様に操作したとき滴定に要した0.1mol/l塩酸の消費量をVo(ml)とする。このとき、次式により計算する試料1g中の水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを中和するのに要する0.1mol/l塩酸消費量は13ml以下でなければならない。
《数式始》試料1g中の水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを中和するのに要する0.1mol/l塩酸消費量(ml)=(V-Vo)F×5×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、F:0.1mol/l塩酸の力価
3 試薬、標準液等
(1) 精製水
薬事法(昭和35年法律第145号)に規定する日本薬局方(以下「日本薬局方」という。)精製水を用いる。
(2) 3%過酸化水素水
過酸化水素水(工業標準化法(昭和24年法律第185号)に基づく日本工業規格(以下「日本工業規格」という。)試薬特級)を精製水で10倍に薄めたものを用いる。用時調製する。
(3) メチルオレンジ試薬
メチルオレンジ(日本工業規格試薬特級)0.1gに精製水を加えて溶かし、100mlとしたものを用いる。用時調製する。
(4) 0.1mol/l塩酸
日本薬局方容量分析用標準液を用いる。
テトラクロロエチレン 家庭用エアゾル製品
家庭用の洗浄剤
左に掲げる家庭用品は、次の試験方法による試験に適合しなければならない。
1 試験
電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
ゴムせん付き細口円筒形のガラスびん2個に、それぞれエタノール20mlを入れた後、一方のガラスびんに試料(家庭用エアゾル製品にあつては、200mlのフラスコを氷冷し、ドラフト内で内容液をフラスコ内に噴出させたもの)1.00gを正確に量り採り、他方のガラスびんにテトラクロロエチレン標準液1.0mlを正確に加える。それぞれに、1,1,1,2―テトラクロロエタン内部標準液1.0mlを正確に加えた後、ゴムせんをアルミキャップで巻き締めて密せんし、30℃の水浴中にガラスびんの首まで入れ、液がゴムせんに付着しないように穏やかに振り混ぜながら30分間加温する。
試料又はテトラクロロエチレン標準液を入れたガラスびんから、ヘッドスペースガスをそれぞれ正確に3μl採り、次の操作条件で試験を行い、得られたクロマトグラムのピークを比較する。試料のクロマトグラム上にテトラクロロエチレンの保持時間と一致する保持時間を持つピークが存在する場合は、試料のクロマトグラム上でのテトラクロロエチレンに相当するピークの高さHと1,1,1,2-テトラクロロエタンのピークの高さHTIを測定し、その比《数式始》R=H/HT1《数式終》を求める。同時に、テトラクロロエチレン標準液のクロマトグラム上でのテトラクロロエチレンのピークの高さHと1,1,1,2-テトラクロロエタンのピークの高さHSIを測定し、その比《数式始》R=H/HSI《数式終》を求める。測定は同一のガラスびんについて3回繰り返し行い、平均値《アッパーライン始》R《アッパーライン終》及び《アッパーライン始》R《アッパーライン終》を求める。このとき、次式により計算する試料中のテトラクロロエチレンの含有量は0.1W/W%以下でなければならない。
《数式始》テトラクロロエチレン含有量(W/W%)=K×(《アッパーライン始》R《アッパーライン終》÷《アッパーライン始》R《アッパーライン終》)×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:テトラクロロエチレン標準液の濃度(W/V%)
操作条件
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を用いる。
カラム管 内径3mm、長さ3,000mmのガラス管を用いる。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンを10%含ませる。
カラム温度 70℃
注入口及び検出器温度 180℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。1,1,1,2-テトラクロロエタンが約12~13分間で流出する流速に調整する。
2 試薬、標準液等
(1) ゴムせん付き細口付き円筒形のガラスびん
内容量100mlのものを用いる。
(2) エタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(3) テトラクロロエチレン標準液
あらかじめ少量のヘキサン(日本工業規格試薬特級、以下この項において同じ。)を入れておいた100mlのメスフラスコにテトラクロロエチレン(純度99%以上のもの)1.00gを正確に量り採り、ヘキサンを加えて正確に100mlとする。この液10mlを採り、ヘキサンを加えて正確に100mlとしたものをテトラクロロエチレン標準液とする。
(4) 1,1,1,2-テトラクロロエタン内部標準液
あらかじめ少量のヘキサンを入れておいた100mlのメスフラスコに1,1,1,2-テトラクロロエタン(純度99%以上のもの)1.2gを正確に量り採り、ヘキサンを加えて正確に100mlとする。この液10mlを採り、ヘキサンを加えて正確に100mlとしたものを1,1,1,2-テトラクロロエタン内部標準液とする。
(5) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(6) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
トリクロロエチレン 家庭用エアゾル製品
家庭用の洗浄剤
左に掲げる家庭用品は、テトラクロロエチレンの項基準の欄の試験法による試験に適合しなければならない。
この場合において、「テトラクロロエチレン」とあるのは、「トリクロロエチレン」と読み替えるものとする。
トリス(1―アジリジニル)ホスフインオキシド 繊維製品のうち、寝衣、寝具、カーテン及び床敷物 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その1.0gを100mlのナス型フラスコ(I)に正確に量り採り、メタノール50mlを加えた後、還流冷却器を付け、70℃の水浴中で30分間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、ろ液を100mlのナス型フラスコ(Ⅱ)に採り、ロータリーエバポレーターを用いてメタノールを除去する。
(2) 精製
内径10mm、長さ300mmの吸着管に、カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)5gをジクロルメタンに懸濁して入れ、次いでその上に硫酸ナトリウム(無水)約1gを入れ、カラムの上端に少量のジクロルメタンが残る程度までジクロルメタンを流出させる。
(1)のメタノールを除去したナス型フラスコ(Ⅱ)にジクロルメタン10mlを加えてよく振り混ぜ、この液をカラムに流し込んだ後、ジクロルメタン100mlをカラムに流し込み、最初の流出液約100mlを200mlのナス型フラスコに採り、ロータリーエバポレーターを用いてジクロルメタンを除去する。残留物をメタノール2mlに溶かし、これを試験溶液とする。
2 試験
炎光光度型検出器(リン用干渉フイルター、波長526nm)付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液を5μl採り、次の操作条件により試験を行うとき、トリス(1-アジリジニル)ホスフインオキシド標準品の保持時間と一致する保持時間の位置にピークを示してはならない。
操作条件
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシラザン処理(ヘキサメチルジシラザン(日本工業規格試薬特級)、トリメチルクロルシラン(日本工業規格試薬特級)及びピリジン(日本工業規格試薬特級)の混液(3:1:5)に浸し、10分間水洗いして乾燥させる処理をいう。以下同じ。)を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ポリエチレングリコール(分子量20,000のもの)を1%含ませる。
カラム管 内径3mm 長さ1,000mmのガラス管を用いる。
カラム温度 150~220℃、昇温速度毎分10℃
試験溶液注入口温度 170℃
検出器 200℃で操作する。
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。トリス(1-アジリジニル)ホスフインオキシドが約1.5分で流出する流速に調整するとともに、水素及び空気の流量を至適条件に調整する。
3 試薬、標準液等
(1) メタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(2) カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)
水分含有量10%のものを用いる。
カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)10gを精製水90mlに懸濁したとき、そのpHは6.0~8.0である。
(3) ジクロルメタン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(4) 硫酸ナトリウム(無水)
日本工業規格試薬特級を用いる。
(5) トリス(1-アジリジニル)ホスフインオキシド標準品
トリス(1-アジリジニル)ホスフインオキシドを95%以上含む。
39.9Paのとき、沸点は90~91℃である。
(6) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(7) 6mol/1塩酸
塩酸(日本工業規格試薬特級)を精製水で約2倍に薄めたものを用いる。
(8) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(9) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(10) 水素
日本工業規格の水素3級を用いる。
トリス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイト 繊維製品のうち、寝衣、寝具、カーテン及び床敷物 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その1.0gを100mlのナス型フラスコ(I)に正確に量り採り、メタノール50mlを加えた後、還流冷却器を付け、70℃の水浴中で30分間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、ろ液を100mlのナス型フラスコ(Ⅱ)に採り、ロータリーエバポレーターを用いてメタノールを除去する。
(2) 精製
内径10mm、長さ300mmの吸着管に、カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(塩基性)5gをベンゼンに懸濁して入れ、次いでその上に硫酸ナトリウム(無水)約1gを入れ、カラムの上端に少量のベンゼンが残る程度までベンゼンを流出させる。
(1)のメタノールを除去したナス型フラスコ(Ⅱ)にベンゼン10mlを加えてよく振り混ぜ、この液をカラムに流し込んだ後、ベンゼン100mlをカラムに流し込み、最初の流出液約100mlを200mlのナス型フラスコに採り、ロータリーエバポレーターを用いてベンゼンを除去する。残留物をアセトン1mlに溶かし、これを試験溶液とする。
2 試験
炎光光度型検出器(リン用干渉フイルター、波長526nm)付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液を1μl採り、次の操作条件1又は2のいずれか適切な条件の下に試験を行うとき、トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスフエイト標準品の保持時間と一致する保持時間の位置にピークを示してはならない。
操作条件1
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ125~149μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、アルコール性塩基で洗い、更に精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシリル化処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対しガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンゴムを15%含ませた後、標準網フルイ125~149μmに整える。
カラム管 内径0.8mm 長さ500mmのガラス管を用いる。
カラム温度 225℃
試験溶液注入口及び検出器温度 260℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスフエイトが約6分で流出する流速に調整するとともに、水素及び空気の流量を至適条件に調整する。
操作条件2
次に示す条件以外は、操作条件1に示すところによる。
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、アルコール性塩基で洗い、更に精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシリル化処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンゴムを10%含ませる。
カラム管 内径3mm 長さ500mmのガラス管を用いる。
3 試薬、標準液等
(1) メタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(2) カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(塩基性)水分含量4.5~6.5%のものを用いる。
カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(塩基性)10gを精製水90mlに懸濁したとき、そのpHは7.5~9.0である。
(3) ベンゼン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(4) 硫酸ナトリウム(無水)
日本工業規格試薬特級を用いる。
(5) アセトン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(6) トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスフエイト標準品
トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスフエイトを80%以上含む。
沸点は260℃である。
(7) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(8) 6mol/1塩酸
塩酸(日本工業規格試薬特級)を精製水で約2倍に薄めたものを用いる。
(9) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(10) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(11) 水素
日本工業規格の水素3級を用いる。
トリフエニル(すず)化合物 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、衛生バンド、衛生パンツ、手袋及びくつした
家庭用接着剤
家庭用塗料
家庭用ワツクス
くつ墨及びくつクリーム
左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
ア 繊維製品の場合
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その1.0gを正確に量り採り、200mlのナス型フラスコに入れ、塩酸・メタノール溶液75mlを加えた後、還流冷却器を付け、70℃の水浴中で30分間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液を300mlの分液漏斗に採る。還流冷却器、ナス型フラスコ及びガラスろ過器をメタノール25mlで洗い、洗液はろ液に合わせる。分液漏斗にリン酸・クエン酸緩衝液(pH2.0)50ml及び精製水100mlを加え、更にジクロルメタン30mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ジクロルメタン層を分取する。更にジクロルメタン30mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ジクロルメタン層を分取する。必要があれば遠心分離を行う。ジクロルメタン抽出液に硫酸ナトリウム(無水)5gを加えてよく振り混ぜた後、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液を100mlのナス型フラスコに採る。ロータリーエバポレーターを用いて50℃でろ液を約10mlまで濃縮する。
イ 繊維製品以外で水性のものの場合
試料1.0gを50mlの遠沈管に正確に量り採り、メタノール20mlを加えてよくかき混ぜた後、塩酸1mlを加えて5分間激しく振り混ぜる。1分間3,000回転で5分間遠心分離を行い、上澄液を200mlの分液漏斗に分取する。残留物及び遠沈管をメタノール5mlで洗い、洗液は上澄液に合わせる。分液漏斗にリン酸・クエン酸緩衝液(pH2.0)25ml及び精製水50mlを加え、更にヘキサン30mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ヘキサン層を分取する。更にヘキサン30mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ヘキサン層を分取する。必要があれば遠心分離を行う。ヘキサン抽出液に硫酸ナトリウム(無水)2gを加えてよく振り混ぜた後、2時間放置する。ヘキサン抽出液を100mlのナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で抽出液を約1mlまで濃縮する。濃縮液にジクロルメタン10mlを加える。
ウ 繊維製品以外で油性のものの場合
試料1.0gを50mlの遠沈管に正確に量り採り、ヘキサン20mlを加えてよくかき混ぜた後、酢酸1mlを加えて5分間激しく振り混ぜる。1分間3,000回転で5分間遠心分離を行い、上澄液を100mlの分液漏斗に分取する。分液漏斗にエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを含むリン酸・クエン酸緩衝液(pH8.5)20mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ヘキサン層を分取する。更にヘキサン10mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ヘキサン層を分取する。必要があれば遠心分離を行う。ヘキサン抽出液に硫酸ナトリウム(無水)2gを加えてよく振り混ぜた後、2時間放置する。必要があれば、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G3)に適合するもの)を用いてろ過する。
(2) 精製
ア 繊維製品の場合又は繊維製品以外で水性のものの場合
内径10mm、長さ300mmの吸着管に、カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)1.5gをジクロルメタンに懸濁して入れ、次いでその上に硫酸ナトリウム(無水)約1gを入れ、カラムの上端に少量のジクロルメタンが残る程度までジクロルメタンを流出させる。
1 試験溶液の調製(1) 抽出ア 繊維製品の場合又はイ 繊維製品以外で水性のものの場合によつて得た液をカラムに流し込み、更にジクロルメタン10mlをカラムに流し込んだ後、全溶出液を100mlのナス型フラスコに採る。
イ 繊維製品以外で油性のものの場合
内径10mm、長さ300mmの吸着管に、カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)1.5gをヘキサンに懸濁して入れ、次いでその上に硫酸ナトリウム(無水)約1gを入れ、カラムの上端に少量のヘキサンが残る程度までヘキサンを流出させる。
1 試験溶液の調製(1) 抽出ウ 繊維製品以外で油性のものの場合によつて得た液にトリオクチルメチルアンモニウムクロリド溶液1mlを加えた後、カラムに流し込み、ヘキサン溶出液は捨てる。更にヘキサン10mlをカラムに流し込み、ヘキサン溶出液は捨てる。次に、ジクロルメタン10mlをカラムに流し込み、ジクロルメタン溶出液の全量を100mlのナス型フラスコに採る。
(3) 灰化
1 試験溶液の調製(2) 精製によつて得た液をロータリーエバポレーターを用いて50℃で液の全量が1~2mlになるまでジクロルメタンを除去した後、空気又は窒素を吹きつけてジクロルメタンを全部除去する。残留物に硝酸2mlを加えた後、還流冷却器を付け、5分間直火で穏やかに加熱する。冷やした後、3%硝酸10mlで還流冷却器を洗い、洗液をナス型フラスコに加える。これをガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G3)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液を20mlのメスフラスコに採る。ナス型フラスコ及びガラスろ過器を3%硝酸5mlで洗い、洗液をメスフラスコに加える。メスフラスコに精製水を加え、全量を正確に20mlとしたものを試験溶液とする。
2 試験(フレームレス原子吸光法)
試験溶液20μlを正確に採り、次の操作条件により試験を行うとき、286.3nmに吸収を認めることがあつてはならない。
ただし、吸収が認められたときは、
3 確認試験法により、286.3nmにおける吸収がトリフエニル(すず)化合物によるものであることを確認しなければならない。
操作条件
乾燥条件 110℃、20秒間
灰化条件 500℃、50秒間
原子化条件 2,500℃、10秒間
パージングガス 高純度窒素を用いる。毎分30mlの流速に調整する。
3 確認試験法
(1) 試験溶液の調製
1 試験溶液の調製(2) 精製によつて得た液をロータリーエバポレーターを用いて50℃で液の全量が1~2mlになるまでジクロルメタンを除去した後、空気又は窒素を吹きつけてジクロルメタンを全部除去する。残留物を0.2mlのジクロルメタンに溶かし、これを試験溶液とする。
(2) 試験
シリカゲル薄層板の下端から20mm、左端から20mmの位置に試験溶液を、下端から20mm、右端から20mmの位置にトリブチル(すず)標準液を、下端から20mm、右端から40mmの位置にトリフエニル(すず)標準液をそれぞれスポツトする。直ちにこのシリカゲル薄層板をジクロルメタンを展開溶媒とした展開(そう)の中で上昇法により、100mm展開した後、風乾する。このシリカゲル薄層板の上端から20mm、左端から20mmの位置にトリブチル(すず)標準液を、上端から40mm、左端から20mmの位置にトリフエニル(すず)標準液をそれぞれスポツトする。直ちにこのシリカゲル薄層板を左端を下にしてヘキサン・アセトン・酢酸(16:3.5:0.5)溶液を展開溶媒とした展開(そう)の中で上昇法により100mm展開した後、風乾し、ジチゾン溶液を噴霧してその展開位置をトリブチル(すず)標準液及びトリフエニル(すず)標準液と比較して同定する。トリブチル(すず)化合物は、退色の速やかな黄色のはん点を、トリフエニル(すず)化合物は、黄だいだい色のはん点を示す。
4 試薬、標準液等
(1) 塩酸・メタノール溶液
塩酸(日本工業規格試薬特級)1mlにメタノール(日本工業規格試薬特級)を加えて100mlとしたものを用いる。
(2) メタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(3) リン酸・クエン酸緩衝液(pH2.0)
リン酸二ナトリウム(十二水塩)(日本工業規格試薬特級)1.43g、クエン酸(日本薬局方クエン酸)17.3g及び塩化ナトリウム(日本工業規格試薬特級)5.0gを精製水800mlに溶かし、1mol/1塩酸(塩酸(日本工業規格試薬特級)を10ml採り、精製水を加えて120mlとしたもの)でpHを2.0に調整した後、精製水を加えて1,000mlとしたものを用いる。
(4) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(5) ジクロルメタン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(6) 硫酸ナトリウム(無水)
日本工業規格試薬特級を用いる。
(7) 塩酸
日本工業規格試薬特級を用いる。
(8) ヘキサン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(9) 酢酸
日本工業規格試薬特級を用いる。
(10) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを含むリン酸・クエン酸緩衝液(pH8.5)
リン酸二ナトリウム(十二水塩)(日本工業規格試薬特級)42.3g、クエン酸(日本薬局方クエン酸)7.7g及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(日本工業規格試薬特級)2.0gを精製水800mlに溶かし、10mol/1水酸化ナトリウム液(水酸化ナトリウム(日本工業規格試薬特級)40gに精製水を加えて100mlとしたもの)でpHを8.5に調整した後、精製水を加えて1,000mlとしたものを用いる。
(11) カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)
水分含量10%のものを用いる。
カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)10gを精製水90mlに懸濁したとき、そのpHは6.0~8.0である。
(12) トリオクチルメチルアンモニウムクロリド溶液
トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(純度85%以上のもの)20mgにヘキサンを加えて溶かし、100mlとしたものを用いる。
(13) 硝酸
次の試験に適合する硝酸を用いる。
硝酸2mlを採り、この硝酸を用いて作つた3%硝酸15mlを加え、更に精製水を加えて20mlとする。その20μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、吸収を認めない。
(14) 3%硝酸
(13)の硝酸10mlに精製水を加えて200mlとしたものを用いる。
(15) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(16) シリカゲル薄層板
薄層クロマトグラフ用シリカゲル30gに精製水60mlを加え、ガラス板(200×200mm)に0.2~0.25mmの厚さに均一に塗る。105~110℃で約3時間乾燥し、デシケーター中で放冷保存したものを用いる。
(17) トリブチル(すず)標準液
トリブチル(すず)アセテート(純度95%以上のもの)を10mg採り、100mlのジクロルメタンに溶かしたものを用いる。
(18) トリフエニル(すず)標準液
トリフエニル(すず)アセテート(純度95%以上のもの)を10mg採り、100mlのジクロルメタンに溶かしたものを用いる。
(19) ヘキサン・アセトン・酢酸(16:3.5:0.5)溶液
ヘキサン(日本工業規格試薬特級)96ml、アセトン(日本工業規格試薬特級)21ml及び酢酸(日本工業規格試薬特級)3.0mlをそれぞれ正確に量り採り、よく混ぜ合わせたものを用いる。
(20) ジチゾン溶液
精製水10mlにアセトン(日本工業規格試薬特級)を加えて100mlとしたものにジチゾン(日本工業規格試薬特級)0.1gを溶かしたものを用いる。
トリブチル(すず)化合物 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、衛生バンド、衛生パンツ、手袋及びくつした
家庭用接着剤
家庭用塗料
家庭用ワックス
くつ墨及びくつクリーム
左に掲げる家庭用品は、トリフエニル(すず)化合物の項基準の欄の試験法による試験に適合しなければならない。
この場合において、2 試験(フレームレス原子吸光法)中「トリフエニル(すず)化合物」とあるのは「トリブチル(すず)化合物」と読み替えるものとする。
ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイト化合物 繊維製品のうち、寝衣、寝具、カーテン及び床敷物 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その1.0gを200mlのナス型フラスコ(Ⅰ)に正確に量り採り、メタノール50mlと塩酸1mlを加えた後、還流冷却器を付け、70℃の水浴中で30分間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、ろ液を200mlのナス型フラスコ(Ⅱ)に採る。還流冷却器、ナス型フラスコ(Ⅰ)及びガラスろ過器をメタノール20mlで洗い、洗液はろ液に合わせ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でメタノールを除去した後、エタノール10mlを加え、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でエタノールを除去する。残留物を1mol/l炭酸水素ナトリウム溶液20mlに溶かして50ml共せん付き遠沈管(Ⅰ)に移す。ナス型フラスコ(Ⅱ)を10mlの1mol/l炭酸水素ナトリウム溶液で洗い洗液は遠沈管(Ⅰ)に合わせる。遠沈管(Ⅰ)にベンゼン10mlを加えて5分間激しく振り混ぜ静置した後、ベンゼン層を遠沈管(Ⅱ)に採る。この操作を更に2回繰り返す。遠沈管(Ⅱ)に1mol/l炭酸水素ナトリウム溶液10mlを加えて5分間激しく振り混ぜ静置した後、水層は遠沈管(Ⅰ)に合わせる。次に、この水層を200mlの分液ロートに移し、塩酸10mlをかき混ぜながら少量ずつ加える。これに酢酸エチル50mlを加えて5分間激しく振り混ぜ静置した後、酢酸エチル層を分取する。この操作を更に5回繰返し、全酢酸エチル層を合わせる。これに硫酸ナトリウム(無水)約30gを加えてよく振り混ぜた後、2時間放置し、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液をナス型フラスコに採る。硫酸ナトリウムを酢酸エチル50mlで洗い、洗液はろ液に合わせ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で約5mlまで濃縮し、氷冷する。
(2) メチルエステル化
(1)の濃縮液にジアゾメタン・エーテル溶液を液の黄色が5分間放置しても消えなくなるまで加えた後、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で溶媒を除去する。残留物をアセトン1mlに溶かし、これを試験溶液とする。
2 試験
炎光光度型検出器(リン用干渉フイルター、波長526nm)付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液を1μl採り、次の操作条件1又は2のいずれか適切な条件の下に試験を行うとき、ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトのメチルエステル標準液の保持時間と一致する保持時間の位置にピークを示してはならない。
ただし、ピークが認められたときは、3 確認試験法により、このピークがビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトによるものであることを確認しなければならない。
操作条件1
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ125~149μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、アルコール性塩基で洗い、更に精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシリル化処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンゴムを15%含ませた後、標準網フルイ125~149μmに整える。
カラム管 内径0.8mm、長さ500mmのガラス管を用いる。
カラム温度 120~235℃、毎分10℃昇温
試験溶液注入口及び検出器温度 250℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトのメチルエステルが約10分で流出する流速に調整するとともに、水素及び空気の流量を至適条件に調整する。
操作条件2
次に示す操作条件以外は、操作条件1に示すところによる。
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、アルコール性塩基で洗い、更に精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシリル化処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンゴムを10%含ませる。
カラム管 内径3mm、長さ500mmのガラス管を用いる。
3 確認試験
(1) 試験溶液の調製
1 試験溶液の調製(1) 抽出によつて得た濃縮液をロータリーエバポレーターを用いて50℃で酢酸エチルを除去する。残留物を1mol/l水酸化ナトリウム溶液20mlに溶かし、2日間放置する。次に、この液を100mlの分液ロートに移し、塩酸8mlをかき混ぜながら少量ずつ加える。これに酢酸エチル30mlを加えて振り混ぜ静置した後、酢酸エチル層を分取する。この操作を更に5回繰り返し、全酢酸エチル層を合わせる。これに硫酸ナトリウム(無水)約20gを加えてよく振り混ぜた後、2時間放置し、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液をナス型フラスコに採る。硫酸ナトリウムを酢酸エチル20mlで洗い、洗液はろ液に合わせ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で約5mlまで濃縮し、氷冷する。以下1 試験溶液の調製(2) メチルエステル化の場合と同様に操作して、得られた溶液を試験溶液とする。
(2) 試験
炎光光度型検出器(リン用干渉フイルター、波長526nm)付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液を1μl採り、2 試験の場合と同様に試験を行い、得られたクロマトグラム上のピークと2 試験によつて得られたクロマトグラム上のピークを比較する。このとき、ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトのメチルエステル標準液の保持時間と一致する保持時間の位置のピークが著しく減少しているか又は完全に消失しているとともに、ビス(2―ブロムプロペン―2―イル)ホスフエイトのメチルエステル標準液の保持時間と一致する保持時間の位置に新たにピークが認められたとき、ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトと確認する。
4 試薬、標準液等
(1) メタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(2) 塩酸
日本工業規格試薬特級を用いる。
(3) エタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(4) 1M炭酸水素ナトリウム溶液
炭酸水素ナトリウム(日本工業規格試薬特級)84gを精製水に溶かし、1,000mlとしたものを用いる。
(5) ベンゼン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(6) 酢酸エチル
酢酸エチル(日本工業規格試薬特級)を精製水で洗つた後、硫酸ナトリウム(無水)で乾燥し、これを蒸留する。沸点76~78℃の留分を用いる。
(7) 硫酸ナトリウム(無水)
日本工業規格試薬特級を用いる。
(8) ジアゾメタン・エーテル溶液
ナス型フラスコに水酸化カリウム(日本工業規格試薬特級)1gを採り、精製水1.6ml及びエタノール5mlを加えて溶かした後、N―メチル―N―ニトロソ―パラトルエンスルホンアミド4.3gをエチルエーテル(日本工業規格試薬特級)26mlに溶かした溶液を注意深く加える。これを65℃の水浴中で蒸留し、留液20mlをエチルエーテル(日本工業規格試薬特級)5mlを入れた共せん付きフラスコに採る。この場合共せん付きフラスコは氷水中で冷却し、又冷却器の先端は共せん付きフラスコ中のエチルエーテルの液面下に浸すものとする。調製した溶液は密せんして冷蔵庫に保存し、1~2週間以内に用いる。
(9) アセトン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(10) ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイト標準品
ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトを95%以上含む。
(11) ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトのメチルエステル標準液
ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイト標準品50.0mgを正確に量り採り、酢酸エチルで正確に100mlとする。その1mlを正確に採り、
1 試験溶液の調製(2) メチルエステル化の場合と同様に操作して得られたアセトン溶液をビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトのメチルエステル標準液とする。用時調製する。
(12) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(13) 6mol/l塩酸
塩酸(日本工業規格試薬特級)を精製水で約2倍に薄めたものを用いる。
(14) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(15) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(16) 水素
日本工業規格の水素3級を用いる。
(17) 1mol/l水酸化ナトリウム溶液
水酸化ナトリウム(日本工業規格試薬特級)40.0gを精製水に溶かし1,000mlとしたものを用いる。
(18) ビス(2―ブロムプロペン―2―イル)ホスフエイト標準品
ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイト1gを1mol/l水酸化ナトリウム溶液50mlに溶かし、2日間かき混ぜた後、塩酸を加えて酸性としベンゼン50mlで3回抽出する。ベンゼン抽出液に硫酸ナトリウム(無水)約20gを加えてよく振り混ぜた後、2時間放置し、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液をナス型フラスコに採る。硫酸ナトリウムをベンゼン30mlで洗い、洗液はろ液に合わせ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でベンゼンを除去する。残留物を減圧デシケーター(シリカゲル)中に入れ一晩放置したものを用いる。
(19) ビス(2―ブロムプロペン―2―イル)ホスフエイトのメチルエステル標準液
ビス(2―ブロムプロペン―2―イル)ホスフエイト標準品30.0mgを正確に量り採り、酢酸エチルで正確に100mlとする。その1mlを正確に採り、1 試験溶液の調製(2) メチルエステル化の場合と同様に操作して得られたアセトン溶液をビス(2―ブロムプロペン―2―イル)ホスフエイトのメチルエステル標準液とする。用時調製する。
ヘキサクロルエポキシオクタヒドロエンドエキソジメタノナフタリン(別名デイルドリン) 繊維製品のうち、おしめカバー、下着、寝衣、手袋、くつした、中衣、外衣、帽子、寝具及び床敷物
家庭用毛糸
左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その約1gを精密に量り採り、500mlのナス型フラスコ(Ⅰ)に入れ、メタノール250mlを加えた後、還流冷却器を付け、70℃の水浴中で30分間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、ろ液を500mlのナス型フラスコ(Ⅱ)に採る。還流冷却器、ナス型フラスコ(Ⅰ)及びガラスろ過器をメタノール100mlで洗い、洗液はろ液に合わせ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でメタノールを除去する。
(2) 精製
内径15mm、長さ300mmの吸着管に、カラムクロマトグラフ用合成ケイ酸マグネシウム10gをへキサンに懸濁して入れ、次いでその上に硫酸ナトリウム(無水)約5gを入れ、カラムの上端に少量のヘキサンが残る程度までヘキサンを流出させる。
(1)のメタノールを除去したナス型フラスコ(Ⅱ)に15%エチルエーテル・ヘキサン溶液10mlを加えてよく振り混ぜ、この液をカラムに流し込み、更に15%エチルエーテル・ヘキサン溶液20mlでナス型フラスコ(Ⅱ)を洗う操作を2回繰り返し、両洗液をカラムに流し込んだ後、15%エチルエーテル・ヘキサン溶液250mlをカラムに流し込み、最初の流出液約290mlを採り、ヘキサンを加えて全量を正確に300mlとする。その10mlを正確に採り、ヘキサンを加えて正確に100mlとしたものを試験溶液とする。
2 試験
電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液及びデイルドリン標準液を正確にそれぞれ1μl採り、次の操作条件1及び2で試験を行い、得られたクロマトグラムのピークを比較する。デイルドリン標準液の保持時間と一致する保持時間を持つピークが、いずれの操作条件においても存在する場合は、そのピークについていずれか適切な条件のもとに得られたクロマトグラム上で試験溶液のピーク面積P及びデイルドリン標準液のピーク面積Pを測定する。このとき、次式により計算する試料1gについてのデイルドリン含有量は30μg以下でなければならない。
《数式始》試料1gについてのデイルドリンの含有量(μg)=K×(P÷P)×3,000×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:デイルドリン標準液の濃度(μg/ml)
操作条件1
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシラザン処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用シリコンを5%含ませる。カラム管 内径3mm、長さ1,500~2,000mmのガラス管を用いる。
カラム温度 200℃
試験溶液注入口温度 250℃
検出器 至適加電圧を与え、250℃付近(線源がトリチウムの場合は、最高使用温度)で操作する。
キャリヤーガス 高純度窒素を用いる。デイルドリンが約12分で流出する流速に調整する。
操作条件2
次に示す操作条件以外は、操作条件1に示すところによる。
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシラザン処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジエチレングリコールサクシネートを2%、リン酸を0.5%含ませる。
カラム温度 175℃
キャリヤーガス 高純度窒素を用いる。デイルドリンが約7分で流出する流速に調整する。
3 試薬、標準液等
(1) メタノール
次の試験に適合するメタノールを用いる。
メタノール300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のメタノール以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ―BHCが示すピークの高さ以下でなくてはならない。
(2) カラムクロマトグラフ用合成ケイ酸マグネシウム
カラムクロマトグラフ用合成ケイ酸マグネシウム(標準網フルイ177~250μm)を450℃で一夜加熱した後、デシケーター中で放冷したものであつて、次の試験に適合するものを用いる。
デイルドリン標準液10mlを試料とし、1 試験溶液の調製(2) 精製及び2 試験に準じて試験を行うとき、デイルドリンがほとんど完全に回収されなければならない。
(3) へキサン
次の試験に適合するへキサンを用いる。
ヘキサン300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のヘキサン以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ―BHCが示すピークの高さ以下でなくてはならない。
(4) 硫酸ナトリウム(無水)
次の試験に適合する硫酸ナトリウム(無水)を用いる。
硫酸ナトリウム(無水)を20g採り、(3)のへキサン100mlに懸濁する。1分間振り混ぜた後10分間静置する操作を6回繰り返した後、へキサンを分取する。更にその硫酸ナトリウム(無水)を(3)のへキサン少量で洗い、洗液をこれに合わせる。このへキサンの全量をロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のへキサン以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ―BHCが示すピークの高さ以下でなくてはならない。
(5) エチルエーテル
次の試験に適合するエチルエーテルを用いる。
エチルエーテル300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のエチルエーテル以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ―BHCが示すピークの高さ以下でなくてはならない。
(6) 15%エチルエーテル・へキサン溶液
(5)のエチルエーテル15mlに(3)のヘキサンを加えて全量を100mlとする。
(7) デイルドリン標準品
デイルドリンを98%以上含む。融点は177~179℃である。
(8) デイルドリン標準液
デイルドリン標準品1.0mgを正確に採り、(3)のヘキサンに溶かし、正確に100mlとする。その1mlを正確に採り、(3)のへキサンを加えて100mlとし、更にその10mlを正確に採り、(3)のヘキサンを加えて100mlとしたものをデイルドリン標準液とする。
デイルドリン標準液1ml=0.01μgデイルドリン
(9) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(10) 6mol/l塩酸
塩酸(日本工業規格試薬特級)を精製水で約2倍に薄めたものを用いる。
(11) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(12) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(13) リン酸
日本工業規格試薬特級を用いる。
ベンゾ[a]アントラセン クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤及び木材防虫剤 左に掲げる家庭用品は、ジベンゾ[a,h]アントラセンの項基準の欄に掲げる試験(クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤及び木材防虫剤に係るものに限る。)に適合しなければならない。
この場合において、同欄中「ジベンゾ[a,h]アントラセン」とあるのは「ベンゾ[a]アントラセン」と、「278」とあるのは「228」と、「約15~16分」とあるのは「約11~12分」と読み替えるものとする。
クレオソート油及びその混合物で処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材 左に掲げる家庭用品は、ジベンゾ[a,h]アントラセンの項基準の欄に掲げる試験(クレオソート油及びその混合物で処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材に係るものに限る。)に適合しなければならない。
この場合において、同欄中「ジベンゾ[a,h]アントラセン」とあるのは「ベンゾ[a]アントラセン」と、「278」とあるのは「228」と、「約15~16分」とあるのは「約11~12分」と読み替えるものとする。
ベンゾ[a]ピレン クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤及び木材防虫剤 左に掲げる家庭用品は、ジベンゾ[a,h]アントラセンの項基準の欄に掲げる試験(クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤及び木材防虫剤に係るものに限る。)に適合しなければならない。
この場合において、同欄中「ジベンゾ[a,h]アントラセン」とあるのは「ベンゾ[a]ピレン」と、「278」とあるのは「252」と「約15~16分」とあるのは「約13~14分」と読み替えるものとする。
クレオソート油及びその混合物で処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材 左に掲げる家庭用品は、ジベンゾ[a,h]アントラセンの項基準の欄に掲げる試験(クレオソート油及びその混合物で処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材に係るものに限る。)に適合しなければならない。
この場合において、同欄中「ジベンゾ[a,h]アントラセン」とあるのは「ベンゾ[a]ピレン」と、「278」とあるのは「252」と、「約15~16分」とあるのは「約13~14分」と読み替えるものとする。
ホルムアルデヒド 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、寝衣、手袋、くつした、中衣、外衣、帽子、寝具であつて、出生後24月以内の乳幼児用のもの 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その2.50gを200mlの共せんフラスコに正確に量り採り、精製水100mlを正確に加えた後、密せんし、40℃の水浴中で時々振り混ぜながら1時間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、これを試験溶液とする。
2 試験
試験溶液及びホルムアルデヒド標準液を正確にそれぞれ5.0ml採り、それぞれにアセチルアセトン試液5.0mlを加えて振り混ぜた後、40℃の水浴中で30分間加温し、30分間放置する。それぞれの溶液について、精製水5.0mlにアセチルアセトン試液5.0mlを加えて同様に操作したものを対照として、層長1cmで412~415nmにおける吸収の極大波長で試験溶液に係る吸光度A及びホルムアルデヒド標準液に係る吸光度Asを測定する。また、別に試験溶液5.0mlを採り、アセチルアセトン試液の代わりに精製水5.0mlを用いて同様に操作する。その溶液について、精製水を対照として、吸光度A及びAsを測定したときと同じ波長における吸光度Aoを測定する。このとき、A-Aoの値が0.05以下又は次式により計算する試料1gについてのホルムアルデヒド溶出量が16μg以下でなければならない。
試料1gについてのホルムアルデヒド溶出量(μg)
《数式始》=K×(A-Ao)÷As×100×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:ホルムアルデヒド標準液の濃度(μg/ml)
3 確認試験
2 試験において、A-Aoの値が0.05を超えたとき又はホルムアルデヒドの溶出量が16μgを超えたときは、次の(1)又は(2)のいずれかの試験により、吸光度Aを測定した波長における吸収がホルムアルデヒドによるものであることを確認しなければならない。
(1) ジメドン法
試験溶液5.0mlを共せん試験管に採り、ジメドン・エタノール溶液1.0mlを加えて振り混ぜ、40℃の水浴中で10分間加温し、更にアセチルアセトン試液5.0mlを加えて振り混ぜ、40℃の水浴中で30分間加温し、30分間放置した後、試験溶液の代わりに精製水5.0mlを用いて同様に操作したものを対照として吸収スペクトルを測定するとき、波長412~415nmにおいて、吸光度A及びAsを測定した場合と同様の吸収スペクトルを示してはならない。
(2) 高速液体クロマトグラフ法
2 試験によつて得られた試験溶液にアセチルアセトン試液を加えた液及びホルムアルデヒド標準液にアセチルアセトン試液を加えた液をそれぞれ
1μl採り、次の操作条件で試験を行う。試験溶液にアセチルアセトン試液を加えた液のクロマトグラム上に、ホルムアルデヒド標準液にアセチルアセトン試液を加えた液におけるホルムアルデヒド-アセチルアセトン反応生成物のピークと保持時間が一致する保持時間を持つピークが存在する場合は、そのピーク面積が、ホルムアルデヒド標準液にアセチルアセトン試液を加えた液におけるホルムアルデヒド-アセチルアセトン反応生成物のピーク面積を超えてはならない
操作条件
カラム管 内径4.6mm、長さ150mmのステンレス管を用いる。
カラム充てん剤 粒径5μmのオクタデシルシリル化シリカゲルを用いる。
カラム温度 35℃
検出器 紫外可視検出器
検出波長 412~415nm
移動相 アセトニトリル:精製水(15:85~20:80)
流速 毎分1.0ml
4 試薬、標準液等
(1) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(2) ホルムアルデヒド標準液
ア ホルマリンの標定
ホルマリン(日本薬局方ホルマリン)約1gを精製水を入れたはかりびんで精密に量り、精製水を加えて正確に100mlとする。その10mlを正確に量り採り、0.05mol/lヨウ素液(日本薬局方定量分析用標準液)50mlを正確に加え、更に1mol/l水酸化カリウム液(日本薬局方定量分析用標準液)20mlを加えた後、15分間常温で放置する。更に希硫酸(日本薬局方試薬)15mlを加え、過剰のヨウ素を0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液(日本薬局方定量分析用標準液)で滴定する(指示薬:日本薬局方デンプン試液)。別に精製水10mlを用いて同様の方法で空試験を行う。
ホルマリン中のホルムアルデヒド含有量C(%)は次式により求める。
《数式始》C(%)=1.5013×{(Vo-V)F}÷1,000×100÷10×1÷W×100《数式終》
ただし、
Vo:空試験における0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の滴定量(ml)
V:本試験における0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の滴定量(ml)
F:0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の力価
W:ホルマリンの採取量(g)
イ ホルムアルデヒド標準液の調製
ホルマリン(日本薬局方ホルマリン)400/Cgを正確に量り採り、精製水を加えて100mlとする。この溶液を用いて、10mlを正確に採り、精製水で10倍量に希釈する操作を5回繰り返してホルムアルデヒド標準液とする。
ホルムアルデヒド標準液1ml=0.4μgHCHO
(3) アセチルアセトン試液
酢酸アンモニウム(日本工業規格試薬特級)150gに適量の精製水を加えて溶かし、氷酢酸(日本工業規格試薬特級)3ml及びアセチルアセトン(日本工業規格試薬特級)2mlを加え、更に精製水を加えて1,000mlとしたものを用いる。用時調製する。
(4) ジメドン・エタノール溶液
ジメドン(日本工業規格試薬特級)1gにエタノール(日本薬局方エタノール)を加えて溶かし、100mlとしたものを用いる。用時調製する。
繊維製品のうち、下着、寝衣、手袋及びくつした(出生後24月以内の乳幼児用のものを除く。)並びにたび、かつら、つけまつげ、つけひげ又はくつしたどめに使用される接着剤 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 繊維製品の場合
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その約1gを200mlの共せんフラスコに精密に量り採り、精製水100mlを正確に加えた後、密せんし、40℃の水浴中で時々振り混ぜながら1時間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、試験溶液とする。
(2) 接着剤の場合
試料約2gを水蒸気蒸留装置のフラスコに精密に量り採り、精製水50ml及びリン酸溶液3mlを加えた後、受器に精製水10~20mlを入れ冷却器のアダプターが精製水に浸るようにして水蒸気蒸留を行う。留液が190mlになつたとき、蒸留をやめ、精製水を加えて正確に200mlとし、試験溶液とする。
2 試験
試験溶液及びホルムアルデヒド標準液を正確にそれぞれ5.0ml採り、それぞれにアセチルアセトン試液5.0mlを加えて振り混ぜた後、40℃の水浴中で30分間加温し、30分間放置する。それぞれの溶液について、精製水5.0mlにアセチルアセトン試液5.0mlを加えて同様に操作したものを対照として、層長1cmで412~415nmにおける吸収の極大波長で試験溶液に係る吸光度A及びホルムアルデヒド標準液に係る吸光度Asを測定する。また、別に試験溶液5.0mlを採り、アセチルアセトン試液の代わりに精製水5.0mlを用いて同様に操作する。その溶液について、精製水を対照として、吸光度A及びAsを測定したときと同じ波長における吸光度Aoを測定する。このとき、次式により計算する試料1gについてのホルムアルデヒド溶出量は75μg以下でなければならない。
試料1gについてのホルムアルデヒド溶出量(μg)
《数式始》=K×(A-Ao)÷As×E×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、
K:ホルムアルデヒド標準液の濃度(μg/ml)
E:繊維製品にあつては100とし、接着剤にあつては200とする。
ただし、ホルムアルデヒドの溶出量が75μgを超えたときは、次の試験により、吸光度Aを測定した波長における吸収がホルムアルデヒドによるものであることを確認しなければならない。
試験溶液5.0mlを共せん試験管に採り、ジメドン・エタノール溶液1.0mlを加えて振り混ぜ、40℃の水浴中で10分間加温し、更にアセチルアセトン試液5.0mlを加えて振り混ぜ、40℃の水浴中で30分間加温し、30分間放置した後、試験溶液の代わりに精製水5.0mlを用いて同様に操作したものを対照として吸収スペクトルを測定するとき、波長412~415nmにおいて、吸光度A及びAsを測定した場合と同様の吸収スペクトルを示してはならない。
3 試薬、標準液等
(1) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(2) リン酸溶液
リン酸(日本工業規格試薬特級)5gを採り、精製水を加えて25mlとしたものを用いる。
(3) ホルムアルデヒド標準液
ア ホルマリンの標定
ホルマリン(日本薬局方ホルマリン)約1gを精製水を入れたはかりびんで精密に量り、精製水を加えて正確に100mlとする。その10mlを正確に量り採り、0.05mol/lヨウ素液(日本薬局方定量分析用標準液)50mlを正確に加え、更に1mol/l水酸化カリウム液(日本薬局方定量分析用標準液)20mlを加えた後、15分間常温で放置する。更に希硫酸(日本薬局方試薬)15mlを加え、過剰のヨウ素を0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液(日本薬局方定量分析用標準液)で滴定する(指示薬:日本薬局方デンプン試液)。別に精製水10mlを用いて同様の方法で空試験を行う。
ホルマリン中のホルムアルデヒド含有量C(%)は次式により求める。
《数式始》C(%)=1.5013×{(Vo-V)F}÷1,000×100÷10×1÷W×100《数式終》
ただし、
Vo:空試験における0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の滴定量(ml)
V:本試験における0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の滴定量(ml)
F:0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の力価
W:ホルマリンの採取量(g)
イ ホルムアルデヒド標準液の調製
ホルマリン(日本薬局方ホルマリン)400/Cgを正確に量り採り、精製水を加えて100mlとする。この溶液を用いて、10mlを正確に採り、精製水で10倍量に希釈する操作を4回繰り返してホルムアルデヒド標準液とする。
ホルムアルデヒド標準液1ml=4μgHCHO
(4) アセチルアセトン試液
酢酸アンモニウム(日本工業規格試薬特級)150gに適量の精製水を加えて溶かし、氷酢酸(日本工業規格試薬特級)3ml及びアセチルアセトン(日本工業規格試薬特級)2mlを加え、更に精製水を加えて1,000mlとしたものを用いる。用時調製する。
(5) ジメドン・エタノール溶液
ジメドン(日本工業規格試薬特級)1gにエタノール(日本薬局方エタノール)を加えて溶かし、100mlとしたものを用いる。用時調製する。
メタノール 家庭用エアゾル製品 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
200mlのフラスコを氷冷し、ドラフト内で内容液をフラスコ内に噴出させ試料とする。試料10.0gを100mlのフラスコに正確に量り採り、精製水20ml、塩化ナトリウム2g、エタノール10ml及び流動パラフイン2滴を加えた後、直火で蒸留し、留液を目盛付き試験管に25ml採る。次に、留液を100mlの分液漏斗に移した後、試験管を25mlの精製水で洗い、洗液は留液に合わせる。分液漏斗にヘキサン10mlを加えて2分間激しく振り混ぜた後、水層を100mlのメスフラスコに分取する。更に分液漏斗に精製水20mlを加えて2分間激しく振り混ぜた後、水層を分取しメスフラスコに合わせる。メスフラスコに精製水を加えて全量を正確に100mlとする。その1.0mlを10mlのメスフラスコに正確に採り、エタノールを加えて正確に10mlとしたものを試験溶液とする。
2 試験
水素炎型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液及びメタノール標準液を正確にそれぞれ1μl採り、次の操作条件1及び2で試験を行い、得られたクロマトグラムのピークを比較する。メタノール標準液の保持時間と一致する保持時間を持つピークが、いずれの操作条件においても存在する場合は、そのピークについていずれか適切な条件のもとに得られたクロマトグラム上で試験溶液のピーク高さH及びメタノール標準液の高さHを測定する。このとき、次式により計算する試料中のメタノールの含有量は5W/W%以下でなければならない。
《数式始》メタノール含有量(W/W%)=K×(H÷H)×(1÷試料採取量(g))×1,000《数式終》
ただし、K:メタノール標準液の濃度(W/V%)
操作条件1
カラム担体 エチルビニルベンゼンとジビニルベンゼンのコポリマー(標準網フルイ149~177μm)の吸着型担体を用いる。
カラム管 内径3mm、長さ2,000mmのガラス管を用いる。
カラム温度 130℃
試験溶液注入口及び検出器温度 160℃
キャリヤーガス 高純度窒素を用いる。メタノールが約5~6分で流出する流速に調整するとともに、水素及び空気の流量を至適条件に調整する。
操作条件2
カラム担体 テレフタル酸(標準網フルイ177~250μm)
カラム充てん剤 カラム担体に対しガスクロマトグラフ用ポリエチレングリコール1500を10%含ませる。
カラム管 内径3mm、長さ1,500mmのガラス管を用いる。
カラム温度 50℃
試験溶液注入口及び検出器温度 150℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。メタノールが約7~8分で流出する流速に調整するとともに、水素及び空気の流量を至適条件に調整する。
3 試薬、標準液等
(1) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(2) 塩化ナトリウム
日本薬局方塩化ナトリウムを用いる。
(3) エタノール
次の試験に適合するエタノールを用いる。
エタノール1μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上にメタノールのピークを認めてはならない。
(4) 流動パラフイン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(5) ヘキサン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(6) メタノール標準液
メタノール(日本工業規格試薬特級)10.0gを正確に量り採り、エタノールを加えて正確に100mlとし、この液をエタノールを用いて正確に200倍に希釈したものをメタノール標準液とする。
(7) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(8) 水素
日本工業規格の水素3級を用いる。
(9) テレフタル酸
ガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
有機水銀化合物 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、衛生バンド、衛生パンツ、手袋及びくつした
家庭用接着剤
家庭用塗料
家庭用ワックス
くつ墨及びくつクリーム
左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
試料(繊維製品にあつては、身体と接触する繊維の部分を細かく切つたもの)1.0gを分液漏斗(I)に正確に量り採り、精製水1ml及び0.5mol/l塩酸50mlを加え、30分間放置し、更に四塩化炭素10mlを加えて5分間激しく振り混ぜたのち、四塩化炭素層を分液漏斗(Ⅱ)に分取する。更に分液漏斗(I)に四塩化炭素10mlを加えて5分間激しく振り混ぜたのち、四塩化炭素層を分液漏斗(Ⅱ)に分取する。分液漏斗(Ⅱ)にシステイン・アセテート溶液10mlを正確に加えて振り混ぜたのち、静置し、更に必要があれば遠心分離を行つたのち、システイン・アセテート溶液層を分取し、これを試験溶液とする。
2 試験(フレームレス原子吸光法)
次の(1)又は(2)のいずれかの試験による。
(1) 加熱気化一金アマルガム法
試験溶液0.2mlを正確に採り、石英ボートに入れ、液面が隠れるように粉末状の水酸化カルシウムを加え、波長253.7nmにおける吸光度Aを測定する。
別に、水銀標準液1.0mlを正確に採り、0.5mol/l塩酸50mlを加え、30分間放置し、以下
1 試験溶液の調製の場合と同様に操作して得られた溶液0.2mlを正確に採り、試験溶液の場合と同様に操作して吸光度Aを測定するとき、AはAより小さくなければならない。
(2) 還元気化法
試験溶液2.0mlを正確に採り、日本工業規格のK0102の44.1.2のB法に準じて操作し、波長253.7nmにおける吸光度Aを測定する。
別に、水銀標準液1.0mlを正確に採り、0.5mol/l塩酸50mlを加え、30分間放置し、以上1試験溶液の調製の場合と同様に操作して得られた溶液2.0mlを正確に採り、試験溶液の場合と同様に操作して吸光度Aを測定するとき、AはAより小さくなければならない。
3 試薬、標準液等
(1) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(2) 0.5mol/l塩酸
0.5mol/l塩酸試液(日本薬局方試液)を四塩化炭素で4回洗つたものを用いる。
(3) 四塩化炭素
日本工業規格試薬特級を用いる。
(4) システイン・アセテート溶液
L-システイン塩酸塩(-水塩)(日本工業規格試薬特級)1g、酢酸ナトリウム(日本工業規格試薬特級)0.8g及び硫酸ナトリウム(無水)(日本工業規格試薬特級)12.5gを精製水に溶かし、100mlとし、必要があればろ過したものを用いる。
(5) 水酸化カルシウム
水酸化カルシウム(日本工業規格試薬一級)を約800℃で5時間強熱したものを用いる。
(6) 水銀標準液
酢酸フエニル水銀(純度98%以上のもの)167.9mgを正確に採り、精製水に溶かし、正確に1,000mlとする。その10mlを正確に採り、精製水を加えて100mlとし、更にその10mlを正確に採り、精製水を加えて100mlとしたものを水銀標準液とする。
水銀標準液1ml=1μgHg
有害物質 家庭用品 基準
塩化水素又は硫酸 住宅用の洗浄剤で液体状のもの(塩化水素又は硫酸を含有する製剤たる劇物を除く。) 左に掲げる家庭用品は、次の試験に適合しなければならない。
試料1ml中の塩化水素又は硫酸を中和するのに要する0.1mol/l水酸化ナトリウム溶液の消費量が、家庭用品に含まれる劇物の定量方法及び容器又は被包の試験方法を定める省令(昭和47年厚生省令第27号)別表第1に定める方法により定量した場合において30ml以下でなければならない。
塩化ビニル 家庭用エアゾル製品 左に掲げる家庭用品は、次の試験に適合しなければならない。
噴射口を次の図に示すガス捕集装置の吸入口Aにシリコンゴム管で連結し、活せんB及びCを開き、約5秒間試料を噴出させたのち、直ちに活せんB及びCを閉じ、ガス分を分液漏斗Dに捕集する。このガス分を約13.3kPaに減圧した赤外吸収スペクトル測定用ガスセル(層長10cmのもの)に導入し、赤外吸収スペクトルを測定するとき、1,620cm-1、1,600cm-1、730cm-1及び710cm-1のすべてに塩化ビニルに特有の吸収が認められることがあつてはならない。
《図始》図〔省略〕《図終》
4,6―ジクロル―7―(2,4,5―トリクロルフエノキシ)―2―トリフルオルメチルベンズイミダゾール 繊維製品のうち、おしめカバー、下着、寝衣、手袋、くつした、中衣、外衣、帽子、寝具及び床敷物家庭用毛糸 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その約0.5gを精密に量り採り、50mlの共せん付き遠沈管に入れ、10%水酸化ナトリウム溶液10mlを加え、3時間放置して溶解する。次に、この液にエチルエーテル10mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、1分間4,000回転で10分間遠心分離を行い、エチルエーテル層を分取する。この操作を更に3回繰り返し、全エチルエーテル層を合わせる。これに硫酸ナトリウム(無水)約5gを加えてよく振り混ぜた後、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液を100mlのナス型フラスコに採り、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でエチルエーテルを除去する。
(2) N-メチル化
(1)の残留物に1mol/1水酸化ナトリウム溶液10ml及びジメチル硫酸1mlを加え、10分間放置する。次に、この液を50ml共せん付き遠沈管に移し、ヘキサン10mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、1分間4,000回転で2分間遠心分離を行い、ヘキサン層を分取する。この操作を更に3回繰り返し、全ヘキサン層を合わせる。これに硫酸ナトリウム(無水)約5gを加えてよく振り混ぜた後、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液を100mlのナス型フラスコに採り、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でヘキサンを除去する。残留物にアセトン10mlを正確に加えて溶かし、これを試験溶液とする。
2 試験
電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液及び4,6-ジクロル-7-(2,4,5-トリクロルフエノキシ)-2-トリフルオルメチルベンズイミダゾール(以下「DTTB」という。)のN-メチル化体標準液を正確にそれぞれ1μl採り、次の操作条件1及び2で試験を行い、得られたクロマトグラムのピークを比較する。DTTBのN-メチル化体標準液の保持時間と一致する保持時間を持つピークが、いずれの操作条件においても存在する場合は、そのピークについていずれか適切な条件のもとに得られたクロマトグラム上で試験溶液のピーク面積P及びDTTBのN-メチル化体標準液のピーク面積Pを測定する。このとき、次式により計算する試料1gについてのDTTB含有量は30μg以下でなければならない。
《数式始》試料1gについてのDTTB含有量(μg)=K×(P÷P)×10×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:DTTBのN-メチル化体標準液のDTTBとしての濃度(μg/ml)
操作条件1
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、アルコール性塩基で洗い、更に精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシリル化処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンゴムを2%含ませる。
カラム管 内径3mm 長さ1,500mmのガラス管を用いる。
カラム温度 200℃
試験溶液注入口及び検出器温度 250℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。DTTBのN-メチル化体が約11.7分及び12.4分で流出する流速に調整する。
操作条件2
次に示す操作条件以外は、操作条件1に示すところによる。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用50%フエニルシリコンを1.5%、ガスクロマトグラフ用50%トリフルオルプロピルシリコンを2%含ませる。
カラム温度 225℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。DTTBのN―メチル化体が約15.9分及び19.3分で流出する流速に調整する。
3 試薬、標準液等
(1) 10%水酸化ナトリウム溶液
水酸化ナトリウム(日本工業規格試薬特級)100gを精製水に溶かし、1,000mlとしたものを用いる。
(2) エチルエーテル
次の試験に適合するエチルエーテルを用いる。
エチルエーテル300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のエチルエーテル以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ-BHCが示すピークの高さ以下でなければならない。
(3) 硫酸ナトリウム(無水)
次の試験に適合する硫酸ナトリウム(無水)を用いる。
硫酸ナトリウム(無水)を20g採り、ヘキサン100mlに懸濁する。1分間振り混ぜた後10分間静置する操作を6回繰り返した後、ヘキサンを分取する。更にこの硫酸ナトリウム(無水)をヘキサン少量で洗い、洗液をこれに合わせる。このヘキサンの全量をロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のヘキサン以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ-BHCが示す高さ以下でなければならない。
(4) 1mol/l水酸化ナトリウム溶液
水酸化ナトリウム(日本工業規格試薬特級)40gを精製水に溶かし、1,000mlとしたものを用いる。
(5) ジメチル硫酸
日本工業規格試薬1級を用いる。
(6) ヘキサン
次の試験に適合するヘキサンを用いる。
ヘキサン300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のヘキサン以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ-BHCが示すピークの高さ以下でなければならない。
(7) アセトン
次の試験に適合するアセトンを用いる。
アセトン300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のアセトン以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ-BHCが示すピークの高さ以下でなければならない。
(8) DTTB標準品
無色粒状結晶。融点は156~158℃である。
(9) DTTBのN-メチル化体標準液
DTTB標準品10mgを正確に量り採り、アセトンに溶かし正確に500mlとする。その液1mlを正確に採り、溶媒を除去し、1 試験溶液の調整(2) N-メチル化の場合と同様に操作して得られたアセトン溶液をDTTBのN-メチル化体標準液とする。用時調整する。
(10) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(11) 6mol/l塩酸
塩酸(日本工業規格試薬特級)を精製水で約2倍に薄めたものを用いる。
(12) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(13) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
ジベンゾ[a,h]アントラセン クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤及び木材防虫剤 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
試料約0.5gを正確に量り採り、これをシリカゲルを充てんしたミニカートリツジカラムに流し込み、50mlのナス型フラスコに採る。さらに、そのミニカートリツジカラムにジクロルメタン10mlを流し込み、前述のナス型フラスコに加える。その液について、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で約2mlになるまでジクロルメタンを除去し、これをメスフラスコに移し、ジクロルメタンを加えて全量を正確に5mlとしたものを試験溶液とする。
2 試験
ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。試験溶液及びジベンゾ[a,h]アントラセン標準液2mlをそれぞれ正確に試験管に採り、内部標準液0.5mlを加え、それぞれの試験管から1μlを採り、次の操作条件で試験を行う。試験溶液を測定し、得られたクロマトグラム上で、標準液のジベンゾ[a,h]アントラセンのモニターイオンのピークと保持時間が一致するピークが存在する場合は、ジベンゾ[a,h]アントラセンに相当するピーク面積の内部標準物質のピーク面積に対する比(Rt)を求める。同時に、標準液において得られたクロマトグラム上でのジベンゾ[a,h]アントラセンのピーク面積の内部標準物質のピーク面積に対する比(Rs)を求める。このとき、次式により計算する試料1gについてのジベンゾ[a,h]アントラセンの量は、10μg以下でなければならない。
《数式始》試料1gについてのジベンゾ[a,h]アントラセンの含有量(μg)=K×Rt÷Rs×5×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:ジベンゾ[a,h]アントラセン標準液の濃度(μg/ml)
操作条件
カラム管 内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μmの5%フエニルメチルポリシロキサンを液相とするキヤピラリーカラムを用いる。
カラム温度 60℃で2分間保持し、その後毎分25℃で昇温し、300℃に到達後6分間保持する。
試験溶液注入口温度 280℃
キヤリヤーガス 高純度ヘリウムを用いる。ジベンゾ[a,h]アントラセンが約15~16分で流出する流速に調整する。
注入方法 スプリツトレス方式
★削除★
モニターイオン 原則として「ジベンゾ[a,h]アントラセン278」を選択すべきであるが、使用する装置、カラム等により、対象とする物質に特異性が高く、かつ、イオン強度が高いフラグメントイオンを適切に選択することが望ましい。
3 試薬、標準液等
(1) ジクロルメタン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(2) ジベンゾ[a,h]アントラセン標準液
ジベンゾ[a,h]アントラセン0.010gを正確に量り採り、ジクロルメタンを加えて溶かし、正確に100mlとする。その1mlを採り、ジクロルメタンを加えて正確に100mlとしたものをジベンゾ[a,h]アントラセン標準液とする。
(3) 内部標準液
内部標準物質として、そのモニターイオンが対象物質に含有される他の多環芳香族炭化水素等のフラグメントイオンとクロマトグラム上で重複しないようなものを選択する。アセナフテン-d10、フエナントレン-d10、クリセン-d12等を用いることができる。その内部標準物質0.010gを正確に量り採り、ジクロルメタンを加えて溶かし、正確に100mlとする。その5~20mlを採り、ジクロルメタンを加えて正確に100mlとしたものを内部標準液とする。
(4) 高純度ヘリウム
純度99.999%以上のものを用いる。
クレオソート油及びその混合物で処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
試料の表面部分を削り取り細かく刻んだもの約1.0gをガラス管に採り、ジクロルメタン20mlを加えて、37℃で24時間静置して抽出する。抽出液はろ紙でろ過し、100mlのナス型フラスコに採る。抽出後の試料はジクロルメタン10~20mlで洗い、この洗液を前述のろ液に合わせる。その液について、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で約2mlになるまでジクロルメタンを除去し、これをシリカゲルを充てんしたミニカートリツジカラムに流し込み、50mlのナス型フラスコに採る。さらに、そのミニカートリツジカラムにジクロルメタン10mlを流し込み、前述のナス型フラスコに加える。その液について、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で約2mlになるまでジクロルメタンを除去し、これをメスフラスコに移し(試料中に対象物質が高濃度で含まれると認められる場合は、この除去操作を行わず、一定量の溶出液を直接メスフラスコに採る。)、ジクロルメタンを加えて全量を正確に5mlとしたものを試験溶液とする(検量線の範囲に収まるように、適宜ジクロルメタンで希釈する。)。
2 試験
ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。試験溶液及びジベンゾ[a,h]アントラセン標準液2mlをそれぞれ正確に試験管に採り、内部標準液0.5mlを加え、それぞれの試験管から1μlを採り、次の操作条件で試験を行う。試験溶液を測定し、得られたクロマトグラム上で、標準液のジベンゾ[a,h]アントラセンのモニターイオンのピークと保持時間が一致するピークが存在する場合は、ジベンゾ[a,h]アントラセンに相当するピーク面積の内部標準物質のピーク面積に対する比(Rt)を求める。同時に、標準液において得られたクロマトグラム上でのジベンゾ[a,h]アントラセンのピーク面積の内部標準物質のピーク面積に対する比(Rs)を求める。このとき、次式により計算する試料1gについてのジベンゾ[a,h]アントラセンの量は、3μg以下でなければならない。
《数式始》試料1gについてのジベンゾ[a,h]アントラセンの含有量(μg)=K×Rt÷Rs×5×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:ジベンゾ[a,h]アントラセン標準液の濃度(μg/ml)
操作条件
カラム管 内径0.25mm、長さ30m、膜厚0.25μmの5%フエニルメチルポリシロキサンを液相とするキヤピラリーカラムを用いる。
カラム温度 60℃で2分間保持し、その後毎分25℃で昇温し、300℃に到達後6分間保持する。
試験溶液注入口温度 280℃
キヤリヤーガス 高純度ヘリウムを用いる。ジベンゾ[a,h]アントラセンが約15~16分で流出する流速に調整する。
注入方法 スプリツトレス方式
★削除★
モニターイオン 原則として「ジベンゾ[a,h]アントラセン278」を選択すべきであるが、使用する装置、カラム等により、対象とする物質に特異性が高く、かつ、イオン強度が高いフラグメントイオンを適切に選択することが望ましい。
3 試薬、標準液等
(1) ガラス管
内容量30~50mlで密せんのできるもの。
(2) ジクロルメタン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(3) ジベンゾ[a,h]アントラセン標準液
ジベンゾ[a,h]アントラセン0.010gを正確に量り採り、ジクロルメタンを加えて溶かし、正確に100mlとする。その1mlを採り、ジクロルメタンを加えて正確に100mlとしたものをジベンゾ[a,h]アントラセン標準液とする。
(4) 内部標準液
内部標準物質として、そのモニターイオンが対象物質に含有される他の多環芳香族炭化水素等のフラグメントイオンとクロマトグラム上で重複しないようなものを選択する。アセナフテン-d10、フエナントレン-d10、クリセン-d12等を用いることができる。その内部標準物質0.010gを正確に量り採り、ジクロルメタンを加えて溶かし、正確に100mlとする。その5~20mlを採り、ジクロルメタンを加えて正確に100mlとしたものを内部標準液とする。
(5) 高純度ヘリウム
純度99.999%以上のものを用いる。
(6) ろ紙
日本工業規格に規定される化学分析用のものを用いる。
水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム 家庭用の洗浄剤で液体状のもの(水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを含有する製剤たる劇物を除く。) 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
試料約5gを精密に量り採り、50mlのメスフラスコに入れ、精製水を加えて正確に50mlとする。その10mlを正確に採り、かき混ぜながら3%過酸化水素水10mlを滴下した後、直火で2分間煮沸し、これを試験溶液とする。
2 試験
試験溶液を、メチルオレンジ試薬2滴を指示薬として0.1mol/l塩酸で滴定する。このとき、滴定に要した0.1mol/l塩酸の消費量をV(ml)とする。別に3%過酸化水素水10mlを採り、直火で2分間煮沸した後、同様に操作したとき滴定に要した0.1mol/l塩酸の消費量をVo(ml)とする。このとき、次式により計算する試料1g中の水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを中和するのに要する0.1mol/l塩酸消費量は13ml以下でなければならない。
《数式始》試料1g中の水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを中和するのに要する0.1mol/l塩酸消費量(ml)=(V-Vo)F×5×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、F:0.1mol/l塩酸の力価
3 試薬、標準液等
(1) 精製水
薬事法(昭和35年法律第145号)に規定する日本薬局方(以下「日本薬局方」という。)精製水を用いる。
(2) 3%過酸化水素水
過酸化水素水(工業標準化法(昭和24年法律第185号)に基づく日本工業規格(以下「日本工業規格」という。)試薬特級)を精製水で10倍に薄めたものを用いる。用時調製する。
(3) メチルオレンジ試薬
メチルオレンジ(日本工業規格試薬特級)0.1gに精製水を加えて溶かし、100mlとしたものを用いる。用時調製する。
(4) 0.1mol/l塩酸
日本薬局方容量分析用標準液を用いる。
テトラクロロエチレン 家庭用エアゾル製品
家庭用の洗浄剤
左に掲げる家庭用品は、次の試験方法による試験に適合しなければならない。
1 試験
電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
ゴムせん付き細口円筒形のガラスびん2個に、それぞれエタノール20mlを入れた後、一方のガラスびんに試料(家庭用エアゾル製品にあつては、200mlのフラスコを氷冷し、ドラフト内で内容液をフラスコ内に噴出させたもの)1.00gを正確に量り採り、他方のガラスびんにテトラクロロエチレン標準液1.0mlを正確に加える。それぞれに、1,1,1,2―テトラクロロエタン内部標準液1.0mlを正確に加えた後、ゴムせんをアルミキャップで巻き締めて密せんし、30℃の水浴中にガラスびんの首まで入れ、液がゴムせんに付着しないように穏やかに振り混ぜながら30分間加温する。
試料又はテトラクロロエチレン標準液を入れたガラスびんから、ヘッドスペースガスをそれぞれ正確に3μl採り、次の操作条件で試験を行い、得られたクロマトグラムのピークを比較する。試料のクロマトグラム上にテトラクロロエチレンの保持時間と一致する保持時間を持つピークが存在する場合は、試料のクロマトグラム上でのテトラクロロエチレンに相当するピークの高さHと1,1,1,2-テトラクロロエタンのピークの高さHTIを測定し、その比《数式始》R=H/HT1《数式終》を求める。同時に、テトラクロロエチレン標準液のクロマトグラム上でのテトラクロロエチレンのピークの高さHと1,1,1,2-テトラクロロエタンのピークの高さHSIを測定し、その比《数式始》R=H/HSI《数式終》を求める。測定は同一のガラスびんについて3回繰り返し行い、平均値《アッパーライン始》R《アッパーライン終》及び《アッパーライン始》R《アッパーライン終》を求める。このとき、次式により計算する試料中のテトラクロロエチレンの含有量は0.1W/W%以下でなければならない。
《数式始》テトラクロロエチレン含有量(W/W%)=K×(《アッパーライン始》R《アッパーライン終》÷《アッパーライン始》R《アッパーライン終》)×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:テトラクロロエチレン標準液の濃度(W/V%)
操作条件
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を用いる。
カラム管 内径3mm、長さ3,000mmのガラス管を用いる。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンを10%含ませる。
カラム温度 70℃
注入口及び検出器温度 180℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。1,1,1,2-テトラクロロエタンが約12~13分間で流出する流速に調整する。
2 試薬、標準液等
(1) ゴムせん付き細口付き円筒形のガラスびん
内容量100mlのものを用いる。
(2) エタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(3) テトラクロロエチレン標準液
あらかじめ少量のヘキサン(日本工業規格試薬特級、以下この項において同じ。)を入れておいた100mlのメスフラスコにテトラクロロエチレン(純度99%以上のもの)1.00gを正確に量り採り、ヘキサンを加えて正確に100mlとする。この液10mlを採り、ヘキサンを加えて正確に100mlとしたものをテトラクロロエチレン標準液とする。
(4) 1,1,1,2-テトラクロロエタン内部標準液
あらかじめ少量のヘキサンを入れておいた100mlのメスフラスコに1,1,1,2-テトラクロロエタン(純度99%以上のもの)1.2gを正確に量り採り、ヘキサンを加えて正確に100mlとする。この液10mlを採り、ヘキサンを加えて正確に100mlとしたものを1,1,1,2-テトラクロロエタン内部標準液とする。
(5) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(6) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
トリクロロエチレン 家庭用エアゾル製品
家庭用の洗浄剤
左に掲げる家庭用品は、テトラクロロエチレンの項基準の欄の試験法による試験に適合しなければならない。
この場合において、「テトラクロロエチレン」とあるのは、「トリクロロエチレン」と読み替えるものとする。
トリス(1―アジリジニル)ホスフインオキシド 繊維製品のうち、寝衣、寝具、カーテン及び床敷物 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その1.0gを100mlのナス型フラスコ(I)に正確に量り採り、メタノール50mlを加えた後、還流冷却器を付け、70℃の水浴中で30分間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、ろ液を100mlのナス型フラスコ(Ⅱ)に採り、ロータリーエバポレーターを用いてメタノールを除去する。
(2) 精製
内径10mm、長さ300mmの吸着管に、カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)5gをジクロルメタンに懸濁して入れ、次いでその上に硫酸ナトリウム(無水)約1gを入れ、カラムの上端に少量のジクロルメタンが残る程度までジクロルメタンを流出させる。
(1)のメタノールを除去したナス型フラスコ(Ⅱ)にジクロルメタン10mlを加えてよく振り混ぜ、この液をカラムに流し込んだ後、ジクロルメタン100mlをカラムに流し込み、最初の流出液約100mlを200mlのナス型フラスコに採り、ロータリーエバポレーターを用いてジクロルメタンを除去する。残留物をメタノール2mlに溶かし、これを試験溶液とする。
2 試験
炎光光度型検出器(リン用干渉フイルター、波長526nm)付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液を5μl採り、次の操作条件により試験を行うとき、トリス(1-アジリジニル)ホスフインオキシド標準品の保持時間と一致する保持時間の位置にピークを示してはならない。
操作条件
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシラザン処理(ヘキサメチルジシラザン(日本工業規格試薬特級)、トリメチルクロルシラン(日本工業規格試薬特級)及びピリジン(日本工業規格試薬特級)の混液(3:1:5)に浸し、10分間水洗いして乾燥させる処理をいう。以下同じ。)を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ポリエチレングリコール(分子量20,000のもの)を1%含ませる。
カラム管 内径3mm 長さ1,000mmのガラス管を用いる。
カラム温度 150~220℃、昇温速度毎分10℃
試験溶液注入口温度 170℃
検出器 200℃で操作する。
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。トリス(1-アジリジニル)ホスフインオキシドが約1.5分で流出する流速に調整するとともに、水素及び空気の流量を至適条件に調整する。
3 試薬、標準液等
(1) メタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(2) カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)
水分含有量10%のものを用いる。
カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)10gを精製水90mlに懸濁したとき、そのpHは6.0~8.0である。
(3) ジクロルメタン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(4) 硫酸ナトリウム(無水)
日本工業規格試薬特級を用いる。
(5) トリス(1-アジリジニル)ホスフインオキシド標準品
トリス(1-アジリジニル)ホスフインオキシドを95%以上含む。
39.9Paのとき、沸点は90~91℃である。
(6) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(7) 6mol/1塩酸
塩酸(日本工業規格試薬特級)を精製水で約2倍に薄めたものを用いる。
(8) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(9) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(10) 水素
日本工業規格の水素3級を用いる。
トリス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイト 繊維製品のうち、寝衣、寝具、カーテン及び床敷物 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その1.0gを100mlのナス型フラスコ(I)に正確に量り採り、メタノール50mlを加えた後、還流冷却器を付け、70℃の水浴中で30分間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、ろ液を100mlのナス型フラスコ(Ⅱ)に採り、ロータリーエバポレーターを用いてメタノールを除去する。
(2) 精製
内径10mm、長さ300mmの吸着管に、カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(塩基性)5gをベンゼンに懸濁して入れ、次いでその上に硫酸ナトリウム(無水)約1gを入れ、カラムの上端に少量のベンゼンが残る程度までベンゼンを流出させる。
(1)のメタノールを除去したナス型フラスコ(Ⅱ)にベンゼン10mlを加えてよく振り混ぜ、この液をカラムに流し込んだ後、ベンゼン100mlをカラムに流し込み、最初の流出液約100mlを200mlのナス型フラスコに採り、ロータリーエバポレーターを用いてベンゼンを除去する。残留物をアセトン1mlに溶かし、これを試験溶液とする。
2 試験
炎光光度型検出器(リン用干渉フイルター、波長526nm)付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液を1μl採り、次の操作条件1又は2のいずれか適切な条件の下に試験を行うとき、トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスフエイト標準品の保持時間と一致する保持時間の位置にピークを示してはならない。
操作条件1
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ125~149μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、アルコール性塩基で洗い、更に精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシリル化処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対しガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンゴムを15%含ませた後、標準網フルイ125~149μmに整える。
カラム管 内径0.8mm 長さ500mmのガラス管を用いる。
カラム温度 225℃
試験溶液注入口及び検出器温度 260℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスフエイトが約6分で流出する流速に調整するとともに、水素及び空気の流量を至適条件に調整する。
操作条件2
次に示す条件以外は、操作条件1に示すところによる。
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、アルコール性塩基で洗い、更に精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシリル化処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンゴムを10%含ませる。
カラム管 内径3mm 長さ500mmのガラス管を用いる。
3 試薬、標準液等
(1) メタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(2) カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(塩基性)水分含量4.5~6.5%のものを用いる。
カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(塩基性)10gを精製水90mlに懸濁したとき、そのpHは7.5~9.0である。
(3) ベンゼン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(4) 硫酸ナトリウム(無水)
日本工業規格試薬特級を用いる。
(5) アセトン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(6) トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスフエイト標準品
トリス(2,3-ジブロムプロピル)ホスフエイトを80%以上含む。
沸点は260℃である。
(7) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(8) 6mol/1塩酸
塩酸(日本工業規格試薬特級)を精製水で約2倍に薄めたものを用いる。
(9) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(10) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(11) 水素
日本工業規格の水素3級を用いる。
トリフエニル(すず)化合物 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、衛生バンド、衛生パンツ、手袋及びくつした
家庭用接着剤
家庭用塗料
家庭用ワツクス
くつ墨及びくつクリーム
左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
ア 繊維製品の場合
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その1.0gを正確に量り採り、200mlのナス型フラスコに入れ、塩酸・メタノール溶液75mlを加えた後、還流冷却器を付け、70℃の水浴中で30分間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液を300mlの分液漏斗に採る。還流冷却器、ナス型フラスコ及びガラスろ過器をメタノール25mlで洗い、洗液はろ液に合わせる。分液漏斗にリン酸・クエン酸緩衝液(pH2.0)50ml及び精製水100mlを加え、更にジクロルメタン30mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ジクロルメタン層を分取する。更にジクロルメタン30mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ジクロルメタン層を分取する。必要があれば遠心分離を行う。ジクロルメタン抽出液に硫酸ナトリウム(無水)5gを加えてよく振り混ぜた後、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液を100mlのナス型フラスコに採る。ロータリーエバポレーターを用いて50℃でろ液を約10mlまで濃縮する。
イ 繊維製品以外で水性のものの場合
試料1.0gを50mlの遠沈管に正確に量り採り、メタノール20mlを加えてよくかき混ぜた後、塩酸1mlを加えて5分間激しく振り混ぜる。1分間3,000回転で5分間遠心分離を行い、上澄液を200mlの分液漏斗に分取する。残留物及び遠沈管をメタノール5mlで洗い、洗液は上澄液に合わせる。分液漏斗にリン酸・クエン酸緩衝液(pH2.0)25ml及び精製水50mlを加え、更にヘキサン30mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ヘキサン層を分取する。更にヘキサン30mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ヘキサン層を分取する。必要があれば遠心分離を行う。ヘキサン抽出液に硫酸ナトリウム(無水)2gを加えてよく振り混ぜた後、2時間放置する。ヘキサン抽出液を100mlのナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で抽出液を約1mlまで濃縮する。濃縮液にジクロルメタン10mlを加える。
ウ 繊維製品以外で油性のものの場合
試料1.0gを50mlの遠沈管に正確に量り採り、ヘキサン20mlを加えてよくかき混ぜた後、酢酸1mlを加えて5分間激しく振り混ぜる。1分間3,000回転で5分間遠心分離を行い、上澄液を100mlの分液漏斗に分取する。分液漏斗にエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを含むリン酸・クエン酸緩衝液(pH8.5)20mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ヘキサン層を分取する。更にヘキサン10mlを加えて5分間激しく振り混ぜた後、ヘキサン層を分取する。必要があれば遠心分離を行う。ヘキサン抽出液に硫酸ナトリウム(無水)2gを加えてよく振り混ぜた後、2時間放置する。必要があれば、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G3)に適合するもの)を用いてろ過する。
(2) 精製
ア 繊維製品の場合又は繊維製品以外で水性のものの場合
内径10mm、長さ300mmの吸着管に、カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)1.5gをジクロルメタンに懸濁して入れ、次いでその上に硫酸ナトリウム(無水)約1gを入れ、カラムの上端に少量のジクロルメタンが残る程度までジクロルメタンを流出させる。
1 試験溶液の調製(1) 抽出ア 繊維製品の場合又はイ 繊維製品以外で水性のものの場合によつて得た液をカラムに流し込み、更にジクロルメタン10mlをカラムに流し込んだ後、全溶出液を100mlのナス型フラスコに採る。
イ 繊維製品以外で油性のものの場合
内径10mm、長さ300mmの吸着管に、カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)1.5gをヘキサンに懸濁して入れ、次いでその上に硫酸ナトリウム(無水)約1gを入れ、カラムの上端に少量のヘキサンが残る程度までヘキサンを流出させる。
1 試験溶液の調製(1) 抽出ウ 繊維製品以外で油性のものの場合によつて得た液にトリオクチルメチルアンモニウムクロリド溶液1mlを加えた後、カラムに流し込み、ヘキサン溶出液は捨てる。更にヘキサン10mlをカラムに流し込み、ヘキサン溶出液は捨てる。次に、ジクロルメタン10mlをカラムに流し込み、ジクロルメタン溶出液の全量を100mlのナス型フラスコに採る。
(3) 灰化
1 試験溶液の調製(2) 精製によつて得た液をロータリーエバポレーターを用いて50℃で液の全量が1~2mlになるまでジクロルメタンを除去した後、空気又は窒素を吹きつけてジクロルメタンを全部除去する。残留物に硝酸2mlを加えた後、還流冷却器を付け、5分間直火で穏やかに加熱する。冷やした後、3%硝酸10mlで還流冷却器を洗い、洗液をナス型フラスコに加える。これをガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G3)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液を20mlのメスフラスコに採る。ナス型フラスコ及びガラスろ過器を3%硝酸5mlで洗い、洗液をメスフラスコに加える。メスフラスコに精製水を加え、全量を正確に20mlとしたものを試験溶液とする。
2 試験(フレームレス原子吸光法)
試験溶液20μlを正確に採り、次の操作条件により試験を行うとき、286.3nmに吸収を認めることがあつてはならない。
ただし、吸収が認められたときは、
3 確認試験法により、286.3nmにおける吸収がトリフエニル(すず)化合物によるものであることを確認しなければならない。
操作条件
乾燥条件 110℃、20秒間
灰化条件 500℃、50秒間
原子化条件 2,500℃、10秒間
パージングガス 高純度窒素を用いる。毎分30mlの流速に調整する。
3 確認試験法
(1) 試験溶液の調製
1 試験溶液の調製(2) 精製によつて得た液をロータリーエバポレーターを用いて50℃で液の全量が1~2mlになるまでジクロルメタンを除去した後、空気又は窒素を吹きつけてジクロルメタンを全部除去する。残留物を0.2mlのジクロルメタンに溶かし、これを試験溶液とする。
(2) 試験
シリカゲル薄層板の下端から20mm、左端から20mmの位置に試験溶液を、下端から20mm、右端から20mmの位置にトリブチル(すず)標準液を、下端から20mm、右端から40mmの位置にトリフエニル(すず)標準液をそれぞれスポツトする。直ちにこのシリカゲル薄層板をジクロルメタンを展開溶媒とした展開(そう)の中で上昇法により、100mm展開した後、風乾する。このシリカゲル薄層板の上端から20mm、左端から20mmの位置にトリブチル(すず)標準液を、上端から40mm、左端から20mmの位置にトリフエニル(すず)標準液をそれぞれスポツトする。直ちにこのシリカゲル薄層板を左端を下にしてヘキサン・アセトン・酢酸(16:3.5:0.5)溶液を展開溶媒とした展開(そう)の中で上昇法により100mm展開した後、風乾し、ジチゾン溶液を噴霧してその展開位置をトリブチル(すず)標準液及びトリフエニル(すず)標準液と比較して同定する。トリブチル(すず)化合物は、退色の速やかな黄色のはん点を、トリフエニル(すず)化合物は、黄だいだい色のはん点を示す。
4 試薬、標準液等
(1) 塩酸・メタノール溶液
塩酸(日本工業規格試薬特級)1mlにメタノール(日本工業規格試薬特級)を加えて100mlとしたものを用いる。
(2) メタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(3) リン酸・クエン酸緩衝液(pH2.0)
リン酸二ナトリウム(十二水塩)(日本工業規格試薬特級)1.43g、クエン酸(日本薬局方クエン酸)17.3g及び塩化ナトリウム(日本工業規格試薬特級)5.0gを精製水800mlに溶かし、1mol/1塩酸(塩酸(日本工業規格試薬特級)を10ml採り、精製水を加えて120mlとしたもの)でpHを2.0に調整した後、精製水を加えて1,000mlとしたものを用いる。
(4) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(5) ジクロルメタン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(6) 硫酸ナトリウム(無水)
日本工業規格試薬特級を用いる。
(7) 塩酸
日本工業規格試薬特級を用いる。
(8) ヘキサン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(9) 酢酸
日本工業規格試薬特級を用いる。
(10) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを含むリン酸・クエン酸緩衝液(pH8.5)
リン酸二ナトリウム(十二水塩)(日本工業規格試薬特級)42.3g、クエン酸(日本薬局方クエン酸)7.7g及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(日本工業規格試薬特級)2.0gを精製水800mlに溶かし、10mol/1水酸化ナトリウム液(水酸化ナトリウム(日本工業規格試薬特級)40gに精製水を加えて100mlとしたもの)でpHを8.5に調整した後、精製水を加えて1,000mlとしたものを用いる。
(11) カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)
水分含量10%のものを用いる。
カラムクロマトグラフ用酸化アルミニウム(中性)10gを精製水90mlに懸濁したとき、そのpHは6.0~8.0である。
(12) トリオクチルメチルアンモニウムクロリド溶液
トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(純度85%以上のもの)20mgにヘキサンを加えて溶かし、100mlとしたものを用いる。
(13) 硝酸
次の試験に適合する硝酸を用いる。
硝酸2mlを採り、この硝酸を用いて作つた3%硝酸15mlを加え、更に精製水を加えて20mlとする。その20μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、吸収を認めない。
(14) 3%硝酸
(13)の硝酸10mlに精製水を加えて200mlとしたものを用いる。
(15) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(16) シリカゲル薄層板
薄層クロマトグラフ用シリカゲル30gに精製水60mlを加え、ガラス板(200×200mm)に0.2~0.25mmの厚さに均一に塗る。105~110℃で約3時間乾燥し、デシケーター中で放冷保存したものを用いる。
(17) トリブチル(すず)標準液
トリブチル(すず)アセテート(純度95%以上のもの)を10mg採り、100mlのジクロルメタンに溶かしたものを用いる。
(18) トリフエニル(すず)標準液
トリフエニル(すず)アセテート(純度95%以上のもの)を10mg採り、100mlのジクロルメタンに溶かしたものを用いる。
(19) ヘキサン・アセトン・酢酸(16:3.5:0.5)溶液
ヘキサン(日本工業規格試薬特級)96ml、アセトン(日本工業規格試薬特級)21ml及び酢酸(日本工業規格試薬特級)3.0mlをそれぞれ正確に量り採り、よく混ぜ合わせたものを用いる。
(20) ジチゾン溶液
精製水10mlにアセトン(日本工業規格試薬特級)を加えて100mlとしたものにジチゾン(日本工業規格試薬特級)0.1gを溶かしたものを用いる。
トリブチル(すず)化合物 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、衛生バンド、衛生パンツ、手袋及びくつした
家庭用接着剤
家庭用塗料
家庭用ワックス
くつ墨及びくつクリーム
左に掲げる家庭用品は、トリフエニル(すず)化合物の項基準の欄の試験法による試験に適合しなければならない。
この場合において、2 試験(フレームレス原子吸光法)中「トリフエニル(すず)化合物」とあるのは「トリブチル(すず)化合物」と読み替えるものとする。
ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイト化合物 繊維製品のうち、寝衣、寝具、カーテン及び床敷物 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その1.0gを200mlのナス型フラスコ(Ⅰ)に正確に量り採り、メタノール50mlと塩酸1mlを加えた後、還流冷却器を付け、70℃の水浴中で30分間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、ろ液を200mlのナス型フラスコ(Ⅱ)に採る。還流冷却器、ナス型フラスコ(Ⅰ)及びガラスろ過器をメタノール20mlで洗い、洗液はろ液に合わせ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でメタノールを除去した後、エタノール10mlを加え、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でエタノールを除去する。残留物を1mol/l炭酸水素ナトリウム溶液20mlに溶かして50ml共せん付き遠沈管(Ⅰ)に移す。ナス型フラスコ(Ⅱ)を10mlの1mol/l炭酸水素ナトリウム溶液で洗い洗液は遠沈管(Ⅰ)に合わせる。遠沈管(Ⅰ)にベンゼン10mlを加えて5分間激しく振り混ぜ静置した後、ベンゼン層を遠沈管(Ⅱ)に採る。この操作を更に2回繰り返す。遠沈管(Ⅱ)に1mol/l炭酸水素ナトリウム溶液10mlを加えて5分間激しく振り混ぜ静置した後、水層は遠沈管(Ⅰ)に合わせる。次に、この水層を200mlの分液ロートに移し、塩酸10mlをかき混ぜながら少量ずつ加える。これに酢酸エチル50mlを加えて5分間激しく振り混ぜ静置した後、酢酸エチル層を分取する。この操作を更に5回繰返し、全酢酸エチル層を合わせる。これに硫酸ナトリウム(無水)約30gを加えてよく振り混ぜた後、2時間放置し、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液をナス型フラスコに採る。硫酸ナトリウムを酢酸エチル50mlで洗い、洗液はろ液に合わせ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で約5mlまで濃縮し、氷冷する。
(2) メチルエステル化
(1)の濃縮液にジアゾメタン・エーテル溶液を液の黄色が5分間放置しても消えなくなるまで加えた後、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で溶媒を除去する。残留物をアセトン1mlに溶かし、これを試験溶液とする。
2 試験
炎光光度型検出器(リン用干渉フイルター、波長526nm)付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液を1μl採り、次の操作条件1又は2のいずれか適切な条件の下に試験を行うとき、ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトのメチルエステル標準液の保持時間と一致する保持時間の位置にピークを示してはならない。
ただし、ピークが認められたときは、3 確認試験法により、このピークがビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトによるものであることを確認しなければならない。
操作条件1
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ125~149μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、アルコール性塩基で洗い、更に精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシリル化処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンゴムを15%含ませた後、標準網フルイ125~149μmに整える。
カラム管 内径0.8mm、長さ500mmのガラス管を用いる。
カラム温度 120~235℃、毎分10℃昇温
試験溶液注入口及び検出器温度 250℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトのメチルエステルが約10分で流出する流速に調整するとともに、水素及び空気の流量を至適条件に調整する。
操作条件2
次に示す操作条件以外は、操作条件1に示すところによる。
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、アルコール性塩基で洗い、更に精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシリル化処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジメチルシリコンゴムを10%含ませる。
カラム管 内径3mm、長さ500mmのガラス管を用いる。
3 確認試験
(1) 試験溶液の調製
1 試験溶液の調製(1) 抽出によつて得た濃縮液をロータリーエバポレーターを用いて50℃で酢酸エチルを除去する。残留物を1mol/l水酸化ナトリウム溶液20mlに溶かし、2日間放置する。次に、この液を100mlの分液ロートに移し、塩酸8mlをかき混ぜながら少量ずつ加える。これに酢酸エチル30mlを加えて振り混ぜ静置した後、酢酸エチル層を分取する。この操作を更に5回繰り返し、全酢酸エチル層を合わせる。これに硫酸ナトリウム(無水)約20gを加えてよく振り混ぜた後、2時間放置し、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液をナス型フラスコに採る。硫酸ナトリウムを酢酸エチル20mlで洗い、洗液はろ液に合わせ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃で約5mlまで濃縮し、氷冷する。以下1 試験溶液の調製(2) メチルエステル化の場合と同様に操作して、得られた溶液を試験溶液とする。
(2) 試験
炎光光度型検出器(リン用干渉フイルター、波長526nm)付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液を1μl採り、2 試験の場合と同様に試験を行い、得られたクロマトグラム上のピークと2 試験によつて得られたクロマトグラム上のピークを比較する。このとき、ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトのメチルエステル標準液の保持時間と一致する保持時間の位置のピークが著しく減少しているか又は完全に消失しているとともに、ビス(2―ブロムプロペン―2―イル)ホスフエイトのメチルエステル標準液の保持時間と一致する保持時間の位置に新たにピークが認められたとき、ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトと確認する。
4 試薬、標準液等
(1) メタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(2) 塩酸
日本工業規格試薬特級を用いる。
(3) エタノール
日本工業規格試薬特級を用いる。
(4) 1M炭酸水素ナトリウム溶液
炭酸水素ナトリウム(日本工業規格試薬特級)84gを精製水に溶かし、1,000mlとしたものを用いる。
(5) ベンゼン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(6) 酢酸エチル
酢酸エチル(日本工業規格試薬特級)を精製水で洗つた後、硫酸ナトリウム(無水)で乾燥し、これを蒸留する。沸点76~78℃の留分を用いる。
(7) 硫酸ナトリウム(無水)
日本工業規格試薬特級を用いる。
(8) ジアゾメタン・エーテル溶液
ナス型フラスコに水酸化カリウム(日本工業規格試薬特級)1gを採り、精製水1.6ml及びエタノール5mlを加えて溶かした後、N―メチル―N―ニトロソ―パラトルエンスルホンアミド4.3gをエチルエーテル(日本工業規格試薬特級)26mlに溶かした溶液を注意深く加える。これを65℃の水浴中で蒸留し、留液20mlをエチルエーテル(日本工業規格試薬特級)5mlを入れた共せん付きフラスコに採る。この場合共せん付きフラスコは氷水中で冷却し、又冷却器の先端は共せん付きフラスコ中のエチルエーテルの液面下に浸すものとする。調製した溶液は密せんして冷蔵庫に保存し、1~2週間以内に用いる。
(9) アセトン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(10) ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイト標準品
ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトを95%以上含む。
(11) ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトのメチルエステル標準液
ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイト標準品50.0mgを正確に量り採り、酢酸エチルで正確に100mlとする。その1mlを正確に採り、
1 試験溶液の調製(2) メチルエステル化の場合と同様に操作して得られたアセトン溶液をビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイトのメチルエステル標準液とする。用時調製する。
(12) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(13) 6mol/l塩酸
塩酸(日本工業規格試薬特級)を精製水で約2倍に薄めたものを用いる。
(14) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(15) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(16) 水素
日本工業規格の水素3級を用いる。
(17) 1mol/l水酸化ナトリウム溶液
水酸化ナトリウム(日本工業規格試薬特級)40.0gを精製水に溶かし1,000mlとしたものを用いる。
(18) ビス(2―ブロムプロペン―2―イル)ホスフエイト標準品
ビス(2,3―ジブロムプロピル)ホスフエイト1gを1mol/l水酸化ナトリウム溶液50mlに溶かし、2日間かき混ぜた後、塩酸を加えて酸性としベンゼン50mlで3回抽出する。ベンゼン抽出液に硫酸ナトリウム(無水)約20gを加えてよく振り混ぜた後、2時間放置し、ガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いてろ過し、ろ液をナス型フラスコに採る。硫酸ナトリウムをベンゼン30mlで洗い、洗液はろ液に合わせ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でベンゼンを除去する。残留物を減圧デシケーター(シリカゲル)中に入れ一晩放置したものを用いる。
(19) ビス(2―ブロムプロペン―2―イル)ホスフエイトのメチルエステル標準液
ビス(2―ブロムプロペン―2―イル)ホスフエイト標準品30.0mgを正確に量り採り、酢酸エチルで正確に100mlとする。その1mlを正確に採り、1 試験溶液の調製(2) メチルエステル化の場合と同様に操作して得られたアセトン溶液をビス(2―ブロムプロペン―2―イル)ホスフエイトのメチルエステル標準液とする。用時調製する。
ヘキサクロルエポキシオクタヒドロエンドエキソジメタノナフタリン(別名デイルドリン) 繊維製品のうち、おしめカバー、下着、寝衣、手袋、くつした、中衣、外衣、帽子、寝具及び床敷物
家庭用毛糸
左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 抽出
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その約1gを精密に量り採り、500mlのナス型フラスコ(Ⅰ)に入れ、メタノール250mlを加えた後、還流冷却器を付け、70℃の水浴中で30分間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、ろ液を500mlのナス型フラスコ(Ⅱ)に採る。還流冷却器、ナス型フラスコ(Ⅰ)及びガラスろ過器をメタノール100mlで洗い、洗液はろ液に合わせ、ロータリーエバポレーターを用いて50℃でメタノールを除去する。
(2) 精製
内径15mm、長さ300mmの吸着管に、カラムクロマトグラフ用合成ケイ酸マグネシウム10gをへキサンに懸濁して入れ、次いでその上に硫酸ナトリウム(無水)約5gを入れ、カラムの上端に少量のヘキサンが残る程度までヘキサンを流出させる。
(1)のメタノールを除去したナス型フラスコ(Ⅱ)に15%エチルエーテル・ヘキサン溶液10mlを加えてよく振り混ぜ、この液をカラムに流し込み、更に15%エチルエーテル・ヘキサン溶液20mlでナス型フラスコ(Ⅱ)を洗う操作を2回繰り返し、両洗液をカラムに流し込んだ後、15%エチルエーテル・ヘキサン溶液250mlをカラムに流し込み、最初の流出液約290mlを採り、ヘキサンを加えて全量を正確に300mlとする。その10mlを正確に採り、ヘキサンを加えて正確に100mlとしたものを試験溶液とする。
2 試験
電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液及びデイルドリン標準液を正確にそれぞれ1μl採り、次の操作条件1及び2で試験を行い、得られたクロマトグラムのピークを比較する。デイルドリン標準液の保持時間と一致する保持時間を持つピークが、いずれの操作条件においても存在する場合は、そのピークについていずれか適切な条件のもとに得られたクロマトグラム上で試験溶液のピーク面積P及びデイルドリン標準液のピーク面積Pを測定する。このとき、次式により計算する試料1gについてのデイルドリン含有量は30μg以下でなければならない。
《数式始》試料1gについてのデイルドリンの含有量(μg)=K×(P÷P)×3,000×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:デイルドリン標準液の濃度(μg/ml)
操作条件1
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシラザン処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用シリコンを5%含ませる。カラム管 内径3mm、長さ1,500~2,000mmのガラス管を用いる。
カラム温度 200℃
試験溶液注入口温度 250℃
検出器 至適加電圧を与え、250℃付近(線源がトリチウムの場合は、最高使用温度)で操作する。
キャリヤーガス 高純度窒素を用いる。デイルドリンが約12分で流出する流速に調整する。
操作条件2
次に示す操作条件以外は、操作条件1に示すところによる。
カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/l塩酸で2時間還流して洗い、次いで精製水で流出液が中性となるまで洗つた後、乾燥し、メチルシラザン処理を施す。
カラム充てん剤 カラム担体に対してガスクロマトグラフ用ジエチレングリコールサクシネートを2%、リン酸を0.5%含ませる。
カラム温度 175℃
キャリヤーガス 高純度窒素を用いる。デイルドリンが約7分で流出する流速に調整する。
3 試薬、標準液等
(1) メタノール
次の試験に適合するメタノールを用いる。
メタノール300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のメタノール以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ―BHCが示すピークの高さ以下でなくてはならない。
(2) カラムクロマトグラフ用合成ケイ酸マグネシウム
カラムクロマトグラフ用合成ケイ酸マグネシウム(標準網フルイ177~250μm)を450℃で一夜加熱した後、デシケーター中で放冷したものであつて、次の試験に適合するものを用いる。
デイルドリン標準液10mlを試料とし、1 試験溶液の調製(2) 精製及び2 試験に準じて試験を行うとき、デイルドリンがほとんど完全に回収されなければならない。
(3) へキサン
次の試験に適合するへキサンを用いる。
ヘキサン300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のヘキサン以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ―BHCが示すピークの高さ以下でなくてはならない。
(4) 硫酸ナトリウム(無水)
次の試験に適合する硫酸ナトリウム(無水)を用いる。
硫酸ナトリウム(無水)を20g採り、(3)のへキサン100mlに懸濁する。1分間振り混ぜた後10分間静置する操作を6回繰り返した後、へキサンを分取する。更にその硫酸ナトリウム(無水)を(3)のへキサン少量で洗い、洗液をこれに合わせる。このへキサンの全量をロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のへキサン以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ―BHCが示すピークの高さ以下でなくてはならない。
(5) エチルエーテル
次の試験に適合するエチルエーテルを用いる。
エチルエーテル300mlをロータリーエバポレーターを用いて5mlに減圧濃縮し、その5μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上のエチルエーテル以外のピークの高さは、《数式始》2×10-11《数式終》gのγ―BHCが示すピークの高さ以下でなくてはならない。
(6) 15%エチルエーテル・へキサン溶液
(5)のエチルエーテル15mlに(3)のヘキサンを加えて全量を100mlとする。
(7) デイルドリン標準品
デイルドリンを98%以上含む。融点は177~179℃である。
(8) デイルドリン標準液
デイルドリン標準品1.0mgを正確に採り、(3)のヘキサンに溶かし、正確に100mlとする。その1mlを正確に採り、(3)のへキサンを加えて100mlとし、更にその10mlを正確に採り、(3)のヘキサンを加えて100mlとしたものをデイルドリン標準液とする。
デイルドリン標準液1ml=0.01μgデイルドリン
(9) ケイソウ土
ケイソウ土をガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
(10) 6mol/l塩酸
塩酸(日本工業規格試薬特級)を精製水で約2倍に薄めたものを用いる。
(11) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(12) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(13) リン酸
日本工業規格試薬特級を用いる。
ベンゾ[a]アントラセン クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤及び木材防虫剤 左に掲げる家庭用品は、ジベンゾ[a,h]アントラセンの項基準の欄に掲げる試験(クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤及び木材防虫剤に係るものに限る。)に適合しなければならない。
この場合において、同欄中「ジベンゾ[a,h]アントラセン」とあるのは「ベンゾ[a]アントラセン」と、「278」とあるのは「228」と、「約15~16分」とあるのは「約11~12分」と読み替えるものとする。
クレオソート油及びその混合物で処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材 左に掲げる家庭用品は、ジベンゾ[a,h]アントラセンの項基準の欄に掲げる試験(クレオソート油及びその混合物で処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材に係るものに限る。)に適合しなければならない。
この場合において、同欄中「ジベンゾ[a,h]アントラセン」とあるのは「ベンゾ[a]アントラセン」と、「278」とあるのは「228」と、「約15~16分」とあるのは「約11~12分」と読み替えるものとする。
ベンゾ[a]ピレン クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤及び木材防虫剤 左に掲げる家庭用品は、ジベンゾ[a,h]アントラセンの項基準の欄に掲げる試験(クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤及び木材防虫剤に係るものに限る。)に適合しなければならない。
この場合において、同欄中「ジベンゾ[a,h]アントラセン」とあるのは「ベンゾ[a]ピレン」と、「278」とあるのは「252」と「約15~16分」とあるのは「約13~14分」と読み替えるものとする。
クレオソート油及びその混合物で処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材 左に掲げる家庭用品は、ジベンゾ[a,h]アントラセンの項基準の欄に掲げる試験(クレオソート油及びその混合物で処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材に係るものに限る。)に適合しなければならない。
この場合において、同欄中「ジベンゾ[a,h]アントラセン」とあるのは「ベンゾ[a]ピレン」と、「278」とあるのは「252」と、「約15~16分」とあるのは「約13~14分」と読み替えるものとする。
ホルムアルデヒド 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、寝衣、手袋、くつした、中衣、外衣、帽子、寝具であつて、出生後24月以内の乳幼児用のもの 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その2.50gを200mlの共せんフラスコに正確に量り採り、精製水100mlを正確に加えた後、密せんし、40℃の水浴中で時々振り混ぜながら1時間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、これを試験溶液とする。
2 試験
試験溶液及びホルムアルデヒド標準液を正確にそれぞれ5.0ml採り、それぞれにアセチルアセトン試液5.0mlを加えて振り混ぜた後、40℃の水浴中で30分間加温し、30分間放置する。それぞれの溶液について、精製水5.0mlにアセチルアセトン試液5.0mlを加えて同様に操作したものを対照として、層長1cmで412~415nmにおける吸収の極大波長で試験溶液に係る吸光度A及びホルムアルデヒド標準液に係る吸光度Asを測定する。また、別に試験溶液5.0mlを採り、アセチルアセトン試液の代わりに精製水5.0mlを用いて同様に操作する。その溶液について、精製水を対照として、吸光度A及びAsを測定したときと同じ波長における吸光度Aoを測定する。このとき、A-Aoの値が0.05以下又は次式により計算する試料1gについてのホルムアルデヒド溶出量が16μg以下でなければならない。
試料1gについてのホルムアルデヒド溶出量(μg)
《数式始》=K×(A-Ao)÷As×100×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、K:ホルムアルデヒド標準液の濃度(μg/ml)
3 確認試験
2 試験において、A-Aoの値が0.05を超えたとき又はホルムアルデヒドの溶出量が16μgを超えたときは、次の(1)又は(2)のいずれかの試験により、吸光度Aを測定した波長における吸収がホルムアルデヒドによるものであることを確認しなければならない。
(1) ジメドン法
試験溶液5.0mlを共せん試験管に採り、ジメドン・エタノール溶液1.0mlを加えて振り混ぜ、40℃の水浴中で10分間加温し、更にアセチルアセトン試液5.0mlを加えて振り混ぜ、40℃の水浴中で30分間加温し、30分間放置した後、試験溶液の代わりに精製水5.0mlを用いて同様に操作したものを対照として吸収スペクトルを測定するとき、波長412~415nmにおいて、吸光度A及びAsを測定した場合と同様の吸収スペクトルを示してはならない。
(2) 高速液体クロマトグラフ法
2 試験によつて得られた試験溶液にアセチルアセトン試液を加えた液及びホルムアルデヒド標準液にアセチルアセトン試液を加えた液をそれぞれ
10μl採り、次の操作条件で試験を行う。試験溶液にアセチルアセトン試液を加えた液のクロマトグラム上に、ホルムアルデヒド標準液にアセチルアセトン試液を加えた液におけるホルムアルデヒド-アセチルアセトン反応生成物のピークと保持時間が一致する保持時間を持つピークが存在しなくてはならない
操作条件
カラム管 内径4.6mm、長さ150mmのステンレス管を用いる。
カラム充てん剤 粒径5μmのオクタデシルシリル化シリカゲルを用いる。
カラム温度 35℃
検出器 紫外可視検出器
検出波長 412~415nm
移動相 アセトニトリル:精製水(15:85~20:80)
流速 毎分1.0ml
4 試薬、標準液等
(1) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(2) ホルムアルデヒド標準液
ア ホルマリンの標定
ホルマリン(日本薬局方ホルマリン)約1gを精製水を入れたはかりびんで精密に量り、精製水を加えて正確に100mlとする。その10mlを正確に量り採り、0.05mol/lヨウ素液(日本薬局方定量分析用標準液)50mlを正確に加え、更に1mol/l水酸化カリウム液(日本薬局方定量分析用標準液)20mlを加えた後、15分間常温で放置する。更に希硫酸(日本薬局方試薬)15mlを加え、過剰のヨウ素を0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液(日本薬局方定量分析用標準液)で滴定する(指示薬:日本薬局方デンプン試液)。別に精製水10mlを用いて同様の方法で空試験を行う。
ホルマリン中のホルムアルデヒド含有量C(%)は次式により求める。
《数式始》C(%)=1.5013×{(Vo-V)F}÷1,000×100÷10×1÷W×100《数式終》
ただし、
Vo:空試験における0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の滴定量(ml)
V:本試験における0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の滴定量(ml)
F:0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の力価
W:ホルマリンの採取量(g)
イ ホルムアルデヒド標準液の調製
ホルマリン(日本薬局方ホルマリン)400/Cgを正確に量り採り、精製水を加えて100mlとする。この溶液を用いて、10mlを正確に採り、精製水で10倍量に希釈する操作を5回繰り返してホルムアルデヒド標準液とする。
ホルムアルデヒド標準液1ml=0.4μgHCHO
(3) アセチルアセトン試液
酢酸アンモニウム(日本工業規格試薬特級)150gに適量の精製水を加えて溶かし、氷酢酸(日本工業規格試薬特級)3ml及びアセチルアセトン(日本工業規格試薬特級)2mlを加え、更に精製水を加えて1,000mlとしたものを用いる。用時調製する。
(4) ジメドン・エタノール溶液
ジメドン(日本工業規格試薬特級)1gにエタノール(日本薬局方エタノール)を加えて溶かし、100mlとしたものを用いる。用時調製する。
繊維製品のうち、下着、寝衣、手袋及びくつした(出生後24月以内の乳幼児用のものを除く。)、たび並びにかつら、つけまつげ、つけひげ又はくつしたどめに使用される接着剤 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
(1) 繊維製品の場合
身体と接触する繊維の部分を細かく切つたものを試料とし、その約1gを200mlの共せんフラスコに精密に量り採り、精製水100mlを正確に加えた後、密せんし、40℃の水浴中で時々振り混ぜながら1時間抽出する。次に、この液をガラスろ過器(日本工業規格のガラスろ過器(細孔記号G2)に適合するもの)を用いて温時ろ過し、試験溶液とする。
(2) 接着剤の場合
試料約2gを水蒸気蒸留装置のフラスコに精密に量り採り、精製水50ml及びリン酸溶液3mlを加えた後、受器に精製水10~20mlを入れ冷却器のアダプターが精製水に浸るようにして水蒸気蒸留を行う。留液が190mlになつたとき、蒸留をやめ、精製水を加えて正確に200mlとし、試験溶液とする。
2 試験
試験溶液及びホルムアルデヒド標準液を正確にそれぞれ5.0ml採り、それぞれにアセチルアセトン試液5.0mlを加えて振り混ぜた後、40℃の水浴中で30分間加温し、30分間放置する。それぞれの溶液について、精製水5.0mlにアセチルアセトン試液5.0mlを加えて同様に操作したものを対照として、層長1cmで412~415nmにおける吸収の極大波長で試験溶液に係る吸光度A及びホルムアルデヒド標準液に係る吸光度Asを測定する。また、別に試験溶液5.0mlを採り、アセチルアセトン試液の代わりに精製水5.0mlを用いて同様に操作する。その溶液について、精製水を対照として、吸光度A及びAsを測定したときと同じ波長における吸光度Aoを測定する。このとき、次式により計算する試料1gについてのホルムアルデヒド溶出量は75μg以下でなければならない。
試料1gについてのホルムアルデヒド溶出量(μg)
《数式始》=K×(A-Ao)÷As×E×(1÷試料採取量(g))《数式終》
ただし、
K:ホルムアルデヒド標準液の濃度(μg/ml)
E:繊維製品にあつては100とし、接着剤にあつては200とする。
ただし、ホルムアルデヒドの溶出量が75μgを超えたときは、次の試験により、吸光度Aを測定した波長における吸収がホルムアルデヒドによるものであることを確認しなければならない。
試験溶液5.0mlを共せん試験管に採り、ジメドン・エタノール溶液1.0mlを加えて振り混ぜ、40℃の水浴中で10分間加温し、更にアセチルアセトン試液5.0mlを加えて振り混ぜ、40℃の水浴中で30分間加温し、30分間放置した後、試験溶液の代わりに精製水5.0mlを用いて同様に操作したものを対照として吸収スペクトルを測定するとき、波長412~415nmにおいて、吸光度A及びAsを測定した場合と同様の吸収スペクトルを示してはならない。
3 試薬、標準液等
(1) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(2) リン酸溶液
リン酸(日本工業規格試薬特級)5gを採り、精製水を加えて25mlとしたものを用いる。
(3) ホルムアルデヒド標準液
ア ホルマリンの標定
ホルマリン(日本薬局方ホルマリン)約1gを精製水を入れたはかりびんで精密に量り、精製水を加えて正確に100mlとする。その10mlを正確に量り採り、0.05mol/lヨウ素液(日本薬局方定量分析用標準液)50mlを正確に加え、更に1mol/l水酸化カリウム液(日本薬局方定量分析用標準液)20mlを加えた後、15分間常温で放置する。更に希硫酸(日本薬局方試薬)15mlを加え、過剰のヨウ素を0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液(日本薬局方定量分析用標準液)で滴定する(指示薬:日本薬局方デンプン試液)。別に精製水10mlを用いて同様の方法で空試験を行う。
ホルマリン中のホルムアルデヒド含有量C(%)は次式により求める。
《数式始》C(%)=1.5013×{(Vo-V)F}÷1,000×100÷10×1÷W×100《数式終》
ただし、
Vo:空試験における0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の滴定量(ml)
V:本試験における0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の滴定量(ml)
F:0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム液の力価
W:ホルマリンの採取量(g)
イ ホルムアルデヒド標準液の調製
ホルマリン(日本薬局方ホルマリン)400/Cgを正確に量り採り、精製水を加えて100mlとする。この溶液を用いて、10mlを正確に採り、精製水で10倍量に希釈する操作を4回繰り返してホルムアルデヒド標準液とする。
ホルムアルデヒド標準液1ml=4μgHCHO
(4) アセチルアセトン試液
酢酸アンモニウム(日本工業規格試薬特級)150gに適量の精製水を加えて溶かし、氷酢酸(日本工業規格試薬特級)3ml及びアセチルアセトン(日本工業規格試薬特級)2mlを加え、更に精製水を加えて1,000mlとしたものを用いる。用時調製する。
(5) ジメドン・エタノール溶液
ジメドン(日本工業規格試薬特級)1gにエタノール(日本薬局方エタノール)を加えて溶かし、100mlとしたものを用いる。用時調製する。
メタノール 家庭用エアゾル製品 左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
200mlのフラスコを氷冷し、ドラフト内で内容液をフラスコ内に噴出させ試料とする。試料10.0gを100mlのフラスコに正確に量り採り、精製水20ml、塩化ナトリウム2g、エタノール10ml及び流動パラフイン2滴を加えた後、直火で蒸留し、留液を目盛付き試験管に25ml採る。次に、留液を100mlの分液漏斗に移した後、試験管を25mlの精製水で洗い、洗液は留液に合わせる。分液漏斗にヘキサン10mlを加えて2分間激しく振り混ぜた後、水層を100mlのメスフラスコに分取する。更に分液漏斗に精製水20mlを加えて2分間激しく振り混ぜた後、水層を分取しメスフラスコに合わせる。メスフラスコに精製水を加えて全量を正確に100mlとする。その1.0mlを10mlのメスフラスコに正確に採り、エタノールを加えて正確に10mlとしたものを試験溶液とする。
2 試験
水素炎型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
試験溶液及びメタノール標準液を正確にそれぞれ1μl採り、次の操作条件1及び2で試験を行い、得られたクロマトグラムのピークを比較する。メタノール標準液の保持時間と一致する保持時間を持つピークが、いずれの操作条件においても存在する場合は、そのピークについていずれか適切な条件のもとに得られたクロマトグラム上で試験溶液のピーク高さH及びメタノール標準液の高さHを測定する。このとき、次式により計算する試料中のメタノールの含有量は5W/W%以下でなければならない。
《数式始》メタノール含有量(W/W%)=K×(H÷H)×(1÷試料採取量(g))×1,000《数式終》
ただし、K:メタノール標準液の濃度(W/V%)
操作条件1
カラム担体 エチルビニルベンゼンとジビニルベンゼンのコポリマー(標準網フルイ149~177μm)の吸着型担体を用いる。
カラム管 内径3mm、長さ2,000mmのガラス管を用いる。
カラム温度 130℃
試験溶液注入口及び検出器温度 160℃
キャリヤーガス 高純度窒素を用いる。メタノールが約5~6分で流出する流速に調整するとともに、水素及び空気の流量を至適条件に調整する。
操作条件2
カラム担体 テレフタル酸(標準網フルイ177~250μm)
カラム充てん剤 カラム担体に対しガスクロマトグラフ用ポリエチレングリコール1500を10%含ませる。
カラム管 内径3mm、長さ1,500mmのガラス管を用いる。
カラム温度 50℃
試験溶液注入口及び検出器温度 150℃
キヤリヤーガス 高純度窒素を用いる。メタノールが約7~8分で流出する流速に調整するとともに、水素及び空気の流量を至適条件に調整する。
3 試薬、標準液等
(1) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(2) 塩化ナトリウム
日本薬局方塩化ナトリウムを用いる。
(3) エタノール
次の試験に適合するエタノールを用いる。
エタノール1μlを採り、2 試験に準じて試験を行うとき、クロマトグラム上にメタノールのピークを認めてはならない。
(4) 流動パラフイン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(5) ヘキサン
日本工業規格試薬特級を用いる。
(6) メタノール標準液
メタノール(日本工業規格試薬特級)10.0gを正確に量り採り、エタノールを加えて正確に100mlとし、この液をエタノールを用いて正確に200倍に希釈したものをメタノール標準液とする。
(7) 高純度窒素
日本工業規格の高純度窒素2級を用いる。
(8) 水素
日本工業規格の水素3級を用いる。
(9) テレフタル酸
ガスクロマトグラフ用に精製したものを用いる。
有機水銀化合物 繊維製品のうち、おしめ、おしめカバー、よだれ掛け、下着、衛生バンド、衛生パンツ、手袋及びくつした
家庭用接着剤
家庭用塗料
家庭用ワックス
くつ墨及びくつクリーム
左に掲げる家庭用品は、次の試験法による試験に適合しなければならない。
1 試験溶液の調製
試料(繊維製品にあつては、身体と接触する繊維の部分を細かく切つたもの)1.0gを分液漏斗(I)に正確に量り採り、精製水1ml及び0.5mol/l塩酸50mlを加え、30分間放置し、更に四塩化炭素10mlを加えて5分間激しく振り混ぜたのち、四塩化炭素層を分液漏斗(Ⅱ)に分取する。更に分液漏斗(I)に四塩化炭素10mlを加えて5分間激しく振り混ぜたのち、四塩化炭素層を分液漏斗(Ⅱ)に分取する。分液漏斗(Ⅱ)にシステイン・アセテート溶液10mlを正確に加えて振り混ぜたのち、静置し、更に必要があれば遠心分離を行つたのち、システイン・アセテート溶液層を分取し、これを試験溶液とする。
2 試験(フレームレス原子吸光法)
次の(1)又は(2)のいずれかの試験による。
(1) 加熱気化一金アマルガム法
試験溶液0.2mlを正確に採り、石英ボートに入れ、液面が隠れるように粉末状の水酸化カルシウムを加え、波長253.7nmにおける吸光度Aを測定する。
別に、水銀標準液1.0mlを正確に採り、0.5mol/l塩酸50mlを加え、30分間放置し、以下
1 試験溶液の調製の場合と同様に操作して得られた溶液0.2mlを正確に採り、試験溶液の場合と同様に操作して吸光度Aを測定するとき、AはAより小さくなければならない。
(2) 還元気化法
試験溶液2.0mlを正確に採り、日本工業規格のK0102の44.1.2のB法に準じて操作し、波長253.7nmにおける吸光度Aを測定する。
別に、水銀標準液1.0mlを正確に採り、0.5mol/l塩酸50mlを加え、30分間放置し、以上1試験溶液の調製の場合と同様に操作して得られた溶液2.0mlを正確に採り、試験溶液の場合と同様に操作して吸光度Aを測定するとき、AはAより小さくなければならない。
3 試薬、標準液等
(1) 精製水
日本薬局方精製水を用いる。
(2) 0.5mol/l塩酸
0.5mol/l塩酸試液(日本薬局方試液)を四塩化炭素で4回洗つたものを用いる。
(3) 四塩化炭素
日本工業規格試薬特級を用いる。
(4) システイン・アセテート溶液
L-システイン塩酸塩(-水塩)(日本工業規格試薬特級)1g、酢酸ナトリウム(日本工業規格試薬特級)0.8g及び硫酸ナトリウム(無水)(日本工業規格試薬特級)12.5gを精製水に溶かし、100mlとし、必要があればろ過したものを用いる。
(5) 水酸化カルシウム
水酸化カルシウム(日本工業規格試薬一級)を約800℃で5時間強熱したものを用いる。
(6) 水銀標準液
酢酸フエニル水銀(純度98%以上のもの)167.9mgを正確に採り、精製水に溶かし、正確に1,000mlとする。その10mlを正確に採り、精製水を加えて100mlとし、更にその10mlを正確に採り、精製水を加えて100mlとしたものを水銀標準液とする。
水銀標準液1ml=1μgHg