土壌汚染対策法施行規則
平成十四年十二月二十六日 環境省 令 第二十九号

土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令
平成二十二年二月二十六日 環境省 令 第一号

-本則-
-附則-
-改正附則-
-その他-
汚染の除去等の措置の種類    汚染の除去等の措置の実施の方法   
一 地下水の水質の測定 当該指定区域において土壌汚染に起因する地下水汚染の状況を的確に把握できると認められる地点に観測井を設け、当初一年は四回以上、二年目から十年目までは一年に一回以上、十一年目以降は二年に一回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を、第五条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定すること。
二 土壌汚染の除去 一 汚染土壌の掘削による除去
 イ 汚染土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
 ロ イにより把握された汚染土壌を掘削し、掘削された場所を汚染土壌以外の土壌(汚染土壌を特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更して汚染土壌以外の土壌となったものを除く。以下同じ。)により埋めること。ただし、建築物の建築又は工作物の建設を行う場合等掘削された場所に土壌を埋める必要がない場合は、この限りでない。
 ハ 第十八条第一項の基準に適合しない汚染状態にある土地にあっては、ロにより土壌の埋め戻しを行った場合には埋め戻しを行った土地又は埋め戻された場所にある地下水の下流側の周縁に、土壌の埋め戻しを行わなかった場合には掘削を行った土地又は掘削された場所にある地下水の下流側の周縁に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第五条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。ただし、現に地下水汚染が生じていないときに土壌汚染の除去を行う場合にあっては、地下水汚染が生じていない状態を一回確認すること。
 ニ 掘削した汚染土壌の当該指定区域外への搬出をする場合には、次に掲げる措置(以下「汚染土壌の適正な処分等」という。)を講ずること。
  (1) 汚染土壌又は特定有害物質の飛散等を防止するための措置を講ずること。
  (2) 搬出先において周辺環境に特定有害物質による汚染が拡散しないよう、環境大臣が定める方法による汚染土壌の処分を行うこと。
  (3) (2)により汚染土壌の処分が適正に行われたことについて、環境大臣が定めるところにより確認すること。
二 原位置での浄化による除去
 イ 汚染土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
 ロ 土壌中の気体又は地下水に含まれる特定有害物質を抽出又は分解する方法その他の汚染土壌を掘削せずに行う方法により、イにより把握された汚染土壌から特定有害物質を除去すること。
 ハ 第十八条第一項の基準に適合しない汚染状態にある土地にあっては、ロの汚染土壌からの特定有害物質の除去を行った後、イにより把握された汚染土壌のある範囲に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第五条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
 ニ 第十八条第二項の基準に適合しない汚染状態にある土地にあっては、ロの汚染土壌からの特定有害物質の除去を行った後、イにより把握された汚染土壌のある範囲について、百平方メートルにつき一地点の割合で深さ一メートルからイにより把握された汚染土壌のある深さまでの一メートルごとの土壌を採取し、当該土壌に含まれる特定有害物質の量を第五条第四項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、当該基準に適合する汚染状態にあることを確認すること。
三 原位置封じ込め イ 汚染土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ 第二溶出量基準に適合しない汚染状態にある土地にあっては、汚染土壌を特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更して第二溶出量基準に適合する汚染状態にある土地とすること。
ハ 汚染土壌のある範囲の側面を囲み、汚染土壌の下にある不透水層(厚さが五メートル以上であり、かつ、透水係数が毎秒百ナノメートル(岩盤にあっては、ルジオン値が一)以下である地層又はこれと同等以上の遮水の効力を有する地層をいう。)であって最も浅い位置にあるものの深さまで、鋼矢板その他の遮水の効力を有する構造物を設置すること。
ニ ハの構造物により囲まれた範囲の土地を、厚さが十センチメートル以上のコンクリート又は厚さが三センチメートル以上のアスファルトにより覆うこと。
ホ ニにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
ヘ 表面をコンクリート又はアスファルトとすることが適当でないと認められる用途に用いられている土地にあっては、必要に応じニにより設けられた覆いの表面を汚染土壌以外の土壌により覆うこと。
ト ハの構造物により囲まれた範囲にある地下水の下流側の周縁に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第五条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
チ ハの構造物により囲まれた範囲に一以上の観測井を設け、トの確認がされるまでの間、地下水位の上昇がないことを確認すること。
四 遮水工封じ込め イ 汚染土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ イにより把握された汚染土壌を掘削し、掘削された汚染土壌のうち第二溶出量基準に適合しない汚染状態にあるものについては、特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更して第二溶出量基準に適合する汚染状態にある土壌とすること。
ハ 当該指定区域に、不織布その他の物の表面に二重の遮水シートを敷設した遮水層又はこれと同等以上の効力を有する遮水層を有する遮水工を設置し、その内部にロにより掘削された汚染土壌を埋め戻すこと。
ニ ハにより埋め戻された場所を、厚さが十センチメートル以上のコンクリート又は厚さが三センチメートル以上のアスファルトにより覆うこと。
ホ ニにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
ヘ 表面をコンクリート又はアスファルトとすることが適当でないと認められる用途に用いられている土地にあっては、必要に応じニにより設けられた覆いの表面を汚染土壌以外の土壌により覆うこと。
ト ハにより埋め戻された場所にある地下水の下流側の周縁に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第五条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
チ ハにより埋め戻された場所の内部に一以上の観測井を設け、トの確認がされるまでの間、地下水位の上昇がないことを確認すること。
五 原位置不溶化 イ 汚染土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ 第十八条第一項の基準に適合しない汚染状態にある土地にあっては、汚染土壌を薬剤の注入その他の方法により特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更して第十八条第一項の基準に適合する汚染状態にある土地とすること。
ハ ロにより性状の変更を行った汚染土壌のある範囲について、百平方メートルごとに任意の地点において深さ一メートルからイにより把握された汚染土壌のある深さまでの一メートルごとの土壌を採取し、当該土壌について特定有害物質の量を第五条第三項第四号の環境大臣が定める方法により測定し、第十八条第一項の基準に適合する汚染状態にあることを確認すること。
ニ ロにより汚染土壌の性状の変更を行った範囲について、当該指定区域外への汚染土壌又は特定有害物質の飛散等を防止するため、シートにより覆うことその他の措置を講ずること。
ホ ロの汚染土壌の性状の変更を行った場所の地下水の下流側に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第五条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
六 不溶化埋め戻し イ 汚染土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ イにより把握された汚染土壌を掘削し、掘削された汚染土壌を薬剤の注入その他の方法により特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更して第十八条第一項の基準に適合する汚染状態にある土壌とすること。
ハ ロにより性状の変更を行った土壌について、おおむね百立方メートルごとに五点から採取した土壌をそれぞれ同じ重量混合し、当該土壌について特定有害物質の量を第五条第三項第四号の環境大臣が定める方法により測定し、第十八条第一項の基準に適合する汚染状態にあることを確認した後、当該指定区域内に埋め戻すこと。
ニ ハにより埋め戻された場所について、当該指定区域外への汚染土壌又は特定有害物質の飛散等を防止するため、シートにより覆うことその他の措置を講ずること。
ホ ハにより埋め戻された場所にある地下水の下流側に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第五条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
七 遮断工封じ込め イ 汚染土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ イにより把握された汚染土壌を掘削すること。
ハ 当該指定区域に、汚染土壌の投入のための開口部を除き、次の要件を備えた仕切設備を設けること。
 (1) 一軸圧縮強度が一平方ミリメートルにつき二十五ニュートン以上で、水密性を有する鉄筋コンクリートで造られ、かつ、その厚さが三十五センチメートル以上であること又はこれと同等以上の遮断の効力を有すること。
 (2) 埋め戻す汚染土壌と接する面が遮水の効力及び腐食防止の効力を有する材料により十分に覆われていること。
 (3) 目視その他の方法により損壊の有無を点検できる構造であること。
ニ ハにより設けられた仕切設備の内部に、ロにより掘削した汚染土壌を埋め戻すこと。
ホ ニにより土壌の埋め戻しを行った後、ハの開口部をハ(1)から(3)までの要件を備えた覆いにより閉鎖すること。
ヘ ホにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
ト 表面をコンクリート又はアスファルトとすることが適当でないと認められる用途に用いられている土地にあっては、必要に応じホにより設けられた覆いの表面を汚染土壌以外の土壌により覆うこと。
チ ニにより埋め戻された場所にある地下水の下流側の周縁に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第五条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
リ ニにより埋め戻された場所の内部に一以上の観測井を設け、チの確認がされるまでの間、地下水位の上昇がないことを確認すること。
八 土壌入換え 一 指定区域外土壌入換え
 イ 地表面を五十センチメートル高くすることにより当該建築物に居住する者の日常の生活に著しい支障を生じさせないよう、必要な範囲内で、土壌を掘削すること。
 ロ 当該指定区域の土地(地表から深さ五十センチメートルまでのうち汚染土壌がないことが確認された範囲を除く。以下同じ。)を、まず、砂利その他の土壌以外のもので覆い、次に、厚さが五十センチメートル以上の汚染土壌以外の土壌(当該土地の傾斜が著しいことその他の理由により土壌を用いることが困難であると認められる場合には、モルタルその他の土壌以外のものであって、容易に取り外すことができないもの(以下「モルタル等」という。))により覆うこと。
 ハ ロにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
 ニ 掘削した汚染土壌の当該指定区域外への搬出をする場合には、汚染土壌の適正な処分等を講ずること。
二 指定区域内土壌入換え
 イ 当該指定区域において、深さ五十センチメートルまでの汚染土壌を掘削すること。
 ロ 当該指定区域の土地にイにより掘削した汚染土壌を埋め戻すこと。
 ハ ロにより埋め戻された場所について、まず、砂利その他の土壌以外のもので覆い、次に、厚さが五十センチメートル以上の汚染土壌以外の土壌(当該土地の傾斜が著しいことその他の理由により土壌を用いることが困難であると認められる場合には、モルタル等)により覆うこと。
 ニ ハにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
九 盛土 イ 指定区域の土地を、まず、砂利その他の土壌以外のもので覆い、次に、厚さが五十センチメートル以上の汚染土壌以外の土壌(当該土地の傾斜が著しいことその他の理由により土壌を用いることが困難であると認められる場合には、モルタル等)により覆うこと。
ロ イにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
十 舗装 イ 当該指定区域の土地を、厚さが十センチメートル以上のコンクリート若しくは厚さが三センチメートル以上のアスファルト又はこれと同等以上の耐久性及び遮断の効力を有するもの(当該土地の傾斜が著しいことその他の理由によりこれらを用いることが困難であると認められる場合には、モルタル等)により覆うこと。
ロ イにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
十一 立入禁止 イ 当該指定区域の土地の周囲に、みだりに人が指定区域に立ち入ることを防止するための囲いを設けること。
ロ 当該指定区域外への汚染土壌又は特定有害物質の飛散等を防止するため、シートにより覆うことその他の措置を講ずること。
ハ イにより設けられた囲いの出入口(出入口がない場合にあっては、囲いの周囲のいずれかの場所)の見やすい部分に、関係者以外の立入りを禁止する旨を表示する立札その他の設備を設けること。
土地 講ずべき汚染の除去等の措置 環境省令で定める汚染の除去等の措置
一 土壌の特定有害物質による汚染状態が土壌溶出量基準に適合せず、当該土壌の特定有害物質による汚染に起因する地下水汚染が生じていない土地 当該土地において地下水の水質の測定を行うこと(以下「地下水の水質の測定」という。) 次項から九の項までの上欄に掲げる土地に応じ、それぞれこれらの項の中欄及び下欄に定める汚染の除去等の措置
二 土壌の第一種特定有害物質による汚染状態が土壌溶出量基準に適合せず、当該土壌の第一種特定有害物質による汚染に起因する地下水汚染が生じている土地 基準不適合土壌のある区域の側面に、不透水層のうち最も浅い位置にあるものの深さまで地下水の浸出の防止のための構造物を設置すること(以下「原位置封じ込め」という。)又は基準不適合土壌を当該土地から掘削し、当該土地に地下水の浸出を防止するための構造物を設置し、及び当該構造物の内部に掘削した基準不適合土壌を埋め戻すこと(以下「遮水工封じ込め」という。) イ 当該土地に地下水汚染の拡大を防止するための構造物を設置すること(以下「地下水汚染の拡大の防止」という。)
ロ 基準不適合土壌を当該土地から取り除き、又は基準不適合土壌の中の特定有害物質を取り除くこと(以下「土壌汚染の除去」という。)
三 土壌の第二種特定有害物質による汚染状態が第二溶出量基準に適合せず、当該土壌の第二種特定有害物質による汚染に起因する地下水汚染が生じている土地 原位置封じ込め又は遮水工封じ込め イ 基準不適合土壌を当該土地から掘削し、当該土地に必要な水密性及び耐久性を有する構造物を設置し、並びに当該構造物の内部に掘削した基準不適合土壌を埋め戻すこと(以下「遮断工封じ込め」という。)
ロ 地下水汚染の拡大の防止
ハ 土壌汚染の除去
四 土壌の第二種特定有害物質による汚染状態が土壌溶出量基準に適合せず、当該土壌の第二種特定有害物質による汚染に起因する地下水汚染が生じている土地(前項に掲げる土地を除く。) 原位置封じ込め又は遮水工封じ込め イ 基準不適合土壌を特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更すること(以下「不溶化」という。)
ロ 遮断工封じ込め
ハ 地下水汚染の拡大の防止
ニ 土壌汚染の除去
五 土壌の第三種特定有害物質による汚染状態が第二溶出量基準に適合せず、当該土壌の第三種特定有害物質による汚染に起因する地下水汚染が生じている土地 遮断工封じ込め イ 地下水汚染の拡大の防止
ロ 土壌汚染の除去
六 土壌の第三種特定有害物質による汚染状態が土壌溶出量基準に適合せず、当該土壌の第三種特定有害物質による汚染に起因する地下水汚染が生じている土地(前項に掲げる土地を除く。) 原位置封じ込め又は遮水工封じ込め イ 遮断工封じ込め
ロ 地下水汚染の拡大の防止
ハ 土壌汚染の除去
七 土壌の第二種特定有害物質による汚染状態が土壌含有量基準に適合しない土地(乳幼児の砂遊び若しくは土遊びに日常的に利用されている砂場若しくは園庭の敷地又は遊園地その他の遊戯設備により乳幼児に屋外において遊戯をさせる施設の用に供されている土地であって土地の形質の変更が頻繁に行われることにより次項若しくは九の項に定める措置の効果の確保に支障が生ずるおそれがあると認められるものに限る。) 土壌汚染の除去 イ 舗装すること(以下「舗装」という。)
ロ 人が立ち入ることができないようにすること(以下「立入禁止」という。)
八 土壌の第二種特定有害物質による汚染状態が土壌含有量基準に適合しない土地(現に主として居住の用に供されている建築物のうち地表から高さ五十センチメートルまでの部分に専ら居住の用に供されている部分があるものが建築されている区域の土地であって、地表面を五十センチメートル高くすることにより当該建築物に居住する者の日常の生活に著しい支障が生ずるおそれがあると認められるものに限り、前項に掲げる土地を除く。) 土壌を掘削して地表面を低くし、土壌含有量基準に適合する汚染状態にある土壌により覆うこと(以下「土壌入換え」という。) イ 舗装
ロ 立入禁止
ハ 土壌汚染の除去
九 土壌の第二種特定有害物質による汚染状態が土壌含有量基準に適合しない土地(前二項に掲げる土地を除く。) 土壌含有量基準に適合する汚染状態にある土壌により覆うこと(以下「盛土」という。) イ 舗装
ロ 立入禁止
ハ 土壌入換え
ニ 土壌汚染の除去
汚染の除去等の措置の種類 汚染の除去等の措置の実施の方法
一 地下水の水質の測定 イ 当該土地において土壌汚染に起因する地下水汚染の状況を的確に把握できると認められる地点に観測井を設け、当初一年は四回以上、二年目から十年目までは一年に一回以上、十一年目以降は二年に一回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を、第六条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定すること。
ロ イの測定の結果を都道府県知事に報告すること。
二 原位置封じ込め イ 基準不適合土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ 第二溶出量基準に適合しない汚染状態にある土地にあっては、基準不適合土壌を特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更する方法、土壌中の気体又は地下水に含まれる特定有害物質を抽出又は分解する方法その他の方法により、第二溶出量基準に適合する汚染状態にある土地とすること。
ハ 基準不適合土壌のある範囲の側面を囲み、基準不適合土壌の下にある不透水層(厚さが五メートル以上であり、かつ、透水係数が毎秒百ナノメートル(岩盤にあっては、ルジオン値が一)以下である地層又はこれと同等以上の遮水の効力を有する地層をいう。)であって最も浅い位置にあるものの深さまで、鋼矢板その他の遮水の効力を有する構造物を設置すること。
ニ ハの構造物により囲まれた範囲の土地を、厚さが十センチメートル以上のコンクリート又は厚さが三センチメートル以上のアスファルトにより覆うこと。
ホ ニにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
ヘ 表面をコンクリート又はアスファルトとすることが適当でないと認められる用途に用いられている土地にあっては、必要に応じニにより設けられた覆いの表面を基準不適合土壌以外の土壌(基準不適合土壌を特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更して基準不適合土壌以外の土壌としたものを除く。以下同じ。)により覆うこと。
ト ハの構造物により囲まれた範囲にある地下水の下流側の当該範囲の周縁に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第六条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
チ ハの構造物により囲まれた範囲に一以上の観測井を設け、トの確認がされるまでの間、雨水、地下水その他の水の浸入がないことを確認すること。
三 遮水工封じ込め イ 基準不適合土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ イにより把握された基準不適合土壌を掘削し、掘削された基準不適合土壌のうち第二溶出量基準に適合しない汚染状態にあるものについては、特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更する方法、土壌中の気体又は地下水に含まれる特定有害物質を抽出又は分解する方法その他の方法により、第二溶出量基準に適合する汚染状態にある土壌とすること。
ハ 当該土地に、不織布その他の物の表面に二重の遮水シートを敷設した遮水層又はこれと同等以上の効力を有する遮水層を有する遮水工を設置し、その内部にロにより掘削された基準不適合土壌を埋め戻すこと。
ニ ハにより埋め戻された場所を、厚さが十センチメートル以上のコンクリート又は厚さが三センチメートル以上のアスファルトにより覆うこと。
ホ ニにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
ヘ 表面をコンクリート又はアスファルトとすることが適当でないと認められる用途に用いられている土地にあっては、必要に応じニにより設けられた覆いの表面を基準不適合土壌以外の土壌により覆うこと。
ト ハにより埋め戻された場所にある地下水の下流側の当該場所の周縁に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第六条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
チ ハにより埋め戻された場所の内部に一以上の観測井を設け、トの確認がされるまでの間、雨水、地下水その他の水の浸入がないことを確認すること。
四 地下水汚染の拡大の防止 一 揚水施設による地下水汚染の拡大の防止
イ 当該土地において土壌汚染に起因する地下水汚染の拡大を的確に防止できると認められる地点に揚水施設を設置し、地下水を揚水すること。
ロ イにより揚水した地下水に含まれる特定有害物質を除去し、当該地下水の水質を排出水基準(汚染土壌処理業に関する省令(平成二十一年環境省令第十号)第四条第一号ト(1)に規定する排出水基準をいう。)に適合させて公共用水域(水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する公共用水域をいう。)に排出するか、又は当該地下水の水質を排除基準(同令第四条第一号チ(1)に規定する排除基準をいう。)に適合させて下水道(下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第三号に規定する公共下水道及び同条第四号に規定する流域下水道であって、同条第六号に規定する終末処理場を設置しているもの(その流域下水道に接続する公共下水道を含む。)をいう。)に排除すること。
ハ 当該土地の地下水汚染が拡大するおそれがあると認められる範囲であって、基準不適合土壌のある範囲の周縁に観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第六条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が当該土地の区域外に拡大していないことを確認すること。この場合において、隣り合う観測井の間の距離は、三十メートルを超えてはならない。
ニ ハの測定の結果を都道府県知事に報告すること。
二 透過性地下水浄化壁による地下水汚染の拡大の防止
イ 当該土地において土壌汚染に起因する地下水汚染の拡大を的確に防止できると認められる地点に透過性地下水浄化壁(汚染された地下水を通過させる過程において、特定有害物質を分解し、又は吸着する方法により、当該汚染された地下水を地下水基準に適合させるために必要な機能を備えた設備であって、地中に設置された設備をいう。)を設置すること。
ロ 当該土地の地下水汚染が拡大するおそれがあると認められる範囲であって、基準不適合土壌のある範囲の周縁に観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第六条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が当該土地の区域外に拡大していないことを確認すること。この場合において、隣り合う観測井の間の距離は、三十メートルを超えてはならない。
ハ ロの測定の結果を都道府県知事に報告すること。
五 土壌汚染の除去 一 基準不適合土壌の掘削による除去
イ 基準不適合土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ イにより把握された基準不適合土壌を掘削し、掘削された場所を基準不適合土壌以外の土壌により埋めること。ただし、建築物の建築又は工作物の建設を行う場合等掘削された場所に土壌を埋める必要がない場合は、この限りでない。
ハ 土壌溶出量基準に適合しない汚染状態にある土地にあっては、ロにより土壌の埋め戻しを行った場合には埋め戻された場所にある地下水の下流側の当該土地の周縁に、土壌の埋め戻しを行わなかった場合には掘削された場所にある地下水の下流側の当該土地の周縁に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第六条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。ただし、現に地下水汚染が生じていないときに土壌汚染の除去を行う場合にあっては、地下水汚染が生じていない状態を一回確認すること。
(ニ 削除)
二 原位置での浄化による除去
イ 基準不適合土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ 土壌中の気体又は地下水に含まれる特定有害物質を抽出又は分解する方法その他の基準不適合土壌を掘削せずに行う方法により、イにより把握された基準不適合土壌から特定有害物質を除去すること。
ハ 土壌溶出量基準に適合しない汚染状態にある土地にあっては、ロの基準不適合土壌からの特定有害物質の除去を行った後、イにより把握された基準不適合土壌のある範囲に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第六条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
ニ 土壌含有量基準に適合しない汚染状態にある土地にあっては、ロの基準不適合土壌からの特定有害物質の除去を行った後、イにより把握された基準不適合土壌のある範囲について、百平方メートルにつき一地点の割合で深さ一メートルからイにより把握された基準不適合土壌のある深さまでの一メートルごとの土壌を採取し、当該土壌に含まれる特定有害物質の量を第六条第四項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、当該基準に適合する汚染状態にあることを確認すること。
六 遮断工封じ込め イ 基準不適合土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ イにより把握された基準不適合土壌を掘削すること。
ハ 当該土地に、基準不適合土壌の投入のための開口部を除き、次の要件を備えた仕切設備を設置すること。
(1) 一軸圧縮強度が一平方ミリメートルにつき二十五ニュートン以上で、水密性を有する鉄筋コンクリートで造られ、かつ、その厚さが三十五センチメートル以上であること又はこれと同等以上の遮断の効力を有すること。
(2) 埋め戻す基準不適合土壌と接する面が遮水の効力及び腐食防止の効力を有する材料により十分に覆われていること。
(3) 目視その他の方法により損壊の有無を点検できる構造であること。
ニ ハにより設置した仕切設備の内部に、ロにより掘削した基準不適合土壌を埋め戻すこと。
ホ ニにより土壌の埋め戻しを行った後、ハの開口部をハ(1)から(3)までの要件を備えた覆いにより閉鎖すること。
ヘ ホにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
ト 表面をコンクリート又はアスファルトとすることが適当でないと認められる用途に用いられている土地にあっては、必要に応じホにより設けられた覆いの表面を基準不適合土壌以外の土壌により覆うこと。
チ ニにより埋め戻された場所にある地下水の下流側の当該場所の周縁に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第六条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
リ ニにより埋め戻された場所の内部に一以上の観測井を設け、チの確認がされるまでの間、雨水、地下水その他の水の浸入がないことを確認すること。
七 不溶化 一 原位置不溶化
イ 基準不適合土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ イにより把握された基準不適合土壌を薬剤の注入その他の基準不適合土壌を掘削せずに行う方法により特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更して土壌溶出量基準に適合する汚染状態にある土地とすること。
ハ ロにより性状の変更を行った基準不適合土壌のある範囲について、百平方メートルごとに任意の地点において深さ一メートルからイにより把握された基準不適合土壌のある深さまでの一メートルごとの土壌を採取し、当該土壌について特定有害物質の量を第六条第三項第四号の環境大臣が定める方法により測定し、土壌溶出量基準に適合する汚染状態にあることを確認すること。
ニ ロにより性状の変更を行った基準不適合土壌のある範囲について、当該土地の区域外への基準不適合土壌又は特定有害物質の飛散等を防止するため、シートにより覆うことその他の措置を講ずること。
ホ ロにより性状の変更を行った基準不適合土壌のある範囲にある地下水の下流側に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第六条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
二 不溶化埋め戻し
イ 基準不適合土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ イにより把握された基準不適合土壌を掘削し、掘削された基準不適合土壌を薬剤の注入その他の方法により特定有害物質が水に溶出しないように性状を変更して土壌溶出量基準に適合する汚染状態にある土壌とすること。
ハ ロにより性状の変更を行った土壌について、おおむね百立方メートルごとに五点から採取した土壌をそれぞれ同じ重量混合し、当該土壌について特定有害物質の量を第六条第三項第四号の環境大臣が定める方法により測定し、土壌溶出量基準に適合する汚染状態にあることを確認した後、当該土地の区域内に埋め戻すこと。
ニ ハにより埋め戻された場所について、当該土地の区域外への汚染土壌又は特定有害物質の飛散等を防止するため、シートにより覆うことその他の措置を講ずること。
ホ ハにより埋め戻された場所にある地下水の下流側に一以上の観測井を設け、一年に四回以上定期的に地下水を採取し、当該地下水に含まれる特定有害物質の量を第六条第二項第二号の環境大臣が定める方法により測定し、地下水汚染が生じていない状態が二年間継続することを確認すること。
八 舗装 イ 当該土地のうち基準不適合土壌のある範囲を、厚さが十センチメートル以上のコンクリート若しくは厚さが三センチメートル以上のアスファルト又はこれと同等以上の耐久性及び遮断の効力を有するもの(当該土地の傾斜が著しいことその他の理由によりこれらを用いることが困難であると認められる場合には、モルタルその他の土壌以外のものであって、容易に取り外すことができないもの(以下「モルタル等」という。))により覆うこと。
ロ イにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
九 立入禁止 イ 当該土地のうち基準不適合土壌のある範囲の周囲に、みだりに人が当該範囲に立ち入ることを防止するための囲いを設けること。
ロ 当該土地の区域外への基準不適合土壌又は特定有害物質の飛散等を防止するため、シートにより覆うことその他の措置を講ずること。
ハ イにより設けられた囲いの出入口(出入口がない場合にあっては、囲いの周囲のいずれかの場所)の見やすい部分に、関係者以外の立入りを禁止する旨を表示する立札その他の設備を設置すること。
十 土壌入換え 一 区域外土壌入換え
イ 当該土地の土壌を掘削し、ロにより覆いを設けた際に当該土地に建築されている建築物に居住する者の日常の生活に著しい支障が生じないようにすること。
ロ 当該土地のうち地表から深さ五十センチメートルまでに基準不適合土壌のある範囲を、まず、砂利その他の土壌以外のもので覆い、次に、厚さが五十センチメートル以上の基準不適合土壌以外の土壌(当該土地の傾斜が著しいことその他の理由により土壌を用いることが困難であると認められる場合には、モルタル等)により覆うこと。
ハ ロにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
(ニ 削除)
二 区域内土壌入換え
イ 基準不適合土壌のある範囲及び深さについて、ボーリングによる土壌の採取及び測定その他の方法により把握すること。
ロ イにより把握された基準不適合土壌のある範囲において、イにより把握された基準不適合土壌及び地表から当該基準不適合土壌のある深さより五十センチメートル以上深い深さまでの基準不適合土壌以外の土壌を掘削すること。
ハ ロにより掘削を行った場所にロにより掘削された基準不適合土壌を埋め戻すこと。
ニ ハにより埋め戻された場所について、まず、砂利その他の土壌以外のもので覆い、次に、ロにより掘削された基準不適合土壌以外の土壌により覆うこと。
ホ ニにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。
十一 盛土 イ 当該土地のうち基準不適合土壌のある範囲を、まず、砂利その他の土壌以外のもので覆い、次に、厚さが五十センチメートル以上の基準不適合土壌以外の土壌(当該土地の傾斜が著しいことその他の理由により土壌を用いることが困難であると認められる場合には、モルタル等)により覆うこと。
ロ イにより設けられた覆いの損壊を防止するための措置を講ずること。