○四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

平成十九年八月十日内閣府令第六十三号

 

金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第百九十三条の規定に基づき、及び同法を実施するため、四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則を次のように定める。

 

四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則

 

目次

第一章 総則(第一条-第二十四条)

第二章 四半期貸借対照表

第一節 総則(第二十五条-第二十七条)

第二節 資産(第二十八条-第四十一条)

第三節 負債(第四十二条-第四十七条)

第四節 純資産(第四十八条-第五十二条)

第五節 雑則(第五十三条-第五十五条)

第三章 四半期損益計算書

第一節 総則(第五十六条・第五十七条)

第二節 売上高及び売上原価(第五十八条-第六十条)

第三節 販売費及び一般管理費(第六十一条・第六十二条)

第四節 営業外収益及び営業外費用(第六十三条-第六十五条)

第五節 特別利益及び特別損失(第六十六条-第七十条)

第六節 雑則(第七十一条-第七十三条)

第四章 四半期キャッシュ・フロー計算書

第一節 総則(第七十四条・第七十五条)

第二節 四半期キャッシュ・フロー計算書の記載方法(第七十六条・第七十七条)

第五章 株主資本等に関する注記(第七十八条-第八十二条)

第六章 外国会社の四半期財務書類(第八十三条-第八十七条)

附則

 

第一章 総則

(規則の適用)

第一条 金融商品取引法(以下「法」という。)第五条、第七条、第九条第一項、第十条第一項又は第二十四条の四の七第一項若しくは第二項(これらの規定のうち同条第四項において準用する場合及び財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和三十八年大蔵省令第五十九号。以下「財務諸表等規則」という。)第一条第一項の規定により金融庁長官が指定した法人(以下「指定法人」という。)についてこれらの規定を法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定により提出される財務計算に関する書類(以下「財務書類」という。)のうち、四半期貸借対照表、四半期損益計算書及び四半期キャッシュ・フロー計算書(以下「四半期財務諸表」という。)の用語、様式及び作成方法は、次条を除き、この章から第五章までに定めるところによるものとし、この規則において定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。

2 金融庁組織令(平成十年政令第三百九十二号)第二十四条第一項に規定する企業会計審議会により公表された企業会計の基準は、前項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする。

第二条 外国会社(財務諸表等規則第一条の二に規定する外国会社をいう。第六章において同じ。)が提出する財務書類のうち、四半期財務書類の用語、様式及び作成方法は、同章の定めるところによるものとする。

(定義)

第三条 この規則において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 四半期財務諸表提出会社 法第二十四条の四の七第一項(法第二十七条において準用する場合を含む。)の規定により四半期財務諸表を提出すべき会社(指定法人を含む。)及び法第二十四条の四の七第二項の規定(法第二十七条において準用する場合を含む。)により四半期財務諸表を提出する会社(指定法人を含む。)をいう。

二 財務諸表 財務諸表等規則第一条第一項に規定する財務諸表をいう。

三 四半期連結財務諸表 四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(平成十九年内閣府令第六十四号)第一条第一項に規定する四半期連結財務諸表をいう。

四 四半期会計期間 事業年度が三月を超える場合に、当該年度の期間を三月ごとに区分した期間(当該各期間のうち最後の期間を除く。)をいう。

五 四半期連結会計期間 連結会計年度が三月を超える場合に、当該連結会計年度の期間を三月ごとに区分した期間(当該各期間のうち最後の期間を除く。)をいう。

六 四半期累計期間 事業年度の開始の日から四半期会計期間の末日までの期間をいう。

七 四半期連結累計期間 連結会計年度の開始の日から四半期連結会計期間の末日までの期間をいう。

八 キャッシュ・フロー 次号に規定する資金の増加又は減少をいう。

九 資金 現金(当座預金、普通預金その他預金者が一定の期間を経ることなく引き出すことができる預金を含む。第七十五条及び第七十七条において同じ。)及び現金同等物(容易に換金することが可能であり、かつ、価値の変動のリスクが低い短期的な投資をいう。第七十五条及び第七十七条において同じ。)の合計額をいう。

十 デリバティブ取引 財務諸表等規則第八条第十四項に規定する取引をいう。

十一 売買目的有価証券 財務諸表等規則第八条第二十項に規定する有価証券をいう。

十二 満期保有目的の債券 財務諸表等規則第八条第二十一項に規定する債券をいう。

十三 その他有価証券 財務諸表等規則第八条第二十二項に規定する有価証券をいう。

十四 自己株式 四半期財務諸表提出会社が保有する四半期財務諸表提出会社の株式をいう。

十五 自社の株式 四半期財務諸表提出会社の株式をいう。

十六 自社株式オプション 財務諸表等規則第八条第二十五項に規定する自社株式オプションをいう。

十七 ストック・オプション 財務諸表等規則第八条第二十六項に規定するストック・オプションをいう。

十八 企業結合 財務諸表等規則第八条第二十七項に規定する企業結合をいう。

十九 取得企業 財務諸表等規則第八条第二十八項に規定する企業をいう。

二十 被取得企業 財務諸表等規則第八条第二十九項に規定する企業をいう。

二十一 存続会社 財務諸表等規則第八条第三十項に規定する会社をいう。

二十二 結合企業 財務諸表等規則第八条第三十一項に規定する企業をいう。

二十三 被結合企業 財務諸表等規則第八条第三十二項に規定する企業をいう。

二十四 結合後企業 財務諸表等規則第八条第三十三項に規定する企業をいう。

二十五 結合当事企業 財務諸表等規則第八条第三十四項に規定する企業をいう。

二十六 パーチェス法 財務諸表等規則第八条第三十五項に規定する方法をいう。

二十七 持分プーリング法 財務諸表等規則第八条第三十六項に規定する方法をいう。

二十八 共通支配下の取引等 財務諸表等規則第八条第三十七項に規定する共通支配下の取引等をいう。

二十九 事業分離 財務諸表等規則第八条第三十八項に規定する事業分離をいう。

三十 分離元企業 財務諸表等規則第八条第三十九項に規定する企業をいう。

三十一 分離先企業 財務諸表等規則第八条第四十項に規定する企業をいう。

(四半期財務諸表作成の一般原則)

第四条 四半期財務諸表は、原則として財務諸表の作成に当たって適用される会計処理の原則及び手続に準拠して作成されなければならない。

2 四半期財務諸表に係る四半期会計期間が属する事業年度の直前の事業年度(以下「前事業年度」という。)に係る財務諸表及び直前の四半期会計期間又は当該四半期会計期間における四半期累計期間に係る四半期財務諸表の作成のために採用した会計処理の原則及び手続は、正当な理由により変更を行う場合を除き、当四半期会計期間において継続して適用しなければならない。

3 四半期財務諸表の表示方法は、正当な理由により変更を行う場合を除き、継続して適用しなければならない。

(四半期財務諸表作成のための基本となる重要な事項等の変更に関する記載)

第五条 四半期財務諸表作成のために採用している会計処理の原則及び手続並びに表示方法その他四半期財務諸表作成のための基本となる重要な事項(財務諸表の作成に当たって適用されるものに準じて適用されているものをいう。)を変更した場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項を四半期キャッシュ・フロー計算書の次に記載しなければならない。

一 当事業年度に会計処理の原則及び手続を変更した場合 その旨、変更の理由及び当該変更が四半期累計期間に係る四半期財務諸表に与えている影響額

二 四半期財務諸表の表示方法を変更した場合 その内容

三 四半期キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲を変更した場合 その旨、変更の理由及び当該変更が四半期キャッシュ・フロー計算書に与えている影響の内容

2 当四半期会計期間(当事業年度の第二・四半期(事業年度における最初の四半期の次の四半期をいう。以下この項において同じ。)以降の四半期会計期間に限る。)において自発的に会計処理の原則及び手続について変更を行った場合には、前項第一号に定める事項の記載に加え、第二・四半期以降に変更した理由及び当該変更が直前の四半期会計期間における四半期累計期間に係る四半期財務諸表に与えている影響額を記載しなければならない。

3 前事業年度において自発的に会計処理の原則及び手続について変更を行っており、かつ、前事業年度の対応する四半期会計期間に係る四半期財務諸表の作成に当たっての会計処理の原則及び手続と当四半期会計期間に係る四半期財務諸表の作成に当たっての会計処理の原則及び手続との間に相違がみられる場合には、その旨並びに前事業年度の対応する四半期会計期間及び四半期累計期間への影響額を記載しなければならない。

4 前三項(第一項第二号及び第三号を除く。)の場合において、適時に、正確な影響額を算定することが困難な場合には、適当な方法による概算額を記載することができる。

5 前三項の規定にかかわらず、第二項及び第三項の場合において、影響額を算定することが困難な場合には、影響額の記載に代えて、その旨及びその理由を記載することができる。

(簡便な会計処理に関する記載)

第六条 四半期財務諸表作成のために、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従い、簡便な会計処理を適用した場合には、その旨及びその内容を前条の規定による記載の次に記載しなければならない。ただし、重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。

(四半期財務諸表の作成に特有の会計処理に関する記載)

第七条 一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従い、四半期財務諸表の作成に特有の会計処理を適用した場合には、その旨及びその内容を前条の規定による記載の次に記載しなければならない。ただし、重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。

(重要な後発事象の注記)

第八条 四半期貸借対照表日後、四半期財務諸表提出会社の当該四半期財務諸表に係る四半期会計期間が属する事業年度(当該四半期会計期間における四半期累計期間を除く。)以降の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす事象(第七十条第四項において「重要な後発事象」という。)が発生したときは、当該事象を注記しなければならない。

(有価証券に関する注記)

第九条 有価証券については、当該有価証券が会社の事業の運営において重要なものとなっており、かつ、当該有価証券の四半期貸借対照表計上額その他の金額に前事業年度の末日に比して著しい変動が認められる場合には、次の各号に掲げる有価証券の区分に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。ただし、適時に、正確な金額を算定することが困難な場合には、概算額を記載することができる。

一 満期保有目的の債券で時価のあるもの 次に掲げる事項

イ 四半期貸借対照表日における四半期貸借対照表計上額

ロ 四半期貸借対照表日における時価

ハ 四半期貸借対照表日における四半期貸借対照表計上額と時価との差額

二 その他有価証券で時価のあるもの 株式、債券その他の有価証券の種類ごとの次に掲げる事項

イ 取得原価

ロ 四半期貸借対照表日における四半期貸借対照表計上額

ハ 四半期貸借対照表日における四半期貸借対照表計上額と取得原価との差額

(デリバティブ取引に関する注記)

第十条 デリバティブ取引(ヘッジ会計が適用されているものを除くことができる。)については、当該取引が会社の事業の運営において重要なものとなっており、かつ、当該取引の契約額その他の金額に前事業年度の末日に比して著しい変動が認められる場合には、通貨、金利、株式、債券及び商品その他の取引の対象物の種類ごとの四半期貸借対照表日における契約額又は契約において定められた元本相当額、時価及び評価損益を注記しなければならない。ただし、適時に、正確な金額を算定することが困難な場合には、概算額を記載することができる。

2 前項に定める事項は、先物取引、オプション取引、先渡取引、スワップ取引及びその他のデリバティブ取引その他の取引の種類による区分によりデリバティブ取引の状況が明瞭に示されるよう記載するものとする。

(税効果会計の適用)

第十一条 法人税その他利益に関連する金額を課税標準として課される租税(以下「法人税等」という。)については、税効果会計(四半期貸借対照表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得の計算の結果算定された資産及び負債の金額との間に差異がある場合において、当該差異に係る法人税等の金額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の四半期純利益の金額と法人税等の金額を合理的に対応させるための会計処理をいう。以下同じ。)を適用して四半期財務諸表を作成しなければならない。

(持分法損益等の注記)

第十二条 関連会社(財務諸表等規則第八条第五項及び第六項の規定により連結財務諸表提出会社の関連会社とされる者をいう。以下この条において同じ。)を有している場合には、当該関連会社に対する投資の金額並びに当該投資に対して持分法(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和五十一年大蔵省令第二十八号)第二条第八号に規定する方法をいう。)を適用した場合の投資の金額及び投資利益又は投資損失の金額を注記しなければならない。ただし、損益等からみて重要性の乏しい関連会社については除外してこれらの金額を算出することができる。

(ストック・オプション、自社株式オプション又は自社の株式の付与又は交付に関する注記)

第十三条 ストック・オプション若しくは自社株式オプションを付与又は自社の株式を交付しており、四半期財務諸表への影響額に重要性がある場合には、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。ただし、適時に、正確な金額を算定することが困難な場合には、影響の概算額を記載することができる。

一 役務の提供を受けた場合には、四半期会計期間における費用計上額及び科目名

二 財貨を取得した場合には、その取引における当初の資産計上額又は費用計上額及び科目名

三 権利不行使による失効が生じた場合には、利益として計上した額

(ストック・オプションに関する注記)

第十四条 前条の規定のほか、当四半期会計期間においてストック・オプションを付与した場合には、当該ストック・オプションについて、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。ただし、重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。

一 付与対象者の役員、従業員などの区分ごとの人数

二 株式の種類別のストック・オプションの付与数

三 付与日

四 権利確定条件(権利確定条件が付されていない場合にはその旨)

五 対象勤務期間(対象勤務期間の定めがない場合にはその旨)

六 権利行使期間

七 権利行使価格

八 付与日における公正な評価単価

2 当四半期会計期間においてストック・オプションの条件変更を行った場合には、その変更内容を注記しなければならない。ただし、変更内容に重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。

(パーチェス法を適用した場合の注記)

第十五条 当四半期会計期間においてパーチェス法を適用した企業結合が行われた場合には、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。ただし、重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。

一 被取得企業の名称及びその事業の内容又は事業を取得した場合の相手企業の名称及び取得した事業の内容、企業結合を行った主な理由、企業結合日、企業結合の法的形式並びに結合後企業の名称及び取得した議決権比率

二 四半期会計期間及び四半期累計期間に係る四半期損益計算書に含まれる被取得企業又は取得した事業の業績の期間

三 被取得企業又は取得した事業の取得原価及びその内訳

四 取得の対価として株式を交付した場合には、株式の種類別の交換比率及びその算定方法並びに交付又は交付予定の株式数及びその評価額

五 取得の対価として株式を交付した場合に、株式交付日の株価を基礎に取得原価を算定しているときは、その旨

六 発生したのれん又は負ののれんの金額(当該金額は、暫定的に算定された金額を含む。)、発生原因、償却方法及び償却期間

七 発生したのれん又は負ののれんの金額が暫定的に算定された金額である場合には、その旨

八 取得企業が存続会社と異なる企業結合に持分プーリング法に準じた会計処理方法を適用したときは、パーチェス法を適用したとした場合に四半期貸借対照表及び四半期累計期間に係る四半期損益計算書に及ぼす影響の概算額

九 当該企業結合が当事業年度の開始の日に完了したと仮定した場合における四半期累計期間に係る四半期損益計算書に及ぼす影響の概算額

2 前項の規定にかかわらず、個々の企業結合に重要性は乏しいが、企業結合が行われた四半期会計期間の企業結合全体に重要性がある場合には、同項第一号及び第三号から第七号までに掲げる事項を当該企業結合全体で注記しなければならない。

3 第一項第八号に掲げる事項は、企業結合を行った四半期会計期間以降においても、継続して注記しなければならない。ただし、当四半期会計期間の翌四半期会計期間以降において影響の概算額に重要性が乏しくなった場合には、注記を省略することができる。

4 第一項第九号の場合において、影響の概算額を算定することが困難なときは、影響の概算額の記載に代えて、その旨及びその理由を記載することができる。

5 第一項第九号の場合において、当該注記が監査証明を受けていないときは、その旨を記載しなければならない。

(持分プーリング法を適用した場合の注記)

第十六条 当四半期会計期間において持分プーリング法を適用した企業結合が行われた場合には、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。

一 結合当事者の名称及びその事業の内容、企業結合の目的、企業結合日、企業結合の法的形式並びに結合後企業の名称

二 議決権のある株式の交換比率及びその算定方法、交付し、又は交付する予定の株式数、企業結合後の議決権比率並びに当該企業結合を持分の結合と判定した理由

三 企業結合の結果として処分することが決定された重要な事業

四 企業結合が当事業年度の開始の日以外で行われた場合には、当事業年度の開始の日に企業結合が行われたものとみなして算定した直前の四半期会計期間における四半期累計期間に係る四半期損益計算書への影響額

五 前事業年度の財務諸表には持分プーリング法を適用した結果が反映されているが、前事業年度の対応する四半期財務諸表には反映されていない場合には、その旨及び前事業年度の対応する四半期会計期間及び四半期累計期間への影響額

2 前項第四号及び第五号の場合において、適時に、正確な影響額の算定をすることが困難な場合には、その旨、その理由及び適当な方法による影響の概算額を記載することができる。

(共通支配下の取引等の注記)

第十七条 当四半期会計期間において共通支配下の取引等が行われた場合には、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。

一 結合当事企業又は対象となった事業の名称及びその事業の内容、企業結合の法的形式、結合後企業の名称並びに取引の目的を含む取引の概要

二 実施した会計処理の概要

三 子会社株式を追加取得した場合には、第十五条第一項第三号、第四号及び第六号に掲げる事項に準ずる事項

2 前項の規定にかかわらず、共通支配下の取引等に重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。ただし、個々の共通支配下の取引等に重要性は乏しいが、企業結合が行われた四半期会計期間の共通支配下の取引等全体に重要性がある場合には、同項各号に掲げる事項を当該企業結合全体で注記しなければならない。

3 子会社(財務諸表等規則第八条第三項に規定する子会社をいう。以下この項において同じ。)が親会社(同項に規定する親会社をいう。以下この項において同じ。)を吸収合併した場合で、子会社が四半期連結財務諸表を作成していないときは、親会社が子会社を吸収合併したものとした場合の四半期貸借対照表及び当四半期会計期間における四半期累計期間に係る四半期損益計算書に及ぼす影響の概算額を注記しなければならない。

4 前項に規定する注記は、企業結合を行った四半期会計期間後においても、影響の概算額の重要性が乏しくなった場合を除き、継続的に開示するものとする。また、当該企業結合を行った四半期会計期間後に四半期連結財務諸表を作成することとなった場合は、影響の概算額の重要性が乏しくなった場合を除き、当該企業結合を反映した四半期連結会計期間又は四半期連結累計期間に係る四半期連結財務諸表を作成するものとする。

(共同支配企業の形成の注記)

第十八条 当四半期会計期間において共同支配企業(財務諸表等規則第八条第六項第四号に規定する共同支配企業をいう。以下この条及び次条第一項において同じ。)を形成した場合には、前条第一項第一号及び第二号に掲げる事項に準ずる事項を記載しなければならない。実施した会計処理の概要の記載においては、共同支配企業の形成と判定した理由を記載しなければならない。

(事業分離の注記)

第十九条 当四半期会計期間において事業分離が行われ、当該事業分離が共通支配下の取引等及び共同支配企業の形成に該当しない場合には、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。

一 分離先企業の名称、分離した事業の内容、事業分離を行った主な理由、事業分離日及び法的形式を含む事業分離の概要

二 実施した会計処理の概要としてイ又はロに定める事項

イ 移転損益を認識した場合には、その金額、移転した事業に係る資産及び負債の適正な帳簿価額並びにその主な内訳

ロ 移転損益を認識しなかった場合には、その旨、受取対価の種類、移転した事業に係る資産及び負債の適正な帳簿価額並びにその主な内訳

三 四半期会計期間及び四半期累計期間に係る四半期損益計算書に計上されている分離した事業に係る損益の概算額

四 移転損益を認識した事業分離において分離先企業の株式を子会社株式又は関連会社株式として保有する以外に、継続的関与がある場合には、当該継続的関与の概要

2 前項第四号の記載は、当該継続的関与が軽微な場合には、省略することができる。

3 第一項の規定にかかわらず、事業分離の影響額に重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。ただし、個々の事業分離においては重要性が乏しいが、事業分離が全体で重要性がある場合には、同項第一号及び第二号に掲げる事項を当該事業分離全体で注記しなければならない。

(分離先企業の注記)

第二十条 分離先企業は、事業分離が企業結合に該当しない場合であっても、前条第一項第一号に準じて注記しなければならない。

(継続企業の前提に関する注記)

第二十一条 四半期貸借対照表日において債務超過等財務指標の悪化の傾向、重要な債務の不履行等財政破綻の可能性その他会社が将来にわたって事業を継続するとの前提(以下「継続企業の前提」という。)に重要な疑義を抱かせる事象又は状況が存在する場合には、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。

一 当該事象又は状況が存在する旨及びその内容

二 継続企業の前提に関する重要な疑義の存在

三 当該事象又は状況を解消又は大幅に改善するための経営者の対応

四 当該重要な疑義の影響を四半期財務諸表に反映しているか否か

(追加情報の注記)

第二十二条 この規則において特に定める注記のほか、四半期財務諸表提出会社の利害関係人が、四半期財務諸表に係る四半期会計期間が属する事業年度に関する会社の財政及び経営の状況について適正な判断を行うために必要と認められる事項があるときは、当該事項を注記しなければならない。

(注記の方法)

第二十三条 この規則の規定により記載すべき注記は、脚注(当該注記に係る事項が記載されている四半期財務諸表中の表又は計算書の末尾に記載することをいう。第八十七条において同じ。)として記載することが適当と認められるものを除き、第五条から第七条までの規定による記載の次に記載しなければならない。ただし、これらの規定により記載した事項と関係がある事項については、これと併せて記載することができる。

2 第二十一条の規定による注記は、前項の規定にかかわらず、四半期キャッシュ・フロー計算書の次に記載しなければならない。この場合において第五条から第七条までの規定による記載は、これらの規定にかかわらず、第二十一条の規定による注記の次に記載しなければならない。

3 この規則の規定により特定の科目に関係ある注記を記載する場合には、当該科目に記号を付記する方法その他これに類する方法によって、当該注記との関連を明らかにしなければならない。

(金額の表示の単位)

第二十四条 四半期財務諸表に掲記される科目その他の事項の金額は、百万円単位又は千円単位をもって表示するものとする。

第二章 四半期貸借対照表

第一節 総則

(四半期貸借対照表の記載方法)

第二十五条 四半期貸借対照表の記載方法は、この章の定めるところによる。

2 四半期貸借対照表は、様式第一号により記載するものとする。

(資産、負債及び純資産の分類記載)

第二十六条 資産、負債及び純資産は、それぞれ資産の部、負債の部及び純資産の部に分類して記載しなければならない。

(科目の記載の配列)

第二十七条 資産及び負債の科目の記載の配列は、流動性配列法によるものとする。

第二節 資産

(資産の分類)

第二十八条 資産は、流動資産、固定資産及び繰延資産に分類し、更に、固定資産に属する資産は、有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産に分類して記載しなければならない。

(各資産の範囲)

第二十九条 財務諸表等規則第十五条から第十六条の三まで、第二十二条、第二十七条、第三十一条から第三十一条の四まで及び第三十六条の規定は、流動資産、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産及び繰延資産の範囲について準用する。この場合において、財務諸表等規則第十五条から第十六条の三までの規定中「一年内」とあるのは「四半期貸借対照表日の翌日から起算して一年以内の日」と、財務諸表等規則第二十二条第八号及び第二十七条第十二号中「財務諸表提出会社」とあるのは「四半期財務諸表提出会社」と読み替えるものとする。

(流動資産の区分表示)

第三十条 流動資産に属する資産は、次に掲げる項目の区分に従い、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。ただし、当該項目に属する資産の金額が資産の総額の百分の一以下のもので、他の項目に属する資産と一括して表示することが適当であると認められるものについては、適当な名称を付した科目をもって一括して掲記することができる。

一 現金及び預金

二 受取手形及び売掛金

三 有価証券

四 商品

五 製品(副産物及び作業くずを含む。)

六 半製品

七 原材料(購入部分品を含む。)

八 仕掛品(半成工事を含む。)

九 その他

2 前項の規定は、同項各号に掲げる項目に属する資産で、別に表示することが適当であると認められるものについて、当該資産を示す名称を付した科目をもって別に掲記することを妨げない。

3 第一項第九号に掲げる資産のうち、その金額が資産の総額の百分の十を超えるもの又は資産の総額の百分の十以下であっても区分して表示することが適切であるものについては、当該資産を示す名称を付した科目をもって別に掲記しなければならない。

4 第一項ただし書の規定により一括して記載する場合においては、当該項目に属する資産の科目及びその金額を注記しなければならない。

(流動資産に係る引当金の表示)

第三十一条 財務諸表等規則第二十条の規定は、流動資産に属する資産に係る引当金について準用する。

(有形固定資産の区分表示)

第三十二条 有形固定資産に属する資産は、これを一括し、有形固定資産を示す名称を付した科目をもって掲記するものとする。ただし、有形固定資産に属する資産を適当と認められる項目に分類し、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記することを妨げない。

2 前項の規定にかかわらず、有形固定資産に属する資産のうちに、その金額が資産の総額の百分の十を超えるものがある場合又は資産の総額の百分の十以下であっても区分して表示することが適切な場合には、当該資産を他の有形固定資産と区分し、それぞれの資産を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。

(有形固定資産の減価償却累計額の表示)

第三十三条 財務諸表等規則第二十五条及び第二十六条の規定は、有形固定資産に対する減価償却累計額について準用する。

(有形固定資産の減損損失累計額の表示)

第三十四条 財務諸表等規則第二十六条の二の規定は、有形固定資産に対する減損損失累計額について準用する。

(無形固定資産の区分表示)

第三十五条 無形固定資産に属する資産は、これを一括し、無形固定資産を示す名称を付した科目をもって掲記するものとする。ただし、無形固定資産に属する資産を適当と認められる項目に分類し、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記することを妨げない。

2 第三十二条第二項の規定は、無形固定資産について準用する。

(無形固定資産の減価償却累計額等の表示)

第三十六条 財務諸表等規則第三十条の規定は、無形固定資産に対する減価償却累計額及び減損損失累計額について準用する。

(投資その他の資産の区分表示)

第三十七条 投資その他の資産に属する資産は、これを一括し、投資その他の資産を示す名称を付した科目をもって掲記するものとする。ただし、投資その他の資産に属する資産を適当と認められる項目に分類し、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記することを妨げない。

2 第三十二条第二項の規定は、投資その他の資産について準用する。

(投資その他の資産に係る引当金の表示)

第三十八条 財務諸表等規則第三十四条において準用する財務諸表等規則第二十条の規定は、投資その他の資産に属する資産に係る引当金について準用する。

(繰延資産の区分表示)

第三十九条 繰延資産に属する資産は、これを一括し、繰延資産を示す名称を付した科目をもって掲記するものとする。ただし、繰延資産に属する資産を適当と認められる項目に分類し、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記することを妨げない。

2 第三十二条第二項の規定は、繰延資産について準用する。

(繰延資産の償却累計額の表示)

第四十条 財務諸表等規則第三十八条の規定は、繰延資産に対する償却累計額について準用する。

(担保資産の注記)

第四十一条 担保に供されている資産については、当該資産が会社の事業の運営において重要なものであり、かつ、当該資産の金額に前事業年度の末日に比して著しい変動が認められる場合には、担保に供されている資産の内容及び金額を注記しなければならない。ただし、適時に、正確な金額を算定することが困難な場合には、概算額を記載することができる。

第三節 負債

(負債の分類)

第四十二条 負債は、流動負債及び固定負債に分類して記載しなければならない。

(各負債の範囲)

第四十三条 財務諸表等規則第四十七条から第四十八条の三まで及び第五十一条から第五十一条の三までの規定は、流動負債及び固定負債の範囲について準用する。この場合において財務諸表等規則第四十七条、第四十八条の二及び第四十八条の三中「一年内」とあるのは「四半期貸借対照表日の翌日から起算して一年以内の日」と読み替えるものとする。

(流動負債の区分表示)

第四十四条 流動負債に属する負債は、次に掲げる項目の区分に従い、当該負債を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。ただし、第四号に掲げる項目以外の項目に属する負債の金額が負債及び純資産の合計額の百分の一以下のもので、他の項目に属する負債と一括して表示することが適当であると認められるものについては、適当な名称を付した科目をもって一括して掲記することができる。

一 支払手形及び買掛金

二 短期借入金(金融手形及び当座借越を含み、株主、役員又は従業員からの短期借入金を除く。)

三 未払法人税等

四 引当金

五 その他

2 前項の規定は、同項各号に掲げる項目に属する負債で別に表示することが適当であると認められるものについて、当該負債を示す名称を付した科目をもって別に掲記することを妨げない。

3 第一項第四号に掲げる引当金のうちに、その金額が負債及び純資産の合計額の百分の一を超えるものがある場合には、当該引当金の設定目的を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。

4 第一項第五号に掲げる負債のうち、その金額が負債及び純資産の合計額の百分の十を超えるもの又は負債及び純資産の合計額の百分の十以下であっても区分して表示することが適切であるものについては、当該負債を示す名称を付した科目をもって別に掲記しなければならない。

5 第三十条第四項の規定は、第一項各号(第四号を除く。)に掲げる負債について準用する。

(固定負債の区分表示)

第四十五条 固定負債に属する負債は、次に掲げる項目の区分に従い、当該負債を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。ただし、第三号に掲げる項目以外の項目に属する負債の金額が負債及び純資産の合計額の百分の一以下のもので、他の項目に属する負債と一括して表示することが適当であると認められるものについては、適当な名称を付した科目をもって一括して掲記することができる。

一 社債

二 長期借入金(金融手形を含み、株主、役員又は従業員からの長期借入金を除く。)

三 引当金

四 その他

2 前条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

3 前条第三項の規定は、第一項第三号に掲げる引当金について準用する。

4 前条第四項の規定は、第一項第四号に掲げる負債について準用する。

5 第三十条第四項の規定は、第一項各号(第三号を除く。)に掲げる負債について準用する。

(偶発債務の注記)

第四十六条 財務諸表等規則第五十八条の規定は、偶発債務(債務の保証(債務の保証と同様の効果を有するものを含む。)、係争事件に係る賠償義務その他現実に発生していない債務で、将来において事業の負担となる可能性のあるものをいう。)について準用する。

(手形割引高及び裏書譲渡高の注記)

第四十七条 受取手形を割引に付し又は債務の弁済のために裏書譲渡した金額は、受取手形割引高又は裏書譲渡高の名称を付して注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。

2 前項の規定は、割引に付し、又は債務の弁済のために裏書譲渡した受取手形以外の手形について準用する。ただし、この場合における割引高又は裏書譲渡高の注記は、当該手形債権の発生原因を示す名称を付して記載しなければならない。

第四節 純資産

(純資産の分類)

第四十八条 純資産は、株主資本、評価・換算差額等及び新株予約権に分類して記載しなければならない。

(株主資本の分類及び区分表示)

第四十九条 株主資本は、資本金、資本剰余金及び利益剰余金に分類し、それぞれ資本金、資本剰余金及び利益剰余金の科目をもって掲記しなければならない。

2 財務諸表等規則第六十一条の規定は、資本金について準用する。

3 財務諸表等規則第六十二条の規定は、申込期日経過後における新株式申込証拠金について準用する。

4 財務諸表等規則第六十六条の規定は、自己株式について準用する。

5 財務諸表等規則第六十六条の二の規定は、自己株式申込証拠金について準用する。

(評価・換算差額等の分類及び区分表示)

第五十条 財務諸表等規則第六十七条の規定は、評価・換算差額等について準用する。

(新株予約権の表示)

第五十一条 財務諸表等規則第六十八条の規定は、新株予約権について準用する。

(一株当たり純資産額の注記)

第五十二条 当四半期会計期間末及び前事業年度末における一株当たり純資産額は、注記しなければならない。

第五節 雑則

(特別法上の準備金等)

第五十三条 法令の規定により準備金又は引当金の名称をもって計上しなければならない準備金又は引当金で、資産の部又は負債の部に計上することが適当でないもの(次項及び第七十一条において「準備金等」という。)は、第二十七条及び第四十二条の規定にかかわらず、固定負債の次に別の区分を設けて記載しなければならない。

2 前項の準備金等については、当該準備金等の設定目的を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。

(別記事業の資産及び負債の記載)

第五十四条 財務諸表等規則別記に掲げる事業(以下「別記事業」という。)を営む会社が四半期貸借対照表を作成する場合においてその資産及び負債についてこの規則により記載することが適当でないと認められるときは、当該別記事業を営む会社は、その財務諸表について適用される法令又は準則(財務諸表等規則第二条に規定する法令又は準則をいう。以下同じ。)の定めるところに準じて記載することができる。

2 前項の場合において資産及び負債の科目を一括し、又は区分して掲記する基準は、この規則の定めるところに準ずるものとする。

(指定法人の純資産の記載)

第五十五条 指定法人が四半期貸借対照表を作成する場合においてその純資産についてこの規則により記載することが適当でないと認められるときは、当該指定法人は、その財務諸表について適用される法令又は準則の定めるところに準じて記載することができる。この場合において準拠した法令又は準則を注記しなければならない。

第三章 四半期損益計算書

第一節 総則

(四半期損益計算書の記載方法)

第五十六条 四半期損益計算書の記載方法は、この章の定めるところによる。

2 四半期損益計算書は、様式第二号及び第三号により記載するものとする。

(収益及び費用の分類)

第五十七条 収益又は費用は、次に掲げる項目を示す名称を付した科目に分類して記載しなければならない。

一 売上高(役務収益を含む。以下同じ。)

二 売上原価(役務原価を含む。以下同じ。)

三 販売費及び一般管理費

四 営業外収益

五 営業外費用

六 特別利益

七 特別損失

第二節 売上高及び売上原価

(売上高の表示方法)

第五十八条 売上高は、売上高を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。

(売上原価の表示方法)

第五十九条 売上原価は、売上原価を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。

(売上総損益金額の表示)

第六十条 売上高と売上原価との差額は、売上総利益金額又は売上総損失金額として記載しなければならない。

第三節 販売費及び一般管理費

(販売費及び一般管理費の表示方法)

第六十一条 販売費及び一般管理費は、適当と認められる費目に分類し、当該費用を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。ただし、販売費の科目若しくは一般管理費の科目又は販売費及び一般管理費の科目に一括して掲記し、その主要な費目及びその金額を注記することを妨げない。

2 前項ただし書に規定する主要な費目とは、引当金繰入額(その金額が少額であるものを除く。)及びこれ以外の費目でその金額が販売費及び一般管理費の合計額の百分の二十を超える費用又は販売費及び一般管理費の合計額の百分の二十以下であっても区分して表示することが適切と認められる費用をいう。

(営業損益金額の表示)

第六十二条 売上総利益金額又は売上総損失金額に販売費及び一般管理費の総額を加減した額は、営業利益金額又は営業損失金額として記載しなければならない。

第四節 営業外収益及び営業外費用

(営業外収益の表示方法)

第六十三条 営業外収益に属する収益は、受取利息(有価証券利息を含む。)、受取配当金、有価証券売却益その他の項目の区分に従い、当該収益を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。ただし、各収益のうち、その金額が営業外収益の総額の百分の二十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該収益を一括して示す科目をもって掲記することができる。

(営業外費用の表示方法)

第六十四条 営業外費用に属する費用は、支払利息(社債利息を含む。)、有価証券売却損その他の項目の区分に従い、当該費用を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。ただし、各費用のうち、その金額が営業外費用の総額の百分の二十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該費用を一括して示す科目をもって掲記することができる。

(経常損益金額の表示)

第六十五条 営業利益金額又は営業損失金額に営業外収益の総額及び営業外費用の総額を加減した額は、経常利益金額又は経常損失金額として記載しなければならない。

第五節 特別利益及び特別損失

(特別利益の表示方法)

第六十六条 特別利益に属する利益は、前期損益修正益、固定資産売却益その他の項目の区分に従い、当該利益を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。ただし、各利益のうち、その金額が特別利益の総額の百分の二十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該利益を一括して示す科目をもって掲記することができる。

(特別損失の表示方法)

第六十七条 特別損失に属する損失は、前期損益修正損、固定資産売却損、減損損失、災害による損失その他の項目の区分に従い、当該損失を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。ただし、各損失のうち、その金額が特別損失の総額の百分の二十以下のもので一括して表示することが適当であると認められるものについては、当該損失を一括して示す名称を付した科目をもって掲記することができる。

(四半期純損益金額の表示)

第六十八条 経常利益金額又は経常損失金額に特別利益の総額及び特別損失の総額を加減した額は、税引前四半期純利益金額又は税引前四半期純損失金額として記載しなければならない。

第六十九条 次の各号に掲げる項目の金額は、その内容を示す名称を付した科目をもって、税引前四半期純利益金額又は税引前四半期純損失金額の次に記載しなければならない。

一 当四半期会計期間に係る法人税、住民税及び事業税(利益に関連する金額を課税標準として課される事業税をいう。次号において同じ。)

二 法人税等調整額(税効果会計の適用により計上される前号に掲げる法人税、住民税及び事業税の調整額をいう。)

2 前項各号に掲げる項目については、当該項目を一括して記載することができる。ただし、この場合にはその旨を注記しなければならない。

3 税引前四半期純利益金額又は税引前四半期純損失金額に第一項各号に掲げる項目の金額を加減した金額は、四半期純利益金額又は四半期純損失金額として記載しなければならない。

4 法人税等の更正、決定等による納付税額又は還付税額がある場合には、第一項第一号に掲げる項目の次に、その内容を示す名称を付した科目をもって記載するものとする。ただし、これらの金額の重要性が乏しい場合には、第一項第一号に掲げる項目の金額に含めて表示することができる。

(一株当たり四半期純損益金額等の注記)

第七十条 当四半期会計期間及び当該四半期会計期間における四半期累計期間に係る一株当たり四半期純利益金額又は四半期純損失金額及び当該金額の算定上の基礎は、注記しなければならない。

2 当四半期会計期間及び当該四半期会計期間に係る四半期累計期間における潜在株式調整後一株当たり四半期純利益金額(普通株式を取得することができる権利若しくは普通株式への転換請求権又はこれらに準ずる権利が付された証券又は契約(以下「潜在株式」という。)に係る権利の行使を仮定することにより算定した一株当たり四半期純利益金額をいう。以下この条において同じ。)及び当該金額の算定上の基礎は、前項の記載の次に記載しなければならない。ただし、潜在株式が存在しない場合、潜在株式調整後一株当たり四半期純利益金額が一株当たり四半期純利益金額を下回らない場合及び一株当たり四半期純損失金額の場合には、その旨を記載し、潜在株式調整後一株当たり四半期純利益金額の記載は要しないものとする。

3 当四半期会計期間における四半期累計期間において株式併合又は株式分割が行われた場合には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。ただし、前事業年度において潜在株式が存在しない場合、潜在株式調整後一株当たり当期純利益金額が一株当たり当期純利益金額を下回らない場合及び一株当たり当期純損失金額の場合には、その旨を記載し、前事業年度に係る潜在株式調整後一株当たり当期純利益金額の記載は要しないものとする。

一 株式併合又は株式分割が行われた旨

二 前事業年度の開始の日に当該株式併合又は当該株式分割が行われたと仮定した場合における前事業年度の対応する四半期会計期間及び四半期累計期間に係る一株当たり四半期純利益金額又は四半期純損失金額及び潜在株式調整後一株当たり四半期純利益金額

4 四半期貸借対照表日後に株式併合又は株式分割が行われた場合には、重要な後発事象として次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。ただし、当四半期会計期間において潜在株式が存在しない場合、潜在株式調整後一株当たり四半期純利益金額が一株当たり四半期純利益金額を下回らない場合及び一株当たり四半期純損失金額の場合には、その旨を記載し、当四半期会計期間に係る潜在株式調整後一株当たり四半期純利益金額の記載は要しないものとする。

一 株式併合又は株式分割が行われた旨

二 前事業年度の開始の日に当該株式併合又は当該株式分割が行われたと仮定した場合における前事業年度の対応する四半期会計期間及び四半期累計期間の一株当たり四半期純利益金額又は四半期純損失金額及び潜在株式調整後一株当たり四半期純利益金額

三 当事業年度の開始の日に当該株式併合又は当該株式分割が行われたと仮定した場合における当四半期会計期間及び当該四半期会計期間における四半期累計期間に係る一株当たり四半期純利益金額又は四半期純損失金額及び潜在株式調整後一株当たり四半期純利益金額

第六節 雑則

(特別法上の準備金等の繰入額又は取崩額)

第七十一条 準備金等の繰入れ又は取崩しがあるときは、当該繰入額又は取崩額は、特別損失又は特別利益として、当該繰入れ又は取崩しによるものであることを示す名称を付した科目をもって掲記しなければならない。

(売上高又は営業費用に著しい季節的変動がある場合の注記)

第七十二条 事業の性質上、売上高又は営業費用(売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計をいう。)に著しい季節的変動がある場合には、その状況を注記しなければならない。

(別記事業の収益及び費用の記載)

第七十三条 別記事業を営む会社が四半期損益計算書を作成する場合においてその収益及び費用についてこの規則により記載することが適当でないと認められるときは、当該別記事業を営む会社は、その財務諸表について適用される法令又は準則の定めるところに準じて記載することができる。

2 前項の場合において収益及び費用の科目を一括し、又は区分して掲記する基準は、この規則の定めるところに準ずるものとする。

第四章 四半期キャッシュ・フロー計算書

第一節 総則

(四半期キャッシュ・フロー計算書の記載方法)

第七十四条 四半期キャッシュ・フロー計算書の記載方法は、この章の定めるところによる。

2 四半期キャッシュ・フロー計算書は、様式第四号又は第五号により記載するものとする。

(四半期キャッシュ・フロー計算書の表示区分)

第七十五条 四半期キャッシュ・フロー計算書には、次の各号に掲げる区分を設けてキャッシュ・フローの状況を記載しなければならない。

一 営業活動によるキャッシュ・フロー

二 投資活動によるキャッシュ・フロー

三 財務活動によるキャッシュ・フロー

四 現金及び現金同等物に係る換算差額

五 現金及び現金同等物の増加額又は減少額

六 現金及び現金同等物の期首残高

七 現金及び現金同等物の四半期末残高

第二節 四半期キャッシュ・フロー計算書の記載方法

(営業活動によるキャッシュ・フローの表示方法等)

第七十六条 財務諸表等規則第百十三条から第百十八条までの規定は、四半期キャッシュ・フロー計算書の記載方法について準用する。この場合において財務諸表等規則第百十三条第二号中「税引前当期純利益又は税引前当期純損失」とあるのは「税引前四半期純利益又は税引前四半期純損失」と、同号イ及びハ中「損益計算書」とあるのは「四半期損益計算書」と読み替えるものとする。

(四半期キャッシュ・フロー計算書に関する注記事項)

第七十七条 四半期キャッシュ・フロー計算書には、現金及び現金同等物の四半期末残高と四半期貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係を注記しなければならない。

第五章 株主資本等に関する注記

(発行済株式に関する注記)

第七十八条 発行済株式の種類及び総数については、発行済株式の種類ごとに、当四半期会計期間末の発行済株式総数を注記しなければならない。

(自己株式に関する注記)

第七十九条 自己株式の種類及び株式数については、自己株式の種類ごとに、当四半期会計期間末の自己株式数を注記しなければならない。

(新株予約権等に関する注記)

第八十条 新株予約権については、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。

一 新株予約権の目的となる株式の種類

二 新株予約権の目的となる株式の数

三 新株予約権の四半期会計期間末残高

2 前項第一号及び第二号に掲げる事項は、新株予約権がストック・オプション又は自社株式オプションとして付与されている場合には記載することを要しない。

3 第一項第二号に掲げる株式の数は、新株予約権の目的となる株式の種類ごとに、新株予約権の目的となる株式の当四半期会計期間の末日における数を記載しなければならない。ただし、新株予約権が権利行使されたものと仮定した場合の増加株式数の当四半期会計期間の末日における発行済株式総数(自己株式を保有しているときは、当該自己株式の株式数を控除した株式数)に対する割合に重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。

4 前三項の規定は、自己新株予約権について準用する。

(配当に関する注記)

第八十一条 当四半期会計期間における四半期累計期間において行われた配当については、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。

一 配当財産が金銭の場合には、株式の種類ごとの配当金の総額、一株当たり配当額、基準日、効力発生日及び配当の原資

二 配当財産が金銭以外の場合には、株式の種類ごとの配当財産の種類及び帳簿価額、一株当たり配当額、基準日、効力発生日並びに配当の原資

三 基準日が当事業年度の開始の日から当四半期会計期間末までに属する配当のうち、配当の効力発生日が当四半期会計期間の末日後となるものについては、前二号に定める事項に準ずる事項

(株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)

第八十二条 株主資本の金額に、前事業年度末に比して著しい変動があった場合には、主な変動事由を注記しなければならない。

第六章 外国会社の四半期財務書類

(外国会社の四半期財務書類の作成基準)

第八十三条 外国会社がその本国(本拠とする州その他の地域を含む。以下同じ。)において開示している財務計算に関する書類を四半期財務書類として提出することを、金融庁長官が公益又は投資者保護に欠けることがないものとして認める場合には、当該四半期財務書類の用語、様式及び作成方法は、金融庁長官が必要と認めて指示する事項を除き、その本国における用語、様式及び作成方法によるものとする。

2 外国会社がその本国において開示している財務計算に関する書類が前項の規定に基づく金融庁長官の認めるところとならない場合等において当該外国会社がその本国以外の本邦外地域において開示している財務計算に関する書類を四半期財務書類として提出することを、金融庁長官が公益又は投資者保護に欠けることがないものとして認める場合には、当該四半期財務書類の用語、様式及び作成方法は、金融庁長官が必要と認めて指示する事項を除き、当該本国以外の本邦外地域における用語、様式及び作成方法によるものとする。

3 外国会社が本国その他の本邦外地域において開示している財務計算に関する書類が前二項の規定に基づく金融庁長官の認めるところとならない場合には、当該外国会社が提出する四半期財務書類の用語、様式及び作成方法は、金融庁長官の指示するところによるものとする。

(会計処理基準に関する注記)

第八十四条 前条の規定による四半期財務書類について、当該外国会社が採用する四半期財務書類の会計処理の原則及び手続のうち、本邦における四半期財務諸表の会計処理の原則及び手続と異なるものがある場合には、その内容を当該四半期財務書類に注記しなければならない。

(表示方法)

第八十五条 第四条第三項及び第五条第一項の規定は、外国会社が提出する四半期財務書類について準用する。

2 外国会社が提出する四半期財務書類の表示方法のうち、本邦における表示方法と異なるものがある場合には、その内容を当該四半期財務書類に注記しなければならない。

(金額表示)

第八十六条 外国会社が提出する四半期財務書類に掲記される科目その他の事項について、本邦通貨以外の通貨建ての金額により表示している場合には、主要な事項について本邦通貨に換算した金額を併記するものとする。この場合においては、本邦通貨への換算に当たって採用した換算の基準を当該四半期財務書類に注記しなければならない。

(注記の方法)

第八十七条 第八十四条、第八十五条第二項及び前条の規定により記載すべき注記は、脚注として記載しなければならない。ただし、脚注として記載することが適当でないと認められるものについては、他の適当な箇所に記載することができる。

2 第二十三条第二項の規定は、第八十四条及び第八十五条第二項の規定により注記をする場合に準用する。

 

附 則

(施行期日)

第一条 この府令は、証券取引法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第六十五号)の施行の日〔平成一九年九月三〇日〕から施行する。

(リース取引に関する注記)

第二条 平成二十年四月一日以後開始する最初の事業年度の四半期会計期間において所有権移転外ファイナンス・リース取引(財務諸表等規則第十六条の三第一項に規定する所有権移転外ファイナンス・リース取引をいう。以下同じ。)について通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行っている場合であって、取引残高に前事業年度末に比して著しい変動が認められるときには、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。

一 当該会社がリース物件(財務諸表等規則第八条の六第一項に規定するリース物件をいう。以下同じ。)の借主である場合

イ 当四半期会計期間の末日におけるリース物件の取得価額相当額、減価償却累計額相当額、減損損失累計額相当額及び残高相当額(四半期貸借対照表に掲記すべき科目に準じて区分する。)

ロ 当四半期会計期間の末日における未経過リース料残高相当額(当該四半期貸借対照表日後一年内のリース期間に係る金額とそれ以外の金額に区分する。)及びリース資産減損勘定(リース資産に配分された減損損失に対応する負債をいう。ハにおいて同じ。)の残高

ハ 当四半期会計期間及び四半期累計期間に係る支払リース料、リース資産減損勘定の取崩額、減価償却費相当額、支払利息相当額及び減損損失の金額

ニ 当四半期会計期間及び四半期累計期間の減価償却費相当額及び利息相当額の算定方法

二 当該会社がリース物件の貸主である場合

イ 当四半期会計期間の末日におけるリース物件の取得価額、減価償却累計額、減損損失累計額及び残高(四半期貸借対照表に掲記すべき科目に準じて区分する。)

ロ 当四半期会計期間の末日における未経過リース料残高相当額(四半期貸借対照表日後一年内のリース期間に係る金額とそれ以外の金額に区分する。)

ハ 当四半期会計期間及び四半期累計期間に係る受取リース料、減価償却費及び受取利息相当額

ニ 利息相当額の算定方法

2 前項第一号の場合において当四半期会計期間の末日におけるファイナンス・リース取引(財務諸表等規則第八条の六第一項に規定するファイナンス・リース取引をいう。以下同じ。)に係る未経過リース料残高の当該未経過リース料残高及び有形固定資産の残高(有形固定資産以外の資産をファイナンス・リース取引の対象とする場合には、当該資産の属する科目の四半期会計期間末残高を含む。次項において同じ。)の合計額に占める割合が低いときは、取得価額相当額及び未経過リース料残高相当額を、それぞれリース取引開始時に合意されたリース料総額及び当該四半期会計期間末における未経過リース料残高からこれらに含まれる利息相当額の合理的な見積額を控除しない方法(次項において「支払利子込み法」という。)により算定することができる。

3 前項の規定にかかわらず、ファイナンス・リース取引の対象となる資産の属する科目が当該会社の事業内容に照らして重要性が乏しい場合において当四半期会計期間の末日における当該科目に係る未経過リース料残高の当該未経過リース料残高及び有形固定資産の残高の合計額に占める割合が低いときは、当該科目に係る取得価額相当額及び未経過リース料残高相当額を支払利子込み法により算定することができる。

4 リース取引を通常の取引とする会社以外の会社が第一項第二号に定める事項を記載をする場合において当四半期会計期間の末日におけるファイナンス・リース取引に係る未経過リース料残高及び見積残存価額の残高の合計額の当該合計額及び営業債権残高の合計額に占める割合が低いときは、未経過リース料残高相当額を当該四半期会計期間末における未経過リース料残高及び見積残存価額の残高の合計額からこれらに含まれる利息相当額を控除しない方法により算定することができる。

5 会社がリース物件の借主である場合には、当該会社の事業内容に照らして重要性の乏しいリース取引でリース契約一件当たりの少額なもの及びリース期間が一年未満のリース取引については、第一項の注記を要しない。

第三条 リース取引開始日(リース物件を使用収益する権利を行使することができることとなった日をいう。)が平成二十一年四月一日以後開始する事業年度前の事業年度に属する場合における所有権移転外ファイナンス・リース取引について、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行っており、かつ、当該取引残高について、前事業年度末に比して著しい変動が認められるときには、次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。ただし、前条第一項の規定による注記を行っている場合はこの限りでない。

一 当該会社がリース物件の借主である場合

イ 著しく増加した場合 著しく増加したリース取引に係る当該四半期会計期間末における未経過リース料残高相当額

ロ 著しく減少した場合 著しく減少したリース取引に係る前事業年度末における未経過リース料残高相当額

二 当該会社がリース物件の貸主である場合

イ 著しく増加した場合 著しく増加したリース取引に係るリース物件の当該四半期会計期間末における残高及び未経過リース料残高相当額

ロ 著しく減少した場合 著しく減少したリース取引に係るリース物件の前事業年度末における残高及び未経過リース料残高相当額

 

様式 〔省略〕