臓器の移植に関する法律
平成九年七月十六日 法律 第百四号
臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律
平成二十一年七月十七日 法律 第八十三号
更新前
更新後
-本則-
施行日:平成二十二年七月十七日
~平成二十一年七月十七日法律第八十三号~
(臓器の摘出)
(臓器の摘出)
第六条
医師は、死亡した者が生存中に臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合であって、その旨の告知を受けた遺族が当該臓器の摘出を拒まないとき又は遺族がないときは、この法律に基づき、移植術に使用されるための臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。
第六条
医師は、次の各号のいずれかに該当する場合には、移植術に使用されるための臓器を、死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)から摘出することができる。
一
死亡した者が生存中に当該臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合であって、その旨の告知を受けた遺族が当該臓器の摘出を拒まないとき又は遺族がないとき。
二
死亡した者が生存中に当該臓器を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合及び当該意思がないことを表示している場合以外の場合であって、遺族が当該臓器の摘出について書面により承諾しているとき。
2
前項に規定する「脳死した者の身体」とは、
その身体から移植術に使用されるための臓器が摘出されることとなる者であって
脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定された
もの
の身体をいう。
2
前項に規定する「脳死した者の身体」とは、
★削除★
脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判定された
者
の身体をいう。
3
臓器の摘出に係る前項の判定は、当該者が第一項に規定する意思の表示に併せて前項による判定に従う意思を書面により表示している場合であって、その旨の告知を受けたその者の家族が当該判定を拒まないとき又は家族がないときに限り、行うことができる。
3
臓器の摘出に係る前項の判定は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、行うことができる。
一
当該者が第一項第一号に規定する意思を書面により表示している場合であり、かつ、当該者が前項の判定に従う意思がないことを表示している場合以外の場合であって、その旨の告知を受けたその者の家族が当該判定を拒まないとき又は家族がないとき。
二
当該者が第一項第一号に規定する意思を書面により表示している場合及び当該意思がないことを表示している場合以外の場合であり、かつ、当該者が前項の判定に従う意思がないことを表示している場合以外の場合であって、その者の家族が当該判定を行うことを書面により承諾しているとき。
4
臓器の摘出に係る第二項の判定は、これを的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師(当該判定がなされた場合に当該脳死した者の身体から臓器を摘出し、又は当該臓器を使用した移植術を行うこととなる医師を除く。)の一般に認められている医学的知見に基づき厚生労働省令で定めるところにより行う判断の一致によって、行われるものとする。
4
臓器の摘出に係る第二項の判定は、これを的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師(当該判定がなされた場合に当該脳死した者の身体から臓器を摘出し、又は当該臓器を使用した移植術を行うこととなる医師を除く。)の一般に認められている医学的知見に基づき厚生労働省令で定めるところにより行う判断の一致によって、行われるものとする。
5
前項の規定により第二項の判定を行った医師は、厚生労働省令で定めるところにより、直ちに、当該判定が的確に行われたことを証する書面を作成しなければならない。
5
前項の規定により第二項の判定を行った医師は、厚生労働省令で定めるところにより、直ちに、当該判定が的確に行われたことを証する書面を作成しなければならない。
6
臓器の摘出に係る第二項の判定に基づいて脳死した者の身体から臓器を摘出しようとする医師は、あらかじめ、当該脳死した者の身体に係る前項の書面の交付を受けなければならない。
6
臓器の摘出に係る第二項の判定に基づいて脳死した者の身体から臓器を摘出しようとする医師は、あらかじめ、当該脳死した者の身体に係る前項の書面の交付を受けなければならない。
(平一一法一六〇・一部改正)
(平一一法一六〇・平二一法八三・一部改正)
施行日:平成二十二年一月十七日
~平成二十一年七月十七日法律第八十三号~
★新設★
(親族への優先提供の意思表示)
第六条の二
移植術に使用されるための臓器を死亡した後に提供する意思を書面により表示している者又は表示しようとする者は、その意思の表示に併せて、親族に対し当該臓器を優先的に提供する意思を書面により表示することができる。
(平二一法八三・追加)
施行日:平成二十二年一月十七日
~平成二十一年七月十七日法律第八十三号~
(臓器の摘出の制限)
(臓器の摘出の制限)
第七条
医師は、
前条
の規定により死体から臓器を摘出しようとする場合において、当該死体について刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百二十九条第一項の検視その他の犯罪捜査に関する手続が行われるときは、当該手続が終了した後でなければ、当該死体から臓器を摘出してはならない。
第七条
医師は、
第六条
の規定により死体から臓器を摘出しようとする場合において、当該死体について刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百二十九条第一項の検視その他の犯罪捜査に関する手続が行われるときは、当該手続が終了した後でなければ、当該死体から臓器を摘出してはならない。
(平二一法八三・一部改正)
施行日:平成二十二年七月十七日
~平成二十一年七月十七日法律第八十三号~
★新設★
(移植医療に関する啓発等)
第十七条の二
国及び地方公共団体は、国民があらゆる機会を通じて移植医療に対する理解を深めることができるよう、移植術に使用されるための臓器を死亡した後に提供する意思の有無を運転免許証及び医療保険の被保険者証等に記載することができることとする等、移植医療に関する啓発及び知識の普及に必要な施策を講ずるものとする。
(平二一法八三・追加)
-附則-
施行日:平成二十二年七月十七日
~平成二十一年七月十七日法律第八十三号~
(経過措置)
第四条
医師は、当分の間、第六条第一項に規定する場合のほか、死亡した者が生存中に眼球又は
腎
(
じん
)
臓を移植術に使用されるために提供する意思を書面により表示している場合及び当該意思がないことを表示している場合以外の場合であって、遺族が当該眼球又は
腎
(
じん
)
臓の摘出について書面により承諾しているときにおいても、移植術に使用されるための眼球又は
腎
(
じん
)
臓を、同条第二項の脳死した者の身体以外の死体から摘出することができる。
第四条
削除
2
前項の規定により死体から眼球又は
腎
(
じん
)
臓を摘出する場合においては、第七条中「前条」とあるのは「附則第四条第一項」と、第八条及び第九条中「第六条」とあるのは「附則第四条第一項」と、第十条第一項中「同条の規定による」とあるのは「附則第四条第一項の規定による」と読み替えて、これらの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。
(平二一法八三)
施行日:平成二十二年七月十七日
~平成二十一年七月十七日法律第八十三号~
(経過措置)
第五条
この法律の施行前に附則第三条の規定による廃止前の角膜及び
腎
(
じん
)
臓の移植に関する法律(以下「旧法」という。)第三条第三項の規定による遺族の書面による承諾を受けている場合(死亡した者が生存中にその眼球又は
腎
(
じん
)
臓を移植術に使用されるために提供する意思がないことを表示している場合であって、この法律の施行前に角膜又は
腎
(
じん
)
臓の摘出に着手していなかったときを除く。)又は同項ただし書の場合に該当していた場合の眼球又は
腎
(
じん
)
臓の摘出については、なお従前の例による。
第五条
この法律の施行前に附則第三条の規定による廃止前の角膜及び
腎
(
じん
)
臓の移植に関する法律(以下「旧法」という。)第三条第三項の規定による遺族の書面による承諾を受けている場合(死亡した者が生存中にその眼球又は
腎
(
じん
)
臓を移植術に使用されるために提供する意思がないことを表示している場合であって、この法律の施行前に角膜又は
腎
(
じん
)
臓の摘出に着手していなかったときを除く。)又は同項ただし書の場合に該当していた場合の眼球又は
腎
(
じん
)
臓の摘出については、なお従前の例による。
(平二一法八三・一部改正)
-改正附則-
施行日:平成二十二年一月十七日
~平成二十一年七月十七日法律第八十三号~
★新設★
附 則(平成二一・七・一七法八三)
(施行期日)
1
この法律は、公布の日から起算して一年を経過した日〔平成二二年七月一七日〕から施行する。ただし、第六条の次に一条を加える改正規定及び第七条の改正規定並びに次項の規定は、公布の日から起算して六月を経過した日〔平成二二年一月一七日〕から施行する。
(経過措置)
2
前項ただし書に規定する日からこの法律の施行の日の前日までの間における臓器の移植に関する法律附則第四条第二項の規定の適用については、同項中「前条」とあるのは、「第六条」とする。
3
この法律の施行前にこの法律による改正前の臓器の移植に関する法律附則第四条第一項に規定する場合に該当していた場合の眼球又は
腎
(
じん
)
臓の摘出、移植術に使用されなかった部分の眼球又は
腎
(
じん
)
臓の処理並びに眼球又は
腎
(
じん
)
臓の摘出及び摘出された眼球又は
腎
(
じん
)
臓を使用した移植術に関する記録の作成、保存及び閲覧については、なお従前の例による。
4
この法律の施行前にした行為及び前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)
5
政府は、虐待を受けた児童が死亡した場合に当該児童から臓器(臓器の移植に関する法律第五条に規定する臓器をいう。)が提供されることのないよう、移植医療に係る業務に従事する者がその業務に係る児童について虐待が行われた疑いがあるかどうかを確認し、及びその疑いがある場合に適切に対応するための方策に関し検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。