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HOME > 商品詳細(図解建築紛争事例便覧)

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図解建築紛争事例便覧

編集/建築紛争事例研究会
代表/大森文彦(弁護士)

加除式 在庫有り

■商品コード:

0459

■サイズ:

B5判

■巻数:

全2巻・ケース付

■ページ数:

2,204

■価格(税込):

12,960円

■送料:

940円

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建築紛争に関する判例の事実関係を図表化した新しい編集方式を採用して、複雑・難解といわれる裁判例を容易に理解できるように工夫してあります。

膨大な数の判例の中から、重要な事例を厳選して紹介してありますので、実務にお役立ていただけます。

第一線で活躍中の弁護士が執筆・編集にあたっており、信頼できる確かな内容となっています。

第1章 設計・工事監理・設計監理契約
 第1 設計料の請求
 第2 設計図書の著作権
 第3 設計・監理者の過失
第2章 工事請負契約
 第1 契約の成立
 第2 注文者の債務不履行
 第3 請負人の債務不履行
 第4 契約の解除
 第5 損害賠償請求の範囲
 第6 報酬の請求
 第7 請負代金の支払方法
 第8 請負代金の支払の確保
 第9 契約内容の変更
 第10 隣接建物への損傷
 第11 下請代金の支払
 第12 訪問販売法
 第13 その他
第3章 完成・引渡し
 第1 工事目的物の附合
 第2 工事目的物の所有権の帰属
 第3 工事目的物の安全性
第4章 瑕疵担保
 第1 瑕疵の基準・内容
 第2 瑕疵修補請求権、修補に代わる損害賠償請求権
 第3 瑕疵担保責任と債務不履行責任の関係
第5章 建設業者の責任
 第1 元請業者の責任
 第2 工事現場での事故
第6章 近隣
 第1 建設反対運動
 第2 相隣、プライバシー等
 第3 電気の引込み、ガス・上下水道管の敷設関係
 第4 騒音・振動・地盤
 第5 電波障害
 第6 通行権
 第7 日照権、通風
 第8 眺望
 第9 風害、反射光
第7章 行政法上の諸問題
 第1 建築基準法(排除命令)
 第2 建築確認申請
 第3 建築士法関係
 第4 その他
第8章 仲裁
附録
索引
第1章 設計・工事監理・設計監理契約

 第1 設計料の請求

○設計・見積りをした建設業者の設計報酬請求が認められた事例(東京地判昭34・4・24)
○工事費用の見積りをした建設業者の設計料請求が認められた事例(千葉地佐原支判昭47・2・8)
○報酬額の約定がない設計請負契約において設計料が認められた事例(高松高判昭48・8・8)
○設計・見積りをした建設業者の報酬請求が通常価格の50%の範囲で認められた事例(東京地判昭51・3・3)
○報酬額の取決めのないインテリアデザイナーの店舗改装工事設計監理請負契約において相当報酬額を算定した事例(東京高判昭55・12・25)
○設計監理報酬額が当事者の意思や設計監理の履行程度等を考慮して算定された事例(東京地判昭58・6・8)
○建築設計委任契約が受任者の責めに帰すべからざる事由によって解除された場合に、民法648条3項により割合的に報酬額を算定した事例(東京高判昭59・12・11)
○宅地の造成、販売の委任契約が受任者の責めに帰すべからざる事由によって中途で終了した場合に、受任者が給付した労務に相応する報酬額を算定した事例(大阪地判昭61・5・16)
○設計監理契約の成立は否定されたが商法512条により報酬請求が認められた事例(福岡高判平2・3・28)
○貸店舗の建築を請け負う予定であった建築業者の建築工事の準備行為について、同店舗を賃借する予定であった者に対して商法512条に基づく報酬請求が認められた事例(神戸地判平4・7・1)
○複数の建築設計業者に建築の企画・設計の依頼がなされた場合に、企画が採用されなかった業者に商法512条による報酬請求権が認められた事例(京都地判平6・10・31)
○代金支払時期を建物着工時とする建築実施設計図書請負契約について、建築工事の着手なくても請負代金請求が認められた事例(東京地判平13・1・31)
○中途で終了した設計監理報酬額につき平成21年国土交通省告示15号を参考にして算定された事例(大阪地判平24・12・5)

 第2 設計図書の著作権

○建築設計図は、創作性が認められる限り、著作権法10条1項6号の著作物に該当するが、当該設計図に従って建物を建築することは建築芸術に当たる場合のほかは複製に該当しない(福島地決平3・4・9)
○建築設計図の著作物性と複製権侵害の判断方法(名古屋地判平12・3・8)
○個人住宅の建築設計図の著作物性(消極)(東京地判平14・12・19)
○エスキースを下絵として利用した行為に著作権侵害を認めた事例(東京地判平12・8・30)
○建物の著作物性が否定された事例(大阪地判平15・10・30)
○マンション建替えのために製作された設計図面の著作権侵害が認められなかった事例(地財高判平27・5・25)

 第3 設計・監理者の過失

○敷地の境界確定につき、設計監理者に調査義務がないとした事例(東京地判昭50・2・20)
○建築主の希望する設計図を作成しないとして契約を解除された設計監理の請負人に、債務不履行責任がないとされた事例(東京地判昭50・4・24)
○不同沈下により木造建物に欠陥が生じたことについて、設計監理を受任した一級建築士に設計上および監理上の過失が認められた事例(大阪地判昭53・11・2)
○施工業者の工事瑕疵による居住者の入浴中の死亡事故について注文者ないし監督員の使用者としての責任を否定した事例(長野地判昭55・1・24)
○建築士が、工事請負人の施工ミスを建築主に報告しなかったことは、設計監理契約上の義務違反であるとしながら債務不履行責任を否定した事案(福岡高判昭61・10・1)
○ブランド服専門店の内装設計において、内装デザイナーのデザイン変更の義務を否定した事例(東京地判昭62・5・18)
○塵芥処理場の汚水槽において、作業員が死亡した事故につき、処理場を設計施工した業者に設計上の欠陥による責任を認めた事例(大阪地判昭62・10・26)
○建ぺい率違反の状態となったマンションを建築、分譲販売したことについて、建築主および売主の不法行為責任を肯定し、請負人および設計監理者のそれが否定された例(東京地判平2・2・27)
○ディスコの照明装置の落下事故について、右装置の電動昇降装置の設計・制作・備付けを担当した業者に業務上過失致傷罪の成立を肯定した事例(東京地判平4・2・26)
○重量鉄骨構造建物における建築士の工事監理につき、構造耐力に関する具体的技術基準を満たす工事施工を図るべき注意義務があるとされた事例(神戸地姫路支判平7・1・30)
○マンション居室改装工事による騒音が受忍限度を超えるとして工事を設計監理した一級建築士および工事施工業者の不法行為を肯定した事例(東京地判平9・10・15)
○建築確認等の手続の履践に携わっただけの二級建築士に、建物の基礎等の瑕疵について不法行為責任を認めた事例(大阪地判平10・7・29)
○建築確認申請時に工事監理者として自己の氏名を表示した一級建築士に損害賠償を認めた事例(大阪高判平12・8・30)
○建売住宅の瑕疵につき購入者から施工者・工事監理者に対する賠償請求が認められた事例(大阪高判平13・11・7)
○商業ビル内の通路を通行していた者が通路に付着していた油等により転倒し、負傷した事故につきビル所有者の土地工作物責任が肯定された事例(東京地判平13・11・27)
○建築確認申請時に工事監理者として自己の氏名を表示した一級建築士に損害賠償を認めた事例(最判平15・11・14)
○無資格者による建築士法違反の建物の工事監理により、監理委託者が有資格者による適切な監理を受ける機会を奪われたことにより受けた精神的損害につき、不法行為責任があるとされた事例(東京地判平17・12・28)
○地方自治法242条の2第1項4号本文に基づく住民訴訟において、町立中学校の屋内運動場の解体および改築工事の設計委託料を決定する過程に瑕疵があったため著しく不合理な金額で上記工事の設計委託契約を締結したことは違法であるとして、住民の請求が一部認められた事例(鹿児島地判平18・3・15)
○建築された建物の瑕疵について、建物の設計監理者に施主に対する不法行為責任を一部認めた事例(東京地判平20・1・25)
○建築確認申請書に工事監理者として自己の名を記載した建築士が、建築主に対して負う法的義務(佐賀地判平22・9・24)
○建築士が構造計算書を偽装したいわゆる耐震強度偽装事件において、設計および工事監理を受託した建築事務所の代表者である元一級建築士に対する損害賠償責任が認められた事例(東京高判平24・2・28)

第2章 工事請負契約

 第1 契約の成立

○建築基準法違反の内容等から強行法規ないし公序良俗違反として請負契約が無効とされた事例(東京高判昭53・10・12)
○建物と敷地の等価交換契約における建物の建築基準法違反が原始的不能とされ損害賠償請求が認められた事例(東京高判昭61・4・24)
○適正な工事価格の2倍強の請負代金額で工事請負契約を締結させたことが請負人の注文者に対する不法行為とされた事例(東京地判昭63・10・28)
○不動産売買当事者の基本協定締結後の契約拒否が不法行為にあたるとされた事例(東京地判平8・3・18)
○当初の建物増改築請負契約以外の変更工事契約についての、監理者の代理権の存否につき判断した事例(札幌地決平10・3・20)
○住宅の床下換気システムの設置契約に基づく工事について、湿気除去の効果が生じなかった場合に同契約の動機の錯誤による無効が認められた事例(東京地判平17・8・23)
○下請業者が施工業者との間で下請契約を締結する前に下請の仕事の準備作業を開始した場合において施主が下請業者の支出費用を補〓するなどの代償措置を講ずることなく施工計画を中止することが下請業者の信頼を不当に損なうものとして不法行為に当たるとされた事例(最判平18・9・4)
○耐震偽装された新築マンションの分譲において、売買契約の錯誤無効の主張が認められ、不当利得返還請求が認容された事例(札幌地判平22・4・22)
○請負会社と注文会社との間の請負代金の減額合意が公序良俗に反し無効であるとし、不当利得返還請求を認容した事例(大阪地判平22・5・25)
○建築基準法等違反の請負契約が公序良俗違反として無効とされた事例(最判平23・12・16)

 第2 注文者の債務不履行

○ビル建築工事の注文者に注文につき過失があったとして損害賠償責任を認めた事例(大阪地判昭42・3・13)
○請負人が第三者に損害を与えた場合において、注文者に注文または指図について過失があるとされた事例(最判昭43・12・24)
○工事着手前の注文者の債務不履行による請負契約の解除について請負人の損害を認定した事例(東京地判昭47・7・17)
○請負人の約定期間内工事完成が注文者の協力義務違反により不能となった場合と注文者が負担する設計料支払債務の履行期の到来(東京高判昭49・7・18)
○建築請負工事における瑕疵が注文者の与えた指図により生じたものとして、請負人の瑕疵担保責任が否定された事例(名古屋高判昭49・11・27)
○注文者の責に帰すべき事由により仕事の完成が不能となった場合における請負人の報酬請求権の発生と利得償還義務(最判昭52・2・22)
○建物基礎工事により生じた隣接建物の損傷等につき、工事請負人および注文者に賠償責任を認めた事例(大阪地判昭52・6・30)
○注文者が請負人に対し相当期間内に工事の着手を指示しないことを注文者の債務不履行として請負人の解除権の行使を認めた事例(名古屋地判昭53・12・26)
○請負人が第三者に損害を与えた場合において、注文者に注文または指図について過失があるとされた事例(最判昭54・2・20)
○注文者の責に帰すべき履行不能により請負人に発生した請負代金請求権と損益相殺(大阪地判昭56・1・29)
○注文者の責に帰すべき事由による仕事の未完成の場合に請負人に相当額の報酬請求権を認めた事例(東京高判昭59・7・25)
○設計者との協議に従って工事をした請負人に瑕疵担保責任を認めるが、損害賠償額の算定につき設計者の設計ミスを過失相殺事由とした事例(京都地判平4・12・4)
○注文者の責に帰すべき事由により、仕事の完成が不能となった場合に請負人の報酬を出来高に限定した事例(東京地判平5・10・5)
○建築設計契約につき、請負人の付随的義務の不履行を理由とする注文者側からの解除が、注文者側の責に帰すべき事由を理由に認められなかった事例(東京地判平7・1・11)
○請負人の他に工事設計・監理者を選任した場合においても、注文者の請負人に対する注文・指図上の過失責任があるとされた事例(東京高判平9・2・19)
○注文者(地方自治体)との間でごみ処理施設の建設を目的とする工事請負契約を締結したにもかかわらず、注文者の債務不履行により工事請負契約が履行不能になったとする、工事請負業者の損害賠償請求が一部認容された事例(那覇地判平19・5・30)

 第3 請負人の債務不履行

○請負人がその建築した建物を注文者に渡さず他に譲渡し所有権移転登記をした場合、右請負人は代金支払の有無にかかわらず履行不能の責めを負うとした事例(東京高判昭48・2・27)
○建売住宅が地盤沈下により傾斜したことについて、売主および建築業者の損害賠償責任が認められた事例(横浜地判昭60・2・27)
○請負契約が請負人の責めに帰すべき事由により中途で終了した場合に注文者が残工事に要した費用の賠償を求めうる範囲(最判昭60・5・17)
○宅地造成工事請負契約の請負人が造成した造成地に瑕疵があるとされ請負人の債務不履行責任が認められた事例(東京地判平6・9・8)
○宅地造成工事を請け負った業者および下請業者に対し、当該工事に起因して生じた隣地建物の被害につき損害賠償請求が認められた事例(浦和地判平7・3・10)
○建築請負契約の違法の程度は強度のものではないとして同契約違反による損害賠償請求が認められた事例(東京高判平7・4・17)
○建物建築請負契約において履行期前の履行不能が認められた事例(東京地判平8・7・16)
○建物の白蟻予防を施工した際に、業者が発行した保証書の保証範囲につき判断した事例(東京高判平10・2・26)
○建物建築に当たり土地の地盤強度を調査する義務を怠り建物の沈下を招いたとして、建築業者に対して不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例(福岡地判平11・10・20)
○請負人が瑕疵のある建築物を建築したことが不法行為に当たらないとされた事例(福岡高判平11・10・28)
○阪神・淡路大震災による建前の倒壊につき、設計と異なる施工をした請負人に対する損害賠償請求が認められた事例(神戸地判平12・1・26)
○新築建売住宅の購入者から建物の施工者に対する建物の瑕疵を理由とする不法行為責任の主張が排斥された事例(大阪地判平12・9・27)
○建物建築の請負人に対し、建築確認申請の取得に関し建物請負契約上の責任を認めた事例(東京高判平14・4・24)
○建物の設計・施工・監理に瑕疵があるとして、債務不履行、瑕疵担保責任、不法行為に基づく損害賠償責任を認めた事例(神戸地判平14・11・29)
○建築請負契約において請負人の付随的債務の不履行による注文者との信頼関係の破壊を根拠に解除が認められた事例(名古屋地判平18・9・15)
○基礎工事のやり直しを拒んだ請負人の仕事完成義務が履行不能となり、解除による原状回復請求等が認容された事例(名古屋地判平19・3・30)
○注文者宅の増築工事を行った請負人が床下処理に木材防蟻剤を使用したことにより、注文者の妻子が化学物質過敏症に罹患したとして、不法行為等に基づき医療費等の支払を求めたが、いずれも棄却された事例(さいたま地判平22・4・28)
○商業ビルの厨房排水除害施設に新たな排水処理方式を導入する工事を請け負った請負人に債務不履行が認められるとして、損害賠償請求を一部認めた事例(東京地判平22・7・13)

 第4 契約の解除

○請負契約の請負人の連帯保証人が、合意解除による前渡金返還債務についても保証人としてその責めに任ずるとされた事例(最判昭47・3・23)
○建物の建築工事未完成の間における請負契約の解除について、未施工部分についての一部解除のみが許されるとされた事例(最判昭56・2・17)
○注文者が民法641条に基づき請負契約を解除した場合に請負人に対して負担する損害賠償額の上限が約定の請負代金額であるとされた事例(京都地判昭58・10・6)
○建物建築工事の中途において既に施工した部分に補修の不可能な重大な瑕疵がある場合に、契約解除を認め損害賠償の支払が命じられた事例(名古屋地判昭60・5・23)
○民法641条による請負契約解除と注文者の賠償すべき範囲(東京高判昭60・5・28)
○ビル建築請負契約の注文者がした債務不履行を理由とする契約解除の意思表示について、民法641条に基づく解除と解し未完成工事部分のみについてその効力を認めた事例(東京地判平4・11・30)
○等価交換方式によるマンションの建設契約が途中で解約された場合の清算関係に関する事例(東京高判平6・12・21)
○注文主が別件工事代金を約定どおり支払わないことを理由に、建築工事の請負人が工事を中止したのは、債務不履行にあたらないとされた事例(東京地判平9・8・29)
○建築請負工事の請負人が注文者からの連絡・訪問の要求に応じないことが、直ちに請負契約の解除原因とはならないとされた事例(東京高判平11・6・16)
○設計図から工事内容を変更することのみ許可され、具体的な変更点を定めぬまま着工した場合、設計図どおりに施工しなかったことが債務不履行には該当しないとされた事例(大阪高判平13・9・28)
○請負人が一時的に一般建設業の許可を受けていなかったこと等を理由とする注文者からの無催告解除が否定されて注文者の損害賠償責任が認められた事例(東京高判平18・12・26)
○注文者が工事途中で瑕疵を理由に履行期が到来した報酬の支払を拒んだことにつき、瑕疵への対応が適切になされるまでその履行遅滞責任が否定された事例(名古屋地判平19・9・21)
○建物建築請負契約が途中で解除された場合において、補修不可能な不具合のある基礎部分の工事のみの解除が認められた事例(東京地判平26・12・24)

 第5 損害賠償請求の範囲

○請負工事の瑕疵修補に代わる損害賠償額の算定にあたり、注文者の指示・検査が不十分であったことを過失相殺事由とした事例(東京高判昭52・11・30)
○契約解除に基づく損害賠償額の算定時期につき、注文者が別の業者と契約しえた時(解除できた時)を基準とすべきであるとした事例(仙台高判昭55・8・18)
○ビルの建築工事により亀裂等の損傷が生じたとして隣接ビル所有者が請負人および注文者に対してした損害賠償請求が因果関係なしとして棄却された事例(大阪地判昭56・8・28)
○ビルの沈下・傾斜等による損害の算定につき、ビルの沈下・傾斜自体の回復費用は認めず、慰謝料で斟酌した事例(大阪地判昭56・11・5)
○隣家の建物取壊しの際に建物が損傷を受けた場合について、財産的損害の算定が不能であるとして、慰謝料に含めて賠償を命じた事例(大阪地判昭56・11・27)
○注文建築物の引渡しから3年後にされた修補に代わる損害賠償請求について、請求時期が合理的であると判断した上、その内容として精神的損害の賠償を認めた事例(名古屋高判昭57・6・9)
○ビル建築工事につき、建物の主要構造部分に重大な欠陥があり、右瑕疵の修補は建替えによるしかないとして、建替え費用相当額等を瑕疵修補に代わる損害賠償として認めた事例(大阪高判昭58・10・27)
○建物請負人に対し、瑕疵修補に代わる損害として建替え費用相当額の賠償のほか、鑑定費用、慰謝料の損害賠償が命じられた事例(大阪地判昭59・12・26)
○売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償として建物の価格を最高限度とする瑕疵修補費用相当額が認容された事例(千葉地松戸支判平6・8・25)
○建築請負業者が注文主である一般消費者と契約を締結する場合に、注文者が意思決定をするのに重要な意義をもつ事実は、信義則により適切な調査、説明義務を負い契約上の過失に基づく損害賠償責任を負うとされた事例(大津地判平8・10・15)
○地下壁を有する建物が二重壁排水設備を備えていなかったことが、重要な「隠れたる瑕疵」にあたるとして売買契約の解除が認められ、信頼利益の範囲で損害賠償が認められた事例(神戸地判平9・9・8)
○節税のための等価交換方式によるマンションの建設の勧誘等をした建設業者に契約締結上の過失に基づく損害賠償責任を認め、民事訴訟法248条の適用により相当な損害額を認定した事例(東京高判平10・4・22)
○土地売買契約において、当該土地の地下に隣人と共有共用する排水管および浄化槽が埋設されていた場合、売主の瑕疵担保責任を肯定した事例(東京地判平16・10・28)
○売主から委託を受けてマンションの販売に関する一切の事務を行っていた宅地建物取引業者に信義則上買主に対し売主と同様の説明義務があるとされた事例(東京高判平18・8・30)
○不動産業者には、マンションで飛び降り自殺があったことを告知・説明すべき義務があるとした上で、原告が被った損害額を立証することが極めて困難な場合であるとして、民事訴訟法248条を援用して損害賠償を命じた事例(東京地判平20・4・28)
○売買目的物である土地に地中埋設物がある場合の瑕疵担保責任の成否および損害賠償の範囲(福岡地小倉支判平21・7・14)
○建築されたプレハブに瑕疵がある場合において、補修費用が建替費用を上回るとして、安価な建替費用に相当する金額を損害額として認めた事例(神戸地判平23・1・18)
○土地の賃借人が、地中に底盤コンクリートを残置したまま土地を返還し、所有者がその土地上にマンションを建築した場合、残置による損害または損失の発生は認められないとして、債務不履行、不法行為が否定された事例(東京地判平24・7・6)
○マンションの基本的な安全性を欠く構造計算を行った者に対してマンションの所有者からの不法行為責任を認めた事例(福岡高判平25・2・27)
○不動産の売主である宅地建物取引業者に、目的不動産が建築基準法および都市計画法に違反する状態にあることについての調査説明義務違反による損害賠償義務を認めたうえ、買主の過失を理由に3割の過失相殺がされた事例(東京地判平26・3・26)

 第6 報酬の請求

○請負契約において仕事の一部が完成していないのに、完成度合いに対応する額の報酬請求が認められた事例(岡山地判昭46・1・18)
○請負人が仕事完成前に請負工事を中止した場合の工事代金の精算方法(東京地判昭46・12・23)
○請負代金額を概算金額とした場合に、請負代金の増(減)額請求権の可能性を認めた事例(東京地判昭47・6・1)
○請負契約が中途で合意解約された場合には、請負代金額から既払代金額、工事中止により支払を免れた費用等を控除した額を報酬として請求できるとされた事例(東京地判昭51・3・19)
○注文者が代金増額の協議に応じなかったとしても当然代金が増減されるものではないとした事例(東京高判昭56・1・29)
○注文者の責めに帰すべき事由によって合意解除があったと同視できる場合に、出来高に応じた金額について報酬の請求を認めた事例(東京高判昭58・7・19)
○報酬額の定めのない建築設計請負契約における相当な報酬額の算定方法を示した事例(東京高判昭58・12・20)
○設計工事監理請負契約に定められた着手金は、注文者が同契約を任意解除した場合、請負人が請求できるものではないとされた事例(神戸地判平2・10・25)
○建築設計業者からの報酬請求について、建築契約の中止に至るまでの出来高の割合に応じた相当報酬額を算定した事例(東京地判平3・5・30)
○設計・監理等の業務に関する請負契約が中途で解除された場合の、出来高に応じた報酬額の算定方法(東京地判平8・6・21)
○不動産仲介業者がディヴェロッパーから建築業者らとの間のマンション建築請負契約および等価交換契約等の仲介ならびに交渉立会、事業への協力等を依頼されたが、ディヴェロッパーが事業から脱退した場合に約定の7割の額の報酬請求権を有するとされた事例(東京地判平9・5・14)
○請負契約の代金および仕事の内容に関する請負人主張の合意が認められない場合における商法512条に基づく報酬請求が棄却された事例(浦和地判平11・7・27)
○開発許可取得の見通しがたった段階で、許可取得の期限の合意が成立したと認定された事例(東京地判平24・10・9)

 第7 請負代金の支払方法

○請負工事の未完成部分が極めて僅少でも、工事が甚だしく不完全な場合には、注文者は信義則上残代金の支払を拒むことができるとされた事例(東京地判昭34・9・23)
○注文者の中間金の支払遅延を請負人の建物引渡遅延による損害金算定の際に斟酌した上、請負代金債権と瑕疵修補に代わる損害賠償債権との相殺を認めた事例(東京地判昭43・9・6)
○建物建築工事の瑕疵が極めて軽微である場合、瑕疵を理由として代金の支払を拒絶することが信義則に反するとした事例(東京地判昭45・9・30)
○民法637条1項所定の除斥期間経過後でも、注文者は瑕疵修補に代わる損害賠償請求権を自働債権とし、請負代金請求権を受働債権として相殺をなしうるとした事例(最判昭51・3・4)
○相互に債権額の異なる請負人の注文者に対する工事代金債権と注文者の請負人に対する目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権との相殺を認めた事例(最判昭53・9・21)
○瑕疵修補に代わる損害賠償債権を自働債権とし、その後になされた契約解除を理由とする請負者の注文者に対する損害賠償請求権を受働債権としてする相殺は、解除のときに効力を生ずるとした事例(最判昭54・3・20)
○建築請負工事の目的たる建物が外形上完成した場合でも、注文者は右建物の受領および請負代金の支払を拒絶することができるとされた事例(大阪高判昭59・12・14)
○譲渡禁止特約のある建設工事下請負代金債権の譲渡を受けた金融業者に、その特約の存在を知らないことにつき重大な過失があるとされた事例(東京地判平7・9・4)
○請負契約の注文者が目的物の瑕疵の修補に代わる損害賠償債権をもって報酬債権全額の支払との同時履行を主張することの可否(最判平9・2・14)
○工事の注文者が瑕疵の修補に代わる損害賠償債権をもって工事残代金全額の支払について同時履行の抗弁を主張することが信義則上許されないとされた事例(福岡高判平9・11・28)
○工期の遅滞や目的物に瑕疵がある場合に、注文者が請負代金の内金(中間金)を支払期日に支払わなかったことにつき履行遅滞責任が否定された事例(東京地判平19・10・11)
○建物新築請負契約において予定されていた工程が一応終了した場合、仕事は完成しているとされた事例(東京地判平22・2・19)

 第8 請負代金の支払の確保

○請負人が請負工事代金が支払われないので、建築建物の所有者として敷地を占有している場合における、右敷地に対する民事留置権の成否(新潟地長岡支判昭46・11・15)
○民事執行法193条1項の担保権証明文書
請負人に鉄骨を売却した者の請負代金に対する動産売買の先取特権に基づく物上代位(大阪高決昭60・10・2)
○動産売買の先取特権に基づく物上代位権を有する債権者が自ら目的債権を強制執行によって差し押さえる一方他に競合する差押債権者等がいる場合と優先弁済を受ける方法(最判昭62・4・2)
○建物建築請負人の商事留置権が土地・建物双方に成立すると判断した事例(東京高決平6・2・7)
○建物建築請負人の請負代金債権について建物敷地に対する商事留置権を主張することができないとされた事例(東京高決平6・12・19)
○建物の建築工事を請け負った建築業者が、建物の敷地について商事留置権を主張することはできないとした事例(東京地判平7・1・19)
○請負人が建築したアパートを賃貸した場合でも、賃料を収取できるとされた事例(東京高判平9・3・13)
○商事留置権が転化した特別の先取特権と抵当権との優劣は、商事留置権の成立時期と抵当権設定登記時期との先後により決するとした事例(東京高決平10・11・27)
○建物建築請負人は、土地所有者の占有とは独立した占有者とみることはできず、請負代金債権のため敷地につき商事留置権を認めることはできないとされた事例(東京高決平11・7・23)
○建設共同企業体につき、ペーパー・ジョイントであって通謀虚偽表示であるとの建設共同企業体の構成員の主張が排斥された事例(函館地判平12・2・24)
○建設共同企業体の代表者でない構成員の単独名義で下請工事を発注した場合に、建設共同企業体および各構成員の工事請負代金の支払義務が認められた事例(東京地判平14・2・13)
○建物建築工事を請け負い、建物を完成させた請負人が、建物の敷地について商事留置権を有しないとされた事例(東京地判平23・5・24)

 第9 契約内容の変更

○注文者が請負人からの工期変更請求に応ぜず工期内に工事完成の見込みなしとして請負契約を解除することが許されないとされた事例(東京高判昭48・6・25)
○建物建築工事の定額請負において、敷地の地盤が軟弱であったため、基礎工事費が当初の見積りよりかさんだことを理由とする増額分相当の代金請求が棄却された事例(東京高判昭59・3・29)

 第10 隣接建物への損傷

○降雨により擁壁が崩落した事故につき、工事の請負業者と土地占有者に不法行為責任が肯定された事例(東京地判昭58・5・27)
○軟弱地盤に盛土工事をして隣地建物に損傷を与えた事故について、請負業者と土地所有者の責任が肯定された事例(浦和地判昭58・6・22)
○造成宅地の地盤の不等沈下が宅地開発業者の過失によるとして、宅地購入者からの建物建築費用増加分の損害賠償請求が認容された事例(神戸地判昭58・12・6)
○ユンボを使用して杭打ちをするという基礎工事によって隣接建物を損傷した事故につき、損害賠償責任が認められた事例(福岡地柳川支判昭59・12・28)
○隣接地の基礎工事により建物に生じた損傷につき、工事による割合が7割であるとされた事例(大阪地判昭61・4・23)
○軟弱地盤であることを知りながら、隣接建物の基礎を調査せずにマンション建築工事を行い、隣接建物の損傷した請負業者と注文者の責任が肯定された事例(大阪地判昭61・10・30)
○公共用排水路工事に伴う地盤沈下によって生じた隣接建物の損傷について、注文者の責任が肯定された事例(横浜地判昭63・6・17)
○原告建物の傾斜、沈下等が隣地において被告が施工した山留工事が原因であるとされた事例(東京地判平4・4・27)
○マンションの建築工事により隣接建物が損傷したことにつき、請負業者、注文者の不法行為責任が認められた事例(東京地判平6・7・26)
○マンション建設に必要な進入路、車両の転回部の造成のための掘削作業により、隣地の土地および建物所有者が土地の不同沈下が発生し被害を受けたとして求めた損害賠償請求が認められた事例(大阪地判平10・7・31)
○隣地の掘削・山留工事により建物が損傷したとして建築業者等に対して求めた損害賠償請求が一部認容された事例(東京地判平11・6・25)
○配管工事施工後5年以上経過後に生じた事故につき、施工業者の過失が認められた事例(名古屋地判平12・12・15)
○マンション建築工事により発生した地盤沈下に起因する隣家建物の損傷、工事による騒音、振動等を理由とする損害賠償請求の一部を認容し、完成後のマンションによって生じた日照阻害等を理由とする損害賠償請求を棄却した事例(京都地判平13・2・8)
○住宅造成地の斜面の崩落により建物が損壊したケースにつき、住宅地造成事業を認可した知事や損壊建築の建築確認をした建築主事の責任が否定された事例(徳島地判平17・8・29)
○個別に盛土工事を注文した場合でも、共同不法行為が成立するとした事例(さいたま地判平19・2・9)
○地方公共団体が発注者である公共工事により周辺の建物等に変状が生じた事案で、注文者の注文または指図に過失があったとして、地方公共団体に対する損害賠償請求が一部認められた事例(奈良地判平24・3・29)
○道路・宅地の陥没事故につき、道路を管理する市に管理の瑕疵があったとして、宅地建物取引業者に説明義務違反があったとして、損害賠償責任が認められた事例(津地判平26・3・6)
○隣接地の土地掘削工事に伴い、建物に生じた不同沈下・変形につき、工事の請負人および注文主に、寄与率2割の限度で共同不法行為責任が認められた事例(京都地判平26・9・17)
○公共下水道工事によって建物の不同沈下が発生したとする損害賠償請求が、因果関係がないとして棄却された事例(札幌高判平27・2・18)
○土砂流入等の防止措置を講じなかった土地の所有者に対して共同不法行為責任を認めた事例(東京地判平27・3・31)

 第11 下請代金の支払

○請負代金債権の譲渡通知が債務者(注文者)に到達した後に工事が確定的に中断されたときは、これを譲受人に対抗できるとされた事例(東京高判昭59・9・28)

 第12 訪問販売法
(平成13年6月1日から「特定商取引に関する法律」に改正)

○改修工事請負契約に訪問販売法を適用した事例(神戸簡判平4・1・30)
○工事完成後、注文者がクーリング・オフによる解除権を行使したことが権利の濫用に当たらないとされた事例(東京地判平6・9・2)

 第13 その他

○建築会社の工事長が商法43条1項の使用人に当たるとされた事例(東京地判昭48・3・27)
○請負工事契約の工事完成保証人は、請負人の注文者に対する権利義務を重畳的に承継し、その請負代金債権は不可分的に請負人と保証人に帰属する(東京地判昭52・8・30)
○建設共同企業体の単独施工の約定が下請負人に対抗できるとされた事例(東京高判昭56・4・27)
○工事完成保証人は、請負人の下請人に対する下請代金の支払義務を承継しない(水戸地判昭58・9・30)
○請負代金債権につき、代理受領委任契約が締結されている場合でも、建設共同体の一員である請負人と注文者が請負契約の変更契約をしたことに違法性がないとした事例(大阪地判昭59・6・29)
○建築会社が、着手金を受領した後、着工せぬまま倒産した場合に代表取締役らの第三者責任および事実上の経営者の不法行為を肯定した事例(東京地判平9・12・18)
○瑕疵修補に代わる損害賠償請求権が、共益債権ではなく更生債権であるとされた事例(大阪地判平13・6・29)
○建物の高さ制限等を内容とする裁判上の和解に違反して建物が建築された場合において、注文主、建築会社および区分所有者に対する損害賠償請求が認容された事例(東京地判平15・1・21)
○マンションの管理組合法人が共用部分の工事の一環として専用部分の工事をした事案で、事務管理の成立が認められた事例(東京地判平16・11・25)
○建設会社がマンション建築工事を請け負ったものの、その工事途中で倒産し、民事再生法による再生手続が開始され、請負契約が解除された場合に、注文者が別の業者に工事続行を請け負わせた場合に、最初の請負人から工事の出来高金額の譲渡を受けた者が注文者に対して請求し得る債権額(大阪地判平17・1・26)
○請負契約約款に約定がある場合、下請業者が民事再生手続を申し立てた後、元請業者が、孫請業者に対し下請業者の請負代金債務を立替払し、これにより取得した立替払金請求債権を自働債権として下請業者に対する請負代金債務と相殺することが許されるとした事例(東京高判平17・10・5)
○異議なき再生債権として再生債権者表に記載された請負代金債権と同一の債権につき、共益債権として支払を求める訴えが既判力に抵触しないとされた事例(東京地判平21・10・30)
○破産管財人が破産法53条1項に基づき請負契約を解除した場合に、請負契約上の違約金条項の適用を否定した事例(名古屋高判平23・6・2)
○特段の違約金条項が存在する請負契約において、破産管財人が破産法53条1項に基づき請負契約を解除した場合に、発注者は契約条項に基づく違約金債権を取得しないとされた事例(東京地判平27・6・12)

第3章 完成・引渡し

 第1 工事目的物の附合

○下請業者が自己所有の材料で設置した給排水設備等が建物に附合するとされた事例(東京地判昭42・11・27)
○増築部分が既存建物に附合するとされた事例(浦和地川越支判昭63・7・25)
○附合した後に滅失した建物について建築費相当額の償金請求権が認められた事例(東京地判平15・1・29)

 第2 工事目的物の所有権の帰属

○請負人が材料全部を提供して建築した建物が完成と同時に注文者の所有に帰したものと認められた事例(最判昭46・3・5)
○建築途中の未だ独立の不動産に至らない建前に第三者が材料を供して工事を施し独立の不動産である建物に仕上げた場合と建物所有権の帰属(最判昭54・1・25)
○請負契約において請負人が材料全部を提供して建築した建物の所有権が、完成と同時に注文者に帰属したものと認められた事例(東京地判昭57・7・9)
○建物建築請負契約における注文者としての地位の譲渡契約が成立し、これにつき請負人の同意を得ていない場合にも、注文者の地位の譲受人に建物の所有権が帰属すると認められた事例(東京高判昭58・6・16)
○下請負人に完成建物の所有権が帰属する場合において、下請負人の注文者に対する建物所有権保存登記抹消登記手続請求は、権利濫用として許されないとされた事例(東京地判昭61・5・27)
○下請人が材料を全部提供して建築した建物の所有権が注文者に帰属したものと認められた事例(東京地判昭63・4・22)
○建物建築工事において注文者と元請負人が出来形部分の所有権は注文者に帰属する約定をした場合と一括下請負人が自ら材料を提供して築造した出来形部分の所有権の帰属(最判平5・10・19)
○建物建築請負契約において建築中の建物の所有権が注文主に帰属するとの黙示の合意を推認した事例(大阪高判平10・7・21)
○敷地所有者から建物の建築を請け負った建築業者が、建築した建物の所有権を原始取得した場合に、敷地に対する法定地上権の成立が否定された事例(東京地判平15・6・25)
○請負契約における建築物は、請負人から注文者に引き渡されたときに注文者に移転し、不当提訴に対する損害賠償請求が認められた事例(東京地判平15・7・31)

 第3 工事目的物の安全性

○幼児がホテルの窓から転落して負傷した事故につき、旅館経営者の工作物責任が認められた事例(札幌地判昭47・7・28)
○マンションの屋上からの転落事故につき、区分所有者の土地工作物責任が否定された事例(浦和地判昭59・9・5)
○建物3階の美容室の踊り場からの転落事故につき、工作物責任が認められた事例(福岡地小倉支判平4・9・1)
○共同住宅の外階段の崩落により訪問者が負傷した事故について当該建物の管理人の責任が否定された事例(東京地判平9・2・10)
○成人男性が賃貸マンション4階から転落死亡した事故につき窓に手すりがなく、腰壁の高さが約40cmしかなかったことが建物の設置保存の瑕疵にあたるとされた事例(東京地判平9・12・24)
○市営住宅の自宅6階バルコニーの柵のすき間から幼児が転落死した事故につき、市および市営住宅を設計、改修した会社に、損害賠償責任がないとされた事例(熊本地判平11・8・27)
○顧客の転倒事故について、店舗施設所有者および管理会社に損害賠償責任が認められた事例(札幌地判平11・11・17)
○土砂崩れにより建物で就寝中の一家4名が生き埋めになって死亡した事故につき、当該家族の居住していた土地・建物の売主らに不法行為に基づく損害賠償責任が認められた事例(大阪地判平13・2・14)
○特別区が設置した保養所において高齢者が客室内の45cmの段差を踏み外して転落した事故につき、客室の設置、管理の瑕疵が肯定された事例(東京地判平13・5・11)
○トイレブースのドアによって生じた児童の指詰め事故につき、トイレブースの製造業者に損害賠償責任がないとされた事例(東京地判平23・2・9)
○商業ビルに設置された下りエスカレーター手すりに利用客が乗り上げ、エスカレーター外側から階下に転落して死亡した事故につき、土地工作物責任・製造物責任を否定した事例(東京高判平26・1・29)

第4章 瑕疵担保

 第1 瑕疵の基準・内容

○工事代金が格安でも、目的物が社会通念上予定された性状に欠ける時は瑕疵にあたるとした事例(大阪地判昭44・9・24)
○建築請負において建築基準法の最低基準に適合しないことが、仕事の目的物の瑕疵とされた事例(東京地判昭47・2・29)
○監理技師作成の設計図どおりの施工でも工事に瑕疵があるとされた事例(東京高判昭52・9・20)
○便所を鬼門の方角に設置したことが、建物建築工事契約における目的物の瑕疵にあたると認めた事例(名古屋地判昭54・6・22)
○建築工事について、予定された最後の工程まで一応終了していれば、工事は完成し、工事未完成と解すべきではないとした事例(東京地判昭57・4・28)
○日本建築学会作成の基準等に達しない板厚の鉄骨を使用したこと等が、請負債務の不完全履行と認められた事例(大阪地判昭57・5・27)
○設計図面がない場合、社会通念上最低限期待される建物の性状を基準として瑕疵の有無を決するとした事例(福岡地判昭61・7・16)
○設計図書を作成した建築士につき、誤った地耐力に基づいて設計したとして、不法行為責任を認めた事例(大阪高判平元・2・17)
○特約のない場合における建物の瑕疵の存否を判断する基準(神戸地判昭63・5・30)
○建物建築請負契約において仕事の完成を認め、地下車庫に(原告の)乗用車を入出庫させることができないこと等の瑕疵があると認めた事例(東京地判平3・6・14)
○建築後5年以上を経た中古建物について、建築基準法令の定める最低基準を用いて、欠陥の有無を判断した事例(大阪地判平3・6・28)
○建築途上の建物に契約目的を達成できない重大な瑕疵があるときは、注文者は債務不履行を理由に解除できる(東京高判平3・10・21)
○新築ペンションにつき、布基礎部分と床材との間の水切り処理をしていないこと等を理由に、請負人および監理技師の瑕疵担保責任等が認められた事例(東京地判平3・12・25)
○土地建物の売買において、買主の売主に対する不法行為に基づく擁壁の修復、建物の取壊し・新築費用等の損害賠償請求が認められた事例(東京地判平5・3・24)
○建築基準法等に違反して建築された建物につき、隣地所有者による日照被害を理由とする建物の一部の切断・撤去請求が認められた事例(東京地判平6・11・15)
○マンション用地として買受けた土地に存在した障害物を隠れた瑕疵と認め、障害物の撤去費用相当分の損害を認めた事例(東京地判平10・11・26)
○木造家屋の建築請負契約において、建築された家屋につき構造上の瑕疵および施工上の瑕疵があったとして、注文者の損害賠償請求が認められた事例(札幌地小樽支判平12・2・8)
○地震による亀裂・地盤沈下等の発生により、宅地売主に瑕疵担保責任が認められた事例(仙台高判平12・10・25)
○補修方法として、瑕疵ある部分のみの修復では足りず、建替えが相当であるとし、注文者から請負人らに対する建替費用、代替建物の賃料、引越費用、鑑定調査料、慰謝料、弁護士費用等の損害賠償請求を認めた事例(長崎地大村支判平12・12・22)
○建売住宅の売買において、軟弱地盤であることが隠れた瑕疵に当たるとされた事例(東京地判平13・6・27)
○注文者が追加工事費を負担する旨の特約の存在が認められ、完成建物が準耐火建築物の基準を満たさず、瑕疵担保責任ないし不法行為責任が認められた事例(東京地判平14・3・13)
○上階からの生活騒音が聞こえる、新築マンションの区分所有建物売買契約において、特定の品質保証約定の成立や隠れた瑕疵を認めず、債務不履行・瑕疵担保責任が認められなかった事例(神戸地判平14・5・31)
○瑕疵が存在するものの、未だ具体的な損害が発生しておらず損害額の算定が困難であるとして、工事代金の一部を相当な損害額と認定した事例(札幌地判平14・9・5)
○建物に重大な瑕疵が存する場合に、建替費用相当額の損害賠償を認めても民法635条但書の趣旨に反しないとされた事例(最判平14・9・24)
○マンション建築用地の売買契約について、環境基本法に基づく環境基準値を下回る土壌汚染を隠れた瑕疵と認め、売主の瑕疵担保責任が認められた事例(東京地判平14・9・27)
○マンションの浸水被害につき、当該新築マンションの買主が建築主兼売主に対してした瑕疵担保責任に基づく契約解除が肯定、設計、監理をした業者に対してした不法行為に基づく損害賠償請求が否定、買主の建築主兼売主にしたマンション関連費用、修補費用その他慰謝料、訴訟追行費用が肯定された事例(東京地判平15・4・10)
○民法570条にいう隠れたる瑕疵に当たらず説明義務違反による債務不履行も認められなかった事例(東京高判平15・9・25)
○請負契約に反する太さの鉄骨が使用された建物建築工事に瑕疵があるとされた事例(最判平15・10・10)
○土地・建物の売買において、建物が火災にあって焼損したことは隠れたる瑕疵に当たり、その際、土地建物の売買の仲介業者が建物の瑕疵を調査せず、建物が火災にあって焼損したことを看過した場合には、債務不履行責任を免れないとした事例(東京地判平16・4・23)
○防虫処理の不十分な竹材につき製造物責任法による損害賠償が認められた事例(福岡高判平17・1・14)
○建物の不同沈下による損害賠償請求において、損害額については民法722条2項を類推適用して、弁護士費用を除いた全損害額から4割を減じ、遅延損害金の起算日は、不同沈下による損害発生時とした事例(福岡高判平17・1・27)
○建築された建物に地下鉄による騒音および振動の影響があっても、請負人の債務不履行責任、不法行為責任および瑕疵担保責任は認められないとされた事例(名古屋地判平17・4・22)
○住宅の請負契約において多数の請負契約の変更、追加契約の成否、瑕疵に対し、実務で運用されている手続に従って処理された事例(大阪地判平17・4・26)
○建物に瑕疵があるとして、注文者から、工事請負会社、その取締役および工事監理者への損害賠償請求を認めた事例(札幌地判平17・10・28)
○売買契約において、建物の本来備えるべき品質として環境物質対策基準に適合していることが前提とされていたとして、水準を超える化学物質(ホルムアルデヒド)の濃度の建物について売主の瑕疵担保責任が認められた事例(東京地判平17・12・5)
○白あり被害における瑕疵担保責任の除斥期間の起算点(東京地判平18・1・20)
○マンションの共有部分の瑕疵(外壁タイルの剥離・剥落)が、補修後も区分所有権の交換価値を低下させていることを理由として、売主の瑕疵担保責任が認められた事例(福岡高判平18・3・9)
○窓の高さ自体は欠陥とはいえないが、この窓が洗濯物を干すために利用することが予定されていた場合は、手すり等を設置していなければ、欠陥があるとされた事例(福岡高判平19・3・20)
○住宅の注文者のシックハウス症候群の発症につき、使用建材や換気に瑕疵があるとか、施工業者の債務不履行や不法行為に当たる事実があると認めることはできないとされた事例(東京地判平19・10・10)
○湿気・カビ等の防止について建築物の基本的性能が欠如しており、建築業者が瑕疵担保責任・債務不履行責任・不法行為責任を負うとされた事例(東京地判平20・3・12)
○加盟店契約をした工務店に対し、自ら開発した暖房システムと住宅の躯体を一体化させた規格住宅の部材を供給した業者について、消費者にシロアリ発生のリスクを伝え、加盟工務店にシロアリの進入を防ぐ方法について指導を施す注意義務があったのにそれを怠ったとして、不法行為責任を認めた事例(名古屋高判平20・4・21)
○中古建物売買における売主の瑕疵担保責任およびこれを仲介した宅地建物取引業者の責任につき、その発生の有無と範囲について判断した事例(東京地判平20・6・4)
○下請契約の瑕疵担保責任期間を元請契約と一致させ、元請人の下請人に対する瑕疵担保責任を認めた事例(東京地判平20・12・24)
○宅地として売買された土地の地中に井戸が存在したことが隠れた瑕疵に当たるとして、売主の瑕疵担保責任が認められた事例(東京地判平21・2・6)
○住宅供給公社より買い受けた造成地につき、地盤が軟弱であって、土地に隠れた瑕疵があると認め、地盤改良工事費用を全額認め、請求の全部を認容した事例(名古屋高判平22・1・20)
○マンション購入後、マンションに使用された床材が法改正により使用禁止になったとしても「瑕疵」には当たらないし、上記法改正後にマンションの漏水を防止する修補工事を行ったとしても、施工業者は、上記床材から放散されるホルムアルデヒドが室内に流入しないよう配慮すべき注意義務を負わないとされた事例(東京地判平22・5・27)
○購入した新築建物に建て替えざるを得ない重大な瑕疵がある場合、買主から工事施工者等に対する損害賠償請求において、居住利益を損害額から控除できないとした事例(最判平22・6・17)
○注文者から建物建築請負業者に対する瑕疵担保責任および工事監理者の使用者に対する使用者責任に基づく損害賠償請求(不真正連帯債務)が認容された事例(仙台地判平23・1・13)
○土地の売買において、土壌に法令の定める基準値を超える有害物質が存在したことが瑕疵に当たるとされた事例(東京地判平23・1・20)
○住宅用床材の瑕疵に関して、修補費用負担の保証合意の適用対象について判断した事例(東京地判平23・3・3)
○ホテルの大浴場の階段部分につき、滑りによる転倒防止の安全対策が不十分だとして債務不履行責任が認められた事例(盛岡地判平23・3・4)
○設計者、施工者等の建物の瑕疵に基づく不法行為責任(福岡高判平24・1・10)
○土壌に汚染物質が含まれていた工場跡地をガソリンスタンド用地として購入した売買契約において、買主の錯誤による無効、売主の買主に対する瑕疵担保責任・債務不履行責任が否定された事例(東京地判平24・5・30)
○土地付中古建物を売買したところ、数年後に建物が傾斜していたことがわかり、建物およびその敷地に隠れた瑕疵を認め、売主の瑕疵担保責任が認められた事例(東京地判平24・6・8)
○修復条項(特約)がある不動産売買契約において、引渡し前に天変地変により生じた建物の傾きを売主が修復して引き渡さず、修復義務を履行していない場合でも、売主の帰責事由がないとされた事例(東京地判平25・1・16)
○中古住宅と敷地の売買において、擁壁に倒壊の危険性があることおよび囲障であるブロック塀(所有権の帰属不明)の隣地への越境につき売主の瑕疵担保責任が、不動産仲介業者の説明義務違反による債務不履行責任が肯定された事例(東京地判平25・1・31)
○専門委員の説明を証拠資料としたり、欠陥現象から瑕疵(欠陥原因)を推認したりするなどして瑕疵の有無を判断した事例(大阪地判平25・2・26)
○売買契約で宅地として取得した土地につき、地下0.5mから地下水が湧出していることが、隠れた瑕疵に当たり、瑕疵担保責任に基づく買主の損害賠償請求が認められた事例(名古屋地判平25・4・26)
○1 新築住宅の木製窓・窓枠に生じた雨漏り、変色、腐食について、木製窓・窓枠の設置上の瑕疵が認められた事例
 2 住宅の品質確保の促進等に関する法律94条の適用が認められた事例(東京高判平25・5・8)
○引渡後20年以上が経過してから判明した瑕疵の存在を理由とする、施工者らに対する不法行為に基づく損害賠償請求が除斥期間の経過を理由に棄却された事例(東京高判平25・10・31)
○東日本大震災による液状化被害の生じた、造成された分譲地や造成された土地上に建つ分譲住宅の購入者らからの、販売業者や建築業者等への不法行為責任や担保責任が否定された事例(〈1〉事件:東京地判平26・10・8、〈2〉事件:東京地判平26・10・31)
○請負契約に基づき建築された建物について、施工された工事に約定と異なる部分があったが、それをもって瑕疵があるとはいえないと判断された事例(名古屋高金沢支判平27・5・13)
○下請人が施工した建物に基本的な安全性を欠く瑕疵がある場合、元請人は不法行為に基づく損害賠償請求が可能であるとした事例(東京地判平27・6・26)

 第2 瑕疵修補請求権、修補に代わる損害賠償請求権

○建築工事の瑕疵につき、注文者が修補請求権および損害賠償請求権を放棄したと認定された事例(東京地判昭46・7・9)
○請負目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償請求における損害額算定の基準時(1)(最判昭54・2・2)
○注文者が相当の期間を定めて瑕疵修補請求をしたのに、請負人がその期間内に瑕疵の修補をしなかった場合の、注文者の修補に代わる損害賠償請求の可否(東京高判昭56・5・21)
○請負目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償請求における損害額算定の基準時(2)(名古屋高判昭57・6・9)
○請負契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償請求権の除斥期間経過後に右請求権を自働債権として注文者がなした相殺が認められなかった事例(東京地判昭59・3・26)
○請負人において注文者の身体的特徴等に配慮した設計・施工をすることが請負契約の内容であるとした上、これに違反した設計・施工を行ったことが瑕疵にあたると認定した事例(京都地判平13・10・30)
○建築基準法上の接道義務違反の土地付建売住宅の売買につき、売主に対して瑕疵担保責任を理由に売買契約を解除・原状回復および損害賠償が認められ、仲介業者に対して債務不履行を理由に損害賠償が認められた事例(奈良地葛城支判平14・9・20)
○分譲用住宅を建築し販売する目的の土地売買において、地中埋設物が存在していたことにつき売主に瑕疵担保責任および債務不履行責任が肯定等された事例(東京地判平15・5・16)

 第3 瑕疵担保責任と債務不履行責任の関係

○請負工事の未完成と完成したが瑕疵ある場合との区別の基準を明らかにした事例(東京高判昭36・12・20)
○建築請負契約において、仕事の完成は建築基準法上適法か否かも含めて判断すべきであるとし、仕事は未完成であると認定した上、契約の一部解除を認めた事例(東京地判昭48・7・27)
○建物建築請負工事において完成を認定した上、請負人の注文者に対する工事代金債権と注文者の請負人に対する瑕疵修補に代わる損害賠償債権との相殺を認めた事例(山形地新庄支判昭60・2・28)
○請負人の瑕疵担保責任が除斥期間の経過によって消滅した場合、監理契約に基づく建築士の責任も消滅するとされた事例(東京地判平4・12・21)
○ごみ焼却施設からのダイオキシン類の排出に対する住民から建設業者への賠償請求を否定した事例(神戸地判平13・4・25)

第5章 建設業者の責任

 第1 元請業者の責任

○元請人に下請人に対する名板貸しの責任を認めた事例(大阪地判昭45・9・16)
○建売住宅の建築請負人に担保責任を認めた事例(東京高判昭48・9・21)
○直接の雇用関係にない者に対する安全保証義務違反に基づく損害賠償義務が認められた事例(最判昭55・12・18)
○造作解体工事に伴う粉塵による隣室の商品汚損の損害につき元請業者の責任を認めた事例(東京地判平3・9・26)
○見習従業員の労務作業中の事故につき、使用者の安全配慮義務違反を認めた事例(京都地舞鶴支判平13・5・18)

 第2 工事現場での事故

○注文者に事故防止指示義務を認めた事例(東京地判昭52・8・31)
○残土置場の水溜りが「土地の工作物」に当たるとされた事例(大阪地判昭56・5・25)
○地ならし工事直後の小高い土地およびその土地の擁壁が共に土地の工作物と認められた事例(東京地判昭58・5・27)
○労働災害事故について、直接の雇用関係にない元請業者に対し、安全配慮業務違反を理由に損害賠償責任を認めた事例(東京地判昭59・10・22)
○労働災害事故について、直接の雇用関係にない元請業者の使用者責任を認めなかった事例(大阪地判昭60・3・1)
○注文者に結果発生の予見可能性が認められるときに、適切な結果回避措置をとらなかったことを理由に、過失を認めた事例(神戸地伊丹支判昭60・9・17)
○引火性の強い接着剤を使用して火災を発生させた内装業者に、失火責任法上の重過失を認めた事例(東京地判平3・7・25)
○注文者には、事故を予見し回避する可能性はなかったとして、注文者の過失を否定した事例(東京地判平3・8・28)
○住宅の屋根工事現場で落下して重傷を負った大工が安全配慮義務違反を理由に建築請負業者に対してした損害賠償請求を認めた事例(浦和地判平8・3・22)
○メタンガス爆発事故に関し、統括管理の現場代理人兼工事事務所の実質的責任者、安全管理業務従事者および夜間安全管理業務従事者につき、いずれも業務上の過失が肯認された事例(東京地判平8・11・6)
○モノレール建設現場において架設中の橋桁が落下し、死亡者が出たことにつき、注文者である市の不法行為責任を認めた事例(広島地判平10・3・24)
○労働災害事故について、直接の雇用関係に立たない元請業者の使用者責任を認めた事例(福岡地小倉支判平10・3・26)
○工事施工のための施設等を設置管理している発注者は工事施工上の安全配慮義務を負うとした事例(東京高判平10・4・27)
○ビルの屋上で作業中煙突から転落して死亡した事故につき、ビルを所有し、占有管理していた発注者(注文者)に不法行為責任が認められた事例(さいたま地判平23・8・26)
○建築作業に従事する過程で石綿(アスベスト)粉じんに曝露して石綿関連疾患に罹患した労働者に対する国家賠償責任が一部認められた事例(東京地判平24・12・5)
○建物解体中の外壁倒壊による通行人の死亡事故につき、工事施工業者等の不法行為責任が認められ、元請業者等の不法行為責任が否定された事例(岐阜地判平27・7・8)

第6章 近隣

 第1 建設反対運動

○建築主が通行権を有する私道に、障害物を設置し通行を妨害した建築反対住民に対し、損害賠償を命じた事例(東京地判昭52・5・10)
○日照阻害等を理由としたビル建築工事阻止の実力行使に対して建築主が起こした工事妨害禁止仮処分申請が認められ、住民が起こした工事禁止仮処分申請が認められなかった事例(京都地決昭58・10・11)
○日照阻害、環境破壊等を理由にマンション建築反対の実力行使を行った住民に対して損害賠償を命じた事例(東京高判昭60・3・26)
○マンション建築に反対する住民の実力行使を伴う妨害行為が違法とはいえないとして損害賠償請求が棄却された事例(東京地判昭61・3・27)
○4階建ビル建築反対の住民運動が違法とはいえないとして損害賠償請求が棄却された事例(横浜地判平4・1・31)
○建築反対の住民に対する損害賠償請求訴訟が不当訴訟だと記した垂幕の撤去を認めた事例(東京高判平6・3・23)
○8階建マンション建築反対の住民によるビラおよび看板設置が違法であるとしてビラ等の撤去および100万円の損害賠償が命じられた事例(東京地判平9・7・9)
○老人保健施設の建築に反対する近隣住民に対する建築妨害禁止の仮処分命令申立が認容された事例(京都地決平9・12・10)
○建売住宅の建築、販売に反対する旨の看板類の設置が不法行為に当たるとされた事例(横浜地判平12・9・6)
○マンションの建設に反対する住民の表現行為に対する差止めの仮処分申請が却下された事例(名古屋地決平14・7・5)
○建設業者がマンションの建築主の代理人と認定された上で、当該建設業者と隣地の建物所有者との間で目隠し等の設置に関する合意が有効に成立したことを前提に建築主に対し、目隠し等の設置と100万円の慰謝料の支払を命じた事例(東京地判平19・4・27)

 第2 相隣、プライバシー等

○マンションのベランダが民法235条1項の縁側に該当するとして目隠しの設置を命じた事例(名古屋高判昭56・6・16)
○隣接する建物双方の目隠し設置請求につき先後関係を考慮した事例(東京地判昭60・10・30)
○建築基準法65条所定の建築物につき民法234条1項の適用はないと判断した事例(最判平元・9・19)
○大学学舎建設のための宅地造成工事に関して近隣の住人が申し立てた仮処分申請事件において、人格権に基づき宅地造成工事および学舎建築工事の差止めの仮処分が認められた事例(奈良地葛城支判平2・7・11)
○マンションの建築につき、建築に反対する近隣住人らの建築主に対する建築工事の一部禁止の仮処分が認められなかった事例(東京地決平3・3・30)
○1 隣家の生活騒音や、生活に伴う臭気が受忍限度を超えるものとは認められないとされた事例
 2 民法234条1項の50cmの間隔は、建物の側壁と境界線との最短距離を定めたものとされた事例(東京地判平4・1・28)
○境界線付近の建物の距離制限違反について隣人としての誠実交渉義務違反による慰謝料が認容された事例(大阪高判平10・1・30)
○ビルの外壁の補修工事を行う際、隣接するビルの屋上、非常階段に立ち入ることの承諾請求が認容された事例(東京地判平11・1・28)
○受忍限度を超える採光被害がある場合に、高さ2mを超える部分のフェンスの撤去請求および慰謝料請求が認められた事例(東京高判平13・12・26)
○曇りガラスを使用する旨の調停が成立したのに、それに換えて不透明度を高めるフィルムを貼付しても、慰謝料請求は認められないとされた事例(東京高判平16・3・31)
○大学の校舎を建築するためのボーリング工事により付近の飲料水メーカーの使用する井戸の地下水が汚染し、枯渇した場合、注文者と工事請負人の不法行為責任が認められた事例(大津地判平16・8・9)
○土地所有者と使用貸借契約を締結してその土地上に建物を建築しようとしている者について、隣地使用権の主体となり得るとされた事例(東京高判平18・2・15)
○葬儀場の様子を観望できる状況が受忍限度を超えているとはいえないとして目隠しフェンスの嵩上げ請求が認められなかった事例(最判平22・6・29)
○売買契約の目的物である土地上に隣接地上の建物等が越境していることが隠れた瑕疵に当たらないとされた事例(東京地判平26・5・23)

 第3 電気の引込み、ガス・上下水道管の敷設関係

○袋地所有者から囲繞地所有者に対する電気引込線架設工事・排水管設置工事の妨害禁止請求を認容した事例(大阪地判昭60・4・22)
○囲繞地通行権の類推適用により、ガス、上下水道、電気および電話等の配管・配線権が認められた事例(東京地判平4・4・28)
○隣接地に下水管を敷設する工事の承諾および当該工事の妨害禁止請求が権利の濫用に当たるとされた事例(最判平5・9・24)
○隣地所有者の信義則により、水道管およびガス管の撤去請求を棄却した事例(東京地判平8・9・25)

 第4 騒音・振動・地盤

○ボーリング場建設工事による騒音、振動によって住居の平穏が害されたとして損害賠償が認容された事例(東京地判昭50・12・24)
○建物基礎工事により生じた隣接建物の損傷等につき、請負人および注文者に賠償責任を認めた事例(大阪地判昭52・6・30)
○建築工事により隣地のビルに損害が生じても、その原因が当該ビルの構造上の欠陥にあるとして、損害賠償請求が棄却された事例(大阪地判昭55・2・20)
○土砂および砕石等の集積、積出作業によって発する騒音、振動が、公害防止条例に定める規制値を超える場合であっても、損害賠償請求が棄却された事例(大阪地判昭57・2・26)
○隣地の木造家屋取壊し、店舗付マンション新築工事に伴う微塵・騒音・振動による侵害について、準商業地域では比較的高い水準による受忍限度を認めた事例(福岡地判昭57・4・22)
○染色廃水処理装置の塗装工事に使用した薬物が気化拡散し、付近住民に急性薬物中毒の傷害を負わせた事故につき、同工事の注文者に対し損害賠償責任を認めた事例(京都地判昭57・4・27)
○工事により生ずる建物全般の被害は当該工事業者が補修する旨の合意をしても、慰謝料は別途請求することができるとした事例(横浜地判昭60・8・14)
○マンション建築工事による粉塵、振動、騒音の被害を認め、悪臭、交通の危険、プライバシー侵害を否定した事例(京都地判平5・3・16)
○高層マンションによる騒音の増大、プライバシーの侵害に対して損害賠償を命じた事例(大津地判平9・8・21)
○マンションの売買契約とともに締結した防音工事契約における防音水準等について判断した事例(東京地判平11・12・10)
○分譲マンションの売買契約が要素の錯誤により無効とされた事例(大阪高判平12・12・15)
○宅地造成工事について、土地崩壊の危険を理由とする工事差止請求が棄却された事例(横浜地川崎支判平15・10・28)
○マンション建設工事の騒音被害による損害賠償請求の一部を認容し、その余の請求は棄却した事例(京都地判平22・10・5)
○県発注の工事の騒音等により発生した近隣の牛の死傷等の被害について、工事の騒音等が受忍限度を超えていたとして、県および建設業者に対する損害賠償請求が認容された事例(仙台高判平23・2・10)
○道路改良工事による地盤沈下につき損害賠償請求が一部認容された事例(京都地判平24・2・7)

 第5 電波障害

○高層ビル建築による電波障害を理由とする損害賠償請求が棄却された事例(大阪地判平2・2・28)
○建物の電波障害による不法行為を肯定し、受信障害を解消するために加入したケーブルテレビの加入料・工事費・10年分の利用料を損害として認めた事例(東京地判平4・7・28)

 第6 通行権

○位置指定道路(私道)に隣接する土地の借地人が同道路を通行する権利を、自由権(人格権)と認め、この権利を継続的に侵害した私道の所有者に対して出入妨害禁止請求を認めた事例(東京高判昭49・11・26)
○囲繞地通行権の幅員を確定するに際しては、建築関係諸法による制限も事情として参酌した事例(東京高決昭52・3・7)
○囲繞地通行権に基づく建物新築工事用の自動車および工事関係者の通行権を認めた事例(大阪地判昭57・8・13)
○既存道路が建築基準法43条1項の規制に適合しないため、建築確認が得られないことを理由とする囲繞地通行権の主張が排斥された事例(高知地判昭60・3・26)
○建築確認申請に対し、市建築主事がした建築物の敷地の形態を定める条例に適合しないとする不適合通知が適法とされた事例(東京高判平9・4・15)
○建築基準法所定の接道要件を満たすためになした民法210条に基づく囲繞地通行権による拡張開設請求を認めなかった事例(最判平11・7・13)
○私道の所有者からの所有権に基づく通行権不存在確認請求と通行禁止請求とを否定した事例(東京地判平19・2・22)
○通行地役権の設定という法律上の義務を負うことが客観的に合理的であるとする特別の事情が認められ、黙示の通行地役権の成立が肯定された事例(東京地判平20・4・24)
○位置指定道路(私道)の所有者による通行禁止請求に対し、自動車通行等の禁止のみが認められた事例(東京地判平23・6・29)
○隣接地上においてコンクリート杭製の境界標、ブロック塀の囲障の設置請求が認容された事例(東京地判平23・7・15)

 第7 日照権、通風

○日照補償に関する和解契約につき、日影時間の錯誤は要素の錯誤といえないから右契約の無効の主張は認められないとした事例(東京地判昭53・1・24)
○住居地域において第一種高度地区の指定直前にいわゆる駆込み着工した3階建建物の建築について、3階部分の建築禁止の請求が認容された事例(東京高判昭58・7・19)
○第二種住居専用地域内の4階建賃貸用マンション建築による日照侵害等を理由とする損害賠償請求が棄却された事例(大阪地判昭59・11・21)
○住居地域内における4階建マンションの建築について、日照妨害等を理由として3階を超える部分の建築工事禁止仮処分が認められた事例(奈良地決昭59・11・22)
○11階建リゾート用分譲マンションの建築について、日照阻害を理由として一部の工事禁止仮処分が認められた事例(千葉地一宮支決昭62・2・7)
○商業地域における3階建建物の建築による日照被害について損害賠償請求が棄却された事例(福岡地小倉支判昭62・8・20)
○準工業地域内における10m未満の建物について、日照阻害を理由として建築続行禁止仮処分が認められた事例(浦和地決平2・7・2)
○日影規制不適用地域において、公立保育園に通う児童が受忍限度を超える日照阻害があるとして、その南側隣接地に建設中のマンションの一部について工事禁止仮処分申立てが認められた事例(仙台地決平4・6・26)
○日影規制適用地域において、規制対象ぎりぎりの建物として設計されたことから、隣家に受忍限度を超える日照阻害があるとして工事禁止仮処分申立てが認められた事例(名古屋地決平5・3・11)
○日照侵害補償および工事迷惑料の支払提案による損害金支払約定の成立ならびに不法行為の成立がいずれも否定された事例(東京地判平8・8・26)
○日照権侵害等を理由とする建物の一部撤去、損害賠償等の請求が受忍限度論により棄却された事例(大阪地堺支判平8・12・18)
○商業地域における14階建マンション全体について、日照阻害を理由として建築禁止仮処分が認められた事例(大分地決平9・12・8)
○日照阻害等による建物価値の低下による財産的損害について、民事訴訟法248条の趣旨に照らして損害額を認定した事例(東京地判平10・10・16)
○マンション購入後その南側隣地に高層マンションが建築されることになった場合、右マンションの購入を勧誘した不動産業者に告知義務違反の債務不履行責任が認められた事例(東京高判平11・9・8)
○第一種低層住居専用地域における日影規制の対象ではない建物による日照被害につき、当該建物の一部の撤去請求が棄却され、慰謝料請求のみ認容された事例(東京高判平14・11・18)
○高層マンションによる日照阻害・風害等について慰謝料請求が認められた事例(広島地判平15・8・28)
○高層マンションの築造によるビル風害により住環境が破壊されたとして、付近住民が、当該マンションの注文者および建築業者に対して求めた損害賠償が認容された事例(大阪高判平15・10・28)
○近隣商業地域における8階建てマンション建設に伴う日照阻害が受忍限度を超える違法なものであるとして慰謝料請求が一部認容された事例(東京地判平16・2・20)
○第一種中高層住居専用地域内に居住する者が、隣地の建物の建替えによって日照を侵害されても、受忍限度の範囲内であるとして慰謝料請求は認められないとされた事例(大阪地判平17・9・29)
○分譲マンションの売主が購入を勧誘するにあたり、信義則上、日影規制等による保護を受けず、日照に影響を与える可能性があることを説明すべき義務があるとした事例(大阪高判平26・1・23)
○中高層建築物の日影規制の緩和措置を適用する場合の解釈として、閉鎖方式を採用し、発散方式に基づく建築確認が違法とされた事例(さいたま地判平26・3・19)

 第8 眺望

○害意をもって眺望の妨害となる建物を建築することが権利の濫用に当たるとした事例(東京高判昭38・9・11)
○近隣居住者からの眺望の利益の侵害を理由とする慰謝料請求が認められた事例(横浜地横須賀支判昭54・2・26)
○眺望阻害により看板広告による利益を失った者からの損害賠償請求を認めなかった事例(東京地判昭57・4・28)
○眺望の利益が侵害されたことによる地価の低下につき損害賠償請求を認めた事例(大阪地判平4・12・21)
○分譲マンションの眺望を阻害する建築を容認して隣地を売却した業者に責任を認めた事例(大阪地判平5・12・9)
○リゾートマンションからの眺望を害する建物の建築が不法行為になるとされた事例(横浜地判平8・2・16)
○眺望の阻害について、受忍限度を超えることの立証がないとして第一審を取り消した事例(大阪高判平10・11・6)
○眺望の阻害について、収去請求および損害賠償請求のいずれも棄却した事例(大阪地判平11・4・26)
○建築前のマンション売買において、売主の眺望に関する説明が建築完成後の状況と異なるときは、買主は売買契約を解除して損害賠償を請求することができるとした事例(大阪高判平11・9・17)
○関連会社が保有していた隣地にマンションが建築されても販売業者には説明義務違反はないとした事例(大阪地判平11・12・13)
○古都景観地域に4階建てのマンションを建築した業者に対する景観・眺望侵害に基づく損害賠償請求を認めなかった事例(東京高判平13・6・7)
○東京都と国立市が土地計画法による用途地域指定を改めたため、国立市のいわゆる「大学通り」に高層マンションが次々と建てられ、そのため周辺の住民が景観権を侵害されたとして都と市を相手に求めた損害賠償請求が理由がないとして棄却された事例(東京地八王子支判平13・12・10)
○国立の高層マンションの建設が近隣住民らの景観利益を侵害するとして同マンションの一部撤去請求が認められた事例と否定した控訴審(東京地判平14・12・18、東京高判平16・10・27)
○町並み保存地区内のマンション建築に関し、その住民がなした景観利益等を根拠とする高さ20mを超える部分の建築を差し止める旨の仮処分の申立てが認められた事例(名古屋地決平15・3・31)
○広告表示権ないし広告表示利益の侵害を理由とする看板設置要求(東京地判平17・12・21)
○マンションの売買契約において、売主の眺望に関する説明義務違反を理由に契約解除と損害賠償請求が認められた事例(福岡地判平18・2・2)
○国立の高層マンションの建設が近隣住民らの景観利益を侵害するとして同マンションの一部撤去請求が認められなかった事例(最判平18・3・30)
○室内から隅田川花火大会の花火を鑑賞できるマンション居室を販売した分譲業者が、販売後にその眺望を遮るマンションを建築した場合につき、室内からの花火の観望を妨げないよう配慮すべき信義則上の義務があるかどうかが争われた事例(東京地判平18・12・8)
○民法235条1項所定の「縁側」に「サービスバルコニー」が含まれるとして、同条に基づく目隠しの設置請求の一部が認容された事例(東京地判平19・6・18)
○土地の境界線の双方に建築された建物の窓が、民法235条に定める1m未満の距離に設置されている場合に、双方が、相手方に対し、同条1項に基づき目隠しの設置を求めたところ、一方のみの請求が認められ、他方は権利濫用に当たるとして棄却された事例(さいたま地判平20・1・30)
○マンションの建築行為が社会通念上受忍し得る限度を超えて不当に眺望権を侵害するものではないとして不法行為責任が否定された事例(東京地判平20・1・31)
○分譲業者が建設した他のマンションにより眺望が害された者の損害賠償請求が認められなかった事例(大阪地判平20・6・25)
○別荘地における隣接土地上の建物の建築が、眺望利益に対する違法な侵害に当たると判断され、建築の差止めを求める仮処分命令申立てが認容された事例(横浜地小田原支決平21・4・6)
○分譲マンションの眺望阻害について、眺望権侵害及び説明義務違反を理由とする損害賠償請求がいずれも棄却された事例(大阪地判平24・3・27)
○眺望利益につき、建物の一部撤去によって法的保護を与えうる程度に受忍限度を超えた侵害は認められないとした事例(大分地判平25・7・10)

 第9 風害、反射光

○風害を理由とする高層マンションの一部建築工事禁止仮処分申請を却下した事例(大阪地決昭49・12・20)
○ビル風による被害予防工事に支出した費用相当額の請求を認容した原判決を破棄した事例(最判昭59・12・21)
○建物の外壁等からの反射光により生じる被害につき遮光工事と損害賠償を命じた事例(大阪地判昭61・3・20)
○隣接する建物の屋根に設置された太陽光パネルの反射光により、建物所有権の円満な利用が妨げられたとして求めた損害賠償請求につき、被害が受忍限度を超えるものではないとして、損害賠償請求が棄却された事例(東京高判平25・3・13)

第7章 行政法上の諸問題

 第1 建築基準法(排除命令)

○建築基準法5条の2・6条に違反する内容の建物建築請負契約が、無効であると判断された事例(東京高判昭53・10・12)
○建築基準法所定の高度制限を超えるビルの建築請負契約が、原始的不能により無効とされた事例(東京地判昭56・12・22)
○建築物の敷地の接道面の長さを2m未満に縮減するものとする借地契約上の特約が無効とされた事例(東京高判昭55・9・11)
○建築基準法65条所定の建物は、境界線より50cmの間隔を置く必要はないとされた事例(最判平元・9・19)
○建築基準法違反の建築物に対する是正命令に、裁量権逸脱等の違法はなかったとされた事例(東京地判平2・11・29)
○従業員を建築主として建築確認を受けた後違反建築をした場合、同従業員を名宛人とする工事施工停止命令は法人に対しても効力を有するとされた事例(大阪高判平7・10・8)
○建築基準法上の用途違反等を理由に区長が発した使用禁止命令により、賃貸借契約が履行不能になったとして、契約の終了が認められた事例(東京地判平7・12・26)
○建築基準法42条2項にいう「現に建築物が立ち並んでいる」を満たすと判断された事例(東京高判平20・3・26)
○道の一部分に建築物が存在しなかった場合、その部分は建築基準法42条2項所定の「現に建築物が立ち並んでいる」道に当たらないとされた事例(最判平20・11・25)

 第2 建築確認申請

○建築確認申請の際、建物敷地の重複使用も認められる場合があるが、当該申請を不適合とした建築主事の処分に故意過失はないとされた事例(東京地判昭52・4・22)
○建物の建築計画につき近隣住民との紛争を収拾し解決するための行政指導が行われていた期間、建築主事が当該建物の建築確認を留保していたところ、確認申請の対象土地が高度地区の指定を受け、もはやマンション建設が不能となったとして確認申請者の特別区に対してされた損害賠償請求が棄却された事例(東京地判昭52・9・21)
○建築基準法6条1項に基づく確認申請の審査の対象には、当該建築計画の民法234条1項の規定への適合性は含まれないとされた事例(最判昭55・7・15)
○建築士が過去の建築確認代理申請において違法な行為をしたことを理由に、その建築士が代理人として申請している他の建築確認事件の審理や許可を停止することは違法であるとして国家賠償請求が認められた事例(大阪高判昭58・2・28)
○付近住民の提起した建築確認処分の執行停止の申立てにつき、回復困難な損害を蒙るおそれがあるとしてこれを認めた事例(神戸地決昭60・5・21)
○建築主と付近住民との紛争につき、建築主に行政指導が行われていることのみを理由として建築確認申請に対する処分を留保することが違法であるとして、国家賠償請求が肯定された事例(最判昭60・7・16)
○市長が建築基準法9条1項に基づいてした除却命令に、裁量権の範囲を逸脱した違法はないとされた事例(最判昭61・2・20)
○建築基準法43条の接道義務に違反しているとして隣接居住者が建築確認の執行停止を求めたのに対し、同建築確認には違法はないとして申立てが却下された事例(奈良地決昭62・12・3)
○建築確認申請外の既存建築物の法規適合性は建築主事の審査の対象にはならず、さらに特定行政庁が違反建築物の除却措置等の是正措置命令を出さなかったことが違法ではないとされた事例(新潟地判昭63・4・28)
○町の行政指導を理由に、建築主事が建築確認申請に何らの処分をしないことは違法として提起された不作為の違法確認請求が認められた事例(名古屋地判平8・1・31)
○建築確認取得後、接道要件を欠くことの判明により、通路所有者の同意を得るまでの建築中止の行政指導が適法とされ、かつ同指導に従った売主の債務不履行責任が否定された事例(神戸地尼崎支判平8・2・27)
○建築基準法施行条例が施行前に提出された建築確認申請に適用されるとされた事例(千葉地判平9・3・14)
○建築主が任意に行政指導に従う態度を示している場合においては、建築主事が一定期間、確認申請の受理をしないまま留保し、行政指導の結果に期待することがあったとしても違法な措置とはいえないとされた事例(横浜地判平9・12・26)
○事業者が行政指導に従わないことを理由に、構造評定申込書に特定行政庁の担当官が署名捺印しなかったことが国家賠償法上違法であり、損害額認定につき民事訴訟法248条が適用された事例(東京高判平13・7・16)
○敷地の重複申請を理由とする建築確認不適合処分の違法性(津地判平14・9・19)
○近隣住民らからの高さ制限違反・容積率違反等を理由とする建築確認処分取消請求と、損害賠償請求につき判断した事例(横浜地判平15・1・15)
○近隣住民らによるマンション建築確認処分取消請求につき原告適格の範囲を限定した上で、容積率違反および接道義務違反を否定した事例(仙台地判平15・10・30)
○都市計画法29条1項所定の開発許可を欠いたままなされた建築確認処分が取り消された事例(横浜地判平17・2・23)
○指定確認検査機関に対する建築確認処分取消請求から地方公共団体に対する損害賠償請求への訴えの変更が許可された事例(最判平17・6・24)
○盛土がなされた後の地盤面を基準に建築基準法上の高さ規制、容積率規制等に適合するとしてされた建築確認処分が違法であるとして取り消され、また、指定確認検査機関による確認に係る建築物について確認する権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体は、指定確認検査機関による当該確認に係る事務の違法を理由として、国家賠償法1条1項の「公共団体」として賠償責任を負うとされた事例(横浜地判平17・11・30)
○盛土した土地について、建築主事が、盛土が行われた後の地盤面を基準として建築基準関係法規への適合性を判断したことについて、国家賠償法上の違法性はないとして、当該土地の近隣に居住する住民の損害賠償請求が棄却された事例(横浜地判平18・9・13)
○建築確認処分の取消しを求めた訴えが、その後の建築確認変更処分により取り消され効力を失ったとして訴えの利益が失われたと判断された事例(東京高判平19・8・29)
○指定確認検査機関のした建築確認に建築基準法53条1項の建ぺい率規制違反を看過した違法があるとして建築確認処分が取り消された事例(名古屋地判平19・9・19)
○建築基準法59条の2に基づく総合設計許可処分を適法とした事例(さいたま地判平19・12・26)
○特定行政庁の定めた天空率の算定方法を適法とした事例(大阪高判平20・8・28)
○指定確認検査機関の建築確認検査業務委託契約における善管注意義務違反が認められた事例(東京地判平21・5・27)
○違法な安全認定を前提とした建築確認は、安全認定が取り消されていなくても、違法であるとされた事例(最判平21・12・17)
○病院の職員宿舎の建築確認処分について、近隣の住民が、火災による延焼、倒壊等の危険や日影被害が生じることを理由に、行政事件訴訟法25条2項に基づいて同処分の効力の停止を求めた事案において、申立人適格を肯定した上で、「重大な損害」を避けるため緊急の必要があるとは認められないとして申立てを却下した事例(仙台地決平23・3・23)
○近隣住民らによる東京都建築安全条例10条の2第1項に基づく認定処分取消請求につき原告適格の範囲を限定した上で、上記認定処分を適法とし、また、同人らによる建築基準法9条1項に基づく除却命令等の義務付け請求につき原告適格の範囲を限定した上で、除却命令等をしないことが裁量権の逸脱・濫用に該当しないとされた事例(東京高判平23・11・24)
○耐震強度不足のマンションにつき、指定確認検査機関に対する損害賠償請求が認容され、地方公共団体に対する損害賠償請求が棄却された事例(横浜地判平24・1・31)
○一級建築士により構造計算書に偽装が行われていた建築物の計画について、建築主事による建築確認が国家賠償法上違法となるとはいえないとされた事例(最判平25・3・26)
○過誤により違法な建築確認をしたことを理由に指定確認検査機関が損害賠償義務を負うか(消極)(東京地判平27・6・19)
○建築基準法52条2項に違反する建物について、建築確認申請等の処分の停止が認められなかった事例(東京地決平27・6・24)

 第3 建築士法関係

○建築士の資格を有せず、建築士事務所の登録をしていない建築業者に、出来高の割合に応じた相当報酬額を認めた事例(東京地判昭41・9・11)
○建築物の設計・監理を委託された建築士事務所およびその監理責任者である一級建築士にその監理義務違反によって建築主に生じた損害の賠償責任を認めた事例(名古屋地判昭48・10・23)
○一級建築士に対する免許取消処分の無効確認および取消請求が棄却され、「免許取消しの日から4年を経過するまで免許を与えない」との告知の無効確認および取消請求が却下された事例(東京地判平19・12・6、東京高判平20・4・22)
○東西部分が相互に行き来できない構造の居住用建築物が建築基準法施行令121条1項および2項に違反しないとされた事例(大阪地判平27・2・19)

 第4 その他

○区長が違反建築物に対して是正措置をとらなかったことが付近住民らに対する関係で違法でないとされた事例(東京地判昭55・5・20)
○無断で自己所有地を敷地として建築確認申請をされた者につき、建築確認の取消しを求めるにつき法律上の利益はないとされた事例(横浜地判昭57・9・22)
○知事が都市計画事業地内にある建物の改築許可申請に対して都市計画の施行の障害になるおそれがあるとしてなした不許可処分が適法であるとされた事例(奈良地判昭62・3・25)
○建築基準法2条1号に定める定着の意味および立体自動車駐車場設備への同条の適用の有無(横浜地判平5・8・30)
○市の宅地開発指導要綱に従わないことが水道法15条1項にいう「正当の理由」に当たらないとされた事例(最決平元・11・7)
○建築主が行政指導に応じていないことを理由にリゾートマンションの建築確認処分を留保した不作為が違法であるとされた事例(甲府地判平4・2・24)
○町のモーテル類似施設建築規制条例自体は憲法94条、地方自治法14条1項に反しないが、当該案件に適用される限りにおいて憲法29条に反し無効であるとされた事例(盛岡地決平9・1・24)
○第一種低層住居専用地域内での建築確認処分を得た、スーパー銭湯につき、客の利用する自動車が住環境を著しく害し受忍限度を超えるとして、建築工事禁止の仮処分申立が認められた事例(名古屋地決平9・2・21)
○地下に堆積したごみを除去することなく宅地の造成が行われ、不等沈下が生じることとなった土地の開発行為につき、県知事に過失がないとされた事例(秋田地判平10・11・20)
○エキスパンションジョイントで接合された建築物は建築基準法施行令1条1号の「一つの建築物」に該当しないとされた事例(東京地判平13・2・28)
○工業専用地域(建築基準法48条12項)の例外許可(同項ただし書)の取消訴訟において原告適格を否定された事例(横浜地判平16・11・10)
○第一種低層住居専用地域における建築許可処分について、近隣住民が取消訴訟を提起できるとされた事例(横浜地判平17・2・16)
○エキスパンションジョイントで接合された建築物について建築基準法施行令1条1号の「一の建築物」に該当しないとはいえないとされた事例(東京地判平17・11・21)
○都市計画法81条1項に基づく違反是正命令の発令を求めた非申請型義務付け訴訟が、行政事件訴訟法37条の2の「一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれ」があるとは認められないとして却下された事例(大阪地判平19・2・15)
○開発区域周辺に開発利益を有する者に開発許可処分取消訴訟の原告適格を認めた事例(大阪高判平20・7・31)
○耐震強度偽装を看過した指定確認検査機関に審査上の過失が認められないとされた事例(福岡地小倉支判平21・6・23)
○一級建築士が構造計算書を偽装したいわゆる耐震強度偽装事件において、建築確認をした建築主事に重過失は認められないとして、請求を棄却した事例(京都地判平21・10・30)
○建設業許可の審査に違法・過失があるとして県の国家賠償責任を認めた原審判決を破棄し、損害賠償請求が棄却された事例(東京高判平21・12・17)
○耐震偽装事件につき、建築主事(県)の責任を否定し、経営コンサルタントの責任を認めた事例(名古屋高判平22・10・29)
○耐震強度偽装事件において、立場の異なる三者の責任についてそれぞれ判断が示された事例(東京地判平23・3・30)
○特別区が作成した都市計画情報図に誤記があったため、これを信じて購入した土地につきマンション建築計画を断念させられた不動産会社による、特別区に対する国家賠償請求が一部認容された事例(東京地判平24・2・8)
○1 重要文化財である建築物の近隣に居住する住民に文化財保護法45条1項に基づく環境保全命令の義務付けを求める訴えの原告適格が認められないとされた事例
 2 重要文化財である建築物の近隣に居住する住民が提起した文化財保護法43条1項本文に規定する許可手続を行う義務があることの確認を求める訴えにつき確認の利益が認められないとされた事例(東京地判平24・2・17)

第8章 仲裁

○注文者と監理技師間の紛争に仲裁約款の適用がないとされた事例(大阪高判昭51・3・10)
○工事請負契約に関する四会連合約款に基づく仲裁約款の成立が認められた事例(最判昭55・6・26)
○建築工事請負約款による家屋改修工事契約および当該契約の追加工事につき、仲裁契約の成立が認められた事例(東京高判平2・10・9)
○請負契約約款に基づく仲裁契約の成立と、その対象となる紛争の範囲につき判断した事例(東京地判平8・8・22)
○仲裁法附則3条2項の消費者の無理由解除権の趣旨に照らし、仲裁合意を適用することが信義則に反するとの注文者の主張が排斥された事例(名古屋地判平17・9・28)
○仲裁合意の成立を認めた上で同合意の黙示的解除や錯誤無効等の主張を否定し、原告の訴えを不適法却下した事例(東京地判平21・3・25)

附録

○弁護士会一覧
○建設工事紛争審査会一覧
○建築基準法
○建設業法
○建築士法
○住宅の品質確保の促進等に関する法律
○特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律
○下請代金支払遅延等防止法
○建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準

索引

○キーワード索引
○判例年次索引


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