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HOME > 商品詳細(未成年者・精神障害者の監督者責任)

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未成年者・精神障害者の監督者責任

―Q&Aと事例―

編著/今西順一(弁護士)

単行本 在庫有り 電子版もあります。

■商品コード:

50938

■ISBN:

978-4-7882-8117-2

■JAN:

9784788281172/1923032039000

■サイズ:

A5判

■巻数:

1

■ページ数:

364

■発行年月:

平成28年4月

■価格(税込):

4,212円

■送料:

450円

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紛争事案解決の指針となる解説書!

◆ Q&A編では、「責任能力」「責任無能力者の不法行為」「監督者責任」などに関する一通りの論点を、関係法令や実際の事例を交えながら解説しています。

◆ 事例編では、未成年者、精神障害者が加害者となった事例65件を厳選し、損害賠償責任の所在と範囲について、争点を明示しながらわかりやすく解説しています。

サッカーボール事件最高裁判決(最判平成27年4月9日)、JR東海認知症事件最高裁判決(最判平成28年3月1日)といった重要最新判例についてもいち早く言及しています。

はじめに―JR東海認知症事件最高裁判決について―

Q&A編
第1章 総論
1 責任能力
 Q1 民法上の責任能力とは何を意味するのでしょうか。
 Q2 責任能力はどのような場合に問題になりますか。
 Q3 未成年者とはどのような人を指すのですか。また、未成年者の責任能力の有無はどのように判断されるのですか。
 Q4 精神障害者とはどのような人を指すのですか。また、精神障害者の責任能力の有無はどのように判断されるのですか。
2 責任無能力者の不法行為と監督者責任
 Q5 責任無能力者が不法行為をした場合、誰がどのような責任を負うのでしょうか。
 Q6 法定監督義務者、代理監督者、事実上の監督者とはどのような人を指すのでしょうか。また、この人たちの相互の関係はどのように考えればよいのでしょうか。
 Q7 未成年者、精神障害者が不法行為をした場合に、その人が責任能力を備えていると、他の人は責任を負うことはないのでしょうか。
 Q8 責任無能力者の失火行為について、失火責任法の適用はあるのでしょうか。
 Q9 運行供用者が責任能力を欠く状態で運転中に人身事故を起こした場合であっても、自賠法3条の運行供用者責任は成立するのでしょうか。
 Q10 被監督者である加害者が責任無能力者であるか否かについて判断が難しく、念のため、加害者本人の民法709条による責任と監督者の民法714条による責任の双方を追及したいのですが、これは可能でしょうか。また、これにはどのような問題があるのでしょうか。
 Q11 法定監督義務者、代理監督者及び事実上の監督者等の責任を負う人が複数いる場合、その人たちは責任の全てを負うのでしょうか。また、この人たちの相互の関係はどうなるのでしょうか。
 Q12 責任能力を欠く被用者が業務中に不法行為をした場合、その使用者は民法715条1項による使用者責任を問われるのでしょうか。
 Q13 責任無能力者による不法行為のため監督者に損害賠償責任が発生した場合、この損害を填補してくれる保険はあるのでしょうか。

第2章 未成年者
 Q14 責任能力のない未成年者の法定監督義務者とは具体的にどのような人のことをいうのでしょうか。また、法定監督義務者はどのような監督義務を負っているのでしょうか。
 Q15 責任能力のある未成年者が不法行為を行った場合、その親権者などが監督義務違反に問われることがあるのでしょうか。
 Q16 責任能力のない未成年者が起こした自転車事故において、親権者の損害賠償責任を填補する保険はありますか。また、逆にこのような事故の被害者となった場合に備えるための保険はありますか。

第3章 精神障害者
 Q17 責任能力のない精神障害者の監督者とは具体的にどのような人のことをいうのでしょうか。また、監督者はどのような監督義務を負っているのでしょうか。
 Q18 責任能力のない精神障害者の監督者の責任が免責される場合について、民法714条1項ただし書に「その義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったとき」とありますが、具体的にどのような場合でしょうか。また、免責が認められた事例はあるのでしょうか。
 Q19 精神障害者で責任無能力者であっても不法行為責任を負う例外はあるのですか。また、責任を負うことがあるとすると、どのような場合に負うのですか。
 Q20 どのような場合に責任能力のない精神障害者の事実上の監督者と認められるのでしょうか。
 Q21 精神保健福祉法が改正され、保護者制度が廃止になったそうですが、これにより監督義務を負う人、内容などに何か影響はあるのでしょうか。

事例編
第1章 未成年者
1 責任能力がない場合で親権者等の責任が問われた事例
(1) 交通事故の事例
 [1] 小学校5年生(11歳)の子が起こした自転車事故につき、その母親に民法714条1項による監督者責任の成立が認められ、約9,520万円の支払が命じられた事例
(2) 学校(保育園)事故の事例
 [2] 保育園内において、園児(6歳)が他の園児を受傷させた事件につき、同園長について民法714条所定の代理監督者としての、加害園児の親権者について同条所定の法定監督義務者としての損害賠償責任をそれぞれ認めた事例
 [3] 放課後の学校開放制度下の校庭において、遊戯中の小学生(5年生)が、設置されている遊具を使用して、他の児童を負傷させた事件につき、加害児童の親権者については民法714条に基づき損害賠償責任が肯定され、同校の教師又は学校開放指導員については同法所定の代理監督者にあたらないとして、国家賠償法1条所定の損害賠償責任が否定された事例
 [4] 小学校4年生の女児が、放課後学校内において同級生の男児らのいじめにより受傷した事件につき、市については国家賠償法1条に基づき、加害児童の親権者については民法714条1項に基づき、それぞれに損害賠償責任を認めた事例
 [5] 中学生(13歳6か月)のいじめにより同級生が受傷した事件につき、加害中学生の親権者に対し、民法714条1項に基づく損害賠償責任を肯定し、担任教諭に対する保護監督義務違反は否定され、国家賠償法1条に基づく責任を否定した事例
 [6] 中学校内で中学生(13歳)が同級生を受傷させた事件につき、加害中学生が責任無能力者であることを前提に、中学校の設置管理者である区の損害賠償責任を否定した上で、加害中学生の親権者らについて損害賠償責任を負うとした事例
 [7] 休憩時間中に生じた校内での衝突事故につき、衝突した児童(小学校4年生)の両親に民法714条1項の監督者責任の成立を認め、学校設置者については国家賠償責任の成立を否定した事例
 [8] 市立小学校4年生の児童が教室での「帰りの会」の時間中、同級生から鉛筆を投げられ負傷した事件につき、担任教諭に過失があったとして市に対し国家賠償法1条に基づき、加害児童の親権者に対し民法714条1項に基づき、それぞれ損害賠償責任が認められた事例
(3) その他他害行為の事例
 [9] 剣道少年団のキャンプに参加中の団員(11歳)が飛ばした竹とんぼが他の団員の眼に当たったという事故につき、ボランティアの引率者であった団長に民法714条2項の代理監督者責任が認められた事例
 [10] 行事参加中の幼稚園児ら(3歳から5歳)の不法行為につき、その幼稚園を経営する学校法人に民法714条2項による代理監督者責任の成立を認めた事例
 [11] 親権を有さず同居もしていない実親について、民法714条1項の監督者責任、民法709条の監督義務違反責任の成立を共に否定した事例
 [12] 子供同士(7歳から11歳)がそれぞれ竹の棒を持って遊んでいる最中に起きた事故につき、両親の監督者責任が認められた事例
 [13] 小学校6年生(11歳11か月)の男児が校庭で蹴ったサッカーボールにつきバイク運転中の被害者がこれを避けようとして転倒した場合において、男児の両親に民法714条1項ただし書の免責を認めて、原判決及び1審判決を取り消した上で、被害者の加害者に対する損害賠償請求を認めなかった事例
2 責任能力がある場合で親権者等の責任が問われた事例
(1) 交通事故の事例
ア 自動車損害賠償保障法3条による責任が問われた事例
(ア) 責任を肯定した事例
 [14] 家出中の車両所有者(18歳)がその車両を第三者に運転させ同乗している際に生じた事故について、その父親に自賠法3条の運行供用者責任の成立が認められた事例
 [15] 車両所有者兼運転者(16歳)の起こした事故につき、車両購入状況、購入代金・維持費の負担者、保管状況等についての具体的事実を認定した上で、その両親に自賠法3条の運行供用者責任の成立を認めた事例
 [16] 同居中の子(18歳)がその所有車両運転中に起こした事故について、その車両の任意保険の契約者であった父親に自賠法3条の運行供用者責任の成立を認めた事例
 [17] 運転者(19歳)の父親がリース車両の許諾使用者にすぎない場合であっても、自賠法3条の運行供用者に該当することを前提に、子が無断使用した場合において、父親に運行供用者責任の成立を肯定し、母親については民法709条の監督義務違反責任の成立を否定した事例
(イ) 責任を否定した事例
 [18] 登録名義人が運転者の父親であったにもかかわらず、加害車両の所有者は運転者であると認定した上で、別居中の父親の自賠法3条による運行供用者責任を否定した事例
 [19] 子の友人(17歳)による無断運転について、車両所有者に自賠法3条による運行供用者責任の成立を否定した事例
 [20] 子(16歳)の所有車両による事故につき、両親の自賠法3条による運行供用者責任の成立を否定しつつ、民法709条による監督義務違反責任を認めた事例
 [21] 予備校生(18歳)がその所有車両運転中に起こした事故について、同居中の両親の民法709条による監督義務違反責任の成立が否定され、父親については自賠法3条による運行供用者責任の成立も否定された事例
イ 民法709条による責任が問われた事例
(ア) 責任を肯定した事例
 [22] 未成年者を引き取り養育していた伯父が、未成年者が自動車を窃取し乗り回していたことの認識がないことを認めつつも、従前の放任的な養育監護の状況から監督義務違反による損害賠償責任を認め、親権者については損害賠償責任を認めなかった事例
 [23] 未成年者が、自身が所有するものより排気量の大きな法定監督義務者保管の自動二輪車を使用して事故を起こした事案において、交通違反を繰り返す未成年者が運転特性の異なる車両を運転すれば事故を惹起すると予見し得たにもかかわらず一般的な注意をするにとどまり、車両の保管の配慮も欠けていたとして、法定監督義務者に対して民法709条の損害賠償責任を認めた事例
 [24] 無免許運転などで少年鑑別所に収容され在宅試験観察となって出所した未成年者が就職するにあたり、自動車の運転等につき特段の配慮を依頼せず、就職後の配慮又は家庭生活への融和などの工夫もしなかった法定監督義務者に対して、民法709条の損害賠償責任を認めた事例
 [25] 未成年者と同居しておらず、無免許運転等を認識していなかった父親に対し、日頃から未成年者及び妻と語り合うなどして未成年者の行状を把握するように努める義務があったとして、民法709条の監督義務違反としての損害賠償責任を認めた事例
 [26] 無免許運転を繰り返していた未成年者に対し、一般的な注意はするものの深夜に及ぶ外出をすること等は許容していた法定監督義務者に対して民法709条の損害賠償責任を認め、車両の使用を明確に許可したわけではないものの容認していたといえる状況にあった車両の所有者に対して自賠法3条の運行供用者責任を認めた事例
 [27] 未成年者が友人から借りた前照灯の灯火しない原動機付自転車を乗り回して歩行者と衝突させて死亡させた事案で、運転者の親に対して民法709条による監督義務違反としての損害賠償責任を認め、未成年者に原動機付自転車を貸した友人の親権者については監督義務違反としての損害賠償責任を否定した事例
 [28] 未成年者と同居していない親権者について、未成年者の独立の程度や、親権者と未成年者の日常的な関わりの度合いから監督可能性があるとして、民法709条による監督義務違反としての損害賠償責任を認めた事例
 [29] 複数の未成年者が、2台の車両に分かれて危険運転を行い被害者を死亡させた事案において、未成年者らの非行の有無やその程度などを詳細に検討した上で、各親権者ごとに民法709条による監督義務違反としての損害賠償責任を個別に判断した事例
 [30] 自転車で右折中の被害者と後続の加害自転車が衝突した事故につき、事故後の親権者の被害者に対する配慮を欠いた行動から、親権者が未成年者に対して交通ルールを守らせる監督義務を全く果たしていなかったと推認し、民法709条による監督義務違反としての損害賠償責任を認めた事例
(イ) 責任を否定した事例
 [31] 未成年者に日本酒を出し、その後未成年者が外出したものの未成年者自身が自動車を運転するとは認識していなかった法定監督義務者に対し、未成年者に飲酒運転の前科前歴がなく、またあと4か月余りで成人することを考慮し、民法709条による監督義務違反としての損害賠償責任を否定した事例
 [32] 勤務先から保管を委託されていた車両を無免許の未成年の友人に運転させた結果事故を惹起させた未成年者の法定監督義務者につき、未成年者が指導監護に容易に服しない性向であることや同種の非行による補導歴がなかったこと、加害車両の鍵を保管していたことを知らなかったこと等から、民法709条による監督義務違反としての損害賠償責任を否定した事例
 [33] 未成年者が夜間に外出して自動二輪車を運転することを許可すべきでなかったと認めるに足りる客観的な証拠がないとして、民法709条による監督義務違反としての損害賠償責任を否定した事例
 [34] 事故態様に加え、未成年者が免許を取得し社会人として働いていたこと、加害車両は未成年者が出捐して購入し親権者は購入自体を知らなかったこと、及び未成年者にはこれまで交通事故・違反歴等が認められなかったことを考慮し、親権者の損害賠償責任を認めなかった事例
(2) 学校事故の事例
 [35] 中学校2年生の男子が、休み時間に同級生男子に対しプロレス技をかけて右眼を失明する等の傷害を負わせた事件につき、加害中学生の両親に対して監督者責任として民法709条の損害賠償責任が認められなかった事例
 [36] 中学校でのいじめを苦にして被害者が自殺した事案において、いじめについては学校側の安全保持義務違反及び親権者らの監督義務違反を認めたが、自殺については予見可能性がなかったとして責任を否定した事例
 [37] 市立中学校の生徒であった被害者(3年生)が同級生から暴行を受けた事故につき、被害者が加害者からの報復を恐れ直ちには被害申告できなかったとしても、学校側に結果回避義務違反があるとして市に国家賠償法1条に基づき損害賠償責任が認められた事例
 [38] 中学生が同級生に対し行っていたいじめについて、加害者(いじめ開始時13歳)の責任能力を肯定して不法行為責任を認め、親権者である父母に対しては、中学校から連絡を受けた後については加害者を指導監督すべき義務を負うとして、それ以後のいじめ行為について不法行為責任を認めた事例
 [39] 公立中学校2年生が複数の同級生らから継続的ないじめを受け自殺した事件につき、加害者らに民法709条・719条1項による損害賠償責任(死亡については予見可能性否定)、担任教諭にいじめ・自殺を防止できなかった安全配慮義務違反があったとして町に国家賠償法1条1項、県に同法3条1項による国家賠償責任があると認められた事例
 [40] 被害者が教室のカーテンフックが外れているのを直そうとして生徒用机の上に置いた椅子に立っていたところ、加害者(13歳、中学生)に椅子を蹴られて転落し、その際に割れた窓ガラスのガラス片で受傷し死亡した事故について、加害者の責任能力を肯定し不法行為責任を認めたものの、親権者の監護教育義務違反及び中学校設置者等(町及び県)の責任は否定した事例
 [41] 中学生が複数の中学生の暴行により顔面打撲等の負傷をした事件等につき、加害中学生らの親らに対して、民法709条・719条に基づく損害賠償責任が認められた事例
 [42] 小学校の体育館内において男子児童(小学校6年生)と衝突した被害者(小学校3年生)が頭部を負傷して後遺障害が残ったことについて、小学校の校長に安全配慮義務違反があったとして、小学校を設置した町に対する国家賠償法に基づく損害賠償責任を認めた事例
 [43] 市立中学校の体育館の体育用具庫で、中学校1年生がロール状に巻かれて立てかけられていた体育用ロングマット中央の空洞に頭部から逆さまに入って死亡していた事故につき、加害者である7名の元生徒に対し、民法709条に基づき損害賠償請求が認められたが、市に対する、国家賠償法2条の責任及び部活動中の教師の立会義務違反等による国家賠償法1条の責任は否定された事例
 [44] 加害者(13歳、中学生)が同級生に箒を投げつけて受傷させ、視力低下などの後遺障害が残った事故について、中学校教諭らの安全配慮義務違反及び親権者らの監督義務違反を認めた事例
 [45] 柔道部の市立中学校1年生が、柔道場にて同級生(13歳)より暴行を受け受傷した事件につき、加害中学生の責任能力が肯定された上で、父母に対し民法709条に基づき、学校の顧問教諭らの過失を理由として市に対し国家賠償法1条に基づき、損害賠償責任が認められた事例
(3) その他他害行為の事例
 [46] 未成年者(17歳)による傷害致死事件について、その両親に民法709条による監督義務違反責任の成立を認めた事例
 [47] 魚釣りの際に中学校2年生(13歳)の過失により生じた事故について、母親及び母親の交際相手の民法709条による監督義務違反責任の成立をいずれも否定した事例
 [48] 高校1年生(15歳)による殺害行為についてその両親に民法709条による監督義務違反責任の成立が認められた事例
 [49] 小学生(12歳3か月)が階段を降りていた原告に激突して転落させ受傷させた事件につき、加害者の責任能力を肯定し損害賠償責任を認めた一方で、加害者の父母に対しては過失(監督義務違反)等を否定し、損害賠償請求を排斥した事例
 [50] 学習塾の塾生(小学校6年生、12歳)が、同じ塾に通う塾生を階段から突き落として受傷させた事件につき、加害者の責任能力及び過失責任を肯定しつつ、加害者の両親に対する監督義務違反も認めた事例
 [51] 加害者(中学生、13歳)と被害者らが遊んでいた時、加害者がエアーガンの引き金を引いた際にBB弾が発射され、被害者の右眼に命中し受傷した事件につき、加害者及び加害者の父親の過失責任を肯定した事例
 [52] 被害者(15歳)に対する集団暴行死事件について、加害者ら(中学生ないし中学校卒業)の親権者らに対する監督義務違反が認められた事例
 [53] 加害者ら(13歳ないし16歳)が被害者に対し集団暴行を加えた結果死亡させた事件について、加害者らの不法行為責任及び親権者らの監督義務違反による不法行為責任を認めた事例
 [54] 中学校内で中学生(13歳)が教師を刺殺した事件につき、加害者の責任能力を肯定した上で、不法行為責任を負うとし、加害者の両親の監督義務違反による不法行為責任とは共同不法行為となるとした事例
 [55] 加害者5名(うち1名は16歳)が、被害者に対し暴行を加え死亡させた事件について、加害者である被告2名の不法行為責任は認めたが、未成年者の親権者の責任については、監督義務違反が認められない、又は監督義務違反が認められたとしても事件結果との相当因果関係は認めることができないとした事例
 [56] 加害少年ら(16歳ないし17歳)が被害者に集団で暴行を加え死亡させた事件について、親権者らの監督義務違反による損害賠償責任を認めた事例
 [57] 加害者らが被害者を約2か月間拘束し、その後殺害した事件について、未成年の加害者の親権者の監督義務違反を否定し、警察官の過失(捜査の懈怠)による県の国家賠償法上の損害賠償責任を認めた事例

第2章 精神障害者
1 責任能力がない場合で家族の責任が問われた事例
(1) 責任を肯定した事例
 [58] 統合失調症を発症した子を引き取り同居していた親につき、民法714条による法定監督義務者又は代理監督者に準じる者(事実上の監督者)として、監督義務違反としての損害賠償責任を認めた事例
(2) 責任を否定した事例
 [59] 事実上の監督者である加害者の両親につき、不法行為当時、加害者が精神障害に罹患していることを認識することはできず、したがって、民法714条2項に準ずる責任を負うことはないとし、損害賠償責任が認められなかった事例
 [60] 加害者が第三者に危害を加える可能性があることを予想することは困難等として、事実上の監督者につき民法714条1項又は2項による損害賠償責任が認められなかった事例
2 責任能力がない場合で家族以外の者の責任が問われた事例
(1) 責任を肯定した事例
 [61] 院外作業中に無断離院した統合失調症患者が殺人行為に及んだ事案において、病院開設者である県に対する国家賠償法1条による損害賠償請求が認められた事例
(2) 責任を否定した事例
 [62] 入院中の外泊の方法が治療法として落ち度があったとは言い難いこと等を理由に、入院先の病院の運営主体につき代理監督者としての民法714条2項による監督義務違反を認めなかった事例

第3章 民法713条ただし書の適用が問題となった事例
 [63] アルコール離脱症状による幻覚妄想状態で一時的な心神喪失状態であった加害者について、一時的な心神喪失に陥ったことに過失があるとして、民法713条ただし書を適用して損害賠償責任を認めた事例
 [64] 不法行為前後の行動に基づいて、心神喪失が一時的なものであり、これについて過失があるとして、放火した加害者について民法713条ただし書を適用して損害賠償責任を認めた事例
 [65] 統合失調症の加害者につき民法713条ただし書を適用した原判決を取り消し、加害者の病状等から心神喪失が一時的であるとはいえないとして、被害者の加害者に対する損害賠償請求を認めなかった事例

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