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行政・財政2019年10月23日 「表層深層」支援有無に「1メートル」の壁 水害の実情軽視と批判 台風19号の住宅被害 提供:共同通信社

 自然災害で多くの被災者を支えてきた被災者生活再建支援法の対象から、今回の台風19号では漏れる住宅が多数出てしまう可能性が出てきた。「床上1メートル以上の浸水」かどうかで、支援が事実上線引きされてしまうことに、関係者からは「水害の実情が軽視されている」と批判が出ている。
 ▽見えにくい
 「水害は水が引くと、外観では被害が見えにくい。家があまり傷んでいないように見えることも多いので、地震に比べて軽く見られやすい」
 2015年の関東・東北豪雨で被災した茨城県常総市で、浸水世帯などを支援したNPO法人「茨城NPOセンター・コモンズ」の横田能洋(よこた・よしひろ)代表理事は指摘する。
 別のNPOからは「被災者生活再建支援法は1995年の阪神大震災を受けてできたので、水害の実情に合っていない」との声も出る。
 台風19号で、宮城県丸森町の会社員平野春美(ひらの・はるみ)さん(45)は、約2200万円かけて建てたばかりの自宅が約90センチ浸水した。洗濯機などほとんどの家電が使えなくなり、ソファや布団も水に漬かった。業者からは「改築に1100万円ほど必要」と言われた。
 罹災(りさい)証明の手続きで、1メートル未満の浸水と判定されれば支援法の対象から外れるかもしれない。「90センチでも直すのに費用がかかる。目を向けてもらえたら」と漏らした。
 ▽自治体独自
 多くの住宅が床上浸水した福島県相馬市。道路に泥が堆積し、車が通るたびに砂ぼこりが舞う。「23年間住んだ家なのに。涙が出てくる」。会社員米本志津子(よねもと・しづこ)さん(50)は疲れた様子で話した。
 1メートル前後浸水し、1階の家具や家電のほとんどを処分した。カーテンの汚れは何度洗っても落ちず、掃除をしても壁から泥水がしたたり落ちる。
 ハウスメーカーが示した補修の見積もりは約2千万円。保険に加入していたが一部しかカバーできない。支援法の対象外となる可能性があり、「税金も納めているのに、必要な時に支援をしてもらえないなんて」とため息をつく。
 過去の水害で自治体が独自に支援を実施した例も。昨年の西日本豪雨で、愛媛県では支援法対象外の床上浸水世帯にも支援金が支給された。「被災前の場所で生活再建をしてもらい、コミュニティーを維持するには支援の幅を広げる必要があった」と県の担当者。
 ▽視点
 全国知事会は支援法の対象拡充を求めているが、この担当者は「国の対応を待っているわけにもいかないので動いた」。
 関東・東北豪雨でも、常総市で支援法の対象外となった世帯に25万円が支給されるなどした。
 内閣府は、浸水の深さで1メートル未満と扱われても2次調査を受ければ住宅の損傷程度などで被害区分が変わる可能性があるとする。台風19号を受けて担当者は「被災者や調査を担う自治体に、2次調査ができることをしっかり周知する。ほかの自治体から応援職員を派遣するなど調査態勢も強化する」と話した。
 横田代表理事によると、常総市で1メートル未満の浸水だった住宅の多くが、再建に700万~1千万円程度かかり、老後の蓄えを取り崩した人もいた。「水害の場合、支援はあまりに手薄だ。生活を支える機能がどれだけ失われたかという視点が必要だ」と力を込めた。

(2019/10/23)

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