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医療・薬事2019年10月23日 考え抜いた死の決断 国内は慎重意見根強く 元パラ選手安楽死 提供:共同通信社

 パラリンピックの車いす陸上メダリスト、ベルギーのマリーケ・フェルフールトさん(40)が安楽死を実行した。脊髄疾患の痛みと長年闘い、考え抜いた上での決断だった。欧州では安楽死の実施件数は年々増え、認められる年齢や病状も拡大している。一方、日本では慎重な意見が根強く、終末期医療を巡る議論は進まぬままだ。
 ▽安らぎ
 「安楽死ができることは、患者の心に安らぎを与える。自分の命(の決定権)を手にするのだから」。フェルフールトさんは家族と友人に見守られ、自らの意志で旅立つ10日前の今月12日、共同通信のインタビューでこう述べ、笑顔を見せた。
 生命維持装置が取り付けられた末期患者の家族は、装置を外すか否かの判断を迫られることが多い。乳がんを患った、ベルギーの首都ブリュッセル郊外の女性(61)は「家族につらい選択をさせたくない」と考え、許可証を取得した。
 オランダは2001年に国レベルでは世界で初めて安楽死を合法化。翌02年にベルギーが続いた。スイスでは医師が処方した致死薬を患者が自ら使う「自殺ほう助」が認められている。米国やオーストラリアの一部の州も安楽死を認めている。
 ▽拡大
 ベルギーでは肉体、精神の苦痛が耐え難く、治る見込みがない患者が事前に証人を伴って申請し、許可証を得ていた場合、医師による安楽死を受けられる。実施件数は年々増え、18年に2357人。オランダではここ数年、6千人台だ。
 両国は安楽死の適用範囲を拡大しつつある。ベルギーは14年、未成年者の安楽死を認める法律を施行。オランダの裁判所は今年9月11日、認知症の女性(74)を安楽死させた医師を無罪とし、判断能力を失った患者でも、事前に「認知症が進んだ場合は安楽死を希望する」との書面を残すなどしていれば安楽死は可能との判断を下した。
 ▽切り捨て懸念
 日本では超党派の議員連盟が12年に、がんなどで死期が迫った患者に延命治療中止を認める法案をまとめたが、いまだに宙に浮いたままだ。「多死社会」が進む中、18年に改めて終末期医療の在り方を議論しようと自民党のプロジェクトチーム(PT)も再開したが、その後、目立った動きはない。賛否が大きく分かれるテーマだけに、国民的に議論するタイミングを見計らっている状況だ。
 ただ、議連も自民PTも、薬物投与など積極的な安楽死は認めるべきではないとの立場を維持する。背景には、障害や難病の当事者らから「弱者の切り捨てにつながりかねない」との考えが根強いことがある。
 日本障害者協議会代表で全盲の藤井克徳(ふじい・かつのり)さん(70)は、今回のフェルフールトさんの死の影響を懸念する。「著名なアスリートの安楽死が許されることになれば、差別や偏見で生きづらさを感じている障害者に対し、無言の『死の勧め』になる。容認してはいけない」
(ブリュッセル、東京共同=小熊宏尚、岩田泰典)

(2019/10/23)

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