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資産税2019年11月03日 富裕層の税逃れ対策強化 海外預金記録の保管要請 申告漏れの加算税軽減も  来年度、対象は1万件超 提供:共同通信社

 政府は3日、海外に保有する財産が5千万円を超える富裕層らの税逃れを防ぐ仕組みを強化する方針を固めた。国外にある銀行預金の入出金記録などの保管を新たに納税者側に要請することで、資産隠しをさせないようにする。税務調査で申告漏れなどが発覚した場合、記録の提示があれば加算税を軽減する措置を2020年度税制改正で導入し、自主的な保管を促す。対象となる個人や企業は1万を超えるとみており、対応を厳格化する。
 富裕層によるタックスヘイブン(租税回避地)への資産隠しや、海外の取引法人を利用した税逃れ行為は後を絶たない。日本の税務当局は海外取引の調査が難しく、情報開示を促す仕組みづくりが課題だった。入出金記録を提示させることで、国外への財産移転による所得税や相続税の節税行為を防ぐ狙いがある。
 海外での資産隠し防止策として、14年に「国外財産調書制度」を創設した。年末時点で5千万円を超える国外財産を持つ国内居住者を対象に、現預金や不動産、有価証券といった財産の種類や金額を記した調書の提出を義務付けている。17年に9551件の提出があったが、政府は対象の富裕層はさらに多いとみる。今回はこの制度を拡充し、資金の流れが分かる入出金記録や取引状況を記した帳簿などの保管を求める。
 税務調査で申告漏れを指摘された場合には、追加で納付する税額の10~15%に相当する「過少申告加算税」が課されるが、納税者が口座記録を提出すれば加算税を5%程度軽くする方向だ。逆に提出しなければ加算税を5%程度重くすることを検討している。
 全対象者に保管を義務付けると、適正な申告をしている納税者に対しても実務的に重い負担をかけることになる。このため、義務化や定期的な保管の確認はせず、税務調査時にだけ提示を求める仕組みとする。
 ※国外財産調書制度
 国外に保有する預金や不動産などの財産が5千万円を超える国内居住者に、財産の種類や金額などを記載した書類を作成し、税務署への提出を義務付ける制度。2014年1月に施行された。偽りの内容を記載して提出したり、正当な理由がなく提出しなかったりした場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科されることがある。

手口高度化、対応後手に 情報収集力の強化狙う

 富裕層や企業の国際的な租税回避行為は、お金の流れを把握するのが難しく、対応が後手に回ってきた。政府は、国外への多額の送金を把握したり、他国と連携して海外の金融口座の情報を得たりと包囲網を敷いてきたが、税逃れの手口は高度化する一方だ。新たに銀行預金の入出金記録の保管を求めることで、課題だった情報収集力の強化を狙う。
 日銀の資金循環統計によると、家計から海外投資に回される金額は増加傾向にあり、2018年度には20兆1800億円に達した。海外の現地法人数も増えている。
 海外に保有する資産を記した国外財産調書の提出は、17年分は9551件だった。「納税者に提出義務が周知されてきた」(国税庁)ため、調書の制度が始まってから、提出の件数は伸びている。他国に不動産と銀行口座を保有するとの記載を元に、不動産の賃料収入や預金利息などの申告漏れが発覚する事例もある。
 それでも税逃れは後を絶たない。国税庁は、海外投資をしている富裕層に対し、17年7月からの1年間で前年比62%増の862件の調査を実施。発覚した税逃れ行為の1件当たりの追徴税額は827万円と高額だった。
 入出金記録の保管は義務ではなく要請にとどまるため、どこまで浸透するかは不透明だが、政府関係者は「公平な課税につなげたい」と期待する。

(2019/11/03)

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