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医療・薬事2019年11月15日 ハンセン病補償法が成立 家族に最大180万円 対象2万人超、1月支給へ 国会、政府が反省おわび 提供:共同通信社

 ハンセン病元患者家族に最大180万円を支給する補償法と、名誉回復を図る改正ハンセン病問題基本法が15日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。元患者への補償金支給法施行から18年遅れ、家族補償が実現。対象者は約2万4千人とみられ、22日にも施行して受け付けを始め、来年1月末にも支給を始める。政府は家族関係修復や差別解消に力を入れ、当事者らの意見を踏まえて具体策を決める。
 法成立を受け、加藤勝信厚生労働相は「私自身先頭に立ち、補償実施や偏見差別解消、家族関係回復に取り組む」と強調。家族訴訟弁護団は「被害の全面解決に向けて大きな前進をもたらす」とのコメントを発表した。
 両法は議員立法。補償法は家族が受けた苦痛や苦難に対し、国会と政府による反省とおわびを前文に明記した。精神的苦痛への補償金として元患者の親子や配偶者らに180万円、きょうだいらに130万円を支給する。6月の熊本地裁判決より、補償額と「家族」の範囲が拡大された。
 支給には請求が必要で、家族と証明する資料の確認や外部有識者による認定審査会の審査を経て厚労相が認定する。委員には国立ハンセン病療養所長や裁判官の経験者を想定している。請求期限は法施行後5年以内。死亡した原告は補償対象に含めず、省令で同額の特別一時金を支払う。同省は必要経費を約400億円と見込む。ホームページやポスターなどで制度を周知するとしている。
 改正基本法では、差別禁止や名誉回復の対象に、元患者だけでなく家族も追加。高齢化が進む元患者の医療・介護環境を整備し、国立ハンセン病療養所に勤める医師の兼業規制を緩和した。
 熊本地裁は6月28日、原告541人に1人当たり30万~130万円(1割の弁護士費用除く)を支払うよう国に命じた。7月9日に安倍晋三首相が控訴見送りを表明。その後、原告側も控訴せず、地裁判決が確定した。
 元患者の訴訟では、同地裁が2001年に隔離政策を違憲とし、国に賠償を命令。同年、補償金支給法が制定され、09年に基本法が施行された。

ハンセン病関連2法の要旨

 ハンセン病元患者家族補償法と、名誉回復を図る改正ハンセン病問題基本法の要旨は次の通り。
 ▽家族補償法
 【前文】
 元患者家族は偏見と差別の中で元患者との家族関係形成が困難になるなど、多大の苦痛と苦難を長年強いられたが、国会と政府は取り組みをしてこなかった。悔悟と反省の念を込めて深刻に受け止め、深くおわびする。
 【補償金の支給】
 元患者の親子や配偶者、同居していた1親等の姻族に180万円、きょうだいや同居していた2親等の姻族、3親等内の血族に130万円支給。
 【認定と審査】
 支給を受ける権利は厚生労働相が認定。請求者は氏名や住所、元患者の診断日などを記した請求書を提出しなければならない。家族であることが資料で明らかではない場合は、外部有識者で構成する認定審査会の審査を経て認定。請求期限は法施行後5年以内。
 ▽改正基本法
 【前文】
 元患者と家族の被害回復には未解決の問題が多く残されている。地域社会から孤立することなく、良好で平穏な生活を営むための基盤を整備し、偏見と差別のない社会の実現に真摯(しんし)に取り組んでいかなければならない。
 【基本理念と責務】
 ハンセン病問題に関する施策は、国による強制隔離政策で元患者や家族が受けた被害を可能な限り回復することを旨として行わなければならず、元患者や家族への差別をしてはならない。国や自治体は福祉増進のための施策を策定し、実施する責務がある。
 【療養所】
 国は国立ハンセン病療養所の医療と介護の体制整備および充実のために必要な措置を講ずるよう努める。療養所の医師が報酬を得て所外診療を行う場合には、国家公務員法上の許可を要しない。

米統治下沖縄の家族も対象 熊本地裁判決の認定外

 ハンセン病元患者家族の補償法は、2002年以降の被害や、米国統治下の沖縄、戦前の台湾や朝鮮半島に住んでいた家族など、6月の熊本地裁判決が賠償を認めた以上に、補償対象の「家族」を幅広く認定した。
 地裁判決は、関係をつくることを阻まれたとして損害を認められた「家族」の範囲を親子や配偶者、きょうだいに限定。原告が求めた02年以降や米国統治下の沖縄については、国の隔離政策を違憲とした01年の熊本地裁判決以降、啓発活動などで差別解消の効果があったとして被害を認めなかった。
 原告らの要望などを踏まえ、超党派議員グループが議員立法として取りまとめた補償法では、対象を元患者と同居していた1、2親等の姻族、3親等内の血族まで拡大。療養所への入所歴は問わず、02年以降や米国統治下の沖縄の被害に加え、戦前の台湾や朝鮮半島にいた家族も含めた。
 補償金の支給対象は法施行時の生存者に限ったが、施行前に死亡した家族訴訟の原告については、ハンセン病問題の解決を促したとして、補償金と同額の一時金を支給することとした。

(2019/11/15)

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