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一般2022年06月05日 6割強が実名開示前提 国内2精子バンク提供者 子の権利立法化に影響も 提供:共同通信社

 不妊治療に用いるための第三者の精子を収集・保管する精子バンクのうち、匿名と限定せずに募集する2施設で、提供者の6割強が生まれた子どもに実名や住所などの個人情報を開示する前提で登録していることが4日、分かった。職業など個人を特定しない情報は全ての提供者が子への開示を認めている。
 提供精子や卵子を使う不妊治療を巡り超党派の議員連盟は生まれた子が出自を知るには提供者の同意を必要とする方向で新規立法を目指している。匿名を認めることで提供者を確保する狙いだが、当事者の子らには遺伝上の親を知る権利の保障のため開示を了承した人が提供すべきだとの声がある。開示前提でも提供者が一定程度いることが分かり、立法化の議論に影響する可能性がある。
 2施設は独協医大の専門家が昨年立ち上げた「みらい生命研究所」(埼玉県越谷市)と今年から提供者の一般公募を始めた不妊治療施設「はらメディカルクリニック」(東京都渋谷区)。これまでは日本産科婦人科学会が認める、はらメディカルを含む12施設が匿名を条件に提供精子を使う人工授精を実施している。
 みらい生命研究所は医療関係者に限り提供者を募集。登録者16人中約4割に当たる7人が子に対し名前などの個人情報の開示を容認し、残る9人も個人を特定できない情報の開示を認めた。はらメディカルは今年2月から、少なくとも個人を特定できない情報を開示可能な提供者を一般から募集。4月までの39人のうち約7割の28人が名前などを開示する前提で登録した。2施設を合わせると約64%が個人情報開示を前提としていた。
 従来の12施設のうち1948年から匿名提供精子の人工授精を実施する慶応大病院では、将来、子に情報開示する可能性を2017年に説明し始めたところ、新たな提供者確保が困難になった。
 こうした状況から超党派議連は今年3月、提供精子などを使う不妊治療で生まれた子が遺伝上の親を知るには提供者の同意を必要とし、匿名での提供を容認する新法の骨子案をまとめた。

出自知る権利保障へ変化を 識者談話

 出自を知る権利に詳しい仙波由加里(せんば・ゆかり)・お茶の水女子大研究協力員の話 出自を知る権利は世界的に基本的人権として認められるようになってきており、日本の精子バンクで情報開示を前提とした提供者が一定程度いるのは良い傾向だ。日本でも募集の仕方を工夫し、子どもが出自を知ることの重要性を理解してもらえば非匿名の提供者も集まると考える。精子や卵子提供に肯定的なイメージが社会に広がることで、知る権利を保障する方向へ国会が変化することを期待したい。

精子バンク

 無精子症など男性側に不妊の原因がある夫婦が子どもを持つために利用できるよう、第三者から提供された精子を収集・保管する組織。提供された精子は機能や感染症などを検査した後、凍結保存する。日本産科婦人科学会は匿名で提供された精子による人工授精を12施設で認め、年100人前後が生まれているとされる。この枠組みとは別に、みらい生命研究所など2施設が匿名に限らない精子提供者の募集を始めた。近年はデンマークにある世界最大の運営企業が日本に相談窓口を開設、夫が無精子症の女性に加え、子どもを持ちたい独身女性や性的少数者らが利用する。

(2022/06/05)
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