カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

訴訟手続2020年01月12日 検察と弁護団、新たな火花 PC提出巡って応酬 「ゴーン被告」 提供:共同通信社

 前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(65)の逃亡を巡り、検察と弁護団が新たに火花を散らしている。東京地検はゴーン被告が使用していたパソコン(PC)の任意提出を求めたが、弁護団は拒否。令状に基づく強制捜査にも「押収拒絶権」を行使して対抗した。検察は逃亡計画の解明にPCの解析が必要とみているが、裁判所の協力も得られず、実現のハードルは高そうだ。
 ▽条件
 「事務所に立ち入らせることなく、お帰りいただいた」。8日午前、PCの差し押さえ令状を持った東京地検の検事らは、弁護人を務める弘中惇一郎(ひろなか・じゅんいちろう)弁護士の東京都内の事務所を訪れたが、約1時間の押し問答の末、何も手にすることなく事務所を後にした。検察側は東京地裁に職権による検証も求めたが、地裁は応じなかった。
 「弘中氏の事務所から提供されるPCを、平日午前9時から午後5時までの間、事務所内だけで使用できる」「インターネットのログ記録を毎月裁判所に提出する」。ゴーン被告が昨年4月、2回目の保釈を認められた際の条件だ。
 弘中氏によると、ゴーン被告は公判準備のため、ほぼ毎日事務所を訪問。逃亡の5日前には、裁判所の許可を受けて妻キャロル容疑者(53)と弁護士立ち会いの下でビデオ通話をしていた。
 弘中氏は保釈条件違反はなかったとしているが、検察関係者は「逃亡が周到な計画だったのは間違いなく、PCを調べるのは当然」と強調する。
 ▽守秘義務違反
 刑事訴訟法は弁護士や医師が業務上の委託を受けて所持する物で、他人の秘密に関するものは押収を拒めると定める。
 東京地検の斎藤隆博(さいとう・たかひろ)次席検事は9日の記者会見で「弁護人が保釈条件として自ら提示して許可を得ておきながら、検証が必要な今の状況で押収拒絶権を行使し拒むというのは、全く矛盾した対応で極めて遺憾」と批判した。
 だが刑事弁護に詳しい宮村啓太(みやむら・けいた)弁護士は「行使しないと、むしろ守秘義務違反になる」と指摘。弁護団の対応は当たり前との見方だ。
 拒絶権行使を不当として押収を強行するのは法的に可能だが、ベテラン刑事裁判官は「被告との打ち合わせの記録が入っていると言われると、押収は難しい」とみる。
 強行しても、弁護側が準抗告したり国家賠償請求訴訟を起こしたりして、最終的に押収が認められない可能性もある。
 甲南大法科大学院の渡辺修(わたなべ・おさむ)教授(刑事訴訟法)は、今回の権利行使は当然とした上で「何かあった時に事後的な検証を可能とするため、このPCに限っては拒絶権を行使しない、という保釈条件を設けていなかったことが問題だ」と話した。

(2020/01/12)

(本記事の内容に関する個別のお問い合わせにはお答えすることはできません。)

ここから先は新日本法規WEB会員の方のみ
ご覧いただけます。

会員登録していただくと、会員限定記事の閲覧のほか、様々なサービスをご利用いただけます。登録は簡単・無料です。是非ご利用ください。

ログイン新規会員登録

  • 書籍以外の商品
  • 法苑
  • 裁判官検索