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警察2024年03月16日 サイバー対処能力強化へ 「警視庁協働捜査班」拡充 46道府県警から派遣 提供:共同通信社

 深刻な被害が続くサイバー犯罪への対処能力を高めるため、警察庁は4月から46道府県警の捜査員46人を警視庁に集め、プロバイダーなど関係先が集中する首都圏での捜査に当たらせることが15日、警察庁への取材で分かった。2022年に警視庁に「警視庁協働捜査班」が設置されており、規模と捜査対象を拡充する。
 インターネットバンキングの不正送金事件の被害が23年、過去最多の87億3千万円に上るなどサイバー犯罪は危機的な情勢だ。特殊詐欺とともに対策は警察の最重要課題となっている。
 同捜査班は捜査の効率化のため、22年4月のサイバー警察局の設置とともに警視庁サイバー犯罪対策課内に発足。これまでは25道府県から派遣された28人と警視庁の捜査員で構成していた。
 ①ネット上の違法・有害情報を監視する民間団体「インターネット・ホットラインセンター」(IHC)が通報する違法情報の発信元特定などの初動捜査②全国から捜査嘱託を受け、ネットバンキング不正送金事件など一部のサイバー犯罪についてプロバイダーや金融機関を対象にした捜査―の2項目を対象とした。
 ①では発信元が分かると、その人物の所在地を管轄する警察本部に通報し捜査を割り振るなどしていた。4月1日からは派遣を46人とし①はこれまでと同じだが②は不正送金事件に限らずあらゆるサイバー犯罪に関して必要な捜査を担う。
 警察庁は、児童買春・ポルノ禁止法違反、ネット上の殺害・爆破予告、人気漫画をネット上に無断で公開する著作権法違反、不正アクセス禁止法違反など多種多様なサイバー犯罪を想定している。
 警察庁の幹部は「県境や国境を越えるサイバー事案の捜査に日本警察全体で対処するため、協働捜査班の業務と体制を拡充した」としている。
 サイバー空間を巡っては不正送金事件のほか、身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」の23年の被害が197件と高水準。クレジットカードの不正利用も同年1~9月で前年同期比30・1%増の401億9千万円に上った。

4月から新体制で封じ込め サイバー犯罪と特殊詐欺

 国民の財産に甚大な被害を及ぼしているサイバー犯罪。4月から46道府県警の捜査員46人が警視庁に派遣され、〝全国警察〟で対処能力の向上を図る。特殊詐欺でも同月、7都府県の500人体制が中心となる「連合捜査班」(TAIT)が全国で発足。警察庁はサイバー犯罪と特殊詐欺の封じ込めを一丁目一番地として推進する方針だ。
 松村祥史国家公安委員長も14日の定例記者会見で「昨年のインターネットバンキングの不正送金は過去最多で、被害は87億円。ネット上は違法情報や闇バイトの募集など有害情報が氾濫し極めて深刻な情勢が続いている」との認識を示した。
 同庁は安倍晋三元首相銃撃事件から1年となるのを前に昨年7月に策定した指針で、重点的に体制を強化する7項目の治安課題を提示。サイバー犯罪と特殊詐欺もその中に含まれていた。
 派遣された46道府県警の捜査員は警視庁のサイバー犯罪対策課内に設置された「警視庁協働捜査班」に所属し、警視庁の捜査員と共に捜査。
 ネットバンキングの不正送金事件などでは、金融機関に事情聴取したり、不正送金のアクセス日時やIPアドレスを調べたりするほか、プロバイダーに契約者情報を照会したりする。
 サイバー犯罪の関係先は首都圏に集中しており、事件を認知した道府県警は同捜査班に捜査嘱託することで出張捜査を省けるため、効率化を図ることができる。
 特殊詐欺も2022年に8年ぶりに被害が増加に転じると、23年は統計のある04年以降で4番目に多い441億2千万円に上った。毎日1億2千万円がだまし取られていることになる。
 地方の高齢者をだまし、首都圏のATMで現金を下ろすのが典型的な特殊詐欺の手口。TAITは被害を認知した地方警察から嘱託を受け、初動から容疑者割り出しなど捜査全体に関与する。
 都道府県警察は発生地主義が原則で、被害を認知した地方警察は、犯行組織の拠点がある首都圏への出張を強いられて後手に回っていたが、TAITの発足でその弱点がなくなることになる。
 東京への人員増強で捜査力アップを目指す協働捜査班とTAIT。新体制には、目に見える結果が求められている。

(2024/03/16)

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