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知的財産2020年03月11日 違法ダウンロード対象拡大 漫画や雑誌も海賊版対策 著作権法改正案 提供:共同通信社

 漫画などの海賊版サイト対策として、政府は10日、全著作物を対象に、無断掲載されたと知りつつダウンロードする行為を違法とする著作権法改正案を閣議決定し、国会に提出した。現行法は音楽や映像に限っているが、漫画や雑誌、論文なども対象となり、悪質な場合は刑事罰を科す。著作権者に損害がない場合などは除外。施行日は2021年1月1日とし、今国会での成立を目指す。
 海賊版に誘導する「リーチサイト」の運営も違法化する。この規定は今年10月1日に施行するとした。
 萩生田光一文部科学相は記者会見で「海賊版対策の実効性と情報収集の萎縮防止とのバランスを取った」と強調した。
 政府は昨年の通常国会でも同法改正案の提出を目指したが、漫画家らから「インターネットの利用が萎縮する」といった反発を招き見送った。
 今回の改正案では「軽微なもの」と「著作権者の利益を不当に害しない『特別な事情』がある場合」を除外。「数十ページの漫画の1こまといった一部にとどまる」「イベントを告知するポスターが無断掲載された会員制交流サイト(SNS)の投稿を保存」といったケースを想定している。
 パロディーなど2次創作物のダウンロードも対象外。無断掲載された画像がスマートフォンなどのスクリーンショット(画面保存)に写り込んだ場合も違法としない。
 違法ダウンロードは、継続的だったり繰り返したりした場合、2年以下の懲役か200万円以下の罰金、またはその両方を科す。リーチサイト運営は5年以下の懲役か500万円以下の罰金、またはその両方とした。
 日本漫画家協会の千葉洋嗣(ちば・ひろし)事務局長は「創作活動への影響に配慮しつつ、海賊版対策としての効果もある。一歩前進と受け止めたい」と話した。

取り得る施策の総動員を 識者談話

 大渕哲也(おおぶち・てつや)東大教授(知的財産法)の話 海賊版サイトの撲滅には、取り得る施策を総動員する必要がある。著作権法改正案は昨年の段階で「違法と知りつつダウンロードする場合」といった限定があり、インターネット利用の不安払拭(ふっしょく)には十分だった。今回、軽微なものや2次創作物、著作権者の利益を害しない特別な事情がある場合も対象外としたが、むしろ脱法行為を招き、対策の実効性が低下する恐れすらある。違法サイトへのアクセスを制限する「ブロッキング」は各国で認められており、政府は導入を真剣に考えてほしい。

海賊版対策の範囲超える 識者談話

 小島立(こじま・りゅう)九州大大学院准教授(知的財産法)の話 海賊版対策の法規制は本来ならアップロード行為に的を絞るべきだ。末端の利用者によるダウンロード行為に広範な規制の網を掛けるのは、海賊版対策の範囲を超えているのではないか。違法サイトを狙い撃ちにする要件づくりこそ必要だ。「著作権者の利益を不当に害しない特別な事情がある場合」を規制対象から外したのは評価できるが、どのように情報収集・表現活動の萎縮につながらないのか明確に説明してほしい。

(2020/03/11)

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