企業法務2025年01月17日 倒産1万件超、11年ぶり 物価高、人手不足直撃 9地区全てで増加 提供:共同通信社

東京商工リサーチが14日発表した2024年の企業倒産(負債額1千万円以上)は前年比15・1%増の1万6件となり、13年以来11年ぶりに1万件を超えた。増加は3年連続。うち1万4件が中小企業で円安によるコスト高騰や人手不足が経営を圧迫した。倒産件数は多くの地域や業種で拡大。2年連続で北海道から九州までの全9地区で前年を上回った。北陸では24年1月の能登半島地震の影響で27・5%増の204件と大幅に増えた。
25年の企業倒産については、金利の上昇基調を背景に「厳しさが増す可能性が高い」として24年の件数を上回る公算が大きいと予測した。
24年の負債総額は2・4%減の2兆3435億円。
新型コロナウイルス禍で社会保険料や税金の納付を猶予していた特例措置が終わったことが負担となり、破産する事例も急増した。
産業別の件数は飲食などの「サービス業他」が13・2%増の3329件で最多となり、1990年以降で初めて3千件を超えた。建設業は資材高騰に加え、時間外労働の規制強化など「24年問題」で人手不足が直撃したため13・6%増の1924件となり、卸売業が26・4%増の1214件と続いた。金融・保険業と不動産業は減少した。
人手不足が要因の倒産は約8割増の289件(前年は159件)に達し、比較可能な13年以降で最多となった。後継者難による倒産も462件で最多を更新した。
社会保険料や税金を支払えずに倒産に追い込まれる事例は176件(前年は92件)で1・9倍に急増した。一方、新型コロナ対策の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が滞るなどで倒産した企業は、10・7%減の567件で前年を下回った。ただ東京商工リサーチは、借り換えで倒産を免れているケースも多く「自立的な経営改善ではなく、一時的な資金繰り緩和の部分も大きい」と分析した。
企業倒産
企業が借金返済の義務を果たせなくなったり、事業活動を続けられなくなったりすること。法的な倒産は「清算型」と「再建型」の二つに分かれる。清算型の代表例は破産で、倒産の多くを占める。破産法に基づき企業の財産を融資元の金融機関などに振り分け、企業は消滅する。再建型では民事再生法や会社更生法の適用を申請し、他社からの支援を受けるなど事業を続けながら借金返済を目指す。銀行の取引停止処分を受けるといった私的倒産もある。
(2025/01/17)
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