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家族2020年03月22日 過酷な業務、担い手不足 市民後見人養成も進まず 「成年後見制度」 提供:共同通信社

 認知症の人などを支援する成年後見制度について、最高裁が後見人への報酬算定方法の見直し案をまとめた。見守りといった日々の生活支援をした後見人への報酬を手厚くする方向だが、支援内容が正しく反映されるのかどうか、関係者からは疑問の声も。後見人の頻繁な見守りが欠かせないケースもあり、過酷な業務から担い手不足が常態化。市民後見人の養成も進まず、課題は山積している。
 ▽24時間
 「財布、どこに置いてあるんですか?」。愛知県瀬戸市に住む80代の女性からの電話に、成年後見人で生活費を管理している住田敦子(すみた・あつこ)さん(52)は「座布団の下ですよ」と優しく応じた。
 女性は認知症で、頼れる家族は近くにいない。公共料金を滞納するなど金銭管理もできなくなり、後見人が付いた。同様のやりとりが1日20回に及ぶことも珍しくない。
 住田さんは尾張東部権利擁護支援センター(同県日進市)のセンター長。制度の利用者からは、あらゆる連絡や相談が24時間、365日寄せられる。携帯電話が片時も手放せない、過酷な仕事だ。
 ▽難易度
 成年後見人の報酬は利用者の財産に応じて決まっていた。しかし、「報酬額に見合った仕事がなされていない」といった批判が相次ぎ、2018年春ごろから裁判所や政府内で議論が本格化。19年3月に最高裁は、業務の難易度を報酬額に反映させる考え方を打ち出した。
 その後も東京家裁や大阪家裁と検討を進め、最高裁は今年2月に開かれた厚生労働省の有識者会議で、必ず実施する事務と、必要に応じて担う事務に分け、実施状況で報酬を増減させるとの新たな考えをまとめた。
 実際に導入するかは各家裁の判断だが、住田さんは「後見人の仕事には終わりがない。裁判官が業務の量や質を適切に評価し、報酬に反映させることなどできるのか」との疑念が消えない。
 ▽ニーズ増
 認知症の人や独居高齢者の増加で、後見人のニーズは今後も増加が見込まれる。弁護士や社会福祉士といった専門職だけでは応えられなくなる恐れがあり、厚労省は制度に関し一定の知識を身に付けた「市民後見人」の養成に力を入れてきた。
 しかし、市民後見人の養成は進んでいない。厚労省調査では、昨年4月時点で養成事業に取り組んでいるのは全1741市区町村のうち393自治体(22%)と前回調査の18年より約30減った。実際に、家庭裁判所が選任する数も伸び悩む。
 後見人が必要な人は複雑な事情を抱えるケースが多く、市民後見人では支援が難しいことが一因だ。弁護士で後見人も務める国学院大の佐藤彰一(さとう・しょういち)教授は「後見人の仕事は多岐にわたる。市民後見人個人に対応を任せるのは限界がある」と話す。

(2020/03/21)

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