行政2025年11月24日 半数超、投票に困難感じる 視覚障害者の選挙実態調査 提供:共同通信社

視覚障害者が選挙で投票する際の実態調査で、投票所へのアクセスなど、何らかの問題があると答えた人が半数超に上っていたことが23日、分かった。昨年4月の改正障害者差別解消法施行で合理的配慮の提供が義務化される中、投票の権利確保に向けた支援のあり方について議論が求められそうだ。
調査は2023年8~9月、日本盲人福祉委員会(東京)が全国の視覚障害者団体や盲学校を通じて依頼し、1022人が回答した。20年以降、いずれかの選挙に投票したと答えた895人に、投票する上での問題点を複数回答で尋ねた。
回答した873人中「投票所が遠い」と「投票所に行く手段が少ない」がそれぞれ11・8%と11・3%、「点字投票や代理投票への対応が悪い」が11・1%、「投票の秘密が守られているか心配」が9・3%。「特に問題はない」は49・5%だった。
視覚障害者向けに点字や音声で作成されている選挙公報「選挙のお知らせ」の浸透状況も調査。「存在を知らない」が35・2%、「知っているが受け取り方法が分からない」が3・5%だった。
回答者の47・2%が点字投票を利用し、代理投票が14・9%。通常の投票をした人は36・8%だった。
障害者の投票に関する研究成果がある村岡詩織(むらおか・しおり)島根県立大講師は、選挙は視覚情報が非常に多く、目が不自由な人には情報の入手から投票、帰宅まで〝80の不便〟があると指摘。「障害がある人はあらゆる工夫を凝らして暮らしており、その上で助けを求める声は重い。投票所内を移動しやすくするなど、現状を改善する余地はある」と話している。
視覚障害者の投票
公選法は「投票に関する記載で点字は文字とみなす」と定め、目が不自由な人は投票所で点字器を使い、点字用投票用紙に記入して投票することができる。同法は他に代理投票も規定。投票所の係員2人が付き添い、1人が有権者の指示に従い候補者名などを代筆、もう1人が立ち会う。「自力でできることはやりたい」「協力を仰ぐのがわずらわしい」という当事者の中には、投票用紙の記入部分が手触りなどで分かる補助具を使い、自筆で投票する人もいる。
(2025/11/24)
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