契約2025年12月18日 アプリ、OS独占禁止 スマホ新法が全面施行 提供:共同通信社

スマートフォンの基本ソフト(OS)やアプリストア、ブラウザー、インターネット検索の独占を禁じる「スマホ特定ソフトウエア競争促進法」(スマホ新法)が18日全面施行された。米アップルとグーグルが規制対象で、公平な競争環境を整えるのが狙い。アプリ価格の低下やサービス選択の機会拡大を通じ、利用者に恩恵をもたらす可能性がある。
モバイル専門の民間調査機関のMMD研究所(東京)によると、スマホOSの国内シェアは、アップルとグーグルで計99・7%。OSにひも付くようにアプリストアやブラウザーなども両社の寡占状態にある。アプリの購入や利用料金の支払いも両社の公式ストア経由に事実上限定されている。
スマホ新法を所管する公正取引委員会は、アップルやグーグルがアプリ決済時に最大30%の手数料をアプリ事業者から徴収してきたことを問題視。「技術革新の阻害要因になる恐れがある」と危機感を強め、競争を促すために外部決済への開放を求めた。
新法の全面施行を先取りし、アプリ事業者の間では別サイトでアイテムやサービスの利用料金を支払えるようにする動きが既に出ている。同じ価格で買えるアイテムの量が公式ストアで買うよりも増えるといった特典を導入している例もある。
新法はスマホの購入時などの初期設定で、ブラウザーや検索エンジンが複数存在すると表示し、利用者が選べるようにすることも義務付けた。
こうした禁止事項に違反すれば、排除措置を命じるほか、国内関連事業の売上高の20%を課徴金として科す場合がある。
一方、米側の警戒は強い。ホワイトハウスは10月の日米首脳会談後に公表した文書でスマホ新法に言及。「米企業を差別せず、公正かつ自由な競争の必要性とユーザーの安全・利便性のバランスを取る」と明記した。
閲覧画面と検索の選択拡大 12月開始、スマホ購入時に
スマートフォンの利用者が、インターネット閲覧ソフトの「ブラウザー」と検索エンジンを選ぶ制度が12月から順次始まった。18日全面施行の「スマホ特定ソフトウエア競争促進法」(スマホ新法)に基づく措置で、スマホ購入時などに専用の画面が表示され、選択の機会が拡大した。
対象は米アップルのiPhone(アイフォーン)と米グーグルのアンドロイドのスマホ。市場をほぼ独占する2社が自動で起動するブラウザーや検索エンジンを事実上固定して利用者の選択肢を狭めるのを防ぐ狙いがある。
ブラウザーでは、スマホ上のウェブサイトからリンク先を表示する際に自動で起動するソフトは端末によって決まっていたが、今後は専用の選択画面が示される。グーグルの「クローム」やアップルの「サファリ」などがあり、選択後も自由に変更できる。
検索エンジンもグーグルや日本の「ヤフー」などから選ぶ。画面はスマホの初回起動時や基本ソフト(OS)を更新した際に自動で現れる。
アマゾン苦情対応に課題 ヤフーも、経産省調査
経済産業省は17日、インターネット通販サイトやデジタル広告を手がけるIT企業の取引の透明性や公正性に関する調査結果を公表した。ネット通販では米アマゾンや楽天市場、ヤフーショッピングに対し、取引事業者からの苦情対応などに改善を求めた。
経産省はデジタルプラットフォーム取引透明化法に基づき、取引事業者にアンケートなどを行い、年度ごとに評価を公表している。指摘した課題は取り組み状況を確認し、改善が図られない場合に勧告などの行政措置を講じる可能性もある。
評価によると、アマゾンは苦情に対する定型文の回答が多いとの指摘があった。ヤフーショッピングについては、運営するLINEヤフーが2024年度の苦情件数を8件と報告。ただ、経産省の相談窓口には166件の相談が寄せられたといい「苦情の定義を拡張する」ことを求めた。
主にスマートフォン向けアプリストアについては、米アップルとグーグルによる事業者への規約変更の説明が不十分だと指摘。デジタル広告を巡ってはグーグルやフェイスブックなどを手がける米メタに対し、海外本社への問い合わせに関する日本法人の対応への不満が広告主などにあると分析した。
利用者守る手だて保持
米グーグルの話 スマホ新法では、利用者の安全を保護するなどの目的であれば(外部企業の参入を拒むといった)法律の禁止事項の適用が除外される「例外措置」が盛り込まれた。これにより、グーグルは利用者を守る手だてを持つことが可能となり、セキュリティーやプライバシーを損なうことがないという点が重要なポイントだ。公正取引委員会とはこれまで1年半にわたって協議を重ねてきたが、私たちが順守すべき義務に関しては引き続き議論を進めていく。
(2025/12/18)
(本記事の内容に関する個別のお問い合わせにはお答えすることはできません。)
人気記事
人気商品
-

-

団体向け研修会開催を
ご検討の方へ弁護士会、税理士会、法人会ほか団体の研修会をご検討の際は、是非、新日本法規にご相談ください。講師をはじめ、事業に合わせて最適な研修会を企画・提案いたします。
研修会開催支援サービス -















