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訴訟手続2026年04月12日 板挟みの法務省、苦悩深く 法制審か、怒りの自民か 提供:共同通信社

 刑事裁判をやり直す再審制度の改正議論が袋小路に迷い込んでいる。再審開始決定に対する検察の抗告を容認する政府案に、自民党内から怒りの駄目出しが相次いでいるためだ。法務省は国会提出を先送りして修正を急ぐが、改正案の土台をつくった法制審議会(法相の諮問機関)の結論をむげにはできず、片や中途半端な修正では自民側の理解を得られそうになく、苦悩は深まる一方だ。
 ▽切なる叫び
 「今のままだと10年かかっても了承しない」。9日、再審制度見直しを掲げる超党派の国会議員連盟の井出庸生事務局長が不満をぶちまけた。
 3月下旬から続く法案審査は冤罪被害者へのヒアリングを含め、今月9日までに7回実施された。計十数時間に及んだ審査では政府案への異論が相次ぎ、怒号も飛んだ。
 最大の焦点は、再審開始決定に対する検察の抗告を認めるか禁止するかだ。法務省は当初、禁止や制限を盛り込まず、現行法を踏襲。法制審の部会で「三審制を経て確定した有罪判決を下級審で覆すのは不合理だ」などの慎重論が多数を占めたことを理由に挙げる。
 これに対し「抗告が審理の長期化を招いている」と、反対論が噴出。1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪になった袴田巌さん(90)の姉ひで子さん(93)の労苦に耳を傾けた議員から「禁止が冤罪被害者の切なる叫びだ」との意見も上がった。
 ▽門前払い
 新設する証拠開示制度を巡る議論では、過去の再審事件で検察の証拠隠しとも取れる対応が見られた点が話題に。「請求理由に関連する証拠」から必要性などを考慮して開示する仕組みに、稲田朋美衆院議員らは「開示が適切でなかったことが立法事実。広く開示を認めるべきだ」と反発している。
 開示証拠の再審手続き以外での利用を禁じた罰則付きの新制度には、再審請求審が非公開であることから、一部議員が「国民の知る権利が阻まれる」と懸念を表明。本格的な審理に入るか否かを早期に選別するスクリーニング規定に対しても「これまで以上に門前払いが増えるのでは」との指摘が上がった。
 ▽一枚岩
 法務省は14日にも修正案を自民側に提示する方針だが、法制審のメンツをつぶしかねない大幅な見直しには及び腰だ。平口洋法相も10日の記者会見で「法制審の答申を重く受け止めつつ検討している」とわざわざ言及したほどだ。自民全体を見渡せば、政府案に納得している議員も一定程度いるとみられ、自民が一枚岩でない点も法務省には頭痛の種となっている。
 関係者によると、抗告後の再審請求審の期間に制限を設けるなどの折衷案が浮上しているが、あくまで抗告の全面禁止を求める議員との間の溝が埋まるかどうかは不透明だ。再審議連の柴山昌彦会長がくぎを刺す。「抗告の判断を検察に委ねる形では、意味のないことになりかねない」

(2026/04/12)

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