カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

人事労務2020年05月09日 「意識向上が課題」8割 対策義務化のパワハラ 主要110社アンケート 提供:共同通信社

 6月から防止対策が企業に義務付けられるパワハラに関し、主要110社を対象に行ったアンケートで、83%に当たる91社が「管理職や社員の意識向上」を対策の課題に挙げていることが8日、分かった。義務化を契機に経営陣と社員について、それぞれの意識を高める取り組みが重要となりそうだ。
 調査は共同通信が1、2月、全国の主要企業を対象に書面で実施。女性活躍・ハラスメント規制法に基づき、初めてパワハラ対策が義務化されるのを前に現状を聞いた。
 国は企業に義務付ける対策10項目として、相談体制の整備やプライバシー保護などを指針で示し、パワハラを「精神的な攻撃」「過大な要求」など6類型に分けて例示した。この指針の内容に対する評価を尋ねたところ、「防止効果が十分期待できる」「ある程度防止できる」と捉えている企業は81%に当たる89社だった。
 防止に向けた課題(複数回答可)は、最多の「意識向上」に、「周知、研修の継続」61%(67社)、「相談窓口の活用促進」30%(33社)、「公正な判断基準の確立」25%(28社)が続いた。「受け手の感じ方や場面によってパワハラと指導の境界が変わり、指導がしにくい」(不動産業)など、指針運用上の難しさもうかがえた。「部下の意見を聞く管理職の姿勢」「トップの率先垂範」を挙げる社もあった。
 今回の指針で防止義務の対象とならず、取り組むのが「望ましい」とされるにとどまった就職活動中の学生とフリーランスに対するパワハラは、対応に差が出た。就活生は81%に当たる89社が「対応済み」「対応予定」と積極的な回答をしたのに対し、フリーランスは「対応済み」「対応予定」を合わせて48%の53社にとどまった。
 就活生はOB訪問などで人事担当以外の社員と接する機会も多く「社内や公共の場で会う」「酒席は禁止」などの規定を設けている例が多かった。

パワハラ6類型

 国が指針で示したパワハラの6類型は次の通り。
 一、暴行や傷害など「身体的な攻撃」
 一、侮辱、暴言など「精神的な攻撃」
 一、無視など「人間関係からの切り離し」
 一、遂行不可能な仕事を強制する「過大な要求」
 一、仕事を与えない「過小な要求」
 一、私的なことに過度に立ち入る「個の侵害」

仕組み、機能させる工夫を 弁護士・川人博さん 識者談話

 日本のパワハラ規制は欧州各国に比べて20年ほど遅れており、国も消極的だった。労働組合や被害者らが規制を繰り返し求め、ようやく6月から大企業の事業主に対し対策が義務化されることになった。撲滅に向け大いに活用していくべきだ。ただ行為自体を禁止し、制裁を科すまでには踏み込んでおらず「パワハラをすれば大変なことになる」と各人に強く意識させるのに、十分とはまだ言えない。
 今回、企業には相談窓口の整備などが防止策として義務付けられた。大切なことはこうした仕組みを、パワハラをなくすためにどう機能させるかということだ。
 企業では、被害者が社内窓口に相談しても「コミュニケーションを上手に取るよう努力して」と流されたり、強く訴えても「こだわりすぎ」といなされたりするケースが相次いでいる。対応を人事や労務管理の担当者だけに任せるのではなく、外部の専門家を入れるといった工夫が必要だ。
 パワハラは企業の経営方針、働き方改革に対する姿勢と密接な関係にある。経営陣が無理なノルマを社員に課すとする。疲れた状態で思うような成果が出せないと、いらだった上司が部下にパワハラをし、過労で疲弊した部下はより精神的ダメージを受ける。
 こうした負の連鎖を止めるため、働く人たちの心身の健康に配慮した職場づくりを心掛けることが大切だ。当事者の性格といった個人の事情のみをハラスメントの理由にしていては、問題は解決しない。
   ×   ×   
 かわひと・ひろし 1949年大阪府生まれ。過労死弁護団全国連絡会議幹事長。

パワハラ規制

 2019年5月成立の女性活躍・ハラスメント規制法で企業に初めてパワハラ防止対策を義務付けた。国は指針で相談体制の整備や防止方針の明確化を求め、パワハラ行為を「精神的な攻撃」「過大な要求」など典型的な6類型として例示した。大企業では今年6月から義務化される。中小企業は努力義務として始まり、義務化は22年4月から。

(2020/05/09)

(本記事の内容に関する個別のお問い合わせにはお答えすることはできません。)

ここから先は新日本法規WEB会員の方のみ
ご覧いただけます。

会員登録していただくと、会員限定記事の閲覧のほか、様々なサービスをご利用いただけます。登録は簡単・無料です。是非ご利用ください。

ログイン新規会員登録

  • 書籍以外の商品
  • 法苑
  • 裁判官検索