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訴訟手続2020年05月18日 死刑か審理再開か攻防1年 中1殺害控訴取り下げ巡り 提供:共同通信社

 2015年8月に大阪府寝屋川市の中学1年の男女を殺害したとして殺人罪に問われ、一審で死刑判決を受けた山田浩二(やまだ・こうじ)被告(50)の控訴取り下げの効力を巡り、被告側、検察側の法廷外での異例の攻防が1年にわたり続いている。死刑が確定するのか、控訴審が開かれるのかの見通しは立っておらず、関係者は「遺族が置き去りにされている」と問題視している。
 18年12月に大阪地裁で死刑判決を言い渡された山田被告は昨年5月18日、自ら控訴を取り下げ、いったん死刑が確定した。大阪拘置所で貸し出されたボールペンの返却を巡り看守とトラブルになり、パニックになったのが理由という。だが被告の弁護人は同月30日、取り下げを無効とするよう大阪高裁に申し入れた。
 大阪高裁第6刑事部は昨年12月、「被告に死刑判決を受け入れる心情は全く見受けられず、あまりの軽率さだ」とし、取り下げを無効とする決定をした。無効が確定すれば控訴審が開かれるが、検察側は決定を不服とし最高裁への特別抗告と、大阪高裁への異議申し立てをそれぞれ行った。
 特別抗告は最高裁が今年2月に棄却。一方、異議申し立てについて大阪高裁第1刑事部は3月、「無効決定には判断の誤りがある」として審理を差し戻す決定をした。これに対し、今度は弁護側が特別抗告をしている。
 さらにこうした応酬のさなか、山田被告が3月24日に再び控訴取り下げの書面を提出。共同通信記者が4月に拘置所で被告に接見取材すると、「(取り下げについて)立場上、話せない」としつつも、また拘置所とトラブルがあったことを明かした。だがこの書面についても弁護人が5月14日、無効とするよう高裁に申し入れた。
 こうした混迷が生じる背景について、識者は被告自ら控訴の取り下げができる制度に問題があるとみる。近畿大の辻本典央(つじもと・のりお)教授(刑事訴訟法)は「刑訴法が一定の重大事件では被告に必ず弁護人が付かなければならないと定めている以上、上訴手続きにも弁護人が関与するよう法改正すべきだ」と指摘する。
 遺族代理人の奥村昌裕(おくむら・まさひろ)弁護士は「この1年、遺族は置き去りで気持ちの整理がつかないまま。先行きも見えていない状況は極めて問題だ」と話す。ある検察幹部は無効決定を「法的安定性の観点から問題があり、遺族感情を踏まえても早期に死刑を確定すべきだ」と批判した。

中1男女殺害公判の経過

 2018年12月19日 大阪地裁が山田浩二(やまだ・こうじ)被告(50)に死刑判決、被告側が即日控訴
 19年5月18日 被告が控訴を取り下げ
 30日 弁護人が控訴取り下げの無効を求め大阪高裁に申し入れ
 12月17日 大阪高裁第6刑事部が控訴取り下げ無効の決定
 20日 検察側が決定を不服とし最高裁へ特別抗告、高裁へ異議申し立て
 20年2月25日 最高裁が特別抗告を棄却
 3月16日 大阪高裁第1刑事部が無効決定について審理を差し戻す決定
 23日 差し戻しを不服とし、弁護人が最高裁に特別抗告
 24日 被告が再び控訴取り下げの書面提出
 5月14日 弁護人が再び控訴取り下げの無効を申し入れ

(2020/05/18)

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