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弁護士・臨床心理士の両視点にみる 面会交流ー当事者心理と実務のポイントー
著/小林哲平(弁護士・臨床心理士)
概要
【法律×心理】で導く面会交流
◆当事者にとって最良の面会交流が実現できるように、臨床心理士の資格を持つ弁護士が、「法律実務と心理学との融合」をコンセプトに執筆しています。
◆本文の要所には「▶臨床心理士の視点」として、心理学的な視点が特に重要となるポイントを提示しています。
◆実務ですぐに使える条項例及び近時の重要裁判例を数多く紹介しています。
商品情報
- 商品コード
- 81260490
- ISBN
- 978-4-7882-9271-0
- ページ数
- 368
- 発行年月
- 2023年12月
目次
第1章 面会交流に関する基本事項
1 面会交流の意義・目的~面会交流のメリットは何か~
(1) 「メリット」という視点
(2) 子どもにとっての面会交流の意義(メリット)
(3) 親にとっての面会交流の意義(メリット)
2 面会交流の頻度~面会交流の頻度はどの程度が一般的か~
(1) 全国ひとり親世帯の調査結果
(2) 司法統計の結果
(3) 頻度に関する実務上の考え方
3 面会交流の実施時間~面会交流の実施時間はどの程度が一般的か~
(1) 子どもを対象にした全国調査の結果
(2) 同居親(母親)を対象にした調査の結果
(3) 実施時間に関する実務上の考え方
4 面会交流が問題となる子どもの年齢~面会交流が問題となるのは小学生までか~
(1) 司法統計の数値
(2) 中学生以降の面会交流
第2章 禁止・制限事由
1 連れ去りのおそれ
(1) 子どもの連れ去りのおそれがある場合の面会交流
(2) 禁止・制限の判断基準
(3) 連れ去りの具体的可能性がないのに、同居親の不安感が強い場合
(4) 連れ去りのおそれを指摘された別居親にできること
2 子どもの虐待
(1) 禁止・制限の判断基準
(2) 虐待が子どもの心身に与える影響
(3) 子どもが事実と異なる虐待の訴えをする可能性
3 同居親に対する暴力
(1) 同居親に対する暴力の禁止・制限事由該当性
(2) 禁止・制限の判断基準
(3) 保護命令が発令されている場合
(4) 子どもの面前での暴力が子どもの心身に与える影響
4 子どもの拒否
(1) 禁止・制限の判断基準
(2) 子どもの拒絶の背景に同居親の態度や行動がある場合
5 当事者間の高葛藤
(1) 当然といえる感情対立
(2) 高葛藤とは
(3) 高葛藤事案の特徴~葛藤の程度の類型化~
(4) 弁護士の留意点~監護者指定等の申立てをすべきか~
(5) 禁止・制限の判断基準
6 当事者の再婚
(1) 禁止・制限の判断基準
(2) 親の再婚時の子どもの心理
(3) 同居親の心理
(4) 別居親の心理
7 婚姻費用・養育費の不払
(1) 禁止・制限の判断基準
(2) 本音と建前~衡平理論による当事者心理の説明~
(3) 面会交流は婚姻費用・養育費の支払を促進するか
8 別居親の精神疾患・精神不安
(1) 別居親が精神的に不安定な状態になる場合
(2) 精神疾患になる割合
(3) 禁止・制限の判断基準
(4) 早期治療のすすめ
9 同居親の精神疾患・精神不安
(1) 同居親が精神的に不安定な状態になる場合
(2) 禁止・制限の判断基準
10 別居親の不貞行為
(1) 不貞行為をされた同居親及び子どもの心理
(2) 禁止・制限の判断基準
11 ルール不遵守
(1) 面会交流に関する様々なルール
(2) 時間や頻度を守らない場合
(3) 子どもの引渡し時の同居親に対する非難等
(4) 同居親や子どもの住所等を知ろうとする行為
第3章 協議・法的手続の重要ポイント
1 面会交流事件の解決までの期間
(1) 面会交流事件は長期化しやすい事件類型
(2) 解決期間に関する統計上の数値
(3) 長期化する事案の傾向
2 手続選択の目安~協議から始めるか、調停から始めるか~
(1) 協議スタートと調停スタート
(2) 協議と調停のメリット、デメリット・リスク
(3) 調停の方が、話がまとまりやすい場合
3 面会交流調停申立ての要否~離婚調停が係属している場合でも別途面会交流調停を申し立てた方がよいか~
(1) 離婚調停における面会交流の取扱い
(2) 面会交流調停の申立てを行う場合
4 当事者本人が調停に参加することの意義
(1) 当事者欠席による調停の形骸化・長期化のおそれ
(2) 当事者欠席によって相手方が不信感を抱くおそれ
(3) 当事者が主体的に参加することによる納得感の向上
(4) 依頼者と弁護士の関係性の向上
(5) 弁護士から依頼者への説明の重要性
5 調査官調査
(1) 調査官調査とは
(2) 調査官調査で聞かれること
(3) 調査官調査の際の注意点
6 子どもの調査
(1) 子どもの調査が行われる場合
(2) 子どもの調査の方法
(3) 子どもの調査前後の注意点
7 試行的面会交流
(1) 試行的面会交流とは
(2) 試行的面会交流が実施される場合とその目的
(3) 試行的面会交流の実施方法
(4) 試行的面会交流前及び当日の注意点
(5) 試行的面会交流後の注意点
8 面会交流調停の不成立~調停を成立させるか、不成立にして審判手続に移行させるか~
(1) 面会交流調停が不成立になる場合
(2) 調停を成立させるか審判手続に移行させるべきかの判断基準
9 審判手続
(1) 調停不成立後の手続
(2) 調停段階で出された書面などの取扱い
(3) 審判手続の概要~審理の方法~
(4) 審判期日と審問期日の用語の異同
(5) 審判期日(審問期日)の際の注意点
(6) 審理終結及び審判
(7) 審判の確定(審判の効力発生)
10 即時抗告
(1) 即時抗告の期間制限
(2) 抗告状の提出先
(3) 抗告状の内容
【書式例】抗告状
(4) 抗告理由書の提出期限
(5) 即時抗告の効果
(6) 不利益変更禁止の原則の有無~即時抗告のリスク~
(7) 附帯抗告という制度の有無
11 抗告審の流れ
(1) 書面審理が中心
(2) 家裁調査官の関与
(3) 抗告審における調停
(4) 抗告審の裁判の方式
(5) 原審判が取消し・変更となる割合
(6) 抗告審における弁護士の留意点
12 特別抗告・許可抗告
(1) 特別抗告・許可抗告の要件
(2) 期間制限
(3) 特別抗告提起、許可抗告申立ての効果
(4) 面会交流事件における特別抗告、許可抗告の実際
13 離婚訴訟における面会交流
(1) 附帯処分の申立てを行う方法
(2) 訴訟上の和解において面会交流を取り決める方法
14 審判前の保全処分
15 面会交流不履行の場合の法的手続
(1) 面会交流が実施できなくなるのはどのような場合か
(2) 履行勧告の申出
(3) 間接強制
(4) 損害賠償請求
(5) 再調停
(6) 親権者又は監護者の指定・変更
【書式例】間接強制申立書
16 同居親の不出頭~同居親が法的手続に参加・協力しない場合~
第4章 面会交流の内容
1 面会交流の内容を考える際のポイント
(1) 五つの必須検討事項
(2) 面会交流を考える上で重要なマインド
2 期日間の面会交流~合意するまでの間に暫定的に面会交流を実施する際に押さえるべきポイント~
(1) 合意前に面会交流を実施するメリット
(2) 合意前の面会交流の実施方法
(3) 合意前の面会交流実施に当たっての注意点
3 子どもの年齢別・面会交流の注意点
(1) 子どもの発達段階の特徴と両親の別居や紛争に対する反応
(2) 乳幼児期の面会交流
(3) 小学生の面会交流
(4) 中学生(小学校高学年)以降の面会交流
4 当事者の葛藤の程度別・面会交流方法
5 面会交流条項の定め方の基本
(1) 合意する場面別の基本条項の内容
(2) 当事者が理解できる内容・平易な用語の使用
【書式例】面会交流実施要領
6 面会交流の頻度の定め方
(1) 頻度の定め方の基本形
(2) 基本形以外の定め方~時期や月によって頻度を変える方法~
7 面会交流日時・実施時間の定め方
(1) 日時・実施時間の定め方の基本形
(2) 基本形以外の定め方
8 子どもの引渡場所・引渡方法
(1) 引渡場所・引渡方法の定め方の基本形
(2) 引渡場所
(3) 引渡方法
(4) 「引渡し」か「受渡し」か
9 面会交流の実施場所
(1) 実施場所に関する取決めをしない場合
(2) 実施場所に関する取決めをする場合
(3) 子どもと別居親の居住地が離れている場合
10 面会交流への同居親の立会い
(1) 同居親は面会交流に立ち会わないのが一般的
(2) 同居親が立ち会う場合とは
11 代替日の定め方
(1) 代替日に関する取決めをする意義
(2) 代替日の定め方
(3) 代替日が翌月にずれ込んだ際の手当をする場合
(4) 子どもが複数いる場合の代替日
12 当事者間の連絡
(1) 当事者間の連絡方法を取り決める意義
(2) 連絡方法の定め方
13 面会交流中の飲食
(1) 面会交流中の飲食の効果
(2) 飲食に関する取決めの方法
(3) 同居親が食事や飲料を用意する場合
14 面会交流中のプレゼントの交付
(1) 子どもにプレゼントを贈る効果
(2) プレゼントに対する同居親の懸念点
(3) プレゼントとはいえないほどの物をどうするか
(4) 毎回プレゼントを渡してもよいか
15 宿泊を伴う面会交流
(1) 宿泊を伴う面会交流の定め方
(2) 宿泊を伴う面会交流に対する子どもの満足度
(3) 宿泊を伴う面会交流を実施するハードルの高さ
(4) 宿泊の実施や中止の協議時期を定める場合
16 学校行事等への出席
(1) 学校行事等への出席の定め方
(2) 学校行事等に別居親が出席することのハードルの高さ
17 第三者機関を利用する場合
(1) 第三者機関を利用するのはどのような場合か
(2) 第三者機関利用をめぐる攻防と双方当事者が検討すべき点
(3) 第三者機関の種類と利用形態
(4) 第三者機関の利用方法等の定め方
(5) 第三者機関の費用負担
(6) 第三者機関の限界
18 面会交流時の遵守事項
(1) 遵守事項に関する定めの要否
(2) 子どもに対する不適切発言の禁止
(3) 子どもの引渡し時の態度・会話
(4) 時間厳守
(5) 写真・動画の撮影
(6) 移動手段
(7) 酒気帯びでの面会交流や面会交流中の飲酒
19 複数の子どもがいる場合の面会交流
(1) 兄弟全員で面会交流を行う場合
(2) 子どもの年齢差などにより配慮が必要な場合
(3) 面会交流に参加できない子どもがいる場合
20 祖父母の面会交流への関与
(1) 祖父母に面会交流を求める権利があるか
(2) 祖父母との面会交流を行う意義
(3) 祖父母の存在が面会交流の助けになる場合
(4) 祖父母の存在が面会交流の妨げになる場合
(5) 別居親側の祖父母が面会交流に関与する場合の定め方
21 間接交流
(1) 間接交流とは
(2) 間接交流を行うのはどのような場合か
(3) 間接交流を考える上で重要なポイント
(4) 電話・ビデオ通話による方法
(5) 手紙、メール、LINE等による方法
(6) 写真を送付する方法
(7) プレゼントを送付する方法
(8) 直接交流と間接交流のハイブリッド方式
(9) 間接交流から直接交流に切り替える場合
22 当事者の一方が遠方に転居する可能性がある場合
23 面会交流を実施しない場合
24 共同監護に近い状態とする場合
第5章 当事者の心理と悩み
第1節 子どもの心理
1 離婚や面会交流が子どもに与える影響
(1) 両親の不仲や離婚が子どもに与える影響
(2) 面会交流が子どもに与える影響
(3) 研究結果等を個別の事件で提出することの意義と限界
2 愛情ホルモン・オキシトシンの効果
(1) オキシトシンとは
(2) 面会交流とオキシトシンの関係
3 面会交流に対する子どもの認識
(1) 面会交流について子どもは自分の本心を言えるか
(2) 面会交流の内容は子どもの希望どおりか
(3) 子どもはどのくらいの頻度で会いたいのか
(4) 面会交流をしてよかったと感じる子どもの割合と理由
(5) 面会交流を負担に感じる子どもの割合とその理由
(6) 子どもは面会交流の内容(頻度・時間)よりも親の紛争に敏感
4 子どもが面会交流を拒否する場合
(1) 子どもの意思が問題になると紛争性が高まる傾向
(2) 子どもの意思把握の難しさ
(3) 子どもに忠誠葛藤が生じる場合
(4) 子どもの発言が真意かを吟味する方法
(5) 子どもが別居親を拒絶する要因
(6) 子どもの拒絶が見られた場合の対応策
5 同居親が子どもに面会交流をさせなかった場合に生じ得る反応
6 面会交流後の子どもの不調や不安定
(1) 面会交流後に子どもの体調不良等が生じた際の同居親の心理
(2) 面会交流後に体調不良になる場合
(3) 面会交流後に情緒不安定やわがままになる場合
第2節 当事者共通の心理・悩み
1 当事者が高葛藤状態の場合の対応策
(1) 面会交流の意義・目的の共有
(2) 得られる利益、失われる利益に着目する
(3) 不必要に相手方当事者の怒りを誘発しない
(4) 相手方当事者の視点を持つ
(5) 合意可能な論点を探す
(6) 一方の譲歩が他方の譲歩を生む可能性
(7) 弁護士など第三者のサポート
2 事件終了後(弁護士の関与がなくなった後)の不安
(1) 弁護士の関与がなくなることに対する不安と対策
(2) 弁護士の関与の程度
(3) 当事者ができることはあえて弁護士が関与しない場合
(4) 事件終了後のイメージをもってもらうことの重要性
第3節 同居親の心理・悩み
1 同居親は面会交流をどのように感じているか
(1) 面会交流が負担と感じる同居親の割合とその理由
(2) 面会交流を実施してよかったと考える同居親の割合と理由
2 同居親が、別居親による面会交流の求めを嫌がらせと捉える場合
(1) 嫌がらせと捉える同居親の心理
(2) 一見、子どもに無関心であったのに面会を求める別居親の心理
(3) 別居親にできること
3 同居親は会ってもらいたいのに、別居親が会いたがらない場合
4 子どもが面会交流を拒否している証拠を出したい場合
第4節 別居親の心理・悩み
1 離婚と面会交流の先後関係~面会交流以外の条件については合意できている場合に、離婚を先に成立させた方がよいか~
(1) 離婚を先行させることに対する別居親の心理
(2) 面会交流調停と離婚調停を同時に成立させる場合
(3) 離婚を先行させた方がよい場合(離婚を先行させるメリット)
(4) 離婚を先行させるべきではない場合
2 別居親が高頻度・長時間の面会交流を求めたい場合
3 同居親が子どもを連れて家を出たことを糾弾したい場合
4 面会交流が実施されない場合に備えて制裁条項を設けたい場合
(1) 制裁条項の可否及び相当性
(2) 制裁条項の実現可能性
5 面会交流中に養育費を渡したい場合
6 別居親の不満・不安の原因と対策
(1) 別居親の不満・不安の原因
(2) 別居親の不満・不安に対して弁護士ができること
第5節 弁護士の心理・悩み
1 面会交流事件の難しさと弁護士が面会交流事件に関与する意義
(1) 面会交流事件の難しさと大変さ
(2) 弁護士が面会交流事件に関与する意義
2 面会交流事件における弁護士の注意点
(1) 弁護士が意識すべき視点
(2) 攻撃的な書面を出すリスク
(3) 対立の先鋭化を抑えるための工夫
(4) 代理人の意見であるかのように読める書面のリスク
3 弁護士は面会交流に立ち会うべきか
(1) 弁護士立会いのメリット
(2) 弁護士立会いのデメリット・リスク
(3) 弁護士立会いの限界
(4) 弁護士が立ち会う目的と限界設定が重要
4 依頼者の要求や行動がエスカレートしないための対策
(1) 無制限の対応は弁護士だけでなく依頼者の不利益になること
(2) 限界設定や枠組み設定
(3) 限界設定や枠組みの例
(4) 依頼者が限界設定や枠組みに反した行為をした場合
付 録
○条項例集
1 基本形
2 頻度
3 日時・実施時間
4 子どもの引渡場所・引渡方法
5 面会交流の実施場所
6 面会交流への同居親等の立会い
7 代替日の設定
8 当事者間の連絡
9 面会交流中の飲食
10 面会交流中のプレゼントの交付
11 宿泊を伴う面会交流
12 学校行事等への出席
13 第三者機関の利用
14 遵守事項
15 複数の子どもがいる場合の面会交流
16 祖父母との面会交流
17 間接交流
18 当事者の一方が遠方に転居する可能性がある場合
19 面会交流を実施しない場合
20 共同監護に近い状態とする場合
○裁判例集
1 直接交流が認められた裁判例
2 直接交流が認められたが、第三者機関の利用が命じられた裁判例
3 直接交流が認められず、間接交流にとどまった裁判例
4 面会交流が認められなかった裁判例
5 抗告審において原裁判所に差し戻した裁判例
索 引
○判例年次索引
●各章の細目次は、省略してあります。
1 面会交流の意義・目的~面会交流のメリットは何か~
(1) 「メリット」という視点
(2) 子どもにとっての面会交流の意義(メリット)
(3) 親にとっての面会交流の意義(メリット)
2 面会交流の頻度~面会交流の頻度はどの程度が一般的か~
(1) 全国ひとり親世帯の調査結果
(2) 司法統計の結果
(3) 頻度に関する実務上の考え方
3 面会交流の実施時間~面会交流の実施時間はどの程度が一般的か~
(1) 子どもを対象にした全国調査の結果
(2) 同居親(母親)を対象にした調査の結果
(3) 実施時間に関する実務上の考え方
4 面会交流が問題となる子どもの年齢~面会交流が問題となるのは小学生までか~
(1) 司法統計の数値
(2) 中学生以降の面会交流
第2章 禁止・制限事由
1 連れ去りのおそれ
(1) 子どもの連れ去りのおそれがある場合の面会交流
(2) 禁止・制限の判断基準
(3) 連れ去りの具体的可能性がないのに、同居親の不安感が強い場合
(4) 連れ去りのおそれを指摘された別居親にできること
2 子どもの虐待
(1) 禁止・制限の判断基準
(2) 虐待が子どもの心身に与える影響
(3) 子どもが事実と異なる虐待の訴えをする可能性
3 同居親に対する暴力
(1) 同居親に対する暴力の禁止・制限事由該当性
(2) 禁止・制限の判断基準
(3) 保護命令が発令されている場合
(4) 子どもの面前での暴力が子どもの心身に与える影響
4 子どもの拒否
(1) 禁止・制限の判断基準
(2) 子どもの拒絶の背景に同居親の態度や行動がある場合
5 当事者間の高葛藤
(1) 当然といえる感情対立
(2) 高葛藤とは
(3) 高葛藤事案の特徴~葛藤の程度の類型化~
(4) 弁護士の留意点~監護者指定等の申立てをすべきか~
(5) 禁止・制限の判断基準
6 当事者の再婚
(1) 禁止・制限の判断基準
(2) 親の再婚時の子どもの心理
(3) 同居親の心理
(4) 別居親の心理
7 婚姻費用・養育費の不払
(1) 禁止・制限の判断基準
(2) 本音と建前~衡平理論による当事者心理の説明~
(3) 面会交流は婚姻費用・養育費の支払を促進するか
8 別居親の精神疾患・精神不安
(1) 別居親が精神的に不安定な状態になる場合
(2) 精神疾患になる割合
(3) 禁止・制限の判断基準
(4) 早期治療のすすめ
9 同居親の精神疾患・精神不安
(1) 同居親が精神的に不安定な状態になる場合
(2) 禁止・制限の判断基準
10 別居親の不貞行為
(1) 不貞行為をされた同居親及び子どもの心理
(2) 禁止・制限の判断基準
11 ルール不遵守
(1) 面会交流に関する様々なルール
(2) 時間や頻度を守らない場合
(3) 子どもの引渡し時の同居親に対する非難等
(4) 同居親や子どもの住所等を知ろうとする行為
第3章 協議・法的手続の重要ポイント
1 面会交流事件の解決までの期間
(1) 面会交流事件は長期化しやすい事件類型
(2) 解決期間に関する統計上の数値
(3) 長期化する事案の傾向
2 手続選択の目安~協議から始めるか、調停から始めるか~
(1) 協議スタートと調停スタート
(2) 協議と調停のメリット、デメリット・リスク
(3) 調停の方が、話がまとまりやすい場合
3 面会交流調停申立ての要否~離婚調停が係属している場合でも別途面会交流調停を申し立てた方がよいか~
(1) 離婚調停における面会交流の取扱い
(2) 面会交流調停の申立てを行う場合
4 当事者本人が調停に参加することの意義
(1) 当事者欠席による調停の形骸化・長期化のおそれ
(2) 当事者欠席によって相手方が不信感を抱くおそれ
(3) 当事者が主体的に参加することによる納得感の向上
(4) 依頼者と弁護士の関係性の向上
(5) 弁護士から依頼者への説明の重要性
5 調査官調査
(1) 調査官調査とは
(2) 調査官調査で聞かれること
(3) 調査官調査の際の注意点
6 子どもの調査
(1) 子どもの調査が行われる場合
(2) 子どもの調査の方法
(3) 子どもの調査前後の注意点
7 試行的面会交流
(1) 試行的面会交流とは
(2) 試行的面会交流が実施される場合とその目的
(3) 試行的面会交流の実施方法
(4) 試行的面会交流前及び当日の注意点
(5) 試行的面会交流後の注意点
8 面会交流調停の不成立~調停を成立させるか、不成立にして審判手続に移行させるか~
(1) 面会交流調停が不成立になる場合
(2) 調停を成立させるか審判手続に移行させるべきかの判断基準
9 審判手続
(1) 調停不成立後の手続
(2) 調停段階で出された書面などの取扱い
(3) 審判手続の概要~審理の方法~
(4) 審判期日と審問期日の用語の異同
(5) 審判期日(審問期日)の際の注意点
(6) 審理終結及び審判
(7) 審判の確定(審判の効力発生)
10 即時抗告
(1) 即時抗告の期間制限
(2) 抗告状の提出先
(3) 抗告状の内容
【書式例】抗告状
(4) 抗告理由書の提出期限
(5) 即時抗告の効果
(6) 不利益変更禁止の原則の有無~即時抗告のリスク~
(7) 附帯抗告という制度の有無
11 抗告審の流れ
(1) 書面審理が中心
(2) 家裁調査官の関与
(3) 抗告審における調停
(4) 抗告審の裁判の方式
(5) 原審判が取消し・変更となる割合
(6) 抗告審における弁護士の留意点
12 特別抗告・許可抗告
(1) 特別抗告・許可抗告の要件
(2) 期間制限
(3) 特別抗告提起、許可抗告申立ての効果
(4) 面会交流事件における特別抗告、許可抗告の実際
13 離婚訴訟における面会交流
(1) 附帯処分の申立てを行う方法
(2) 訴訟上の和解において面会交流を取り決める方法
14 審判前の保全処分
15 面会交流不履行の場合の法的手続
(1) 面会交流が実施できなくなるのはどのような場合か
(2) 履行勧告の申出
(3) 間接強制
(4) 損害賠償請求
(5) 再調停
(6) 親権者又は監護者の指定・変更
【書式例】間接強制申立書
16 同居親の不出頭~同居親が法的手続に参加・協力しない場合~
第4章 面会交流の内容
1 面会交流の内容を考える際のポイント
(1) 五つの必須検討事項
(2) 面会交流を考える上で重要なマインド
2 期日間の面会交流~合意するまでの間に暫定的に面会交流を実施する際に押さえるべきポイント~
(1) 合意前に面会交流を実施するメリット
(2) 合意前の面会交流の実施方法
(3) 合意前の面会交流実施に当たっての注意点
3 子どもの年齢別・面会交流の注意点
(1) 子どもの発達段階の特徴と両親の別居や紛争に対する反応
(2) 乳幼児期の面会交流
(3) 小学生の面会交流
(4) 中学生(小学校高学年)以降の面会交流
4 当事者の葛藤の程度別・面会交流方法
5 面会交流条項の定め方の基本
(1) 合意する場面別の基本条項の内容
(2) 当事者が理解できる内容・平易な用語の使用
【書式例】面会交流実施要領
6 面会交流の頻度の定め方
(1) 頻度の定め方の基本形
(2) 基本形以外の定め方~時期や月によって頻度を変える方法~
7 面会交流日時・実施時間の定め方
(1) 日時・実施時間の定め方の基本形
(2) 基本形以外の定め方
8 子どもの引渡場所・引渡方法
(1) 引渡場所・引渡方法の定め方の基本形
(2) 引渡場所
(3) 引渡方法
(4) 「引渡し」か「受渡し」か
9 面会交流の実施場所
(1) 実施場所に関する取決めをしない場合
(2) 実施場所に関する取決めをする場合
(3) 子どもと別居親の居住地が離れている場合
10 面会交流への同居親の立会い
(1) 同居親は面会交流に立ち会わないのが一般的
(2) 同居親が立ち会う場合とは
11 代替日の定め方
(1) 代替日に関する取決めをする意義
(2) 代替日の定め方
(3) 代替日が翌月にずれ込んだ際の手当をする場合
(4) 子どもが複数いる場合の代替日
12 当事者間の連絡
(1) 当事者間の連絡方法を取り決める意義
(2) 連絡方法の定め方
13 面会交流中の飲食
(1) 面会交流中の飲食の効果
(2) 飲食に関する取決めの方法
(3) 同居親が食事や飲料を用意する場合
14 面会交流中のプレゼントの交付
(1) 子どもにプレゼントを贈る効果
(2) プレゼントに対する同居親の懸念点
(3) プレゼントとはいえないほどの物をどうするか
(4) 毎回プレゼントを渡してもよいか
15 宿泊を伴う面会交流
(1) 宿泊を伴う面会交流の定め方
(2) 宿泊を伴う面会交流に対する子どもの満足度
(3) 宿泊を伴う面会交流を実施するハードルの高さ
(4) 宿泊の実施や中止の協議時期を定める場合
16 学校行事等への出席
(1) 学校行事等への出席の定め方
(2) 学校行事等に別居親が出席することのハードルの高さ
17 第三者機関を利用する場合
(1) 第三者機関を利用するのはどのような場合か
(2) 第三者機関利用をめぐる攻防と双方当事者が検討すべき点
(3) 第三者機関の種類と利用形態
(4) 第三者機関の利用方法等の定め方
(5) 第三者機関の費用負担
(6) 第三者機関の限界
18 面会交流時の遵守事項
(1) 遵守事項に関する定めの要否
(2) 子どもに対する不適切発言の禁止
(3) 子どもの引渡し時の態度・会話
(4) 時間厳守
(5) 写真・動画の撮影
(6) 移動手段
(7) 酒気帯びでの面会交流や面会交流中の飲酒
19 複数の子どもがいる場合の面会交流
(1) 兄弟全員で面会交流を行う場合
(2) 子どもの年齢差などにより配慮が必要な場合
(3) 面会交流に参加できない子どもがいる場合
20 祖父母の面会交流への関与
(1) 祖父母に面会交流を求める権利があるか
(2) 祖父母との面会交流を行う意義
(3) 祖父母の存在が面会交流の助けになる場合
(4) 祖父母の存在が面会交流の妨げになる場合
(5) 別居親側の祖父母が面会交流に関与する場合の定め方
21 間接交流
(1) 間接交流とは
(2) 間接交流を行うのはどのような場合か
(3) 間接交流を考える上で重要なポイント
(4) 電話・ビデオ通話による方法
(5) 手紙、メール、LINE等による方法
(6) 写真を送付する方法
(7) プレゼントを送付する方法
(8) 直接交流と間接交流のハイブリッド方式
(9) 間接交流から直接交流に切り替える場合
22 当事者の一方が遠方に転居する可能性がある場合
23 面会交流を実施しない場合
24 共同監護に近い状態とする場合
第5章 当事者の心理と悩み
第1節 子どもの心理
1 離婚や面会交流が子どもに与える影響
(1) 両親の不仲や離婚が子どもに与える影響
(2) 面会交流が子どもに与える影響
(3) 研究結果等を個別の事件で提出することの意義と限界
2 愛情ホルモン・オキシトシンの効果
(1) オキシトシンとは
(2) 面会交流とオキシトシンの関係
3 面会交流に対する子どもの認識
(1) 面会交流について子どもは自分の本心を言えるか
(2) 面会交流の内容は子どもの希望どおりか
(3) 子どもはどのくらいの頻度で会いたいのか
(4) 面会交流をしてよかったと感じる子どもの割合と理由
(5) 面会交流を負担に感じる子どもの割合とその理由
(6) 子どもは面会交流の内容(頻度・時間)よりも親の紛争に敏感
4 子どもが面会交流を拒否する場合
(1) 子どもの意思が問題になると紛争性が高まる傾向
(2) 子どもの意思把握の難しさ
(3) 子どもに忠誠葛藤が生じる場合
(4) 子どもの発言が真意かを吟味する方法
(5) 子どもが別居親を拒絶する要因
(6) 子どもの拒絶が見られた場合の対応策
5 同居親が子どもに面会交流をさせなかった場合に生じ得る反応
6 面会交流後の子どもの不調や不安定
(1) 面会交流後に子どもの体調不良等が生じた際の同居親の心理
(2) 面会交流後に体調不良になる場合
(3) 面会交流後に情緒不安定やわがままになる場合
第2節 当事者共通の心理・悩み
1 当事者が高葛藤状態の場合の対応策
(1) 面会交流の意義・目的の共有
(2) 得られる利益、失われる利益に着目する
(3) 不必要に相手方当事者の怒りを誘発しない
(4) 相手方当事者の視点を持つ
(5) 合意可能な論点を探す
(6) 一方の譲歩が他方の譲歩を生む可能性
(7) 弁護士など第三者のサポート
2 事件終了後(弁護士の関与がなくなった後)の不安
(1) 弁護士の関与がなくなることに対する不安と対策
(2) 弁護士の関与の程度
(3) 当事者ができることはあえて弁護士が関与しない場合
(4) 事件終了後のイメージをもってもらうことの重要性
第3節 同居親の心理・悩み
1 同居親は面会交流をどのように感じているか
(1) 面会交流が負担と感じる同居親の割合とその理由
(2) 面会交流を実施してよかったと考える同居親の割合と理由
2 同居親が、別居親による面会交流の求めを嫌がらせと捉える場合
(1) 嫌がらせと捉える同居親の心理
(2) 一見、子どもに無関心であったのに面会を求める別居親の心理
(3) 別居親にできること
3 同居親は会ってもらいたいのに、別居親が会いたがらない場合
4 子どもが面会交流を拒否している証拠を出したい場合
第4節 別居親の心理・悩み
1 離婚と面会交流の先後関係~面会交流以外の条件については合意できている場合に、離婚を先に成立させた方がよいか~
(1) 離婚を先行させることに対する別居親の心理
(2) 面会交流調停と離婚調停を同時に成立させる場合
(3) 離婚を先行させた方がよい場合(離婚を先行させるメリット)
(4) 離婚を先行させるべきではない場合
2 別居親が高頻度・長時間の面会交流を求めたい場合
3 同居親が子どもを連れて家を出たことを糾弾したい場合
4 面会交流が実施されない場合に備えて制裁条項を設けたい場合
(1) 制裁条項の可否及び相当性
(2) 制裁条項の実現可能性
5 面会交流中に養育費を渡したい場合
6 別居親の不満・不安の原因と対策
(1) 別居親の不満・不安の原因
(2) 別居親の不満・不安に対して弁護士ができること
第5節 弁護士の心理・悩み
1 面会交流事件の難しさと弁護士が面会交流事件に関与する意義
(1) 面会交流事件の難しさと大変さ
(2) 弁護士が面会交流事件に関与する意義
2 面会交流事件における弁護士の注意点
(1) 弁護士が意識すべき視点
(2) 攻撃的な書面を出すリスク
(3) 対立の先鋭化を抑えるための工夫
(4) 代理人の意見であるかのように読める書面のリスク
3 弁護士は面会交流に立ち会うべきか
(1) 弁護士立会いのメリット
(2) 弁護士立会いのデメリット・リスク
(3) 弁護士立会いの限界
(4) 弁護士が立ち会う目的と限界設定が重要
4 依頼者の要求や行動がエスカレートしないための対策
(1) 無制限の対応は弁護士だけでなく依頼者の不利益になること
(2) 限界設定や枠組み設定
(3) 限界設定や枠組みの例
(4) 依頼者が限界設定や枠組みに反した行為をした場合
付 録
○条項例集
1 基本形
2 頻度
3 日時・実施時間
4 子どもの引渡場所・引渡方法
5 面会交流の実施場所
6 面会交流への同居親等の立会い
7 代替日の設定
8 当事者間の連絡
9 面会交流中の飲食
10 面会交流中のプレゼントの交付
11 宿泊を伴う面会交流
12 学校行事等への出席
13 第三者機関の利用
14 遵守事項
15 複数の子どもがいる場合の面会交流
16 祖父母との面会交流
17 間接交流
18 当事者の一方が遠方に転居する可能性がある場合
19 面会交流を実施しない場合
20 共同監護に近い状態とする場合
○裁判例集
1 直接交流が認められた裁判例
2 直接交流が認められたが、第三者機関の利用が命じられた裁判例
3 直接交流が認められず、間接交流にとどまった裁判例
4 面会交流が認められなかった裁判例
5 抗告審において原裁判所に差し戻した裁判例
索 引
○判例年次索引
●各章の細目次は、省略してあります。
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