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2020年06月23日 更新
判決日 2018年04月18日平成29(ネ)426 号
鑑定報酬等請求控訴,同附帯控訴事件
名古屋高等裁判所 民事第4部
判示事項 臨床心理士である被控訴人が,刑事事件の主任弁護人である控訴人に対し,被告人と面接等を行った上で精神鑑定書を作成する旨の準委任契約を控訴人との間で締結したとして,鑑定報酬等を請求したところ,被控訴人は,契約成立以前から,控訴人が被告人及び被告人の母親の代理人として被告人との面接及び鑑定書の作成を依頼する意思であることを知っていたから,控訴人は契約当事者としての責任を負うものではないとして,請求が棄却された事例。
結果
裁判長裁判官 藤山雅行 裁判官 朝日貴浩 裁判官 金久保茂
(原審) 岐阜地方裁判所 平成27(ワ)306 号
判決文判決文は裁判所ウェブサイトへのリンクです。
判決日 2018年04月11日平成28(行コ)91 号
遺族補償給付不支給処分取消請求控訴事件
名古屋高等裁判所 民事第4部
判示事項 胸膜中皮腫等により死亡した被災者の妻である控訴人が,上記疾病の発症は被災者が延べ33年間勤務していた学校においてアスベストにばく露したためであり業務に起因するとして,労働基準監督署長に対し,労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付の支給を請求したが,被災者に発症した中皮腫について,国の認定基準である「石綿ばく露作業の従事期間が1年以上あること」との要件に該当するとは認め難く,業務起因性が認められないなどとして遺族補償給付を支給しない旨の処分(以下「本件不支給処分」という。)を受けたため,本件不支給処分の取消しを求めた事案において,中皮腫の職業起因性に関する国際的に尊重されているヘルシンキ・クライテリアに照らし,一般住民の環境性ばく露を超える職業性ばく露があった場合には,それが短期間又は低レベルのものであっても,他に中皮腫の発症原因が見当たらない限り,当該中皮腫の業務起因性を認めるのが相当であって,上記国の認定基準は十分な医学的根拠に基づくものとはいえないとした上,上記学校では,多数の建物にアスベストを含む吹付材等が使用されており,これらを用いた建築工事も頻繁に行われていたところ,被災者は,上記工事が行われた建物と同一の建物で8か月間仕事をして一般環境レベルを超える濃度の石綿粉塵にばく露したり,特定の建物で吹付材等の劣化・剥離に伴って発生した一般環境レベルを超える濃度の石綿粉塵に相当期間ばく露したと認められ,被災者に他に石綿粉塵のばく露歴があるとも,他に中皮腫を発症する事由があったとも認められないとして,被災者の死因である胸膜中皮腫は,被災者が勤務した学校における業務を行う際に被った石綿粉塵ばく露によって発症した疾病であり,業務に起因するとして,本件不支給処分を取り消した事例
結果
裁判長裁判官 藤山雅行 裁判官 水谷美穂子 裁判官 朝日貴浩
(原審) 名古屋地方裁判所 平成23(行ウ)104 号 棄却
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判決日 2018年04月11日平成29(行コ)49 号
退去強制令書発付処分無効確認等請求控訴事件
名古屋高等裁判所 民事第4部
判示事項 不法残留のフィリピン国籍を有する外国人女性である控訴人に対し,法務大臣から権限の委任を受けた入国管理局長がした出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく控訴人の異議の申出には理由がない旨の裁決及び入国管理局主任審査官がした退去強制令書発付処分につき,控訴人と永住資格を有する日系2世のブラジル人男性との間に安定かつ成熟した内縁としての夫婦関係が成立していたにもかかわらず,これを看過し,ひいては控訴人をフィリピンに帰国させることによる控訴人や内縁の夫が受ける重大な不利益に想到することのなかった一方で,控訴人の不法残留や不法就労等をことさら重大視したものとして,裁量権の範囲を逸脱又は濫用した違法なものであり,その違法性は重大かつ明白なものであると認め,同裁決及び同処分の無効確認請求を認容した事例
結果
裁判長裁判官 藤山雅行 裁判官 水谷美穂子 裁判官 朝日貴浩
(原審) 名古屋地方裁判所 平成28(行ウ)64 号
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判決日 2018年03月14日平成28(行コ)90 号
懲戒免職処分取消等請求控訴事件
名古屋高等裁判所 民事第4部
判示事項 被控訴人の職員で47日間の無断欠勤を理由に懲戒免職処分及び退職手当支給制限処分を受けた控訴人が,被控訴人に対し,上記各処分の取消しを求めた事案において,控訴人は,うつ病ないしそれに類似する精神の病気により正常な状況把握と適切な判断ができない状態に陥って無断欠勤に至ったものであり,無断欠勤をする前に精神状態の不調を疑うべき明瞭な兆候を発していたのに,被控訴人は,これを見逃し,メンタルヘルスケアの観点からとるべき適切な対応をとらなかった上,無断欠勤後も控訴人の精神状態を正しく認識しないまま,控訴人の欠勤日数のみをことさら重大視して懲戒免職処分を行ったもので,その判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかであり,裁量権の範囲を逸脱又は濫用した違法なものであるとして,上記各処分を取り消した事例
結果
裁判長裁判官 藤山雅行 裁判官 水谷美穂子 裁判官 金久保茂
(原審) 名古屋地方裁判所 平成27(行ウ)16 号 棄却
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判決日 2018年03月07日平成28(行コ)74 号
原爆症認定申請却下処分取消等請求控訴事件
名古屋高等裁判所
判示事項 長崎市内で被爆した控訴人ら2 名の原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律1 1 条1 項に基づく原爆症認定の申請に対し,上記各申請をいずれも却下する旨の厚生労働大臣がした各処分につき,同法10 条の「医療」とは,積極的な治療を伴うか否かを問うべきではなく,被爆者が経過観察のために通院している場合であっても, 認定に係る負傷又は疾病が「現に医療を要する状態にある」と認めるのが相当であると解した上で, 控訴人らの各申請に係る疾病のうち左乳がん及び慢性甲状腺炎については, いまだ経過観察が必要であったから, 放射線起因性のほか要医療性も認められるとして, 上記疾病を対象とする申請を却下したことはいずれも違法であるとした事例
結果
裁判長裁判官 藤山雅行 裁判官 水谷美穂子 裁判官 金久保茂
(原審) 名古屋地方裁判所 平成23(行ウ)149 号 棄却
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