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借地借家紛争事例データファイル

編集/借地借家紛争事例研究会 代表/川口誠(弁護士)、岡田修一(弁護士)

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商品情報

商品コード
0592
サイズ
B5判
巻数
全2巻・ケース付
ページ数
1,838
発行年月
2009年10月

目次

事例インデックス
借 地 編
第1章 借地借家法(借地法)の適用
第1節 建物所有目的
建物所有目的でないタクシーの営業所の駐車場部分の土地賃貸借が、建物所有を目的とする隣接土地の賃貸借期間が存続する限り継続するとした事例
借地の一部を有料駐車場として利用していた場合に、その部分については建物所有目的ではなく借地法が適用されないとされた事例
フォークリフト置き場及びその付帯設備としてプレハブ建物が設置されている事案において、建物所有目的は認められないが、権利の濫用として賃貸借契約の解約を認めなかった事例
幼稚園の運動場用地として賃貸した土地につき、借地法1条の建物所有の目的を認めなかった事例
①中古車展示販売場(プレハブの簡易建物を併設)として使用することを目的とする土地賃貸借が建物所有目的と認められなかった事例
②建物所有を目的とする借地権の時効取得について判断した事例
乗馬学校の経営を目的とする土地賃貸借において、厩舎は従たる目的に過ぎず、建物所有目的ではないとして借地法の適用を否定した事例
生花売場を使用目的とする土地賃貸借契約について、建物所有目的と認められたが、用法違反を理由に契約の解除が認められた事例
ゴルフ練習場の敷地として利用することを目的とする賃貸借契約について建物所有目的であるとして借地借家法の適用を認めた事例
第2節 一時使用
繁華街にある若者向けの売店風簡易建物を目的とする土地の賃貸借契約が、一時使用を目的とするものと評価された事例
一時使用目的の借地契約として賃貸を開始した後、20年間にわたり使用が継続した場合につき、一時使用目的の借地契約であると認定した事例
一時使用目的の賃貸借契約として、約15年間にわたり継続して契約を更新し、その間数度にわたり簡易建物の増改築が繰り返された事案において、一時使用目的を認めた事例
たこ焼き屋営業のための土地賃貸借契約について、一時使用目的であり借地借家法の適用はないとされた事例
賃貸借契約の期間満了に基づく建物収去土地明渡請求において、地主の主張した一時使用目的が否定され、地主が3500万円の立退料を提供することで更新拒絶の正当事由が認められた事例
第3節 鉄道高架下の土地・構造物の賃貸借
鉄道の高架下構造物を目的とする賃貸借契約が借地契約ではないとされた事例
鉄道高架下の土地賃貸借契約について、土地の特殊性等を理由に、借地法は適用されないとした事例
鉄道高架下の土地の賃貸借契約について、借地法は適用されないとした事例
第4節 その他
ゴルフ場経営を目的とする地上権設定契約及び土地賃貸借契約について、借地借家法11条の類推適用をする余地はないとされた事例
第2章 借地契約の更新料
借地契約の法定更新において、借地人が更新料を支払う慣習ないしは慣習法の存在について否定した事例
土地賃貸借契約が法定更新された場合には、更新料支払特約の適用はないが、本件事情の下では、賃借人が、賃貸人に対して、更新料名目で支払った既払金について返還を請求することは信義則上許されないとした事例
契約書に更新料の支払いが明示されていない場合には、前回更新時に更新料の支払いがなされていたとしても、次回更新時における更新料の支払い合意があったとするには疑問が残る上、法定更新となった場合も含めて更新料支払いの合意があったとすることはできないとした事例
更新料に関する合意がなかったこと及び賃貸人の請求があれば当然に更新料支払義務が生ずる旨の商慣習ないし事実たる慣習が存在するとはいえないことなどから、賃貸人からの更新料の請求が認められなかった事例
土地の賃貸人である原告が、主位的に更新料支払特約に基づき、予備的に事実たる慣習又は商慣習に基づいて、賃借人に対し、更新料の支払を求めた事案
建物所有を目的とする土地賃貸借契約について、契約書に更新料支払特約に相当する文言はないが、従前、任意の協議により更新料の支払が行われていたこと等から、更新料の支払合意があったと認められるとして、更新料の支払が認められた事例
本件更新料が賃料の前払の性質を有するものとして精算を予定するものであると認めるに足りないとして、更新料の返還請求を棄却した事例
第3章 正当事由・立退料等
第1節 正当事由・立退料
土地の有効理由を主な理由とする更新拒絶について正当事由を否定した事例
立退料の提供が、借地期間満了時から1年10か月程度経過した時点で初めてなされた場合、当該立退料提供の事実は正当事由の補完事由にはならないとした事例
銀座所在の土地の明渡請求において、30億円の立退料の申出にかかわらず、正当事由が認められなかった事例
異議時から12年10か月後になされた立退料提供の申出について、正当事由の存否の判断に当たって考慮することはできないとした事例
将来到来する賃貸期間満了時における明渡請求が、訴えの利益を欠くとして却下された事例
借地権価格の80%以上の高額な立退料の提供にかかわらず、借地契約の更新拒絶について正当事由が否定された事例
都心のオフィス街に存する大手映画会社の映画館敷地の借地契約の更新に当たり、地主の土地高度利用を理由とする更新拒絶に正当事由がないとされた事例
借地契約の更新拒絶に正当事由がないとされた事例
新宿副都心区域内の再開発予定地の借地契約の更新拒絶につき、立退料10億3800万円の提供により、正当事由が具備すると判断された事例
更新拒絶の正当事由を補完する立退料の提供ないし増額の申出は、事実審の口頭弁論終結時までにされたものについては、原則として考慮することができるとした事例
新聞販売店を経営する賃貸人が、従業員の寄宿舎を建築するために、立退料6450万円を提供することにより、更新拒絶が認められた事例
借地契約の更新拒絶につき、立退料3000万円の提供により、正当事由が具備されたと判断した事例
期間満了後の使用継続に対する異議について、立退料3億円の提供があっても正当事由がないとされた事例
確定判決により定められた更新拒絶の正当事由を補完する立退料の額が、その後の地価の下落による事情変更により減額されるべきとの主張が排斥された事例
都心の商業地域における土地の高度利用を理由とする、土地賃貸借契約の更新拒絶について、立退料6500万円の提供により、正当事由が具備されたと判断された事例
借地上建物が築後45年経過し、かつ、借地人の事務所としての使用の必要性が当該土地以外の場所でも満たされる場合において、借地の明渡しを期待してこれを取得した賃貸人からの更新拒絶について、借地権価格によらない立退料1000万円の支払によって正当事由が補完されるとした事例
①借地の一部につき、契約終了を認めた事例
②賃貸借期間満了時に借地上に建物が存在しないことにつき、賃貸人の責めに帰すべき事情が認められなかった事例
賃貸借契約終了による建物収去土地明渡請求について、地主が900万円の立退料を提供することで更新拒絶の正当事由が認められた事例
土地上の建物の老朽化や利用状況に鑑み、土地賃貸人側の土地使用の必要性がそれほど高くないにもかかわらず更新拒絶の正当事由が認められた事例
寺院の境内地を対象とした借地契約について、貸主の寺院側の土地使用の必要性は喫緊のものとはいえないものの、借主も本件土地に居住せず生業を営むでもなく、土地上の建物を第三者に賃貸している場合において、440万円の立退料により貸主からの更新拒絶に正当事由があると認められた事例
借地契約の期間満了時以後に生じた事情も斟酌しつつ、立退料の支払もなく正当事由を認め、建物収去土地明渡請求を認容した事例
賃貸人が直接自己使用する必要のない土地について、立退料5000万円の提供により更新拒絶の正当事由が認められた事例
借地の更新拒絶に正当事由がないとされた事例
カラオケ店舗建物と共に同店舗用駐車場として賃貸された土地について、契約更新を拒絶することが権利の濫用に当たるとされた事例
土地賃貸借契約について、賃貸人の親族による土地使用の必要性が一定程度認められる一方で、賃借人が土地上の建物に居住していた事実は認められないなどの事情を総合考慮し、5000万円の立退料により更新拒絶の正当事由が認められた事例
新たな従業員寮の建設を理由とする借地の更新拒絶に正当事由がないとされた事例
第2節 建物の朽廃
建物の朽廃により借地権が消滅したとする事例
借地権者が借地上の建物につき、通常の修理の域を超えた大修繕をした場合、当該建物がその自然の推移により朽廃すべかりし時期に達したときは、たとえ前記大修繕の結果現実には未だ朽廃しているとはいえないときでも、借地権は消滅するとした事例
賃借人が老朽化した建物を無断で改築したことにより借地契約の当事者間の信頼関係が著しく破壊されたことを理由とする契約解除の主張が排斥された事例
建物の朽廃を理由とする建物収去土地明渡請求が棄却された事例
複数の建物のうちの一つの朽廃あるいは期間満了を理由とする建物収去土地明渡請求が棄却された事例
第4章 借地契約の解除
建物所有目的の土地賃貸借で、特定の型式の軽量鉄骨造プレハブ建築の建物を建築する特約が存する場合において、借地人側がこの特約に違反して重量鉄骨の建物を建築したことが、信頼関係を破壊する背信行為であるとして、賃貸人からの解除が認められた事例
地代の不払を理由とする土地賃貸借契約の解除につき、信頼関係の破壊が認められなかった事例
土地賃貸借契約において、賃借人が地上建物を第三者に賃貸して転居し、土地賃貸人に所在を明らかにしないまま8年以上を経過したことなどが、信頼関係を著しく破壊するとして無催告解除が認められた事例
建物所有目的の土地賃貸借契約について、借地人が更新料を支払って賃貸人との間で新たな賃貸借契約を締結したときは、更新前の期間中の増改築禁止特約違反行為を理由として更新後の土地賃貸借契約を解除することはできないとされた事例
借地上の建物を第三者に賃貸して引き渡した行為が、実質的には建物と土地賃借権の譲渡と解され、土地賃貸人からの解除が認められた事例
地主からの賃料増額請求に対し、借主が長期間にわたって著しく低額の供託を続けていたことが信頼関係を破壊するものとして解除が認められた事例
建物所有目的の土地賃貸借契約を締結したものの、賃借人が契約締結以来20年近く建物を建築せず駐車場として土地を使用してきた場合において、用法違反を理由とする解除が否定された事例
土地の賃借人が借地上の建物に譲渡担保を設定した行為が、周辺の諸事情から民法612条の賃借権の無断譲渡に当たるとして、土地賃貸人による解除が認められた事例
借地の一部分を有料駐車場として第三者に賃貸したことが借地の無断転貸に該当するとして賃貸借契約の解除が認められた事例
借地人が有限会社であり、同社の代表者が会社の持分と営業の一切を新経営者に譲渡したことが借地権の譲渡に当たるとされた事例
土地の形状変更禁止の特約のある土地賃貸借契約において、借地人が建物新築工事に当たり地下駐車場を作るため借地のほぼ全域にわたって掘り下げたことが土地の形状変更に当たるとして、賃貸借契約の解除が認められた事例
適法な土地の転貸借において賃貸人が賃料不払を理由として賃貸借契約を解除するには、転借人に賃料代払の機会を与えることは不要であるとし賃貸借契約の解除が認められた事例
借地権の譲渡につき、親子間の譲渡であり土地の使用状況に変化がなかった場合でも、判示の事情においては背信行為と認めるに足りない特段の事情がないとして、賃貸借契約の解除が認められた事例
借地上の建物の借地権付売買予約及び売買本契約までの建物賃貸借契約につき、これを仮装とし、借地権の譲渡と解した事例
借地法12条2項の「相当と認める地代」の解釈として、賃借人が、支払賃料額が公租公課の額を下回ることを知っていた場合は、賃借人が当該賃料額を主観的に相当と認めていたとしても、特段の事情がない限り、賃借人の債務不履行を構成するとした事例
一般の軽量鉄骨プレハブ建物について堅固建物に該当しないと判断した事例
借地人が有限会社であり、同社の代表者が会社の持分と営業の一切を新経営者に譲渡したことが借地権の譲渡に当たらないとされた事例
4か月分の賃料不払による賃貸借契約解除について、信頼関係を破壊するに足りない特段の事情があるとして、解除が認められなかった事例
遺産分割協議による借地権の譲渡について背信行為ではないとされた事例
借地人の子会社設立に当たっての現物出資による賃借権の譲渡について、信頼関係を破壊しない特段の事情があるとして、解除が認められなかった事例
ゴルフ場敷地の賃貸借契約において、賃借人の銀行取引停止処分を無催告解除事由とする特約を有効とし、解除が認められた事例
土地の賃貸借において、賃借権が、賃借人の離婚に伴う財産分与として譲渡され、また賃借人の長男が実質的に支配する会社に譲渡された場合について、賃貸人に対する背信行為と認められない特段の事情があるとして解除が認められなかった事例
増改築禁止特約のある借地契約において、信頼関係を破壊するおそれがあるとして解除が認められた事例
借地人の3か月分の賃料不払を理由に、借地上の建物の競落人に対する賃貸借契約の解除が認められた事例
2年分の賃料不払による賃貸借契約の無催告解除について、無催告でも不合理と認められない事情がないとして解除が認められなかった事例
訴訟上の和解による土地賃貸借契約において、2か月分の賃料不払による賃貸借契約解除について、未だ信頼関係が破壊されていないとして解除が認められなかった事例
土地の固定資産税額を下回る地代の支払は本旨弁済とはいえないとして、賃貸人の無催告解除を認めた事例
マンションの一室の譲受けに伴い土地賃借権も譲り受けた者に対し、前所有者による土地の賃借権譲渡は原告らの承諾を得ないでなされた無断譲渡であるとして、建物収去及び土地明渡請求が認められた事例
借地上の建物が隣接建物に接続され1棟の建物となった場合に、接続により賃借権の一部譲渡又は転貸があったといえ、信頼関係を破壊しない特段の事情もないとして、解除が認められた事例
4か月分の賃料不払による賃貸借契約解除について、借地上の建物の抵当権者が賃貸人に賃料代払の通知をし、賃料代払許可を得て当該賃料を供託した等の事情においては、信頼関係の破壊に至らない特段の事情があるとして解除が認められなかった事例
①借地人が賃貸人から承諾を受けていた割合と異なる割合で借地上の建物を共有させ、借地を無断で転貸したことについて、背信行為と認めるに足りない特段の事情があるとして解除が認められなかった事例
②借地人が同居の親族の離婚に伴う財産分与による借地上の建物共有持分の譲渡を許容し、借地を無断で転貸したことについて、背信行為と認めるに足りない特段の事情があるとして解除が認められなかった事例
賃料不払を理由とする無催告解除特約及び破産・競売を理由とする無催告解除特約に基づく土地賃貸借契約の解除が否定された事例
農地賃貸借契約の解約申入れについて、農地法の定める賃貸借契約解約許可事由に該当しないとして、東京都知事がした農地賃貸借契約解約不許可処分の取消しが認められなかった事例
借地上の建物が個人の借地人から関係する法人に売却され、建物の登記名義が変更されたことが、借地権の無断譲渡に当たるが、背信行為と認めるに足りない特段の事情があるとして、賃貸借契約の解除が認められなかった事例
建築確認を要しない耐震補強工事及び内装変更工事が、土地賃貸借契約の増改築等禁止特約が定める「大修繕」に該当し、賃借人が工事に関して適切な情報提供を行わなかった等の事情の下では、信頼関係が破壊されているとして、賃貸借契約の解除が認められた事例
無断増改築による賃貸借契約解除について、賃貸人に著しい影響を及ぼさず、信頼関係を破壊しないとして、解除が無効とされた事例
無断増改築禁止の特約付きで土地を賃貸した賃貸人が、借地上に本件建物を所有していた借地人に対して、無断で本件建物の増改築をしたとして、賃貸借契約の解除と建物収去土地明渡しを求めた事例
土地の賃貸人が、借地上に建物を所有する借地人に対し、借地人が賃貸借契約に反し書面による承諾なく建物に大修繕又は増改築をしたとして賃貸借契約を解除し、また、建物のコンクリートが耐用年数を経過しており朽廃していることから借地権は消滅したとして、建物収去土地明渡しを求めた事例
建物所有目的の土地の賃貸借契約において、無断で、借地上の建物を増改築することや借地の原形を変えることを禁止する特約がある場合に、屋根の修繕を行ったり、借地上に建物を新築するに当たって杭を打ったりすることは、同特約が禁止する増改築や借地の形状に変更をもたらすものではないとして、賃貸人の解除を無効とした事例
賃貸人の賃貸借契約解除について、越境による用法義務違反を認めながら、信頼関係を破壊するに足りない特段の事情があるとして、解除が無効とされた事例
逆ざや現象が生じている農地賃貸借契約の解約申入れ不許可処分について、適正な離農料を支払う条件が付されることにより農地法18条2項6号(その他正当な事由がある場合)に該当するとして、同処分を違法として取消した事例
①農地の賃借人の行為が、農地法18条2項1号の「賃借人が信義に反した行為をした場合」に該当しないとされた事例
②具体的な離作料の金額を明示しない場合であっても、適正な離作料の支払いを条件とすることで、農地法18条2項6号の「その他正当な理由がある場合」に当たるとして、知事がした農地賃貸借契約の解除又は解約申入れを許可したことは、知事の裁量権の範囲の逸脱又は濫用に当たらないとした事例
地方公共団体の土地賃貸借契約の解除について、地方自治法238条の5第4項の公共の用に供する必要があったとして、解除が有効とされた事例
堅固建物建築禁止の約定違反を理由とする解除につき、解除権の時効消滅を理由に、解除が認められなかった事例
①借地上に建築所有する建物を暴力団の本部事務所として使用させたことが信義則上の用法義務に違反し無催告解除ができるとされた事例
②賃貸借契約の解除権の行使が信義則に反しないとされた事例
③暴力団組長が暴力団の本部事務所である建物を占有使用する者に当たるとされた事例
④建物を占有する暴力団組長に対して不法行為に基づく賃料相当損害金の支払が認められた事例
建物所有目的の土地の賃貸借契約において、賃料不払を理由とした無催告解除(主位的解除)が無効と判断され、賃料の受領拒絶が認定されたことにより弁済の提供が不要とされたことで、本訴訟提起後になされた予備的解除も無効と判断された事例
第5章 借地権の対抗力
借地上の建物の所在地番が誤って表示された登記に、土地賃借権の対抗力が認められた事例
借地上の建物が焼失し、借地人がした借地借家法10条2項における掲示も撤去された場合、掲示撤去後に同借地を取得した者に対して借地権を対抗することはできないとされた事例
借地権の対抗力はその後に土地が分筆されたことによって影響を受けることはないとして、競売で借地を取得した新所有者に対する借地借家法10条の対抗力を認めた事例
登記上の所在地番・床面積と実際が異なる借地上の建物が存在する場合に、借地借家法10条1項に基づく対抗力を認めた事例
土地の賃借権を有する者がその対抗要件を備える前に、当該土地に抵当権が設定されその登記がされた場合、土地の賃借人は、前記登記後に賃借権の時効取得に必要とされる期間、当該土地を継続的に用益したとしても、競売又は公売による買受人に対抗することはできないとした事例
建物所有を目的とする土地の賃貸借契約において賃借人らの賃料不払いがあった事案。未払賃料及び延滞金の供託により滞納はないこと、賃借人が解除の意思表示の受領能力を欠いていたこと等の賃借人らの主張を退け、土地収去及び賃料及び損害金支払の義務を賃借人等に認めた上、賃料及び賃料相当損害金の支払義務は、建物の敷地として一体的に利用される土地の賃貸という不可分給付の対価であるから、性質上の不可分債務であることを判示した
第6章 地代の増減請求
賃貸人の増額請求に対し、賃借人が賃料減額の意思表示をしたうえで従前賃料よりも減額した賃料を支払い続けたことは債務の本旨に従った履行に当たらないとして賃貸人がした解除が認められた事例
賃料増額請求において、複数の賃料鑑定が存在する場合に裁判所において賃料を算定した事例
公租公課の3倍相当額の12分の5とする一種の地代自動改定特約が不相当とはいえず、この特約に従った地代が前年の3倍弱となった場合でもなお有効であるとされた事例
路線価の増減率に応じた自動改定特約に基づく増額賃料が不合理な額ではないとされた事例
路線価に連動させる賃料改定方法が、著しい地価高騰という異常な状況下においては、原告らの合理的な意思に合致せず信義衡平の原則に反するとして、改定特約に基づく増額賃料請求を否定した事例
土地の価格が著しく高騰している状況において諸事情を総合して相当賃料を算定した事例
地価高騰時における相当賃料について、差額配分法、純賃料割合法、スライド法の各種方式を比較調整して算定した事例
適正賃料の争いが裁判で確定する以前に、賃借人が従前賃料を下回らない主観的に相当と認める額の賃料を支払っていた場合に、賃料債務の不履行はないとして、解除の効力を否定した事例
賃料自動改定特約が有効とされ、その算定どおりの賃料額が認定されたが、増額賃料不払を理由とする賃貸借契約解除については信頼関係を破壊するに至らない特段の事情があるとして無効とされた事例
賃借人が自らの支払額について公租公課等を下回ることを知っていたときには、特段の事情のない限り、債務の本旨に従った履行とはいえないとした事例
地代相当額の算定に当たり、他の算定方法が適切でないとして、スライド法により相当賃料を算定した事例
固定資産税が急激に増額されている時期でも、地代を固定資産税等の2.4倍とする自動改定特約は合理性を失っておらず有効と判断された事例
固定資産評価額に連動して地代が増額する旨の特約が、3年間で固定資産評価額が693%上昇した状況下で、事情変更の原則により無効とされた事例
交渉過程で賃貸人が提案した地代、及び訴訟提起後の調停において合意した地代を前提に相当地代額が算定されるべきであるとする賃借人(控訴人)の主張が排斥された事例
土地の賃貸借契約において、対象となる土地の毎年の公租公課の合計額の4倍の金額を1年間の賃料と定め、これを12で割った金額を月額賃料額とするとの約定が定められた場合において、その約定の有効性が認められた事例
収益目的の建物が建てられている土地の地代について、固定資産評価額の上昇をそのまま賃借人に転嫁することは許されず、当該建物の賃料収入から経費を差し引いた収益を、建物の投下資本に対する報酬及び建物賃貸営業に対する報酬を賃借人に、土地に対する投下資本に対する報酬を賃貸人にそれぞれ分配するものとして算定するとされた事例
相当賃料と現在の賃料との差額が8500円、率にしてわずか0.42%であり、前回の賃料改定から約3年しか経過しておらず、その間に公租公課又は地価の上昇も見られないという事実関係の下で、賃料増額請求が認められなかった事例
相当賃料額は土地残余法により算出すべきであり、その基礎となる地上建物の賃料収入額を土地賃借人が開示しなければ、相当賃料額が現在の地代を下回っていることを説得力をもって証することはできないとして、地上建物の賃料収入額を開示しなかった土地賃借人による賃料減額請求を認めなかった事例
①差額配分法、②利回り法、③スライド法、④賃貸事例比較法のうち、②利回り法は信頼性に欠けるとして採用しなかった鑑定結果が相当なものであるとされ、また、更新料については地代に影響すべき要素とはいえないとされた事例
地代等自動改定特約について、改定基準を定めるに当たって基礎とされた事情が失われたことにより、同特約によって地代等の額を定めることが借地借家法11条1項の趣旨に照らし不相当なものとなった場合には、同特約に拘束されず、同条項に基づく地代等減額請求権を行使できるとされた事例
相当賃料額を検討するに際して、権利金の授受がないことを事情として勘案した上で、現行賃料の1割減が相当であるとする鑑定結果及び公租公課の額を勘案して、現行賃料の2割減を相当とした事例
①差額配分法と②スライド法との関係では1対1の割合により、(A)公租公課の住宅軽減措置について軽減措置を受けた税額を所与とするもの(実額税額)と(B)同軽減措置を受けない非住宅としての税額に鑑定時までの下落率を乗じた税額を適用したもの(税額調整)との関係では2対1の割合により加重平均した鑑定結果に基づいて相当賃料額を算定した事例
賃料を減額しない旨の特約がある場合に、賃借人が借地借家法11条1項に基づいて賃料の減額を請求することができるとされた事例
差額配分法及びスライド法を併用した上、調整を行う方法をとった鑑定結果が合理的であるとして、鑑定評価額に基づく賃料を相当賃料として認定した事例
鑑定評価書に記載された、差額配分法、利回り法、スライド法、公租公課倍率法、平均的活用利子率、地代事例に基づいた試算賃料を列挙し、その平均値をもって相当賃料額であるとした事例
差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法及び収益還元価格を求めるうえで必要な適正な地代を算出する方法を用いて算出した金額の中間値を相当賃料額とした事例
テーマパーク事業のための使用を目的とする土地の賃貸借契約において、鑑定結果の他、賃料の合意に至る経緯を考慮して、賃料の一部増額が認容された事例
土地の賃貸人が賃借人に対し、賃料増額請求権を行使したところ、裁判所採用の不動産鑑定士による差額配分法及びスライド法により算出された各月額賃料の中庸値による鑑定評価額を、十分合理的なものとして採用し、本件土地の相当賃料額を認定した事例
テーマパーク事業のための使用を目的とする土地の賃貸借契約について、借地借家法11条1項所定の増額事由を認め、借地の適正継続賃料を算定した事例
裁判所採用の不動産鑑定士が算出した賃料の評価額について、詳細な検討を加えて、私的鑑定による考えも取り入れた上で、差額配分法、利回り法、スライド法による各種試算賃料を算定の上、適正賃料を算定した事例
土地の賃貸借における地代自動改定特約のある事案で、同特約を定めるに当たって基礎となっていた事情は失われておらず、また、同特約によって賃料の額を定めることが不相当なものとなったともいえないとして、同特約の有効性を認め、地代増額請求を棄却した事例
固定資産評価額は上昇しているものの路線価と基準地価は下落している土地について、期待利回りや平均的活用利子率による算定を採用せず、固定資産税額の上昇幅を一部考慮して、地代増額請求を一部認めた事例
錯誤無効・民法565条に基づく賃料減額主張を認めず、差額配分法0.5、利回り法0.2、スライド法0.3の方法で算定した鑑定賃料額を相当とした事例
更新料の授受が交渉の結果なされなかったことも相当賃料額の算定で考慮された事例
土地賃借人が賃貸人との間で合意した賃料の増額について、合意は錯誤により無効であるとして、増額分の返還が認められた事例
原告、被告双方がそれぞれ提出した各不動産鑑定書を比較し適正賃料として相当な額を認定した事例
第7章 建物の買取請求
建物収去土地明渡しを命ずる判決確定後に、建物買取請求を行い請求異議の申立てをした事案において、土地明渡しを命ずる部分の執行力が建物退去による土地明渡しを超える限度において失効したとされた事例
建物収去土地明渡しを命ずる判決確定後に、建物買取請求を行い請求異議の申立てをした事案において、建物買取請求権行使の効果を異議の事由として主張することができるとされた事例
建物収去土地明渡請求認容判決が確定した後に行使された建物買取請求権の行使が権利の濫用として認められなかった事例
土地賃借権の無断譲受人が地上建物に増改築をしたとして、建物買取請求権の行使が認められなかった事例
借地契約の更新拒絶に正当事由があり、借地人が建物買取請求権を行使したところ、老朽化して市場価格が認められない建物について、建物の存在する場所的利益を加算した価額での買取請求が認められた事例
第8章 借地条件の変更
第1節 期間満了間近
土地賃借権の存続期間が残り3年の時点で申し立てられた、借地条件を非堅固な建物所有から、堅固な建物所有に変更する申立てが棄却された事例
期間満了が近い借地権について、借地条件を堅固な建物所有目的に変更する申立ての認容には、契約更新見込みの確実性、及び、現時点における申立ての認容について緊急の必要性があることが必要であるとされた事例
第2節 その他
賃貸借の目的は、当事者間の明示の合意があるなどの事情がある場合にはこれに従い、賃借人が土地上の非堅固な建物を、堅固な建物に建て替えなかったとの事情がある場合においても、これをもって賃貸借の目的が非堅固な建物の所有目的に変更されたものとは認められないとされた事例
土地賃貸人が借地上の非堅固建物を堅固建物に建て替えたことに対し、賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったなどの事情を考慮して、賃貸借の目的を堅固建物所有目的に変更する黙示の合意が認められた事例
①堅固建物所有目的への借地条件変更を認めた裁判において、申立人に命じられた財産上の給付の金額を算定するに当たって前提とされた建築予定建物と、規模、構造、用途等が大きく異なる建物を建築することは許されないとされた事例
②いわゆる跨り建物を建築することを考慮せずに堅固建物所有目的への借地条件変更を認めた裁判に基づいて、その建築をすることは許されないとされた事例
建物所有目的で賃貸された土地が2筆に分筆され、1筆が賃借人の所有地となり、借地契約が更新された他の1筆には駐車設備しかなかったとしても、駐車設備は所有地にある建物と一体をなしているとして、賃借権の目的が建物所有であると認められた事例
「鉄筋を含む建物の新築を承諾する」旨の特約がある土地賃貸借契約について、堅固建物を所有する目的ではないと判断された事例
借地条件変更承諾料について、更地価格の6%が相当とされた事例(借地非訟事件)
第9章 譲渡・転貸
第1節 譲渡承諾の有無
最低競売価格が3回にわたって減価された建物について建物買取請求権が行使された場合の買取価格について、当初の評価額とされた事例
建物所有を目的とする土地賃貸借契約について、賃借人が将来借地権を譲渡する場合は、賃貸人は借地権の譲渡を承諾すると共に賃貸人の所有する底地を譲渡することに同意する旨の合意が第三者のためにする契約に当たり有効性が認められた事例
第2節 譲渡許可申立ての適法性
建物所有者ではない土地賃借人兼土地転貸人による賃借権譲渡許可申立てが、建物所有者である土地転借人による転借権譲渡許可申立てと共同で申し立てられたことにより適法であるとされた事例
借地上の建物が今後短期間に朽廃の状態に到達する可能性が高いことから、借地権譲渡許可申立てを棄却した事例
借地借家法20条の類推適用により、区分所有法63条4項に基づく売渡請求権による敷地利用権である賃借権の移転において、譲渡許可の申立てが適法とされた事例
賃貸借の目的である土地と土地賃借人所有の土地に跨って建築された土地賃借人所有の建物(いわゆる跨り建物)を土地賃借人が第三者に譲渡しようとする場合において、土地賃借人が土地賃借権譲渡の承諾に代わる許可を求める申立てをしたところ、土地賃貸人が自ら建物及び土地賃借権を譲り受ける旨の申立てをしたが、これを不適法として認めなかった事例
賃貸借の目的である土地とその隣接土地に跨って建築された建物(いわゆる跨り建物)を第三者が競売により買い受けた場合において、第三者が土地賃借権譲渡の承諾に代わる許可を求める申立てをしたところ、土地賃貸人が自ら建物、土地の賃借権及び隣接土地の賃借権を譲り受ける旨の申立てをしたが、これを不適法として認めなかった事例
本件土地の賃借人が、借地権を譲受予定者に譲渡することについて、借地借家法19条1項に基づく賃貸人の承諾に代わる許可を求める申立てをした(第1事件)のに対し、本件土地の賃貸人が、同条3項に基づいて本件建物及び本件借地権の譲渡を受けることを求める申立てをした(第2事件)事例
借地条件変更及び賃借権譲渡承諾料等の支払義務を定めた調停に代わる決定に基づく強制執行について、同決定の解除を認めず、同決定には借地借家法59条の類推適用は認められないとして、強制執行の不許が認められなかった事例
第3節 競売と譲渡許可
借地借家法20条1項後段の付随的裁判として、相当な額の敷金を差し入れるべき旨を定め、第三者に対してその交付を命ずることができるとされた事例
競売手続において借地権建物を競落した者が、借地権譲渡につき土地賃貸人の承諾を得ず、借地権譲受許可申立てもしなかった場合において、土地賃貸借契約の解除が認められた事例
第10章 使用貸借
第1節 契約の成立
親が所有する土地上の建物を子が所有し子とその配偶者が建物に居住していたが、子が死亡した場合において、親と子との間のみならず親と子の配偶者との間でも黙示の使用貸借契約が成立したことを認め、建物収去土地明渡しを否定した事例
駐車場として賃貸されている土地の所有者がその子らに対して当該土地を無償で使用収益させる旨の使用貸借契約の成立が認められ、当該土地の駐車場収入が、所得税法上、当該土地使用借人に帰属するとされた事例
第2節 契約の終了
建物所有目的で使用貸借されている土地の貸主の相続人から土地を譲り受けた買主が、借主に対して提起した建物収去土地明渡請求は、権利濫用であるとした事例
①土地の借主が貸主に対し対象土地に賦課される税金額相当の金員を地代として支払うことを内容とする土地利用契約が土地使用貸借契約に当たると判断された事例
②借主による地代支払を内容とする土地使用貸借契約につき、借主の地代未払を理由とする貸主の解除は認められないとした事例
③普通建物所有を目的とする土地使用貸借契約に基づき建築された建物が存続し、それに借主が居住している場合において、契約締結から約38年が経過してもなお「使用及び収益をするのに足りる期間」は経過していないと判断された事例
親と娘婿との間での建物所有を目的とする土地使用貸借契約につき、当事者双方の言動が原因となって、契約の目的の到達は不能となったか又はその基礎若しくは前提となった当事者間の信頼関係はすでに破壊されたなどとして、民法597条2項ただし書を類推適用し、親による解約を認めた事例
建物所有を目的とする土地使用貸借契約に基づき建築された建物が存続し、それに借主が死亡したものの借主の相続人が居住している場合において、民法599条の適用による契約の終了を否定しつつ、貸主の自己使用の必要性等を考慮した上で、「使用及び収益をするのに足りる期間」の経過を理由とする解約の申入れにより契約が終了したことを認めた事例
①土地の使用貸借契約について、借主が当該土地を一時使用かつ簡易で除去が容易な建物の所有を目的として第三者に賃貸していた等の事情を考慮し、土地の使用貸借契約は建物所有を目的とするものではないと認定した上で、契約の目的に従って使用及び収益をするのに足りる期間の経過を認めた事例
②土地の公租公課が土地の使用貸借契約において借主が負担すべき通常の必要費に当たるとした事例
親子間の土地の使用貸借契約について、借主である子が貸主である親の扶養、監護を放棄したため、親子間の信頼関係が完全に破壊されたとして、民法597条2項ただし書を類推適用し、親による解約を認めた事例
建物の賃借人が、建物に隣接する建物賃貸人所有の土地上に営業用建物を建築し土地を使用している場合において、土地について黙示的な使用貸借契約の成立を認めた上で、土地使用貸借契約における使用及び収益をするのに足りる期間は経過していないとした事例
パチンコの景品交換所として使用するための建物の建築・所有を目的とした土地使用貸借契約につき、パチンコ店の営業廃止により、目的に従った使用及び収益を終えたものと判断された事例
親族間の土地の使用貸借契約について、借主が貸主の老後の面倒をみることを条件とした契約であるとは認められないとして、貸主による解除が否定された事例
普通建物所有を目的とする土地使用貸借契約に基づき建築された建物が存続し、借主が居住している場合において、貸主による「使用及び収益をするのに足りる期間」の経過を理由とする解約及び借主の背信行為を理由とする解約をいずれも否定した事例
土地の使用貸借契約において、契約締結時に既に存在していた信頼関係破壊事情が、使用開始後に判明した場合に民法597条2項ただし書類推適用に基づく解約が認められた事例
娘とその夫を借地人とする土地の使用貸借において、娘が死亡し、借地上の建物が築40年以上を経過したことが、使用収益期間満了の理由とはならないとされた事例
土地を所有する姉が、40年以上無償で本件土地上に建物を所有して本件土地を占有していた弟らに対して、建物の収去及び土地の明渡しを求めた事案で、使用貸借契約期間の終了を理由として、姉の請求が認められた事例
①親族間の土地使用貸借において、借主の死亡による民法599条に基づく使用貸借の終了が否定された事例
②当事者の信頼関係破壊を理由に民法597条2項ただし書の類推適用により使用貸借の解約が認められた事例
建物所有目的の土地の使用貸借について、土地所有者(貸主)が、土地上の建物のために借主が負担したローン残高相当額を支払うことと引換えに、土地の使用及び収益をするのに足りる期間を経過したとして、使用貸借の終了を認めた事例
第11章 その他
建物所有を目的とする土地賃貸借契約の存在を確認するとともに期間満了時の土地返還を約した裁判上の和解について、借地法11条により、期間満了時の土地返還を約する条項が無効とされた事例
賃貸土地の所有者がその土地の所有権と共に賃貸人たる地位を第三者に譲渡した場合において、賃借人が異議を述べたという事情だけでは、賃貸人たる地位の移転を阻止することができないと判断された事例
借地権とその目的たる土地所有権が同一人に帰属したときでも、当該借地権が他の者との準共有の対象とされている場合には、当該借地権は混同の例外として消滅しないとされた事例
借地上の建物の抵当権者が、地代不払等の借地権の消滅・変更を来すおそれのある事実が生じた場合には抵当権者に通知する旨の書面を差し入れていた土地賃貸人に対し、同通知義務違反による損害賠償を請求した事案において、抵当権者の請求が2割の過失相殺の上認められた事例
狭小変形地を強制競売により取得して所有権移転登記を了した土地取得者が、同土地の賃借権を時効取得していた借地人との関係で背信的悪意者であると認定され、土地取得者による建物収去土地明渡請求が棄却された事例
土地の賃貸人が、借地上の建物の根抵当権者に対し、土地の賃借人の地代不払等が生じた場合には根抵当権者に通知する旨の念書を差し入れていた場合において、土地の賃貸人が根抵当権者に対する通知をせずに土地賃貸借契約を解除し借地上の建物を収去したことについて、根抵当権者の土地賃貸人に対する損害賠償請求を認めた事例
土地賃借人が、自己の賃借権割合の確認を求めた訴えにつき、訴えの利益はないと判示された事例
農地の賃貸借契約の解除、解約申入れに関し、処分行政庁がした不許可処分について、農地法18条2項6号所定の許可事由があるとして、取り消した事例
期限到来前に賃借人が死亡したときは契約が終了する旨の約定のある借地契約について、当該約定は借地法11条に該当せず、賃借人の死亡により賃貸借契約が終了したとされた事例
土地建物の所有者が、東京都収用委員会の裁決による損失補償額を不服として提起した訴訟において、原審が認容した家賃の減収分に係る補償額の増額変更が控訴審で減額された事例
借地権負担付きの土地を購入者が、義理の親が所有する借地上の建物の取り壊し後、義理の親が居住できる部分を設けたアパートを新築した場合において、義理の親の借地権は放棄されておらず存続しているとした事例
①土地賃借人が、債権者代位の転用により土地所有者である賃貸人の所有権に基づく返還請求権を行使した後、土地所有者が所有権に基づく返還請求権を行使して独立当事者参加を申し出た場合に共同訴訟参加を認め、
②上記①において共同訴訟参加した土地所有者の請求を認容し、債権者代位権を行使した土地賃借人の訴えを却下し、
③建物請負契約の請負人による敷地の留置も一般に認められるとした上で、下請負人の注文主に対する留置権を制限した事例
借地権が設定された土地について、将来無償にて土地を返還するとの合意があるのだから、所有者から借地人に対し、経済的利益は何ら移転していないとして、当該土地にかかる相続税法22条所定の「価額」としては自用地としての価額の80%相当額を下回るものではないとされた事例
地方自治体が、土地を賃貸した事業者に対し、当該賃貸借が地方自治法237条2項の「適正な対価」によらないもので、議会の承認を得ていないのであるから無効であるとして、平成2年契約及び平成29年契約の賃貸期間中について、適正賃料額と既払賃料との差額を損害賠償請求あるいは不当利得として、その返還を求めたものの、「適正な対価」に当たらないとはいえないとして請求を棄却した事例
新東京国際空港公団(空港公団)の一切の権利義務を承継したX(成田国際空港株式会社)とAとの間で締結された本件土地(農地)の売買契約が農地法3条1項及び5条1項に違反しないと判断された事例
借 家 編
第1章 借地借家法(借家法)の適用
第1節 適用の有無
店舗使用を伴うパンの製造販売委託契約について、借家法の適用があると判断した事例
ゴルフ練習場の用地、建物施設の賃貸借契約が建物の賃貸借に当たらないため旧借家法の適用がなく、賃貸期間の満了によって終了するとされた事例
JR駅構内の店舗の賃貸借契約について、店舗が借地借家法の適用のある建物に当たらないとして、同法の適用を否定した事例
いわゆるサブリース契約に借家法1条ノ2が適用され、契約更新拒絶の正当事由がないとされた事例
サブリース契約に基づき賃借人(転貸人)となった者が転借人に対して未払賃料の支払を求めたのに対し、賃貸人と賃借人(転貸人)の間のサブリース契約は、実質的には賃料収受の委託等を内容とする委任契約であり、同契約は解除条件の成就及び解除により効力を失ったとして、原告の請求を棄却した事例
建物の一部を目的とする建物賃貸借契約において、当該賃貸部分に構造上・経済上・利用上の独立性が認められず、借地借家法は適用されないとして、賃貸人の明渡請求が認容された事例
公営住宅の使用関係(公営住宅の借上げ)については、公営住宅法が借地借家法26条1項・28条の適用を排除し、借上げの期間の満了後に更新されないことを予定しているとした事例
第2節 一時使用
建物において焼鳥屋の営業を委託する内容の契約が建物の一時使用を目的とする賃貸借契約と認定された事例
建物賃貸借契約において、種々の事情から一時使用を目的とするものであると認定した事例
建物賃貸借契約において、一時使用を目的としたものと認められるためには、当事者間の合意が立証されただけでは足りず、客観的な事情からも一時使用のためのものであると評価してよいことを基礎づける具体的事実を立証することが必要であるとした事例
転勤している間の4年間のみ賃貸する旨明記して契約した賃貸借契約について、一時使用を目的とするものと認めた事例
都市計画、都市再開発計画の実施により収去されることが予定されている区域内に存在する店舗の賃貸借契約が、一時使用の目的のものではないと判断された事例
具体的な事情を総合考慮して、一時使用目的の建物賃貸借契約ではないと判断した事例
期間が2年間と定められた建物賃貸借契約について、一時使用を目的としたものと認定されなかった事例
売却を予定している物件について、期間を2年間、更新については賃貸人、賃借人双方の協議のうえで行うとされた建物賃貸借が一時使用を目的とするものとされた事例
地方住宅供給公社が賃貸する住宅の使用関係について、借地借家法32条1項の適用があるとされた事例
第2章 敷金・保証金等
建物賃貸借契約が中途解約された場合に、差し入れた保証金のうち償却することができるのは契約が存在した期間に相当する部分に限られるとした事例
店舗の賃貸借に際して交付された保証金について、途中解約の際に返還される保証金額を20%償却する旨の特約が有効とされた事例
①天災、火災等の場合における敷金返還義務免除の特約が、当事者の合理的意思に反し、例文として無効であるとされた事例
②敷引合意の趣旨は、賃借人による債務不履行、修繕費用等の損害を概括的に算定したものであると限定的に解釈し、建物が滅失して修繕する必要がない場合には敷引の適用がないとされた事例
①阪神大震災により全壊した借家が滅失していないと判断された事例
②賃貸借契約が終了した場合に、敷金から一定の額を控除する敷引の合意が有効とされた事例
賃借人が自己都合による解約申入れをしたときには敷金の28%を控除して残額を返還する旨の特約が、阪神大震災により借家が滅失したことをもって契約が終了する場合には適用されないとされた事例
借家契約において定められていた、天災・事変その他の非常の際により賃貸目的物が使用できなくなったときには、賃貸人は賃借人に保証金を返還しないとの特約は無効であるとされた一方、賃貸借契約終了の際に保証金の2割を差し引く旨の敷引特約の適用は認められた事例
建物賃貸借契約に際して、月額賃料の77倍に相当する保証金が交付されていた場合に、賃貸人たる地位が移転しても、特段の合意がなされていない限り、保証金返還債務は承継されないとされた事例
阪神大震災により建物が損傷し賃借人が退去した後、賃貸人により建物が取り壊された場合には、敷引特約により保証金を減額することはできないとされた事例
①阪神大震災により、賃貸目的物である共同住宅が滅失されたと認定された事例
②賃貸借契約が終了する際に保証金の一部を控除する敷引の特約、及び天災事故その他の非常の場合には保証金の返還を要しない旨の不返還の特約が建物滅失の場合には適用されないとされた事例
賃貸借契約終了時に敷金の一部を返還しない旨の敷引特約は、災害により賃借家屋が滅失したことにより賃貸借契約が終了したときは、特段の事情がない限り、適用されないとされた事例
建物賃借人が賃貸人に対して、賃貸借契約継続中にした敷金返還請求権の存在確認訴訟において、確認の利益が認められると判断された事例
保証金の返還時期について、契約書中に、10か年分割払とする約定と賃借物件の明渡完了時とする約定が存在する場合に、明渡完了時とする約定によるべきと判断した事例
競売により建物賃貸借契約における賃貸人たる地位が移転した場合、保証金については、敷金の性質を有する範囲に限り新たな賃貸人は返還債務を承継するとされた事例
建物の賃貸借契約において、契約時に借主が礼金18万円を交付したが、契約には終了時に礼金を返還しない旨の約定が付されていることを理由に、貸主から礼金18万円が返還されなかったことについて、借主が当該約定が消費者契約法10条により無効であるとして返還を求めたが、この約定が消費者契約法10条により無効であるということはできないとされた事例
建物の賃貸借契約において、敷引特約が消費者契約法10条により無効であるとされた事例
建物の賃貸借契約で定められた定額補修費の定めが敷金類似の金銭預託契約であるとし、消費者契約法10条に違反するものではないとされた事例
賃貸借契約後10年未満で契約が終了した場合に敷金から40%差し引くと定められた敷引特約が、消費者契約法10条に反し無効とはいえないとされた事例
居住用建物の賃貸借契約に付された敷引特約は、敷引金の額が高額に過ぎる場合には、賃料が相場に比して大幅に低額であるなどの特段の事情のない限り消費者契約法10条に反して無効となると判示した事例
建物賃貸借契約における敷引特約について、賃借人がこれを明確に認識した上で契約締結に至ったのであれば、敷引金額が高額に過ぎるなどの事情がない限りは消費者契約法10条には該当しないとして、同特約の有効性を認めた事例
民事再生手続開始後、破産手続に移行した賃借人が、建物の定期賃貸借契約が民事再生法49条1項により解除され、同契約に付随する保証金契約に基づき保証金の返還を求めた事案について、同賃貸借契約中の保証金の中途解約償却特約は民事再生法49条1項による法定解除の場合にも適用されるとして、中途解約償却特約に基づく保証金の償却を認めた事例
雑居ビルの一部を賃貸借又は転貸借に基づき賃借している賃借人が賃貸人に対し、賃借人の預託した保証金の額が現状では高額に失するなど事情変更の原則の適用があるとして、賃借人が相当であると主張する減額後の保証金との差額の一部の金員の支払いを求めたが、請求が棄却された事例
民事再生法49条1項による賃借人からの賃貸借契約の解除に当たり、賃貸人が保証金を返還するに際して、中途解約時に保証金の3割を控除して返還する旨の特約に基づいてこれを控除することは認めたが、解約の効力は解約を申し入れた日から6か月の経過をもって発生する旨の特約に基づいて6か月分の賃料等の合計額を保証金から控除することを認めなかった事例
土地建物の賃貸借の際にされた、賃借人の賃貸人に対する建築協力金等償還金と賃料の一部を相殺する旨の合意について、土地建物の所有権等を取得して賃貸人の地位を承継した者にもその効力が及ぶとされた事例
①借地借家法の施行前に締結された建物賃貸借契約において、民法604条1項により短縮された当初合意による存続期間が、借地借家法29条2項の規定により変更されることはないとした事例
②当初契約で合意された期間前に建物賃貸借契約が終了した場合において、契約締結時に交付された保証金の返還請求が信義則に反するとはいえないとされた事例
①建物の滅失又は損傷により契約の継続が不可能になったとはいえないとされた事例
②法定更新の場合に更新料の支払は不要であるとされた事例
③建物の鍵の返還をもって、明渡しが終了したとはいえないとされた事例
建物賃貸借契約の賃貸人に相続が発生した場合、賃借人に対する敷金返還債務は、相続により賃貸人たる地位を承継した者が全て承継すると判断された事例
①本件賃貸借契約の規定から、原告が設置した造作等については、通常損耗を超えるか否かにかかわらず、原告が原状回復義務を負い、原告が設置した造作等以外に係る原状回復に関しては、原告と被告との間で、原告が補修費用を負担する旨の特約が明確に合意された事実はないから、通常の使用に伴う損耗を超える汚損等についてのみ、原告が原状回復義務を負うことになるとし、
②本件賃貸借契約の内容を勘案すると、原状回復工事の費用として相当と認められるものについては被告が現実に支出したか否かにかかわらず原告に請求することができる旨の合意があったと認めるのが相当であるとした事例
第3章 借家契約の更新料
建物賃貸借契約において、更新料支払特約は法定更新された場合には適用されないとした事例
建物賃貸借契約において、更新料支払特約は法定更新の場合にも適用があるとした事例
建物賃貸借契約における更新料の支払合意は、法定更新の場合には適用がないとされた事例
建物賃貸借契約における更新料支払特約の合意は、法定更新の場合も適用があるとされた事例
店舗を目的とする賃貸借契約における更新料支払特約について、法定更新時にも適用があり、その更新料不払いを理由とする債務不履行解除が認められた事例
建物賃貸借契約における更新料支払特約は、法定更新の場合には適用されないとされた事例
建物賃貸借における更新料支払の特約が、法定更新の場合にも適用されるとされた事例
建物賃貸借における更新料支払特約は、法定更新の場合には借地借家法26条、28条、30条の趣旨に反し適用されないとされた事例
建物賃貸借契約における更新料特約が消費者契約法10条により無効であるとされた事例
更新料約定が消費者契約法10条に違反し、無効であるとされた事例
賃貸マンションの更新料特約について、更新料は賃料前払と途中解約時の違約金の性質を有し、消費者契約法10条には反しないとして、賃借人からの更新料返還請求を棄却した事例
更新時に賃料1か月分の更新料を支払うとの更新料条項の内容は、借地借家法26条・28条に違反して無効となると解することはできないとされた事例
建物賃貸借契約における更新料条項について、更新料額が賃料額、更新期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」には当たらず有効であるとした事例
建物賃貸借契約の更新料支払特約が、法定更新には適用されないとされた事例
第4章 正当事由・立退料
月額賃料1万5000円の建物賃貸借契約において、立退料500万円の提供によっても解約申入れに正当事由がないとされた事例
賃貸ビルの建築を理由とする建物賃貸借契約の解約申入れについて、立退料の提供によっても正当事由は認められないとされた事例
借地上の建物の朽廃によって借地権が消滅するおそれがある場合においてなされた借地権の保全措置としての建物賃貸借の解約の申入れについて、立退料700万円の支払を補強条件として正当事由が認められるとされた事例
建物の老朽化と、賃貸人が老齢のために二女を居住させて面倒をみさせることがあること等を理由に解約申入れに正当事由があるとされた事例
原告が主張した立退料相当額の約2倍の金額である700万円を立退料相当額と認定した事例
建物賃貸借契約の更新拒絶において、立退料の提供なしに土地の有効利用を理由とした正当事由が認められた事例
営業用に賃貸された建物賃貸借契約の更新拒絶において、正当事由を補完するための立退料は2億8000万円が相当であると認定された事例
都心の商業地域における賃貸住宅について、事務所に転用する目的でなされた解約申入れに正当事由がないとされた事例
築60年の建替えの必要のある建物賃貸借の解約申入れについて、借家権価格相当の立退料提供によって正当事由を具備するとした事例
銀座6丁目所在の老朽化した建物賃貸借の解約申入れについて、8億円の立退料を補強条件として正当事由を具備するとした事例
当面自己使用の必要性がない賃貸建物について建物の朽廃が著しいことを考慮して立退料の提供による解約の正当事由の補完を認めた事例
東京都文京区本郷所在の建物賃貸借の解約申入れについて、1億円の立退料を補強条件として正当事由を具備するとした事例
部屋(六畳間)の賃貸借において借家法の適用が認められ、立退料30万円を補強条件として正当事由を具備するとした事例
地方国立大学の教授であった者が定年退職により都内の私立大学に勤務するため賃貸建物を自己使用する必要性が生じた場合において、立退料700万円を補強条件として正当事由を具備するとした事例
マンションの老朽化を理由とする賃貸借の解約申入れについて、大修繕が必要の時期にあるとしつつ、老朽化が進んでいないとして正当事由が否定された事例
騒音、塵芥、悪臭等による近隣迷惑を理由とした更新拒絶について正当事由が否定された事例
建物に賃借人がいることを知って買い受けた賃貸人からの自社ビル建築を理由とした解約申入れに正当事由がないとされた事例
新宿の賃貸ビルについて老朽化を理由とした解約申入れをした事案について、立退料2億2500万円を補強条件として正当事由を具備するとした事例
土地所有者、借地人間における訴訟において、立退料と引換えに借地人が建物を収去し明け渡すことを命じた確定判決があることをもって、借地人が建物賃借人との建物賃貸借契約を解約することの正当事由とはならないとされた事例
ビルの一区画の賃貸借について、老朽化による建替えの必要性、他の賃借人が退去済であることなどを理由として、800万円の立退料を補強条件として正当事由の具備を認めた事例
確定判決により認定された立退料の支払請求について、認定された立退料が賃貸人の申出と格段の差があるとして立退料支払義務を否定した事例
JR吉祥寺駅前ビル(専門学校)の一区画の賃貸借契約について、建物の老朽化等による建替えの必要性を理由とした解約申入れが、立退料4000万円の支払を条件に正当事由を具備するとされた事例
高層ビルの建築計画を理由とした建物賃貸借契約の解約申入れが(立退料3000万円の提供の申出)、原告に建築計画の実現能力がないとして正当事由を具備しないとされた事例
再開発及び老朽化を理由としたビルの賃貸借契約の解約申入れが、立退料4200万円の支払を条件に正当事由を具備するとされた事例
建築後70年以上経過した木造建物の一部3.12m2の店舗の賃貸借契約の更新拒絶が、立退補償料654万円の支払を条件に正当事由を具備するとされた事例
会社が倉庫、車庫、事務所、社員宅を兼ねて賃借している建物についての賃貸借契約の解約申入れが、立退料2048万円の支払を条件に正当事由を具備するとされた事例
建物の老朽化による建替えの必要などを理由とした都内一等地の木造2階建1階店舗部分の賃貸借契約の解約申入れが、立退料4000万円の支払を条件に正当事由を具備するとされた事例
都市基盤整備公団が建物の老朽化に伴う建替事業を理由になした建物賃貸借契約の更新拒絶に正当事由があるとされた事例
土地の有効利用、建物の老朽化による建替えの必要性を理由とした共同住宅の賃貸借契約の解約申入れが、借家権価格によらず移転実費及び移転前後の賃料の差額を基礎に算定される立退料の支払を条件に正当事由を具備するとされた事例
家主が自らの債務の返済のためにする店舗兼住宅の賃貸借契約の解約申入れが、借家権価格によらずに、店舗改装工事費の残額、店舗の一定期間の所得、移転実費、移転前後の賃料の差額を基礎に算定される立退料の支払を条件に正当事由を具備するとされた事例
会社経営の健全化のための土地売却の必要性を理由とした建物賃貸借契約の解約申入れが、原告申出の立退料額では低額に過ぎるとして棄却された事例
多額の相続税を納税するために建物を売却する必要があるとしてなした建物賃貸借契約の更新拒絶又は解約申入れが、立退料の支払を条件に正当事由を具備するとされた事例
建物の老朽化及び敷地の有効利用のための建替えの必要性を理由とした建物賃貸借の解約申入れが、立退料400万円の支払を条件に正当事由を具備するとされた事例
賃貸マンションの賃貸人が賃借人に対して、主位的に信頼関係破壊による賃貸借契約の解除を、予備的に正当事由に基づく賃貸借契約の解約申入れを理由として建物の明渡しを求めたところ、信頼関係破壊による解除には理由がないが、立退料70万円の支払いを条件に解約申入れの正当事由を具備するとされた事例
賃貸人たる地位の承継者からの解約申入れについて、6000万円の立退料の提供によって正当事由の補完を認めて請求を認容した事例
サブリース契約に借地借家法28条の適用を肯定した上で、サブリース契約であることが正当事由の有無の判断の重要な考慮要素となるとの原告の主張を排斥した事例
建物の老朽化による建替えを理由とした商業ビルの店舗テナントに対する賃貸借契約の解約申入れが、5000万円の立退料の支払を条件に正当事由を具備するとされた事例
建物賃貸借の解約申入れについて、耐震性に問題がある本件建物を取り壊して分譲用マンションを建築する計画には明渡を求める必要性があるとした上で、立退料の支払を条件に正当事由が認められた事例
建物老朽化による建替えの必要性を理由とする店舗の賃貸借契約にかかる更新拒絶、解約申入れについて、新耐震基準に照らせば耐震性能は十分ではないとしつつ、建物の建替えの必要を直ちに肯定しうる領域に達しているものではないとして正当事由を否定した事例
建築当時は法律上必要な耐震性能を具備していたが、その後の法律の改正等によって耐震基準の厳格化がなされた結果、所要の耐震性能を満たさなくなった集合住宅用建物について、更新拒絶の正当事由が認められた事例
駅周辺地区での再開発計画実現のための建物取壊しの必要性等を正当事由とした建物賃貸借の更新拒絶について、正当事由を補完する金員として立退料の支払を条件に正当事由が認められた事例
老朽化及び耐震性の不足、地震による倒壊の危険性から取壊しの必要性等を正当事由とした建物賃貸借の更新拒絶について、立退料は正当事由の補完にすぎず、そもそも正当事由を基礎づける事実が認められないとして請求が棄却された事例
建物の賃貸人から借地借家法27条1項に基づく解約を申し入れたが、当事者の公平の観点から立退料として賃料の6か月分の支払をもって解約申入れに正当の事由があるとして明渡しを認容した事例
建物賃貸借の解約の申入れについて、ビルを取り壊して再開発を行う計画を有していること、ビルのテナントの多くが賃貸人の要請で退去していること等を理由に、適正な立退料提供によって正当事由を具備するとした事例
地域再開発計画の円滑な遂行のための建物賃貸借解約の申入れにつき、賃貸人の地位を喪失した原告の請求を棄却しつつ、参加人(賃貸人による解約申入れ後に賃貸人の地位を取得)が、賃借人に対して、相当な立退料を支払うことにより、解約申入れには正当事由が具備されるとした事例
建築後79年を経過した木造賃貸建物の所有権を不動産業者が取得し、取得後間もなく賃貸借契約の解約申入れをし、賃借人に建物の明渡しを求めたところ、解約申入れの正当事由が否定された事例
ビルの老朽化、解体・再開発を理由とした解約申入れによる賃貸借契約の終了を原因とする建物明渡請求について、相当な立退料が提供されることで正当事由が具備されるとして立退料の支払を条件に正当事由が認められた事例
サブリース契約にも借地借家法28条が適用されるとして、老後の資金を確保するために本件建物を賃借権の負担のない状態で売却したいという賃貸人側の事情と、サブリース業を継続したいという賃借人側の事情を比較し、立退料50万円の支払と引換えに、転借人に対する指図による占有移転の意思表示を命じた事例
ビルの老朽化、建替・再開発等を理由とする解約申入れによる賃貸借契約の終了を原因とする建物明渡請求について、解約条項に定める「止むを得ぬ事情」の有無は相当程度厳格に判断すべきとした上で、解約申入れに要求される正当事由に加えて、期間満了までの本件貸室使用の期待を不当に害しないといえるだけの立退料が提供されることで「止むを得ぬ事情」が認められるとして、立退料1億7000万円の支払を条件に明渡しが命じられた事例
建物の賃貸人が、貸借人らに対して、建物が耐震基準を満たさない構造で倒壊の危険があり、建替えの必要があることを理由として行った解約申入れ又は更新拒絶について、正当事由が認められないと判断した事例
賃貸人が賃借人に対し、主位的に債務不履行解除による賃貸借契約の終了に基づき、予備的に期間満了による賃貸借契約の終了に基づき立退料を提示したうえでの本件建物の明渡しを求めた事案で、不動産鑑定士による立退料の鑑定評価等を考慮し、賃貸借契約の解約申入れの正当事由が補完されるとして予備的請求を一部認容した事例
耐震性能が確保されておらず取り壊して建替えを行う必要があるとして解約申入れをして正当事由を主張した原告に対し、相当額の立退料を提示したとしても解約申入れの正当事由は認められないとして請求が棄却された事例
築後50年以上経過した木造建物中の一室の賃貸借契約についての解約申入れが、立退料100万円の支払を条件に正当事由を具備するとされた事例
賃貸借契約の対象である建物について、耐震性能が低いため、取り壊して安全を確保する高度の必要性があることを理由とした賃貸人の更新拒絶に関して、正当事由が認められると判断した事例
築50年以上のビルの1階と4階を賃借している賃借人に対する明渡請求について、賃借人に同ビルで営業を続ける一定の必要性があることを認めつつ、耐震補強工事には合理性がないこと、賃貸人において本件建物を含む4棟の建物を解体して新しい建物を建築する事業が相当程度具体化していること、賃借人に信頼関係を破壊するとまではいえないが不適切な行為が認められたことをあげ、1階につき2500万円、4階につき250万円の立退料と引換えにこれを認容した事例
神戸市から区分所有建物を賃借している神戸市の外郭団体が、当該建物で文化交流施設を運営するために被告に本件建物を転貸していた場合において、被告による事業資金の調達が進まないなどの理由から公金を投入せざるを得ないなど財務状態が悪化したことに起因して度重なる賃貸料の滞納を生じさせたことから、賃貸借契約の更新拒絶の正当事由が認められるとして、転貸人による賃貸借契約の期間満了に基づく原状回復請求としての建物明渡等の請求を認容した事例
建物は経済的な効用をほぼ果たしており、これを取り壊して土地の有効利用を図ることには十分な合理性があるとして、350万円の立退料の支払と引換えに建物の明渡しを認容した事例
立退料額998万円として明渡しを約した書面の内容について、その金額が相当な立退料額の範囲を逸脱するものとは認められないとし、真実解約の意思を有していると認めるに足りる合理的理由があり、合意を不当とすべき事情はないとして立退料の支払と引換えに建物の明渡しを認容した事例
地下鉄利用者一般の安全性確保と利便性向上を目的とする開発計画、有効利用可能性にも十分に配慮する必要があるとし、原告が仮店舗や移転先となる物件を多数紹介してきた経過や、高額の立退料の支払にも前向きに対応してきた経過から、正当事由は立退料の支払により補完され得るとして、合計5億5700万円の立退料の支払と引き換えに建物の明渡しを認容した事例
適正な立退料が提供されれば正当事由は具備されるとして、400万円の立退料の支払と引き換えに建物の明渡しを認容した事例
賃貸物件が事務所として利用され、賃借人の業務の性質上近隣の賃借物件と一体利用する必要があるという事情がある場合において、家賃の差額補償、移転関係費用、営業補償の合計4055万円の立退料の支払いと引換えに建物の明渡しを認容した事例
建物の老朽化、耐震性を理由に300万円の立退料の提示をもってした解約申入れに正当事由が認められないとされた事例
賃貸人による建物の建替え及び賃借人による建物の使用のどちらの必要性も相当高いとした上で、相当な立退料の支払により更新拒絶の正当事由が補完されるとして、3000万円の支払と引換えに建物の明渡しを認容した事例
大地震時に重大な被害を受ける可能性がある築58年の老朽化建物について、諸般の事情を総合考慮した結果、物理的耐用年数が完全に経過する前に明け渡すことによる経済的損失を考慮しても、適正な立退料が提供されれば正当事由があると認めた事例
財産的給付として100万円の立退料が支払われることにより、正当事由が認められるとして建物の明渡しを認容した事例
築50年以上経過した老朽化した建物の賃貸借契約の解約申入れについて、大地震の際に倒壊・崩壊の危険性が高く建物を取り壊して新たな建物を建築することに合理性を認めた上で、借家価格及び通常生じ得る損失に対する補償額を算定の上、総合考慮して立退料を算定した事例
建物の賃貸借契約において、中途解約条項に基づく解約申入れに正当事由は必要か、賃貸人の解約申入れに正当事由があるかどうかが争われた事例
マスターリース契約における更新拒絶について正当事由を認めた原審の判断を維持した事例
賃貸借契約の更新拒絶の正当事由の有無の判断に当たり、周辺建物と一体となって本件建物を建て替える計画が、高度商業地域における土地の高度利用として合理的であることを賃貸人の使用の必要性において考慮した事例
店舗及び事務所用賃貸ビルの建替えについて、所在地域における近年の状況変化及びニーズ並びに建替え後の収益価格の上昇といった営利目的ないし経済的合理性から賃貸人の建物使用の必要性を認めるとともに、賃借人の建物使用の必要性の程度や従前の経過等に照らして、賃貸人による解約申入れに係る正当事由は立退料の支払により補完され得ると認めた事例
築60年のビルの一部の賃貸借契約の更新拒絶が、立退料2133万円の支払により正当事由を具備するとされた事例
本件建物には耐震性に問題があり、原告には建物を建て替えて土地を有効利用する必要性がある一方、蕎麦店を営む被告は他物件に移転して営業を継続することは可能であるとして、立退料を支払うことで解約申入れに正当事由が具備されるとした上、建物明渡しまでの約定損害金の請求を認めた事例
第5章 借家契約の解除
賃貸建物を長年ファッション関係の店舗として使用してきた賃借人が、アイスクリーム店の営業開始を秘して、賃貸人との合意の範囲を大幅に超えて改装を行ったことが、信頼関係を破壊するものとして、契約解除が認められた事例
契約上、マリンスポーツ店の事務所・店舗に使用する目的で賃借した賃借人が、無断改装のうえ、クラブ(飲食店)営業を始めたことが、信頼関係を破壊し、契約解除が認められた事例
法人である賃借人の株式が全部譲渡され、役員が全面的に変更された場合であっても、賃貸建物の使用状況に変更がない等の事情がある場合には、賃借権の無断譲渡には該当しないとされた事例
①賃借人は賃料の支払を延滞することが多かったが、賃貸人が長年賃借人の賃料の延滞を黙認してきたという事情のもとでは、4か月分の賃料不払を理由とする解除は認められないとされた事例
②賃借人の無断増築のほか、賃借人に非常識な対応があり、一連の不誠実な行為を勘案すると背信行為を理由とする解除が有効と認められた事例
賃貸建物を活版印刷の工場から写真印刷のための製版の作業場に変更したことは用法違反になり、増改築特約違反も認められるが、諸般の事情を考慮すると、なお当事者間の信頼関係を破壊しない特段の事情が認められるとされた事例
賃貸建物を週に約20時間第三者に時間貸ししたことが民法612条の転貸に当たるとされ、無断転貸を理由とする賃貸借契約の解除が認められた事例
建築材料等を販売するホームセンター用店舗を賃借した借主が、その敷地上に貸主に無断でプレハブ店舗を建築したこと等により、当事者間の信頼関係が破壊され、契約の解除が認められた事例
①建物賃借権の無断譲渡がなされても、信頼関係を破壊しない特段の事情があると認められた事例
②賃借権の無断譲渡による契約解除が否定された場合でも、賃借権の譲受人から賃貸人に対する賃借権の存在確認請求は認められないとされた事例
中華料理店を営む賃借人が油脂を飛散させ、カーテンウォールを腐食させるなどしたが、賃貸人に対処を求められても改善しなかったこと等が賃貸借契約の約定に違反し、信頼関係を破綻させたとして、契約解除が認められた事例
賃借人が銀行取引停止処分を受け、税金滞納により敷金返還請求権について差押えを受けた場合であっても、信頼関係の破壊を理由とする賃貸借契約の解除は認められないとされた事例
賃借人である会社が、その資本又は役員構成を大幅に変更した場合、賃貸人の承諾を得なければならないという特約がある賃貸借契約において、賃借人の株主及び役員に大幅な変更があり、この約定違反を理由として契約解除が認められた事例
賃貸建物で第三者に牛丼屋の営業をさせたことが転貸に当たるとして、賃貸借契約の解除が認められた事例
賃貸建物の設備に不具合があっても、賃借人の使用収益に及ぼす障害の程度が一部にとどまる場合には、賃借人は、当然には賃料支払義務を一部についても免れないとされた事例
賃借人の無断不在が1か月以上に及ぶ場合は契約は当然解除されるとの特約に基づく賃貸借契約の解除が認められた事例
賃料の減額を請求した賃借人が、賃貸人において相当と認める額を支払わず、自己の主張する賃料額のみを支払い続けた場合、賃料不払を理由とする賃貸借契約の解除が認められるとされた事例
建物の賃借人も転借人も会社であるが、転借人会社の実質的な経営者が現役の暴力団幹部であり、賃借人会社の代表者もこの事実を知っていたとして、発砲事件の現場となったビル一室の賃貸借契約について、信頼関係破壊等を理由に解除を認めた事例
美容院を経営していた賃借人が、第三者に美容院の業務委託契約を結んで事業を行わせていたことが、実質的に見て、賃貸借の無断転貸に当たるとして、賃借人から賃貸人への賃貸借契約確認請求が否定された事例
契約期間12年の転貸目的のビルの賃貸借に関し、約定では正当理由に限定された解約申入れについて、賃料減額の了承が得られなかった借主による解約申入れを正当事由ありとして認める一方で、前記約定は公序良俗に違反しないと判断された事例
事務所目的で賃借したビルの貸室を暴力団事務所として使用したことが背信的行為に当たるとして、賃貸借契約の解除が認められた事例
建物賃借人たる宗教法人関連会社に無断転貸等の契約違反があり、背信行為と認めるに足りない特段の事情も存在しないとして賃貸借契約の無催告解除が認められた事例
共同住宅の1室の賃貸借契約において、賃借人による隣室に対する苦情が共同生活の秩序を乱し、近隣の迷惑となる行為と認められ、約定に基づき解除が認められた事例
建物賃貸借において、賃料の減額請求をした賃借人が、一方的に自己の主張する減額した賃料を支払い続けた場合について、賃料不払による解除を有効とした事例
雑居ビル内の4、5階の賃借人である飲食店の迷惑行為によって、その3階と6階を借りていた賃借人の使用収益が妨げられたとして、3階部分の解除と6階部分の賃料減額を認めた事例
店舗目的でのマンション1階の賃貸借契約において、賃借人が共用部分に事業ゴミを放置し、エアコン室外機の建物外壁への取付けをしたことが、建物の区分所有に関する法律に違反し、賃貸人との信頼関係を破壊したとして、解除が認められた事例
「騒音が受忍限度を明らかに超えたときは賃貸借契約を解除できる」旨の訴訟上の和解を締結した後、賃借人らにおける尋常でない騒音を発生させ、近隣居住者に対し、受忍限度を明らかに超えたものとして、賃貸人から賃借人に対する契約解除の意思表示が有効とされた事例
当事者双方に弁護士が関与してなされた裁判上の和解において、不払賃料額が一定の金額となったときは当然に解除できる旨の約定は、無催告解除の特約を定めたものと解すべきであるが、前記約定においても、信頼関係破壊に至らない特別事情がある場合には、無催告解除を認める趣旨の合意ではないとされた事例
タクシー営業所設置目的で賃貸契約を締結したが、公法上の規制が隠れた瑕疵に当たり、瑕疵担保責任による賃貸借契約の解除が認められた一方で、不動産仲介業者に対する調査義務違反の債務不履行責任を否定した事例
バブル期に差し入れた高額の保証金に関し、賃料・共益費を毎月月末限り保証金返還債務と相殺する方法で支払う旨の建物賃貸人(旧所有者)と賃借人との相殺の合意は、競売により取得した建物新賃貸人(新所有者)に承継されないとして、新賃貸人から賃借人に対してなされた賃料不払による解除を理由として建物明渡請求が認められた事例
建物賃貸借契約において、借主が月額賃料の4か月から5か月分の滞納をし、借主との間で未払の解消を2回にわたって合意しつつも解消できなかった場合に、解除時点で約2か月分の滞納であったとしても、契約解除が有効であるとされた事例
単身者用賃貸住宅に元夫を居住させた賃借人(女性)に対して、契約違反を理由としてなされた解除が有効とされた事例
賃借人が約定賃料の約半額のみ支払う旨通知し、当該金額しか支払わなかったことが、債務不履行に当たり、かつ信頼関係が破壊されたと判断され、弁論終結前に未払賃料及び遅延損害金を支払ったとしても信頼関係破壊の判断に影響を及ぼさないとして賃貸人の契約解除が有効とされた事例
賃借人の賃料不払には賃貸借契約における信頼関係を破壊するとはいえない特別の事情があり、賃貸人の本件契約解除は認められないとされた事例
月額95万円の高級賃貸マンションの賃貸人が、賃借人の賃料不払を理由として解除を主張したが、マンションの各所に不良ないし瑕疵があるとして、賃借人の不払はやむを得ない面があり、未だ当事者間の信頼関係は破壊されておらず、解除は無効とした上で、未払賃料に敷金を充当して請求を棄却した事例
建物賃貸借において、週末の夜間から早朝にかけて音楽イベントやダンスイベントを開催することが用法違反に当たらないとした事例
賃借権の脱法的な無断譲渡の場合に賃貸人が賃貸借契約を解除できる旨の特約がある場合において、建物賃借人たる株式会社の全株式が譲渡され、取締役、商号等が変更されるなどしても解除が認められなかった事例
賃料等の合計額を超える金額を毎月継続的に支払っていた事実等に照らし、更新料を分割で支払う意思で当該超過分を支払っていたと認定された事例
賃料減額交渉過程において生じた賃料不払につき、信頼関係を破壊しない特段の事情が認められなかった事例
賃借物件の無断改築及び無断転貸の主張について、賃貸人の包括的承諾があったとされ、解除が認められなかった事例
近隣迷惑行為の禁止及び信用失墜行為による解除を定めた特約に基づく無催告解除が有効であると認められた事例
マンションの貸室内に大量のゴミを堆積するなどの著しい用法違反・賃借物保存義務違反があるとして、賃貸借契約の解除が認められた事例
①飲食店使用を目的とする建物の賃貸借契約において、賃貸人の賃借人に対する修繕義務違反が認められたものの、同義務違反を理由とする賃借人による賃貸借契約の解除が認められなかった事例
②前記場合であっても、賃借人による契約上の中途「解約」が認められた事例
解散及び差押えを理由とする解除を規定した特約について、借地借家法の趣旨に反し、賃借人に不利なものであるとして無効と判断され、無断改装工事についても無催告解除は許されないとされたが、訴訟提起後に生じた賃料不払による解除が認められた事例
建物賃貸借の賃貸人である原告が、賃借人及び連帯保証人を被告として、賃料不払を理由に賃貸借契約を解除し、賃借人に対し、建物の明渡しと未払賃料及び更新料の支払を求め、連帯保証人に対し、未払賃料及び更新料の支払を求めた事案において、賃料不払による解除を認めたが、法定更新後における更新料の支払義務は認めず、連帯保証人に対する請求については、原告が契約解除をすることが可能なほどの賃料不払が発生した後においても、契約解除や保証人に対する不払状況の連絡等の措置をとらず放置したのであるから、信義則上、連帯保証人の責任は法定更新後2年間が経過するまでの期間に限り認めるべきであるとして残額の請求を棄却した事例
①建物賃貸借契約の貸借人に破産手続開始の申立があったときは賃貸人は契約を解除できるとの条項は、民法旧621条(平成16年法律第76号による改正前)が削除された趣旨及び破産法53条によって破産管財人に双方未履行契約の解除の選択権が与えられた趣旨に反するため、無効であると判断された事例
②「賃貸人又は賃借人は、解約日の6か月前までに相手方に対し書面による通知をすることにより、契約期間内であっても本契約を解約することができる。賃借人は、この通知に代えて賃料の6か月分相当額を支払い即時解約することができる」との規定について、当事者間の合意解除又は破産法53条1項の解除の場合には適用がないとされた事例
賃借人が賃貸人に差し入れた保証金が国税滞納処分により差押えを受けたことを理由とする賃貸借契約の解除が認められなかった事例
賃借人である会社が、会社分割により新設した会社に賃借権を承継させ、同社の株式を第三者に譲渡した事案において、実質的な賃借権の譲渡を禁じた契約条項及び重大な変更に関する通知義務を定めた契約条項に違反するとして契約解除が認められた事例
店舗用建物契約書において、連続3日間を超えて営業を休業した場合には、賃貸人は解除することができる旨の規定がある場合に、前記規定違反による債務不履行解除が認められた事例
有料老人ホームを運営する賃貸人が医療業務提携契約を締結して賃借人から施設入居者に対する医療サービスの提供を受けていたが、賃借人において診療報酬の不正請求があったとして契約の解約を申し入れ、賃貸借の終了の主張が認められた事例
賃借人が入居当初に各所の不具合を主張してから4か月以上も修繕がされなかったこと、賃借人が減額した賃料しか支払わなかったのは専ら賃貸人の修繕義務不履行を原因とするものであること等の事情に照らし、賃借人の賃料一部不払については背信性がないとして賃貸借契約の解除が認められなかった事例
建物賃貸人が、建物賃借人に対し、賃料不払を理由として賃貸借契約を解除し、建物の明渡し等を求めた事案において、賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情が認められるとして、賃貸人の請求を棄却した事例
経済的更生に協力する目的で、債務弁済契約と同時期に締結された建物の賃貸借契約に関し、債務弁済契約の不履行を理由として賃貸借契約を解除することができるとされた事例
建物賃貸借において、賃借人の賃料不払に対し、保証会社が賃料を代位弁済した場合であっても、不払の事実は消長されないとして、賃貸借契約の解除が認められた事例
カイロプラクティックの店舗を目的とする建物賃貸借において、エアコンの不具合で建物内の湿度が高い状態が継続していた期間中(19日間)は、賃貸借契約を締結した目的を達することができなかったとして賃料の支払義務を免れることができるとしても、エアコンを使用できた期間に対応する賃料の支払義務を免れるものがないとして、賃料不払による賃貸借契約の解除が認められた事例
共同住宅の賃借人が賃貸人による漏水調査への協力を拒絶していることが、賃貸人との信頼関係を破壊するとして、賃貸借契約の解除が認められた事例
賃貸マンションの賃借人らの子(6歳)が、マンション内で各種迷惑行為をしたことについて、賃貸借契約の解除の効力を否定しつつ、両親の監督義務者としての損害賠償責任を認めた事例
シェアハウスの専有部分の賃貸借契約について、他の居住者に対する迷惑行為等による信頼関係の破壊を理由とする解除が認められず、逆に、鍵をこじ開けて賃借人専有部分の扉を撤去し、鍵を替える等を行った賃貸人に対する賃借人の損害賠償が認められた事例
千代田区借上型区民住宅の賃貸人と賃借人(転貸人)の間の原賃貸借契約が期間満了により終了することを見越して、転借人に対して将来の給付請求として建物の明渡しを求めることは、不適法として却下された事例
原告の電気量の請求が実際に供給元の東電に支払った電気料金より高いことがあったとしても、著しく乖離するものではなく、相当な範囲のものである以上、その請求する電気料の支払を拒絶することはできないというべきであるとして、電気料金等の未払による契約解除を認めた事例
賃料不払を理由に契約の無催告解除を主張して建物の明渡しを求めた原告に対し、原告の修繕義務違反を理由とする損害賠償請求債権と賃料との一部相殺を認め、未払賃料はあるが背信性は認められないとして無催告解除を認めず請求を棄却した事例
女性美容エステティックを事業内容とする店舗の賃貸借契約について、同店舗における営業は専ら男性を顧客として想定していることが明らかであり、施術が男性顧客の性的興味をあおるような態様で行われる場合もあったことなどからすれば、たとえ賃借人が女性従業員に男性顧客との間で性行為を行うことを許容していなかったとしても、実際の事業内容は美容エステティックとは程遠いものであったとして、用法遵守義務違反による契約解除を認めた事例
契約更新時に賃料1か月分の更新料を支払う旨の約定がある賃貸借契約において、3回ないし4回分の更新料の不払いを理由とする賃貸借契約の解除が認められた事例
①建物賃貸人が無断転貸を理由に賃貸借契約を解除したため、転借人が債権者不確知を理由に行った供託が、供託法9条により無効とはいえないとされた事例
②賃貸人と転貸人の間で原賃貸借契約の解除につき争いがある場合でも、転貸人の転貸借契約に基づく債務が履行不能になったとはいえないとされた事例
転貸可能だが住居使用目的に限定されていた賃貸借契約において、賃貸人の承諾を得ることなく民泊の用に供したことが賃借人の用法遵守義務違反であると認められ、解除が認められた事例
定期賃貸借契約の賃貸人が契約を解除したところ、違約金条項に基づく違約金の請求が信義則違反ないし権利の濫用に当たるとして、違約金の額が3分の1に制限された事例
新型コロナウイルスの感染拡大を理由とする行政からの休業要請や時短営業要請等により、事実上、本件建物の使用及び収益が制限されたことについて、民法611条1項の類推適用又は民法536条1項に基づく賃料減額請求が否定された事例
第三者(暴力団員)の無承認の居住を理由とする市営住宅の賃貸借契約の解除が認められなかった事例
契約書に明記された更新料の不払額が累積し賃料3か月分に及んだ建物の賃貸借契約において、当事者間の信頼関係を破壊するに足りる事情があったとして、契約解除が認められた事例
第6章 賃料の増減請求
第1節 賃料増減
給排気設備の機能障害による快適性の阻害等を考慮し、そのような障害がない場合の2%を減額して相当賃料の算定がされた事例
建物改定賃料の鑑定について、差額配分方式による鑑定に必要な新規賃料の算定方法として積算方式(利回り方式)ではなく、比準法(賃貸事例比較法)を用いた手法に問題があるとして、鑑定結果が採用されなかった事例
地価高騰が著しい東京銀座地区にあるビルの賃料について、比準方式による賃料額とスライド方式による賃料額の平均額をもって、適正賃料と定めるのが相当であるとされた事例
従前の賃料が相当の長期間にわたって据え置かれてきた経過に照らし、賃料増額から1年2ないし3か月しか経過していない時点での再度の賃料増額請求が認められなかった事例
地価高騰が著しい商業地域における建物の適正賃料額の算定に当たり、老朽化が進んでいることや賃借人の利用態様・生活状況等に照らし、差額配分法及び平均利回り法による試算賃料額を加味することは相当でないとされた事例
建物の賃料と共益費について各別の増額請求がされた場合において、賃料と共益費を一体として相当賃料額を算定した事例
建物の賃料増額請求において、スライド法を採用した上で、家賃指数と経済成長率の平均値による修正を加えて相当賃料を算定した事例
建物の賃料増額請求権を行使する上で、賃料改定時から相当の期間が経過していることは、賃料相当性の判断の一つの事情にすぎず、賃料増額請求権行使の要件には当たらないと判示した事例
建物の賃料増額請求において、総合方式を採用した上で、共益費の性質を考慮して相当賃料を算定した事例
過去において地代家賃統制令の適用を受けた建物の賃料増額請求において、借家の平均実際家賃等を斟酌して相当賃料を算定した事例
建物の賃料増額請求において、差額配分法とスライド法を併用して相当賃料を算定した事例
建物の賃料増額請求において、スライド法・賃貸事例比較法・差額配分法を併用して相当賃料を算定した事例
建物の賃料増額請求において、スライド法・差額配分法・賃貸事例比較法を併用して相当賃料を算定した事例
建物の賃料増額請求において、賃貸人が費やした改装工事費用を考慮した上で、差額配分法・利回り法・スライド法を併用して相当賃料を算定した事例
契約の個別性が強い賃貸借契約における建物の相当賃料の算定に当たり、利回り法・スライド法を併用した鑑定結果を採用した事例
建物の賃料増額請求において、相当賃料の算定に当たって考慮すべき一般的基準を示した上で、スライド法・差額配分法・賃貸事例比較法を併用した鑑定結果を採用した事例
建物の賃料増額請求において、異なる二つの鑑定結果の平均値により相当賃料を算定した事例
建物の賃料増額請求において、現行賃料が近隣建物の賃料額に比べて著しく低廉であると認定されながら、賃料の増額を認めなかった事例
質の高い住環境を宣伝して借り手を募集した賃貸マンションの賃料について、マンションの工事に伴う騒音やカビの発生を理由に賃料の減額を認めた事例
建物の賃料を転貸料にスライドして改定する自動改定条項がある場合に、転貸料が減額されたことをもって賃料の減額を認めた事例
建物の賃料につき、12年間は3年ごとに一定割合の増額をする旨の特約を有効な賃料自動定率増額特約と認めた事例
建物の賃料減額請求において、バブル経済による土地価格の変動を考慮に入れて、相当賃料の算定方法を決定した事例
建物の賃料減額請求において、保証金について借地借家法32条の類推適用を認めなかった事例
建物の賃料減額事由があること等をもって、賃料自動増額条項の効力を認めなかった事例
建物賃貸借において、賃料の減額請求をした賃借人が、賃貸人からの従前賃料の支払要求に反し、一方的に従前賃料を下回る賃料額を支払い続けた場合について、賃貸人からの賃料不払による解除の効力を否定した事例
借地借家法32条3項の「賃貸人が相当と認める額」の賃料支払請求権は、賃借人からの賃料減額の意思表示の到達時に当然に発生する権利であり、その金額は、特段の事情のない限り従前の賃料額と同額であるとされた事例
借地借家法32条3項の「相当と認める額」は、社会通念上著しく合理性を欠くものでない限り、賃貸人が主観的に相当と判断した額をいうとされた事例
家賃の自動増額改定特約について、同特約を、ただし書に該当するような事情の変更があった場合には自動改定は排除されるものと解釈して、借地借家法32条1項に従って適正賃料額をもって増額賃料とした事例
建物賃貸借契約において、賃料を3年ごとに15%増額する旨の賃料自動改定特約について、事情変更の原則により失効したものとは認められず、賃借人が賃料減額請求をすることができないとされた事例
建物賃料減額請求において、継続実質賃料から更に保証金、敷金の運用益をそのまま控除することは合理性がないとして、継続実質賃料から保証金、敷金の運用益を控除して適正賃料とした鑑定結果を採用せず、請求を棄却した事例
建物賃料増減額請求について、裁判所、賃貸人及び賃借人の三者の鑑定意見の内容の合理性を検討した上、裁判所鑑定を採用して適正賃料及び共益費を認定した事例
建物賃料減額請求訴訟において訴訟上の和解をした賃借人が、その5か月後に再び賃料減額請求をすることが当事者の信義則に反し、権利濫用に当たるとして賃借人の請求を棄却した事例
賃借人の指定する仕様により賃貸人が建物を建築してする賃貸借(オーダーリースあるいはオーダーメイド賃貸)において、賃料の減額を制限する約定について、借地借家法32条の趣旨に反しないとして、約定の効力が認められた事例
賃料増額改定特約の付されたオーダーメイド賃貸の場合に、通常の建物賃貸借と異なるものではないとして、賃料減額請求の当否を判断するに当たっては借地借家法32条所定の事情を総合的に考慮すべきとした事例
建物賃料減額請求について、合意賃料が正常実質賃料を上回っている場合には、原則として、正常実質賃料を基準として継続賃料を決定すべきという鑑定書の判断を採用できないとした上で、賃借人の賃料減額請求に基づく差額賃料の返還請求を一部認容した事例
賃料自動増額特約がある建物賃貸借契約において、借地借家法32条1項の規定に基づく賃料減額請求の当否及び相当賃料額を判断するに当たっては、賃貸借契約の当事者が現実に合意した賃料のうち直近のものを基にして、同賃料が合意された日以降の同項所定の経済事情の変動等のほか、諸般の事情を総合的に考慮すべきであるとした事例
建物の賃料増額請求において、スライド法・賃貸事例比較法・差額配分法・利回り法を併用して相当賃料を算定した事例
建物の賃料増額請求において、差額配分法・スライド法・利回り法を併用した上でスライド法による価格を重視して相当賃料を算定した事例
建物の賃料増額請求において、差額配分法・スライド法・賃貸事例比較法を併用して相当賃料を算定した事例
建物の賃料及び管理費減額請求において、差額配分法・スライド法・利回り法を併用して賃料の減額を認めず、管理費についても実質賃料に当たらないとして減額を認めなかった事例
建物の所有者兼賃貸人が、賃借人に対し、賃料が増額されたことの確認を求めた事案において、鑑定内容に特段不合理な点はないとして、賃貸人及び賃借人の、鑑定評価額及び意見書に対する各反論をいずれも排除して、原告の請求を一部容認した事例
賃料増額請求の一部認容判決が確定する前に支払われた相当賃料額を超える過払金に関し、賃貸人はその利息を返還すべきであるが、利率について借地借家法32条2項及び3項は類推適用されず、民法704条が適用されるとされた事例
建物の賃料減額・増額の各請求がなされた場合において、差額配分法を重視した鑑定結果を採用して相当賃料を算定した事例
鑑定人による鑑定を実施せず、原告と被告の双方の鑑定意見書を勘案して、総合方式により相当賃料を算定した事例
借地借家法32条1項の規定に基づく賃料増減額請求により増減された賃料額の確認を求める訴訟の確定判決の既判力は、特段の事情のない限り、前提である賃料増減額請求の効果が生じた時点の賃料額に係る判断について生ずると判断した事例
賃料自動増額特約がある建物賃貸借において、借地借家法32条1項本文所定の事由及び当事者が賃料額決定の要素とした事情など当事者間の具体的な諸事情を総合的に考慮して、賃料減額請求を否定した事例
建物の賃貸人が、旧建物の賃借人の協力により立ち退いてもらう対価として新建物の賃料を相場よりも低額としたという特殊事情によって、現行賃料が近隣賃料と比較して相当低額となっていたところ、賃貸借契約締結から約30年経過していることに照らし、賃料増額請求時点で当該特殊事情は消滅していたとして賃料の増額請求を認めつつ、賃料については、差額配分法及びスライド法による試算賃料の中庸値が相当であるとした事例
土地・建物の賃借人が、当該建物の建築工事費等を負担したことを賃料算定における特別の負担として考慮することは相当でないとし、区画整理事業については、適正賃料額を算定する際の一事情として考慮すべきであり、それのみを取り出して、賃料算定の際に特別事情として考慮することはできないとした上で、差額配分法を重視し、スライド法及び利回り法による試算賃料も比較考量して算定された適正賃料額を認定した事例
土地の賃料減額請求において、契約締結に至った事情から高額に設定されていた賃料を修正するため、他の手段に比して極端に低額に試算された賃貸事例比較法を他の3手法と同等に評価するとして、差額配分法・利回り法・スライド法及び賃貸事例比較法の平均値を適正賃料とした事例
期間の経過とともに賃料が自動的に増額される約定が合意されるに至った事情等の事実経過を詳細に認定し、当事者間の衡平の見地から賃料減額請求の効力を否定した事例
賃料増額請求権の行使は共有物の管理に当たり、賃貸人と賃借人の間には消費税率の変更にかかわらず賃料総額を変えないという黙示の合意が成立していたとして、2分の1の共有持ち分を有する賃貸人からの賃料増額請求を棄却した事例
差額分配法・利回り法・スライド法を併用した鑑定に基づき相当賃料額を算定した結果、賃貸人が賃料増額請求を行った時点の相当賃料額は賃貸人が主張する賃料額と賃貸人・賃借人間の前訴で確認された賃料額の双方を下回り、賃借人が賃料減額請求を行った時点の相当賃料額は賃借人が主張する賃料額と前訴で確認された賃料額の双方を上回るとして、本訴・反訴ともに棄却した事例
賃借人の経営不振が賃料減額合意の考慮要素の一つであったが、近隣賃料相場その他の事情をも総合的に考慮したうえで賃料額が決定されたとして、賃貸人の「被告の経営状況は十分に回復していたので従前の賃料額は不相当になっていた」という主張を排斥し、利回り法とスライド法の試算賃料を平準化して適正賃料額を算定し、これが現行の賃料額を上回らないことから、原告の増額請求を棄却した事例
賃借人の建物賃料減額請求及び賃貸人の建物賃料増額反訴請求において、裁判所鑑定を採用して双方の請求を棄却した事例
建物の賃料減額請求において、差額配分法・利回り法・スライド法を併用して適正賃料を算定した事例
建物賃借人からの借地借家法32条1項に基づく賃料減額請求に関し、前訴判決の既判力や賃料額の不相当性などが争われた事案において、賃貸借契約が締結された経緯や約定賃料額が合意された経緯等の特殊事情を考慮し、約定賃料額は不相当であると認められないとして、賃料減額確認請求を棄却した事例
建物の賃料増額請求において、主に差額配分法を用いつつも、差額を配分する割合を決定する際に利回り法及びスライド法で算定した場合の想定される額も考慮した簡易な方法による調停委員会の意見を採用して適正賃料を算定した事例
建物の賃料増減額請求において、差額配分法・利回り法・スライド法による試算賃料を査定した上で、差額配分法とスライド法による試算賃料を尊重し、利回り法による試算賃料を参考として適正賃料を算定した事例
建物賃料減額請求において、差額配分法、利回り法、スライド法それぞれで試算された賃料を、差額配分法を重視して8:1:1の割合で関連付け、敷金の運用益を控除して鑑定評価された額を適正賃料額と認定した事例
建物賃料増額請求において、差額配分法、利回り法、スライド法それぞれの試算賃料を、差額配分法を重視して5:2.5:2.5の割合で加重平均し、保証金の運用益を控除して鑑定評価された額を適正賃料額と認定した事例
店舗の売上額に応じて賃料を定める旨の特約がある賃貸借契約において、賃借人はコロナ禍による売上げの大幅な減少を理由に賃料の減額請求を行ったが、賃料の減額請求は賃料の増額請求(認容)から1年しか経過していないことなどを理由に減額請求を棄却した事例
賃貸借契約を締結した当時、契約当事者間に個人的な特殊事情があり賃料が低額に設定され、後に人的関係が消滅した場合には、特殊事情の消滅が賃料増額請求の要件たる事情変更の考慮要素となるとして賃料増額請求を一部認容した事例
差額分配法・利回り法・スライド法を併用し、保証金の運用益、償却される保証金・更新料、賃借人が負担した工事費を控除するなどした裁判所鑑定を採用して適正賃料を算定した事例
賃料に関する直近合意時を当初の賃貸借契約締結日と認定した上で、それ以降の事情変更によって賃料が不相当となったと認め、実質賃料を差額配分法、利回り法、スライド法によって試算した上で、各試算賃料を80:20:0の割合で按分して月額支払賃料を算定した裁判所鑑定に不合理なところは見当たらないとして、裁判所鑑定結果の限度で原告の請求を一部認容した事例
第2節 サブリース
共有建物についてサブリース契約が締結された場合において、賃料の減額は民法251条の変更行為に当たるとされた事例
建物賃貸借契約の当事者は、契約に基づく使用収益の開始前に、借地借家法32条1項に基づいて当初賃料の増減を求めることはできないとした事例
賃料自動改定特約のあるサブリース契約に借地借家法32条1項の適用が肯定された事例
賃料保証特約のあるサブリース契約において、借地借家法32条1項の適用が認められた事例
賃料を転貸料の92%とし賃料最低保証額が定められたサブリース契約において、最低保証額が定められた経緯を重視しつつ、適正賃料額は支払賃料と鑑定額の92%の中間値であるとして、賃借人からの賃料減額請求を認めた事例
賃料保証特約のあるサブリース契約において、借地借家法32条1項の適用を認め、相当賃料額を判断した事例
賃料を転借料に連動させる特約のあるサブリース契約において、一定期間の転借料を0円とすることを賃借人が賃貸人に対抗できるとされた事例
転貸料の総額を賃料とし、転貸料の変更と同時に賃料を変更する旨の特約のある住宅供給公社と建物所有者との借上契約について、借地借家法32条の適用を認め、適正賃料額を定めた事例
サブリース契約において、暫定的になされた賃料減額の合意は十分尊重すべきものであり、客観的にも合理的なものであるとして、相当賃料額を定めた事例
サブリース物件の賃料増額請求の当否及び相当賃料額の判断に当たって、賃貸借契約締結時の賃料額が決定された事情や賃料が減額された際の経緯を踏まえた上で、賃料改定に際しては周辺物件の新規家賃に準拠して賃料額を決定する旨の合意があった等の原告の主張を排斥し、他に賃料を増額すべき事由は見当たらないとして請求を棄却した事例
第7章 譲渡・転貸
賃貸借契約の解除が賃借権の放棄に類する面があるとしても、それに至った原因が転借人の転借料不払である場合、転借人が賃貸人に対し、解除の効果を転借人に対抗できないと主張することは許されないと判示した事例
賃借人は、建物に対する権利に基づき自己に対して明渡しを請求することができる第三者からその明渡しを求められた場合、現実に使用収益をしていても賃料の支払を拒絶することができるとされた事例
賃借人の債務不履行によって賃貸借契約が解除された場合、賃貸人の承諾のある転貸借は、原則として、賃貸人が転借人に対して目的物の返還を請求したときに終了するとされた事例
賃借人(転貸人)を所有者と同視することが相当であるとして、物上代位権の行使としての転貸賃料債権差押を認めた事例
抵当権に基づく物上代位権の行使として転貸賃料を差し押さえることを認め、管理費名目の金員に対する差押えも認めた事例
賃借人が第三者との間で締結した、賃借人が賃貸物件において当該第三者の商品を販売するという契約が、賃借人から当該第三者への賃貸借にあたると判断された事例
転貸建物の賃貸人が、賃借人の賃料未払を理由に原賃貸借契約を解除したものの、同解除は賃貸人と賃借人との合意による解除であり、これによって転借人の権利は消滅しないとして、賃貸人の転借人に対する建物明渡請求を棄却した事例
第8章 賃貸人の義務
小修繕を賃借人の負担とする特約は、賃借人に積極的な修繕義務を課したものとはいえず、建物の汚損等については賃借人が故意過失を問わず損害賠償義務を負うとの特約にいう「損害」は通常の使用によって生じる汚損等を含まないと判示した事例
修繕義務の存否及び範囲の決定に当たっては、当事者間の公平という見地からの検討も必要であるとして、老朽建物の修繕義務を一部に限定して認めた事例
小修繕部分については賃借人が自己の費用をもって修繕すべき特約のある賃貸借契約においても、小修繕部分、経年変化によるもので使用に差し支えのない部分、賃借人側に原因のある部分、及び賃借人が宥恕すべきもの以外の要修繕部分については、賃貸人が修繕義務を負うと認めた事例
賃借人の用法違反により修繕が必要な状態に至った場合でも、賃貸人は合理的期間内に修繕を行うべきであるとして、賃料の3割の支払拒絶を認めた事例
契約締結時に建物内に設置されていたエアコン及びガスオーブンの故障を理由に、その修理費用相当額の範囲で賃料の支払拒絶が認められた事例
契約等にペットの飼育禁止条項が定められていても、賃貸人が賃借人に対し他の入居者にペットの飼育をさせない義務を負うものではないとされた事例
賃借人が貸室に設置したエアコンは、家庭用の汎用性のあるものであり、収去によって建物の利用価値が著しく減ずるものではなく、また、取り外しが比較的容易であると認められることから、これを、建物に付加した造作と認めることは難しいとして、賃借人の造作買取請求権を否定した事例
汚水槽の構造が原因となって貸室内に大量のコバエが発生し、賃借人の従業員に、契約の目的に沿った利用が一定程度妨げられる事態が生じていたとして、賃貸人の債務不履行を認めた事例
隣接建物からの延焼によってビルの店舗部分の賃貸借契約が終了した場合に、賃貸人の賃借人に対する債務不履行責任と土地工作物責任が認められた事例
使用目的を事務所とする賃貸借契約において、賃貸人は、物件内に居住していた賃借人の代表取締役に対し、その使用収益に関わる事実的行為が安全に行われるように配慮する信義則上の義務を負っていたとして、代表取締役の賃貸人に対する慰謝料請求を認めた事例
サブリース目的で賃借した6階建て建物のエレベーターが使用できない状態であったことを理由に賃貸借契約を解除した賃借人(原告)による債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求について、過失相殺の上、請求の一部を認容した事例
鉄道高架下に設置された建物内で稼働中、建物内部に吹き付けられたアスベストの粉塵に曝露したため、悪性胸膜中皮腫に罹患し、自殺を余儀なくされたと損害賠償請求を求めたケースにおいて、建物所有者兼賃貸人に民法717条1項の土地工作物責任を認めた事例
建物内の漏水事故を理由として賃借人が賃貸人に対し、不法行為、債務不履行、工作物責任に基づく損害賠償を求めたが、漏水事故以前の時点で排水部分の清掃義務を負っていないとして、請求をいずれも棄却した事例
汚水ポンプの故障により賃借人が営む飲食店の店舗内に悪臭や汚水の溢水が生じた事案で、賃貸人の債務不履行(履行不能)を認定して賃借人の賃貸人に対する損害賠償請求を一部認めたが、管理会社及び仲介業者に対する請求を棄却した事例
降雨の都度漏水する建物の賃貸借契約について、建物の瑕疵及び賃貸人の修繕義務違反の双方を認め、賃借人が飲食店開業のために要した費用等を賃借人の損害として認めた事例
建物内で1年数か月前に居住者が自殺したことを建物の賃貸人が知っていたのに、故意に賃借人に告知せずに賃貸借契約を締結したことが不法行為となるとされた事例
介護付有料老人ホームの入居契約は主として賃貸借契約及び準委任契約でありこれらの性質を併せ持つ複合的な無名契約であるとし、死亡した入居者の相続人から施設に対する、返還された入居金の額・返還先等についての報告請求権を認めた事例
店舗内のトイレが溢水して店内が水浸しになる事故が生じた場合、店舗の転貸人(賃借人)の転借人に対する債務不履行責任が肯定された事例
ベランダにたまった水が室内に浸水したことにより動産が濡れた等として賃借人が賃貸人に損害の賠償を求めたところ、ベランダを間接的に管理、支配していたにすぎない賃貸人において、その発生を防止すべき具体的な義務を負っていたと認めることはできないとして、その請求が棄却された事例
総合スポーツクラブ施設の賃貸借契約において、プール室の天井裏の鉄骨の腐食による天井崩落の危険が生じ、賃貸人及び賃借人双方が、その原因が相手方の債務不履行にある旨を主張して損害賠償を求めたところ、賃貸人の債務不履行を否定し、賃借人の債務不履行を肯定したものの、賃貸人に生じた損害との間の因果関係を否定した事例
建物の一部の賃借人が、賃借建物を無断転貸し、それを転借人が承知していた場合であっても、当該転貸人は、賃貸人が負っているのと同程度において、共用部分を適切に維持管理して転借人に使用させる契約上の義務を負うとした事例
賃貸人は、賃貸借契約の目的物件の住所が振り込め詐欺を警告するインターネット上のサイトに掲載されているか否かを調査して入居希望者に開示する義務を負わないとして、賃貸人の賃借人に対する不法行為責任が否定された事例
賃貸人は、賃貸借契約を締結する際、共用部分の利用に関する管理規約上の制限の有無を調査して正確な情報を説明すべきであったとして、賃借人が賃貸人に債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を請求したが、賃貸人に義務違反はないとして、賃借人の請求を棄却された事例
室温を適切に設定できない、床抜け等の損傷が補修されない、トイレ排水の逆流がある等の賃借物件の不具合を理由とする民法611条1項類推適用による賃料減額の主張が認められなかった事例
特優賃制度の下、被告が転借人に転貸することを前提とした賃貸借契約において、転借人に対して通常損耗等修繕費の負担を求めるという内容の合意は有効であるとしつつ、賃貸人には通常損耗等修繕費を賃貸人の負担とする旨の変更協議に誠実に応じるべき信義則上の義務があるとされた事例
新型コロナウィルス感染症の影響によって利益が減少したとしても賃借人に使用収益させる債務が消滅すると解することはできず、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が出されたことにより使用不能となったと評価することはできないとされた事例
借地権付き建物の貸主が民泊事業のために建物を借りた借主に対し、借地権には民泊禁止の特約が付されていることを告知しなかったことが、信義則上の告知義務に違反するとされた事例
第9章 原状回復
スナック用店舗の賃貸借契約において、賃借人が故意過失を問わず建物店舗部分に重大な損害を与えた場合は賃貸人に損害賠償をしなければならず、賃借人が賠償に応じないときは賃貸人が保証金をもって弁済に充当できる旨の特約がある場合、「重大な損害」の意義について判断した事例
賃借人による賃借物の通常使用によって生ずる程度の損耗・汚損の修復費は、契約締結時に差し入れられた保証金から特約によって償却される額の中に含まれることを予定していると判断された事例
建物賃貸借契約において、「契約終了時に賃借人は、賃借人の費用をもって原状に復旧させなければならない。」という特約が、通常の使用による損耗汚染を原状に回復する費用をも賃借人が負担する特約ではないと解釈された事例
建物賃貸借において、賃借人が賃貸人に対して原状回復費用を支払ったが、賃貸人が原状回復工事をせずに新賃借人に賃貸したため、賃借人が不当利得を主張し、費用相当額の返還を求めたが、棄却された事例
建物賃貸借契約において、賃借人が襖の張り替え、畳表の取替え、クロスの張り替えなどの費用を負担する旨の特約が、公序良俗に違反せず、自然消耗分も含めて賃借人が負担するものとして有効とされた事例
新築のオフィスビルの賃貸借契約に定められた原状回復特約について、賃借人において賃借開始当時の状態にまで原状回復して返還すべき義務があるとされた事例
ペット飼育禁止の特約があるマンション賃貸借契約において、賃借人が猫を飼育したため、壁面や床面に穴が穿たれ、カビが生えるなどし、室内にアンモニア臭が付着し全面改装が必要になった場合において、連帯保証人に対して原状回復費用として内装工事費用の請求が認められた事例
賃貸人が賃借人に対して原状回復義務の履行を求めるに当たっては、賃貸物件の損耗が自然損耗に止まっていないことを主張立証しなければならないが、その主張立証がないとして、賃借人の賃貸人に対する敷金返還請求が認容された事例
マンションの賃貸借において、通常の使用に伴う損耗についての修繕費用を賃借人が負担し、その費用を敷金から控除する旨の特約は公序良俗に違反せず、有効であるとされた事例
建物賃貸借において、自然損耗等についての原状回復義務を賃借人が負担するという合意は、民法の任意規定の適用による場合に比し、賃借人の義務を加重し、信義則に反して賃借人の利益を一方的に害しており、消費者契約法10条に該当し無効であるとした事例
建物賃貸借において、賃借人に通常損耗についての原状回復義務の負担が認められるためには、「通常損耗補修特約」が合意されていることが必要であるが、本件ではかかる合意は成立していないとした事例
賃借人は賃貸人との間で締結した賃貸借契約に基づいて、賃貸人に敷金35万円を交付したが、いわゆる敷引特約により5万円しか返還されなかったため、残額の返還を求めた事案で、本件敷引特約は消費者契約法10条により特約全体が無効であると認められるとした事例
定額補修分担金特約が消費者契約法10条に該当し無効であるとして、賃借人の返還請求を認めた事例
居住用建物の賃貸借契約において、契約更新時に更新料を支払う旨の条項並びに原状回復にかかる費用のうちの一定額を賃借人が分担して支払う旨の条項が消費者契約法10条により無効であるとされた事例
賃借人が賃貸人に対して、賃貸借契約締結に際して原状回復費用の一部負担金を支払うこと等を内容とする定額補修分担金条項が消費者契約法10条により無効とされた事例
マンションの賃貸人が賃借人に対し、主位的に故意又は過失により貸室を損壊したとして不法行為に基づき、予備的に賃貸借契約上の債務不履行に基づき損害賠償を請求し、主位的請求のうち逸失賃料の請求については賃借人の不法行為と相当因果関係のある損害とはいえないとされた事例
賃貸人が賃貸借契約終了後に原状回復を行わないまま第三者に賃貸物件を売却した場合でも、賃借人の賃貸人に対する原状回復義務は消滅しないとされた事例
建物の賃貸借契約の終了に当たり、賃貸人が賃借人に対し、建物の明渡しが完了していないとして約定損害金等の支払を求めたところ、原状回復をした上で建物を明け渡す旨の合意はなかったとして、損害金の請求を認めなかった事例
貸室内で死亡した賃借人自身の原状回復義務等は認められなかったものの、賃借人の連帯保証人に原状回復義務や損害賠償義務があるとした事例
福島県が東日本大震災による原子力発電事故に伴う自主的避難者を入居させるために賃借した建物の賃貸人が、賃借人である福島県に原状回復費用の支払を求めた事案で、賃貸人である控訴人の請求が棄却(原判決維持)された事例
原状回復義務について通常損耗も賃借人が負担する特約を有効であるとした事例
転貸借契約において、転借人は建物を原状(スケルトン状態)に回復した上で転貸人に明け渡すとの特約が付されていた場合において、その特約を変更する合意は成立しておらず、転借人は、建物転貸人が建物を賃借する以前の建物入居者が設置した造作・設備等についても撤去する義務を負うとされた事例
建物の賃貸人が、賃借人に対し、原状回復費用の支払を求めた(本訴)ところ、賃借人が、賃貸人に対し、保証金残額の支払を求めた(反訴)事案において、賃貸人及び賃借人が締結した合意書は、新賃借人に無償譲渡された造作等について原状回復義務が免除される旨を定めたものと解するのが相当であるとし、また、通常損耗特約の合意は認められないとした上で、原状回復義務の範囲、付属設備等に関する損害賠償、未払賃料等の遅延損害金等を認定して、本訴請求を棄却し、反訴請求を一部認容した事例
第10章 使用貸借
建物の使用貸借において、貸主は民法597条2項ただし書の類推適用により使用貸借を解約することができるとし、金銭の支払により明渡請求が権利濫用に当たることを免れるとした事例
親子(父親と娘夫婦)間での建物使用貸借契約において、信頼関係を破壊する特段の事情があるときは、民法597条2項ただし書を類推適用して、使用・収益の目的終了前でも使用貸主は解約申入れができるとした事例
建物について賃貸借契約が締結されていた場合であっても、途中から合意により賃料が支払われなくなった場合は、それ以降の貸借関係は使用貸借契約に変更されるとした事例
共同相続人の一人が遺産である建物に被相続人と同居していた場合、特段の事情がない限り、相続開始から少なくとも遺産分割終了時までは使用貸借関係が存続するとした事例
母親が息子の妻と子に対して提起した使用貸借終了による建物明渡請求は、息子夫婦の婚姻関係が破綻している場合、家族が共同生活を営むという使用貸借の目的は既に終了しており、権利濫用に当たらないとされた事例
新たな建物の完成時を返還時期とした使用貸借契約において、建物が通常予想される工事期間を超えても完成しない場合(本件では約5年経過)は、その時点で建物を返還する合意が黙示的にされていたとして、返還時期はすでに到来したと認められた事例
車庫の使用につき、150万円の金利相当額の経済的利益を得るにすぎない場合は、賃貸借契約ではなく、使用貸借契約であるとした事例
貸主と借主の家族との間に、貸主と借主本人との間と同様の特別な人的関係がある場合には、民法599条は適用されないとして使用貸借の終了を否定した事例
母の娘に対する建物明渡請求において、使用貸借契約を認定しつつ、その使用目的は娘の離婚後の自立の援助であったとして、離婚後6年を経過した本件では既に目的が終了しており、明渡請求は権利濫用にも当たらないとして、請求を認容した事例
内縁の夫が死亡した後も、その夫名義の建物に居住し続けていた内縁の妻に対して、当該建物を相続した内縁の夫の子が当該建物の明渡しを求めたところ、内縁の夫婦間において、内縁の妻が亡くなるまで無償で当該建物を使用できる旨の使用貸借契約が成立していたと認定され、建物明渡請求が棄却された事例
建物・門扉の所有を目的とする土地の使用貸借契約につき、建物・門扉の文化的価値に着目し、これらを子孫が共同で管理・維持していくためのもので、建物・門扉が存続する限り継続する意思の下に締結されたものであるとして、民法599条の適用を排除し、当初借主の死亡によりその効力は失われないとされた事例
借主の死亡にかかわらず、建物の使用貸借契約が継続する特段の事情が存在するかどうか争われた事例
土地所有者である両親が娘と別居した娘の夫に対し建物収去土地明渡しを求めたところ、娘夫婦の別居や離婚によって直ちに使用貸借が終了して建物収去義務が生じることを予定していたとまではいえないとして、使用貸借契約の終了を否定した事例
第11章 その他
建物賃貸借契約における期限付合意解約の効力について、「不当とする事情」がないとして、借家法6条に反せず有効であるとされた事例
敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき根抵当権者が物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合において、当該賃貸借契約が終了し、目的物が明け渡されたときは、賃料債権は、敷金の充当によりその限度で消滅するとして、根抵当権者の取立権に基づく請求を棄却した事例
建物管理会社が、特殊な施錠をして建物内に立ち入れなくしたことについて、賃借人からの損害賠償請求が認められた事例
定期建物賃貸借契約における賃借人について民事再生手続が開始された場合に、賃借人が期間満了前に民事再生法49条1項に基づく解除を選択した場合において、定期建物賃貸借契約に基づく残存期間の賃料相当額の請求及び契約終了の翌日から明渡しまでの賃料相当額の倍額の損害金の請求(査定)がいずれも認められた事例
賃貸人が選定した保証会社と保証委託契約を締結することが前提とされた賃貸借契約において、保証委託契約のみを解除することはできず、また、賃貸借契約更新の都度、保証委託契約も更新し、再保証料を支払わせることは、公序良俗に違反せず、借地借家法30条にも違反しないと判断された事例
建物の賃貸人が、賃借人の賃料不払を理由に建物の玄関の鍵を取り替えて賃借人の立入りを禁止した行為について、賃借人の居住権を侵害するものとして不法行為が成立するとした事例
ビルの建物に石綿粉じんや耐震性上の問題があり、建物が朽廃し賃貸借契約が終了しているとして、主位的に賃貸借契約の終了を、予備的に賃貸借契約の約定の協力義務に基づき建物の明渡しを求めた事例
①担保不動産収益執行における担保不動産の収益にかかる給付を求める権利の帰属に関し、所有者と管理人との間では所有者に帰属すると判断した事例
②担保不動産の賃借人は、担保不動産収益執行の開始決定の効力が生じた後でも、抵当権設定登記の前に取得した賃貸人に対する債権を自働債権とし、賃料債権を受働債権とする相殺をもって管理人に対抗できるとした事例
共有者の1人が共有不動産から生ずる賃料の全額を自己の収入として過大に所得税の申告を行い、これを納付した場合における事務管理の成立が否定された事例
家賃を滞納していた借家人に対して、同人の家賃を連帯保証していた保証会社従業員が「督促状」等と記載された紙を玄関ドアに貼り付けたことなどの家賃の取立行為が不法行為を構成するとされた事例
定期建物賃貸借契約の締結に先立ち説明書面の交付があったことについて主張立証がないにもかかわらず、賃貸借契約にかかる公正証書に説明書面の交付があったことを確認する旨の条項があり、賃借人がその条項を承認していることのみから、説明書面の交付があったとした原審の認定には、経験則又は採証法則に反する違法があるとした事例
賃貸マンションの居室内で無断転借人が自殺をしたことについて、賃借人に善管注意義務の債務不履行を認めて損害賠償を命じ、保証人も同額の保証債務履行義務を負うとされた事例
アパート賃貸借において、管理会社が室内の家財等を処分し鍵を交換したことについて、違法な自力救済であるとして不法行為に基づく損害賠償を命じ、同違法な自力救済に基づく費用を負担させる内容の念書を無効であると判断した事例
建物の賃貸人と賃借人との間でなされた賃料減額合意に基づく賃料額が、民法365条2項にいう「建物を使用したことの対価」の額とは認められないと判断した事例
テナントビルの出店希望者が出店申込みを撤回し、ビル所有者が契約準備段階における信義則上の注意義務違反を理由として損害賠償を求めた事案において、ビル所有者が行った電気盤移設等の工事費用の請求の一部が認容された事例
建物賃貸借の保証委託契約における解除更新特約及び解除更新料特約が消費者契約法10条に該当し無効であるとされた事例
不動産の信託受託者兼所有者から「定期建物賃貸借契約兼管理業務委託契約」に基づき当該物件を賃借し、転貸及び保守管理をしていた賃借人が、当該物件の屋上漏水事故に関し民法717条1項の占有者に該当するとされた事例
鉄道高架下の建物部分の定期建物賃貸借契約について、借地借家法38条2項の説明がなかったとして、法定更新が認められた事例
建物を競落後、鍵を交換して出入不能にした競落人に対し、建物賃借人が、不法行為に基づく損害賠償を請求したものの、賃借人に不当な意図が強く推認されるとして、その請求が棄却された事例
賃料債権の差押えの効力発生後に賃貸借契約がその目的物の賃借人への譲渡によって終了した場合において、その後に支払期の到来する賃料債権を差押債権者が取り立てることの可否
建物賃貸借に関して、消費者契約法13条所定の適格消費者団体が、事業者たる賃貸人に対して行った契約条項の差止め等の請求について、その一部が認められた事例
定期建物賃貸借契約において、事前終了通知が履践されていない場合であっても賃貸借契約自体は期間満了により確定的に終了しているとし、期間満了後の使用収益について、賃貸借契約上の賃料を一部減額した金額を賃料相当額として不当利得返還請求を認めた事例
民事執行法56条の代払いの許可制度は、許可を受けた者が代払いした地代等と許可申立費用を共益費用として優先的弁済を受けられるものとした規定であり、それ以上に代払いを義務付けるものではないとされた事例
賃料債権に対する差押えの効力が発生した後に、債務者である賃貸人が第三債務者である賃借人に物件を売買したことで賃貸借契約が終了した場合、第三債務者において、賃料債権が発生しないことを主張することが信義則上許されないなどの特段の事情が存するものと認めることはできないと判示した事例
建物の地下1階部分を賃借して店舗を営む者が建物の所有者の承諾の下に1階部分の外壁等に設置していた看板等について、建物の譲受人による撤去の請求が権利の濫用に当たるとされた事例
定期建物賃貸借契約において、表見代理の成立により賃借人に賃貸借契約の効果帰属を認めた上で、同契約の違約金条項に基づく請求について、30か月分の賃料相当額を超える請求は明らかに過大であり、当該請求は、違約金条項の無効又は信義則違反に該当するとして、請求の一部のみを認容した事例
建物賃借人が、賃貸人及び保証会社の従業員らにより、賃料不払いを理由に暴言行為、鍵ロックの取付け、物件内への立入行為及び鍵の付替えを受けて強制退去させられたことについて、許容される自力救済行為には該当せず、不法行為責任を負うとされた事例
居住用建物の転貸借がなされている場合に、原賃貸借契約と転貸借契約が同日に終了する内容の特約が借地借家法に違反して無効とはいえず、転借人が当該特約に違反して占有を続けた場合、賃借人は賃貸人に対し、賃貸借契約上の返還義務を履行しない債務不履行責任を負うとされた事例
同居の妻が建物内で自殺したことについて、建物賃借人に善管注意義務違反があったとして、債務不履行に基づく損害賠償責任を認めた事例
建物賃貸人が、建物賃借人に対して、虚偽の事実を告げて退去をするよう仕向けた他、郵便受けの設置、賃料等の受領、水道水の水質改善、屋上避難通路の確保に関し、嫌がらせともいえる対応をした点について、不法行為が成立するとして、損害賠償責任を認めた事例
定期建物賃貸借契約の期間が満了したとして建物明渡しを求めた原告に対し、作成された契約書が定期建物賃貸借契約に使用されるものであり事前の説明書が交付されていたとしても、一定の場合に再契約をする旨の覚書の存在や契約継続を前提とした当事者双方の言動に照らし、締結された契約は普通建物賃貸借であると認定し、更新拒絶の通知のみで賃貸借契約は終了しないとして請求を棄却した事例
建物について、買戻特約付売買契約と同時に、買主を貸主、売主を借主とする賃貸借契約(定期建物賃貸借契約を外形とする賃貸借契約)が締結され、当該建物が占有改定された場合において、かかる買戻特約付売買契約の法的性質が譲渡担保契約であるとされ、貸主の借主に対する借主の公正証書作成義務違反を理由とする定期建物賃貸借契約の解除が信義則上許されないとされた事例
一部の区分所有者が共用部分を第三者に賃貸して得た賃料につき生ずる不当利得返還請求権を区分所有者の団体のみが行使することができるとされた事例
賃借人が賃貸人に対して、償却料を控除した保証金残金の返還を求めた(本訴)のに対して、賃貸人が、約定の違約金及び損害金等を控除してもなお、損害が生じているとして、その賠償を求めた(反訴)事案において、損害金の請求が権利の濫用に当たるとして、賃借人の請求を一部認容した事例
賃借人による建物の明渡し完了前に、建物内で賃借人が自殺することは、賃借人の善管注意義務に違反する行為であるとして、賃借人の連帯保証人が損害賠償責任を負うとされた事例
共有不動産のうち、一部(複数)の共有者のみが当該不動産を賃貸した場合、賃貸人ではない他の共有者は持分割合に応じた分割賃料債権を取得することにはならず、また、複数の共有者が賃貸人でもその賃料が一つの預金口座に全額振り込んでいるなどの事情がある場合には、賃貸人である共有者間で賃料債権を不可分債権とする合意があると認定した事例
集中豪雨のために地下駐車場が浸水し、駐車車両が水没した事故について、賃貸人の説明義務違反があったとして、不法行為に基づく損害賠償請求が認められた事例
建物賃貸借において、民法606条2項及び契約条項を根拠として、建物内で建物の現況調査を行うことの妨害禁止請求を認めた事例
有料老人ホームの入居一時金等の返済保証期間を想定入居期間の3分の1以下と設定した入居契約条項は、契約終了に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える違約金の定めとはいえないとした事例
建物の賃貸借契約において、検査済証がないことにつき、告知義務違反があったとして、賃借人側の仲介業者には債務不履行に基づく、賃貸人側の仲介業者には不法行為に基づく損害賠償請求が、それぞれ認められた事例
マンションの区分所有建物の賃借人が、マンションの管理規約に違反してペットを飼育していた事案につき、管理組合の区分所有者(賃貸人)に対する飼育の差止めが認められた事例
高層ビルの建物部分の賃貸借に関する契約締結交渉が行われ、その内容が確定される等した後、賃借予定者からの申込み撤回により交渉が打ち切られた場合に、契約準備段階における信義則上の義務違反を肯定し、完工済工事費用、人件費等の損害を認める一方、逸失賃料相当額等の損害を否定した事例
オフィスビルの事務所建物賃貸借において、賃借人の従業員がビルから飛び降り自殺をしたことについて、賃借人に善管注意義務違反があったとして、債務不履行に基づく損害賠償責任を認めた事例
マンションにおける民泊営業がマンション管理者に対する不法行為に当たるとされ、弁護士費用相当額の損害賠償請求が認められた事例
駅ビルの定期建物賃貸借契約締結を目的とする予約契約について、建物完成の遅延による同契約違反などを理由とする賃借人の契約解除の効力が認められなかった事例
建物賃貸借契約において、賃貸建物内で亡くなった賃借人の善管注意義務違反を理由とする、当該賃借人の相続人に対する損害賠償請求が認められなかった事例
賃借人が契約当事者を実質的に変更したときは、賃貸人は賃借人に対して、違約金を請求することができる旨の定めがある賃貸借契約において、当該賃借人が、吸収分割の方法(吸収分割契約において、当該賃借人は分割後、賃貸借契約上の義務は負わない旨の定めあり。)により吸収分割承継会社に賃借人たる地位を承継させた場合、吸収分割の手続きにおいて債権者からの異議がなかったことを理由に違約金支払義務を負わないと主張することは信義則に反し許されないとされた事例
抵当権者に対抗できない賃借権が設定された建物が担保不動産競売により売却された場合において、その競売手続の開始前から当該賃借権により建物の使用又は収益をする者は、当該賃借権が滞納処分による差押え後に設定されたとしても、民法395条1項1号の「競売手続の開始前から使用又は収益をする者」に当たるとされた事例
建物の転貸借契約が解除された場合において、転借人による建物の新所有者に対する敷金返還請求が認められるかが争われた事例
借上公営住宅の借上期間満了に伴う明渡請求に対して、借上期間及び借上期間満了時の明渡義務についての通知が入居決定時ではなく、入居許可時になされたことから、公営住宅法25条2項の通知といえるかなどが争われた事案(明渡請求認容)
公営住宅の事業主体たる賃貸人が、借上げに係る公営住宅の入居者に対して、借上期間満了を理由に建物の明け渡しを求めた事案において、公営住宅法25条2項所定の通知を欠いていたとしても、公営住宅の明渡しを求めることができるかが争われた事案において、公営住宅法25条所定の通知は、同法32条1項6号に基づく公営住宅の明渡請求の要件ではないとして、明渡請求が認められた事例
建物の賃借人が当該建物を転貸すべく第三者と賃貸借契約締結交渉を行っていたところ、第三者が一方的に交渉を破棄したことが、契約締結上の過失に当たり不法行為となるとされた事例
建物賃貸借契約において、保証人による黙示の意思表示による保証契約の解除を認め、一定時期以降に生じた未払賃料の保証人への履行請求は、権利の濫用として許されないとされた事例
神戸市が借上にかかる公営住宅の入居者の決定に際し、借上期間満了時には当該公営住宅を明け渡さなければならないとの通知(公営住宅法25条2項)を行っていなかった場合においても、借上期間満了による建物の明渡請求が認められた事例
賃貸借契約の保証会社と消費者である賃借人との間で締結される保証委託契約において、賃料2か月以上の滞納があった場合など一定の要件のもとに賃貸物件の明渡しがあったとみなすことができるとする条項等は、消費者契約法8条1項3号に該当し、その効力が否定されるべきであるとして、そのような条項を含む契約の締結の差止めと契約書ひな形の廃棄を認めた事例
建物賃借人の連帯保証人による黙示の意思表示による連帯保証契約解除の主張は認められなかったものの、賃貸人による一定時期以降の保証債務の履行請求が権利濫用に当たるとされた事例
建物賃貸借契約締結に向けて建物所有者と交渉していたが、最終的に内部決裁が得られず契約締結に至らなかった場合において、正当な理由なく契約の成立を妨げ、建物所有者に損害を与えたとして、不法行為に基づく損害賠償責任を負うとされた事例
法定更新の場合にも更新事務手数料を支払うという条項は消費者契約法10条に該当しないとされた事例
家賃保証業者と賃借人との間の保証委託契約において、賃借人が賃料等の支払を2か月以上怠り合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡が取れないなど一定の要件を満たした場合に、賃借人が明示的に異議を述べない限り、賃借物件の明渡しがあったものとみなすことができると定められた条項などが、消費者契約法8条1項3号、同法10条に該当するとはいえないとして、適格消費者団体による差止めなどの請求が棄却された事例
建物の一区画の賃借人の賃貸人に対する月額賃料の確認及び、賃貸借予約契約に基づく協議義務に反してなされた区画の割当に対する損害賠償請求について、借地借家法32条1項の類推適用を否定し、訴えの利益を欠くとして、確認請求を却下し、損害賠償請求も棄却した事例
住宅等の賃貸借契約に基づく賃料等の債務の保証委託契約において、賃借人が支払を怠った賃料等の合計額が賃料3か月分以上に達した場合に受託保証人たる保証業者が賃貸借契約を無催告解除できるとする条項及び一定の要件の下で賃借人が賃借物件の明渡しがあったものとみなす権限を受託保証人たる保証業者に付与する条項がいずれも消費者契約法10条に規定する条項に当たるとして、消費者契約法12条3項に基づく差止めが認められた事例
抵当不動産の賃借人が、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえる前に賃貸人との間でした、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と上記の差押えがされた後の期間に対応する賃料債権とを直ちに対当額で相殺する旨の合意の効力が抵当権者に対抗できないとされた事例
賃貸建物が火災により滅失した場合、建物の再建築及び新たな賃借人の募集に必要な期間を超える期間に係る賃料は滅失と相当因果関係を有するとはいえないとした事例

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