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面会交流-裁判官の視点にみるその在り方-

著/松本哲泓(弁護士・元大阪高等裁判所部総括判事)

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概要


シリーズ第3弾!
裁判官による事例研究の成果を書籍化!


◆大阪高裁家事抗告集中部の事例研究をベースに、最新の面会交流の事例、審判・裁判例を加えて構成し、面会交流の適否やその在り方を解説しています。
◆裁判官、家庭裁判所調査官、家事調停委員、弁護士、当事者等の様々な立場から寄せられた質問をまとめ、調停を進行する立場の視点から「ケース」を随所に設けて解説しています。
◆元大阪高裁第9民事部部総括判事の執筆による客観的な視点に基づいた内容です。

商品情報

商品コード
81260435
ISBN
978-4-7882-9118-8
ページ数
346
発行年月
2022年12月

目次

第1章 面会交流の意味
1 面会交流の意味等
(1) 面会交流の意味
(2) 面会交流の意義
2 面会交流の法的根拠
(1) 面会交流の根拠規定
(2) 面会交流の権利性
ア 権利性否定説
イ 適正措置請求権説
ウ 自然権説(又は固有権説)
エ 親権・監護権の一部説
オ 監護に関連する権利説
カ 子の権利説(子の権利代行説)
キ 親の権利であると同時に子の権利であるとの説
ク 実 務
ケ 平成23年の民法改正後の学説等の状況
(3) 面会交流を求める権利の具体化
ア 権利の具体化
イ 面会交流を求める権利の具体化前の行使
▶親である、又は親権者であるという理由で、監護親の同意を得ずに面会交流できるか
ウ 面会交流を求める権利の本質的制約
▶監護親には面会交流に応じる義務があるか
3 面会交流についての考え方
(1) 面会交流について考え方の推移
ア 面会交流を原則的に否定する見解
イ 面会交流の有用性を肯定する見解
(2) 我が国における面会交流実施に関する諸説
ア 面会交流が子に利益がある場合にのみ肯定する立場
イ 禁止事由がないかぎり面会交流を認めるという立場
4 我が国の面会交流の現状
(1) 面会交流に対する意識等
(2) 課題等
5 面会交流によって目指すもの
(1) 愛されているという実感の提供
(2) 子の自我形成に役立たせること
(3) より良い監護の環境の提供
6 面会交流の在り方を考えるための二つの要素
(1) 子の側から考えること
(2) 父母の協力の必要

第2章 面会交流を求める手続
1 面会交流の申立て
(1) 協議の先行
(2) 申立人
ア 非監護親
イ 監護親
ウ 親権喪失宣告を受けた親
▶親権を喪失した親は面会交流できないか
エ 嫡出でない子の父親
▶嫡出でない子の父親は面会交流を求める権利はないか
オ 養子縁組をした子の実親
▶子が他の養子となった場合、非監護親であった実親は面会交流できなくなるか
カ 祖父母・兄弟姉妹等
▶両親に代わり子(孫)を監護していた祖父母は、子を父又は母に引き渡した後、面会交流を求めることができるか
キ 子から求める面会交流
(3) 相手方
ア 父又は母
イ 祖父母等の第三者
▶子を非監護親の父母(子の祖父母)が監護養育しているとき、非監護親は、子を引き取る態勢にないが、子に会いたいという場合、祖父母を相手に面会交流を申し立てることができるか
(4) 申立書
(5) 管轄裁判所
2 面会交流調停
(1) 面会交流調停の在り方・調停の実際
ア 調停の役割
▶調停は面会交流を原則実施するとの方針で進められるとの批判を裁判所はどのように受け止めているか
イ 調停における姿勢
ウ 調停手続の概観
エ 一般的な進行のステップ
(2) 期日における進行
ア 事情把握
イ 当事者の面会交流に対する理解促進
ウ 子の意思・意向・心情の把握
エ 面会交流の試行
▶監護親が子の拒否を理由に試行的面会交流に応じないという場合、その実施は可能か
▶監護親が子に非監護親を親と認識させていない場合に、試行的面会交流を子に非監護親が親と知られないような方法で実施することは可能か
オ 実施のための手続・内容の具体的検討
(3) 家庭裁判所調査官の関与
ア 家庭裁判所調査官が関与する場合
イ 家庭裁判所調査官の期日立会い
ウ 調査における注意事項
▶調査官による調査が行われる場合に当事者が注意すべき事項があるか
エ 面会交流事件における調査
(4) 調停進行手続の問題
ア 当事者の不出頭
▶相手方が調停期日に出頭せず、何の応答もしないとき、調停はどのように進められるか
イ 当事者の非協力
ウ 書面の提出
エ 離婚事件や監護者指定事件等が係属する場合
▶監護親が、面会交流すると監護者指定の事件で不利になる可能性があるので応じられないという場合、調停はどのように進められるか
▶監護親は離婚請求をしているが、離婚に応じなければ、面会交流に応じないと主張する場合、調停はどのように進められるか
3 子の面会交流手続への参加

第3章 面会交流実施の適否・可能性
1 面会交流の必要性の有無
(1) 面会交流の必要性
▶一般的には面会交流の必要性があるとしても、監護親が必要と認めない場合は、その意見を尊重すべきではないか
▶死別した場合と比較すれば、面会交流の必要性は必ずしもあると言えないのではないか
ア 必要性の考慮
イ 子の視点で考える必要
ウ 元夫婦の関係と親子の関係の区別の必要
【ケース~解決への調整~】
Ⓨなぜ、面会交流が必要なのですか。面会交流をしなくても立派に育てることはできる
Ⓨ同居中もほとんど子と関わってこなかったのだから、面会交流は必要ないのではないか
Ⓨ面会交流によって子の利益がどのように実現できるのか
Ⓨ離婚して親権者でもなくなったのだから、もはや一切関わらないで欲しい
(2) 合意のない面会交流
▶非監護親は、監護親の承諾がなくても、学校等において子に面会することができるか
【ケース~解決への調整~】
Ⓧ面会交流は親の権利である
Ⓧ子に会わせないのは子の利益に反する
Ⓧ会わせてくれないのであれば、子の通う学校に行って会う
2 非監護親に関わる阻害要因
(1) 連れ去りのおそれ
▶非監護親に過去に連れ去り行為があった場合でも面会交流が認められるか
▶調停の手続中に住所を秘匿している監護親の住所を探索して、知人、親族に執拗に聞きまわっている場合、連れ去りのおそれはないか
▶非監護親が、子の引渡請求をしている場合、子の連れ去りのおそれが大きいといえるか
ア 阻害要因としての連れ去りのおそれ
イ 連れ去りのおそれが認められる場合
ウ 面会交流を可能とする条件
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ非監護親には、以前、子を連れ去ったことがあるから、面会交流は認めない
Ⓨ非監護親が子の塾の周りをうろついていたのは、子を連れ去るための準備に違いない
Ⓨ非監護親は監護者指定を求めて争っており、面会交流をすれば、非監護親はそのまま子を返さないのではないか
Ⓨ非監護親は、監護親には監護者としての適格がないとして、子を取り返すなどと公言しているから、面会交流で子を引き渡せば、子を返さないおそれが強い
Ⓨ面会交流後に子が返還されなかったら裁判所はどう責任を取ってくれるのか
(2) 面会交流適性
▶統合失調症による入院中だが、面会交流できるか
▶統合失調症で入院したが、退院したので、子と面会したいとの申出は認められるか
▶非監護親は、足が悪く、活発な幼児を託するには不安があるが、立会人を付けての面会交流を拒否している。この場合、面会交流を認めることができるか
ア 非監護親の面会交流適性
イ 面会交流が制限される場合
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ非監護親は鬱症状で入院しており、退院したけれども、子を連れて自殺するおそれがあるので、面会交流は認められない
(3) 暴力的傾向
ア 子に対する暴力・虐待
▶非監護親が子に暴力を加えたことがある場合、面会交流は可能か
▶非監護親が、監護親に対して、暴力を加えてきた場合、面会交流は可能か
▶非監護親は、子や監護親を、激しい言葉で罵ってきたが、このような場合に面会交流は可能か
▶非監護親にモラルハラスメントがある場合、面会交流は認められるか
イ 現に暴力等を加えるおそれが否定できない場合
ウ 過去の暴力
エ 監護親に対する暴力
オ 他者に対する暴力
カ モラルハラスメント
キ いわゆるネグレクト
ク 厳しい躾
ケ 面会交流を可能とする条件
▶過去に暴力があった場合でも面会交流が可能なのはどのような場合か
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ非監護親は、子の前で監護親に暴力を加えたので、子は非監護親に恐怖感をもっており、面会交流は禁止されるべきである
Ⓧ監護親が不貞行為をしたので思わず暴力を加えたが、子はその行為に理解を示しているから、面会交流を禁止する理由はない
Ⓧ暴力や暴言はあったが、それほどひどいものではないし、一方的なものではない。相手方の暴力・暴言の方がひどい
Ⓨ監護親が非監護親に恐怖感を抱いており、面会交流をするとその恐怖感が増強するので面会交流には応じられない
Ⓨ同居中に非監護親が厳しい躾をしたので、子が非監護親を嫌っている。面会交流をすると子がのびのびと過ごせないから、拒否したい
Ⓧ子のためを思って厳しく指導しているのに、そのために面会交流できないのは理解できない
Ⓧ幼稚園児の子が他の子をいじめるので、これを注意し、いじめられた子の苦痛を理解させるために打ってしまった。この程度のことは許されるのではないか
(4) 性的虐待・性的不適切行為
▶非監護親に性的不適切行為があると主張された場合、これをどのように考慮するか
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ非監護親には子に対し性的虐待をした疑いがあるので、面会交流は認められない
Ⓨ子の裸の写真を撮ったので、面会交流は認められない
Ⓨ子にアダルトビデオを見せたので、面会交流は認められない
(5) 非監護親の犯罪傾向
ア 反社会的組織所属
▶非監護親が反社会的組織に属している場合、面会交流を制限できるか
イ 違法行為への参加
ウ 刺 青
エ 前科がある場合
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ非監護親は、反社会的組織に属しているので、面会交流させられない
Ⓨ非監護親は反社会的組織と付き合っているような人だから、面会交流させられない
Ⓨ非監護親は覚醒剤をやっているのではないか
(6) 不適切な職業
▶非監護親が違法な職業、又は不道徳な職業に就いているという事実は、面会交流を制限する理由となるか
ア 違法な職業
イ 不道徳な職業等
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ非監護親には、違法な職業に関わっている可能性があるので、面会交流には応じられない
Ⓨ非監護親は風俗営業に従事しており、面会交流は子に悪い影響を与えるから認められない
(7) 非監護親の不適切な生活態度等
ア 非監護親の自己中心的な性格
▶非監護親が著しく自己中心的である場合、面会交流を制限できるか
イ 自堕落な生活態度等
▶非監護親が怠惰な生活を送っている場合、面会交流を制限できるか
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ非監護親は、ルールは破るためにあると言ったりする規範意識のない人だから、そんな人に子を預けられない
Ⓨ非監護親が子をバイクに同乗させて暴走したことがあり、そのような非監護親に子を預けることはできない
Ⓨ非監護親は毎日パチンコばかりしていて働かない。このような非監護親には面会交流は認められない
Ⓨ非監護親は、子を競馬場に連れて行くので困る
(8) 思想・宗教等
▶非監護親が、過激思想をもち、あるいは宗教活動に熱心な場合、面会交流の制限事由となるか
ア 思想・宗教
イ 美意識等
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ非監護親は、ある宗教に熱心であり、面会交流の際に、その教会に連れて行くので、面会交流には反対である
Ⓧ子の情操教育のためには子に宗教的な教育が必要である
Ⓨ非監護親が子をデモに連れて行くので止めさせたい
(9) 非監護親の有責性
ア 非監護親が子を置いて別居した場合
▶非監護親が子を置いて出て行ったことは、面会交流を拒否する理由となるか
イ 非監護親の異性関係
▶離婚前の非監護親が、他の異性と交際している場合、面会交流は許されるか
▶異性との交際が離婚後である場合、これが面会交流制限事由となることはあるか
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ子を捨てて出て行ったのであるから、会えなくて当然である
Ⓨ子に会いたければ帰宅すればよい
Ⓨ異性と淫らな関係を続けている非監護親とは会わせたくない
Ⓨ子が非監護親の異性関係を知れば、子に悪影響を及ぼすから、面会交流は認められない
(10) 非監護親が面会交流を求める意図(動機)に問題がある場合
ア 子の引取りの前提条件整備を目的とする場合
▶非監護親の真意は、子を引き取ることにあり、そのための方法として、面会交流を求める場合、面会交流は認められるか
イ 復縁・嫌がらせ目的の場合
▶非監護親の面会交流を求める真意が、子より、監護親に会うことにある場合、面会交流は認められるか
ウ 祖父母等の第三者に会わせるのが目的の場合
▶面会交流の際に子をその祖父母と会わせることは制限すべきか
エ 非監護親が、子との親子関係を否定している場合
オ 監護状況監視の目的
▶監護親の監護状態が適切かどうかを監視する目的での面会交流は認められるか
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ面会交流の目的は嫌がらせである
Ⓨ面会交流の度に復縁を持ちかけるので、面会交流はしたくない
Ⓨ非監護親の面会交流の目的は祖父母に会わせることにあるので、面会交流には応じたくない
Ⓧなぜ祖父母に会わせてはいけないのか
Ⓨ非監護親は、子をその再婚相手や再婚相手との間の子と会わせるので応じられない
Ⓧ監護親は不貞をしており、現在もその関係を継続している可能性があるので、これが子の監護に悪影響を及ぼしていないかどうかを面会交流をして確認しなければならない
Ⓧ監護親は再婚したが、子が再婚相手から虐待を受けるかもしれないので、面会交流によって確認したい
Ⓧ監護親は再婚し、再婚相手との間に子が生まれているが、子が差別的扱いをされているかもしれないので、面会交流して観察するとともに子を支援したい
(11) 監護親の監護方針への過度の介入
(12) 非監護親の養育費不払
▶非監護親が養育費の支払をしない場合、面会交流を拒否できるか
▶養育費の支払を面会交流実施の条件とすることができるか
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ養育費を支払っていないのだから、面会交流は認めない
Ⓧ養育費を払っているのに会わせないのはおかしい
(13) 面会交流のルールの不遵守
▶非監護親が面会交流の約束を無視して、定められた日時以外での面会を求め、勝手に子に会ったりする場合、今後の面会交流を禁止できるか
▶非監護親が、合意した以外に、学校を覗いたり、たまたま会ったといって子を塾に送って行ったりする場合、今後の面会交流を禁止できるか
▶非監護親は、毎回、子を返す時間に遅れるが、面会交流を禁止できるか
▶子から監護親の住所や交際相手に関する情報を入手しようとする行為は面会交流を禁止する理由となるか
▶非監護親が面会時の子の動画等をネットで公開するおそれがある場合、面会交流を禁止できるか
ア 面会交流のルール遵守の必要性
イ 面会交流のルール
ウ ルール違反による面会交流の制限
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ子を返還する時間を全く守らなかったので以後面会交流は認めない
Ⓧ子が遊園地へ行きたいと言ったので、つい約束を破ってしまったが、二度と破らないので、面会交流を続けてほしい
Ⓨ非監護親は、面会交流実施の際、子を返還する時間によく遅れ、その都度、渋滞で遅れたとか、子をトイレに連れて行ってバスに乗り遅れたとか言い訳をする。面会交流を止めたい
Ⓨ非監護親は、子を引き渡す際に、監護親を非難したり、ときには怒鳴ったりするので、面会交流には応じたくない
Ⓧ監護親は、子の引渡しの際に、いつも嫌そうなそぶりで送り出すが、子がこれを気にするので止めてほしい
Ⓨ非監護親が面会交流の際に、危険な海や山に連れて行って気が気でない。面会交流を禁止できないか
Ⓨ子が4歳から12歳まで4人いるのに、安全に面会交流ができるわけがない
Ⓨ非監護親は社会常識を守らないので、面会交流させられない
Ⓨ非監護親は、子に一日中ゲームをさせたり、好きな物を食べ放題で与えたり、子に対する配慮がないので、苦情を述べたら、これらを禁止する約束はないと逆に非難するので、面会交流は止めたい
3 監護親又は子に関わる阻害要因
(1) 監護親がその住所を秘匿している場合
ア 住所秘匿と面会交流の可否
▶監護親の住所秘匿は、面会交流を拒否する理由となるか
イ 住所秘匿のまま面会交流を実施することの可能性
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ住所を知られたくないので、面会交流には応じられない
(2) 監護親の心身状況
ア 監護親の心身状況の子の監護への影響
イ 監護親の精神的な問題が非監護親との関係に起因する場合
ウ 監護親の精神的な問題が非監護親との関係に起因しない場合
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ監護親が精神的不安定な状況にあり、面会交流の実施はその症状を悪化させるので面会交流には応じられない
(3) 監護親の再婚と子の養子縁組
▶監護親が再婚し、子が再婚相手の養子となった場合に、非監護親である実親との面会交流は認められるか
ア 養子縁組がされた場合の子と実親の関係の在り方
イ 面会交流の可否
ウ 面会交流を可能とする条件
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ再婚し、子は再婚相手の養子となったので、会わせられない
Ⓨ実親は、養親を快く思っていないので、子と養親の親和関係の形成を阻害するおそれがあり、面会交流は認められない
Ⓨ子が再婚相手である養親を母または父と認めていないので、これを認めるようになるまで、面会交流は待ってほしい
(4) 子が非監護親を親と認識していない場合
▶監護親が、子に非監護親は死んだと説明している場合、面会交流は可能か
▶監護親が子の親を再婚相手と説明しており、子が実親を親と認識していない場合に、実親との面会交流を認めることができるか
ア 長期別居等による場合
イ 養親を実親と認識している場合
ウ 面会交流を可能とする条件
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ子は非監護親を親と思っていないので、会わせられない
Ⓧ親と名乗らないから会わせてほしい
(5) 子の意思・意向
ア 子が面会交流を拒否する場合の面会交流の必要性
▶子が拒否する場合でも面会交流は必要か
イ 面会交流を可能とする条件
ウ 子の年齢が比較的低い場合
エ 子の年齢が10歳程度の場合
オ 子の年齢が比較的高い場合
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ子が面会をいやがっているのに会わせなければいけないのか
Ⓨ子が非監護親を嫌悪しているのに会わせなければいけないのか
Ⓧ監護親が子に拒否させているのであって、子の真意は会いたがっている
Ⓧ監護親が子に対し非監護親の悪口を吹き込んで面会交流を妨害している
(6) 子の年齢、兄弟姉妹間の関係
ア 子の年齢が低い場合
▶子の年齢が低い場合、面会交流は可能か
イ 兄弟姉妹を別々に扱うことの可否
▶非監護親が複数の子の内の一人だけとの面会交流を求めるが、これは許されるか
ウ 兄弟姉妹の年齢差等
▶兄弟の年齢差が大きい場合、一緒に面会交流をするのが妥当か
▶兄弟の興味や関心に大きな違いがある場合、一緒に面会交流をするのが妥当か
エ 異父母兄弟姉妹が存在する場合の面会交流
▶養親家庭において、子に異母兄弟又は異父兄弟が存在する場合の面会交流はどのように行うか
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ子が幼いので、面会交流は子が小学校に入るまで待ってほしい
Ⓨ子が幼いから、非監護親は、子を十分に監護できず、面会交流は認められない
Ⓧ兄弟姉妹の一人とだけでも面会交流したい
Ⓨ兄弟姉妹の内の一人との面会交流は不公平なので認められない
Ⓨ子が面会交流すると、再婚相手との間の子と不平等になるので、会わせられない
(7) 子の疾患
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ情緒障害により当分の間面会交流は控えるべきであるとの診断を受けたので、面会交流には応じられない
4 父母間の強度の紛争
(1) 感情的対立が激しい場合
▶父母間の紛争が激しい場合、面会交流は実施できるか
ア 面会交流の可否
イ 面会交流を可能とする場合
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ離婚訴訟中であるから面会交流には応じられない
(2) 面会交流によって紛争の再燃が懸念される場合
(3) 父母間の紛争が監護親の精神的な症状をもたらした場合
5 面会交流試行により生じた問題
(1) 面会交流の実施が子の精神状況に影響を与える場合
ア 面会交流後の精神的不安定
イ 面会交流後のわがまま
ウ 非監護親への思慕増強
▶別居して子がようやく落ち着いてきたときに、面会交流をすれば、子の気持ちが乱れ、子のためにならないのではないか
【ケース~解決への調整~】
Ⓨ面会交流後、子がわがままになった。面会交流のせいである
Ⓨ面会交流後、子が情緒不安定になったから、面会交流はできない
Ⓨ子が幼く、非監護親である母親との面会交流後、毎回、何時間も泣き止まない
(2) 面会交流時の子の躾・指導等
(3) 子の期待や信頼を失う行為
ア 子にとって有意義な面会交流の必要
イ 子の信頼喪失行為
ウ 子の人格尊重の必要
(4) 面会交流の実施が監護親の過度の負担となる場合

第4章 面会交流実施へ向けた配慮・工夫
1 面会交流に対する心構え及び準備
▶面会交流をする際に注意すべきことはあるか
▶面会交流をすることになったが、何か準備が必要か
(1) 心構え等
ア 当事者双方
イ 非監護親
ウ 監護親
(2) 面会交流を継続的に実施するための方策等
▶面会交流を継続的に実施するためには、どのようなことに気をつけるべきか
2 子の年齢に応じた配慮
(1) 乳幼児(3歳未満)との面会交流
ア 面会交流の必要性
▶子が乳幼児の場合、面会交流は可能か
イ 子の不安除去の必要
▶子は生後6か月で、いわゆる人見知りが強いが、面会交流は可能か
▶いわゆる母子密着の度合いが強く、子が母親から離れることができない場合、面会交流はどのように行うか
▶2、3歳の子との面会交流の内容はどのように定めるか
(2) 就学前の子(4~6歳)との面会交流
(3) 小学生の子(6~8歳)との面会交流
▶男の子が野球クラブに入っており、その練習が毎日で、面会交流をする日時がない場合、どうするか
▶面会交流させないために、子を多くの塾に通わせている場合、どうするか
(4) 小学校高学年(8~11歳)以上の子との面会交流
(5) 子が単独で面会交流できる年齢に達している場合
3 子の性格等への配慮
(1) 子の性格等
(2) 子の問題行動
4 親愛関係に応じた配慮
(1) 親愛関係の有無・強弱
(2) 親愛関係が形成されていない場合
ア 親愛関係が形成されなかった理由の検討とこれに対する対処
イ 監護親の虚偽説明
(3) 別居後長期間面会交流が実施されていない場合
(4) 親愛関係が棄損されている場合
ア 親愛関係棄損原因の検討
イ 棄損原因に応じた工夫の必要
(5) 主たる監護者であった者との面会交流
5 過去に面会交流が実施されていた事例
(1) 中断の原因検討
(2) 中断の原因が非監護親にある場合
(3) 中断の原因が非監護親にあるといえない場合
(4) 時の経過によって従来の面会交流の方法が現状に添わなくなった場合

第5章 面会交流実施の方法
1 直接交流
(1) 面会交流の回数・時間・場所等
ア 子の受渡し
▶子の受渡しにおいて考慮すべき事柄は何か
イ 面会交流の回数
▶面会交流の回数は何回が適切か
▶面会交流の回数が月1回との例が多いといわれるが、これに合理性はあるのか
ウ 面会交流の時間
▶面会交流の時間はどのように決めるか
▶非監護親は、仕事の都合から、夜間の面会交流を求めるが、適切か
エ 面会交流の場所
▶監護親と非監護親の住所が離れている場合、面会交流場所をどのように定めるか
オ 段階的拡大方法
▶面会交流の時間を段階的に延ばす場合はどのような場合か
カ 複数の子との面会交流
キ 面会交流の費用負担
▶面会交流の実施に伴って生じる費用は誰が負担するか
(2) 面会交流の内容
▶面会交流の内容にはどのようなものがあるか
▶面会交流の内容はどのように定めるか
ア 非監護親へ委託型
イ 非監護親宅滞在型
ウ 外食型
エ 公園等利用型
オ 遊園地・遊戯施設利用型
カ スポーツ観戦・競技体験型
キ 学習支援型
ク ショッピング型
▶子は物を買ってくれるから面会交流に応じているだけで、何も買ってくれないなら会わないという態度であるが、これでは面会交流の意味がないのではないか
ケ 送迎型
コ 直面回避型
サ 学校行事参加型
シ 宿泊を伴う面会交流
▶宿泊を伴う面会交流がされるのはどのような場合か
▶宿泊を伴う面会交流には、どのようなメリットがあるか
(3) 第三者の関与
▶面会交流に第三者の関与が必要な場合は、どのような場合か
ア 第三者関与の必要性と態様
イ 立会第三者の資格
ウ 立会第三者の権限
エ 第三者機関利用の方法
(4) 面会交流の変更
ア 面会交流に関する合意の変更の可否
イ 変更すべき場合
ウ 面会交流変更の手続
2 間接交流
(1) 間接交流の必要性
▶間接交流はなぜ必要か
ア 直接交流の代替としての必要性
イ 直接交流を補完するものとしての必要性
ウ 間接交流の選択
(2) 間接交流の方法
ア 双方向の方法
イ 非監護親からする方法
ウ 監護親からする方法
エ その他学校行事参加、学校との直接交渉等
(3) 間接交流が制限される場合
▶子が拒否している場合、間接交流は可能か
▶監護親が住所を秘匿している場合に間接交流は可能か
ア 阻害事由が重大な場合
イ 非監護親の不適切な行動を誘発する場合
ウ 子の拒否
エ 監護親の住所秘匿

第6章 面会交流実施要領
1 実施要領の必要性
2 実施要領の作成
(1) 実施要領の内容
(2) 実施要領作成の方針
ア 父母の協力が期待できる場合
イ 父母の協力態勢が十分でない場合
ウ 間接強制の考慮
(3) 実施要領の記載
ア 子の受渡しの日時・場所・方法の特定
イ その他必要な条項
ウ 制裁条項の可否
▶監護親が面会交流義務に違反したときには違約金を支払うとの条項を設けることができるか
▶監護親が面会交流義務に違反したときは、違反した月の養育費の支払を要しないとの約定を設けることができるか
▶非監護親が面会交流のルールに違反したときは、監護親は、その後の面会交流を拒否できるとの条項を設けることができるか

第7章 面会交流の履行確保
1 履行勧告
2 強制執行
(1) 強制執行の方法
ア 直接強制の不適切性
イ 間接強制の可否
(2) 間接強制の要件
ア 給付性(給付を命じるものかどうか)
イ 特定性
(3) 間接強制の手続
ア 申立て
イ 執行裁判所の審理
ウ 執行開始の要件
エ 間接強制の限界
オ 間接強制金の額
3 再調停
4 損害賠償請求
5 親権者・監護者変更の申立て

索 引
○事項索引
○判例年次索引



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