- 紛争・賠償
- 単行本
実務必携 境界確定の手引
すいせん/日本土地家屋調査士会連合会 会長 國吉正和 共著/江口滋(土地家屋調査士)、岸田庄司(土地家屋調査士)、秋保賢一(弁護士)
概要
境界確定実務における盲点を解き明かす!
◆「現況」「公図」の成り立ちを踏まえて、境界確定の考え方や手順、境界紛争解決のポイントを詳解しています。
◆実務上の疑問点や留意点を、「土地家屋調査士の視点」「弁護士の視点」として掲げています。
◆境界立会いや境界紛争処理に長年携わる土地家屋調査士と弁護士が、共同で執筆しています。
商品情報
- 商品コード
- 5100101
- ISBN
- 978-4-7882-8647-4
- JAN
- 9784788286474/1923032045001
- サイズ
- A4判
- 巻数
- 1
- ページ数
- 294
- 発行年月
- 2019年12月
目次
巻頭資料1 地籍編製の成果が加わった改租図の例
巻頭資料2-1 比較的精度の良い地籍図の例
巻頭資料2-2 和紙公図(更正図)の例
巻頭資料3-1 精度の悪い地籍図の例
巻頭資料3-2 更正図の例
巻頭資料4 地籍図・地籍帳の所蔵範囲(愛知県の例)
第1章 境界について
第1 境界を論じる前に
1 公図の性格の変化
2 公図を扱う人の意識の変化
3 判例数の推移
4 一つの判例と公図
5 公図と地積測量図
第2 境界
1 境界とは何か
(1) 所有権界と筆界
(2) 「境」という意味
(3) 旧民法(明治29年法律第89号)における境界関係条文
(4) 現民法(平成16年法律第147号による改正後)における境界関係条文
土地家屋調査士の視点1 旧民法と現民法の素朴な疑問
弁護士の視点1 旧民法は隣地所有者の立会義務を認めていたか
1 境界紛争における立会請求権
2 旧民法は立会義務を認めていた?
3 現民法223条に関する裁判例
4 現民法223条が立会義務を認めていると解する余地は全くないのか
5 現民法下における隣地所有者の立会義務の法的根拠
6 対価を求める隣地所有者
7 立会協議に応じてもらえない場合の実務的な解決の方法
2 境界の種類
(1) 所有権の界限としての「所有権界」
ア 所有権の概念
イ 所有権界とは
ウ 所有権の公証と境界の時代考察
① 明治元年12月18日太政官布告第1096号
② 明治4年正月5日太政官布告第4号
③ 明治5年正月欠日大蔵省租税寮ヨリ各府県へ無号達「壬申地券」
④ 明治6年10月4日租税寮改正局日報第44号「地租改正ニ付人民心得書」
⑤ 字図の作成方法 栃木県「地租改正ニ付人民心得書」
⑥ 明治7年10月3日大蔵省達第133号「地所売買譲渡ニ付地券渡方規則改正」
⑦ 明治15年2月大蔵省「地租改正報告」
土地家屋調査士の視点2 求積のための測量図の作図
(2) 一筆の土地と隣接する土地との登記された境=「筆界」
ア 不動産登記法123条
イ 結線情報と曲線
ウ 筆界の定義成立時の国会質疑
エ 実務としての曲線問題
オ 地図への曲線記入
カ 不動産登記法123条1号前文と曲線問題
キ 点と線
ク 表題登記、分筆登記による後発創設筆界
(3) 塀や垣根等で囲まれた境としての「占有界」
ア 民法186条(占有の態様等に関する推定)1項
イ 民法186条(占有の態様等に関する推定)2項
ウ 民法188条(占有物について行使する権利の適法の推定)
エ 占有と所有権界
土地家屋調査士の視点3 占有界と所有権界の不一致
弁護士の視点2 境界紛争における「占有」の意義
1 「筆界」の争いにおいて「占有」していることは有利といえるか
2 筆界確定訴訟における主張・立証の実情
3 それでも「長年にわたり安定的に推移してきた占有支配状況」は極めて重要
弁護士の視点3 境界紛争における「占有」の限界事例-庇の下等-
1 占有の意義
2 判断のポイントは排他性、明認性、継続性
3 限界事例-庇の下、地中-
(1) 空中の工作物-庇の下は占有していることになるか-
(2) 地中の工作物-地中の土台、配水管によって土地を占有していることになるか-
(3) 境界標と占有-境界標があれば占有を認められるか-
(4) 地上権界・地役権界・借地権界
弁護士の視点4 境界紛争における借地権者の立場
1 境界紛争に登場する借地権者
2 借地権者にはできないこと
(1) 所有権界に関する合意の当事者となることはできない(ただし、対抗力のある借地権者に所有権界の合意の効力が及ぶか否か疑問がある)
(2) 筆界特定申請をすることはできない
(3) 官民境界確定協議の当事者になることはできない
(4) 筆界確定訴訟の当事者となることはできない
3 借地権者にできること
(1) 固有の妨害排除請求権の行使(対抗力を備えた借地権)
(2) 債権者代位権の行使
(3) 借地権の範囲について確認を求める訴訟を提起する
(4) 境界立会いに参加
(5) 行政界(都道府県界、市町村界)
ア 行政界とは
イ 地方自治法9条1項
ウ 地方自治法9条の2第1項
エ 歴史から見る行政界
① 明治8年7月8日「地所処分仮規則」
② 明治9年5月23日「地籍編製地方官心得書」
土地家屋調査士の視点4 行政界と筆界
(6) 公物管理界
ア 公物管理界と筆界の不一致
イ 境界の移動と裁判例
ウ 境界査定と境界協議
弁護士の視点5 旧法定外公共物をめぐる紛争
1 紛争の態様
2 旧法定外公共物の時効取得についての判例
(1) 最判昭51・12・24民集30・11・1104
(2) 各要件の検討
(3) 四つの要件を具備すべき時期
(4) 取得時効の援用権の喪失
(5) 旧法定外公共物の譲与と取得時効の関係
3 実務的な対応
第2章 境界の誕生(歴史的考察)
第1 視覚化される境界
① 明治3年7月欠日大蔵省達第505号「検見規則」
② 明治5年9月4日大蔵省達第126号「地券渡方規則」
③ 明治6年10月4日租税寮改正局日報第44号「地租改正ニ付人民心得書」
④ 明治7年12月28日内務省達乙第84号「地籍編纂調査ノ達」
⑤ 明治8年1月18日大蔵省・内務省「租税寮改正局体裁改革ノ儀ニ付太政官ヘ伺」
⑥ 明治8年3月24日太政官達第38号「地租改正事務局設置」
⑦ 明治8年7月8日地租改正事務局議定「地租改正条例細目」
⑧ 明治8年7月8日地租改正事務局議定「地所処分仮規則」
⑨ 明治9年5月23日内務省達丙第35号「地籍編製地方官心得書」
⑩ 明治10年2月8日地租改正事務局別報第69号達「崖地処分規則」
⑪ 明治14年6月30日大蔵省太政官達第59号「地租改正事務局ヲ廃ス」
⑫ 明治15年2月大蔵省(参議兼大蔵卿松方正義ヨリ太政大臣三条実美アテ)「地租改正報告」
⑬ 明治16年4月20日内務省達乙第16号(東京府 函館縣 札幌縣 根室縣 沖縄縣ヲ除ク)
⑭ 明治17年4月5日大蔵省達号外「地租条例取扱心得書」
⑮ 明治17年6月30日愛知県布達乙第48号「地租条例細目」
⑯ 明治18年2月18日大蔵大臣訓令主秘第10号(大蔵大臣ヨリ各府県知事県令ヘ発シタル訓示)「地押調査ノ件」
⑰ 明治19年1月欠日大蔵省主税局「地租便覧」
⑱ 明治20年6月20日大蔵大臣内訓「地図更正ノ件」
⑲ 明治20年6月20日大蔵省内訓第3890号「町村地図調整及更正手続」
⑳ 明治20年7月13日福島県知事訓令甲第250号「町村地図調整式及更正手続」
第2 分筆と地形図・測量図から見た境界
① 明治15年1月31日太政官布達第2号「土地分割取扱手続」
② 明治20年4月11日大蔵省訓令第25号「土地分合筆手続」
③ 大正3年3月28日東京税務監督局長訓令第20号「地租事務規程」
④ 昭和10年8月1日東京税務監督局長訓令第6号「地租事務規程」
⑤ 昭和29年6月30日民事甲第1321号民事局長通達「土地台帳事務取扱要領」
⑥ 昭和38年10月8日民事甲第2885号法務省民事局通達
第3 分筆申告図と境界
1 申告書・申告図の変遷と特徴
(1) 大正3年の分筆申告書
(2) 大正3年の合筆申告書
(3) 大正3年の開墾地成功届(申告)
(4) 大正3年の地目変換届
(5) 昭和9年の分筆申告書
(6) 昭和22年の合分筆申告書
(7) 昭和26年の道路分筆申告書
(8) 昭和33年の一団地開発の分筆申告図
(9) 昭和34年の嘱託分筆申告書
(10) 昭和39年の分筆申告書
第4 所有権としての境界
① 明治23年2月10日法律第6号「裁判所構成法」
② 明治29年4月27日法律第89号(旧民法)
③ 明治32年3月22日法律第85号「国有林野法」
④ 大正11年1月27日勅令第15号「国有財産法施行令」
⑤ 昭和23年6月30日法律第73号「国有財産法」
土地家屋調査士の視点5 所有権界と筆界のメカニズム
1 境界の観念
2 所有権界と筆界との関係(仮説その1)
(1) 境界の安定性と登記
(2) 棲み分け表現
3 相違する境界(仮説その1の2)
(1) 所有権の一部移転
(2) 推定する筆界の信ぴょう性
4 主張が相違する境界(仮説その2)
(1) 当事者一方のみの主張と推定筆界が相違する場合
(2) 当事者双方の主張と推定筆界が相違する場合
5 安定性の構造
6 境界のメカニズムから見えたもの
第5 筆界
1 平成17年4月13日法律第29号による改正後の「不動産登記法」
土地家屋調査士の視点6 筆界の起源と視覚化の考察
第3章 公図・地図の実態と評価
第1 不動産登記法の規定
第2 公図・地図の種類と読み方
1 旧土地台帳附属地図
(1) 改租図(地租改正事業による原始筆界)
(2) 更正図(地租改正事業による原始筆界)
2 所在図
(1) 土地区画整理事業による所在図(換地処分による後発原始筆界)
(2) 土地改良事業による所在図(換地処分による後発原始筆界)
3 地籍図(地籍調査事業による原始的筆界)
(1) 市町村でいうところの地籍図とは
4 法務局作成地図(不動産登記法14条1項による原始的筆界)
5 公図の加筆・修正・改製
第3 時代考証から見た地籍(編製)図の存在
1 地図変遷の考察
2 地籍編纂事業の概要
① 明治9年5月23日内務省達丙第35号「地籍編製地方官心得書」
② 明治17年3月17日愛知県布達乙第44号「地籍編製心得書」
3 公図変遷の概略図
4 大蔵省・内務省一対の事業
5 地籍図・地籍帳の内容
6 公図(旧土地台帳附属地図)の地域性の区分
7 南北逆転の公図
第4章 境界立会いと承諾から見た境界
第1 時代的記載と意識、その意味
① 明治6年10月4日租税寮改正局日報第44号「地租改正ニ付人民心得書」
② 明治18年月日不詳大蔵省「実地取調順序」
③ 明治20年7月13日福島県知事訓令甲第250号「土地丈量心得書」
④ 明治29年4月27日法律第89号(旧民法)
⑤ 大正3年3月28日東京税務監督局長訓令第20号「地租事務規程」
⑥ 大正11年1月27日勅令第15号「国有財産法施行令」
⑦ 昭和10年8月1日東京税務監督局長訓令第6号「地租事務規程」
⑧ 昭和23年6月30日法律第73号「国有財産法」
⑨ 昭和32年7月22日民事甲第1407号民事局長通達「土地台帳事務取扱要領」
⑩ 平成16年12月1日法律第147号(現民法)
弁護士の視点6 立会いの法的性質と立会適格の関係
1 隣地所有者らの立会いを求める場合
2 考え方の基本
(1) 立会いの対象とする境界の種類
(2) 立会いによって所有権界についての法的効果を生じるか否か
(3) 実務上は筆界の確認と所有権界の確定をきれいに分けて考えることができない
3 各場合における考え方
(1)分筆等の表示登記申請目的で民民境界の立会いを求める場合
(2) 売主の義務等として行われる民民の確定測量の場合
(3) 官民境界確定協議の場合-一応所有権界の和解であるとされているが、筆界の確認にとどまる場合もある-
(4) 国土調査法の地籍調査の場合-筆界の確認であるが隣地所有者には手続参画権がある-
(5) 筆界特定の場合-筆界特定のための資料提供行為ではあるが実質的対立当事者の主張・立証がなされ得る-
(6) 民事調停、ADR等において現地調停を実施する場合-所有権界について「争い」があることを前提としており、成立すれば、所有権界の和解と解される-
(7) 道路等境界明示の場合-公物管理界を示す行為であり所有権界の合意ではないが立会適格は自治体の事務取扱要領等による-
(8) 現況測量、確定している筆界に杭を打設する場合等
第2 立会いと承諾の今後
第5章 境界の見方の反省
第1 公図中心主義
1 公図を後ろ盾とする意識
土地家屋調査士の視点7 実務家としての疑問
1 実測の実態
2 時間的制約
3 公図の精度と取扱い
2 公図、地図の見方
(1) 時代と地域の背景
(2) 定性と定量への疑問
弁護士の視点7 境界紛争における公図の意味
1 公図と現地の違いによって生じる境界紛争
2 境界紛争における公図評価の実際
3 公図の信用性に関する裁判例
(1) 一般論としては定性的には信用できるが定量的には信用できない
(2) 公図の重要性について相反する裁判例
(3) 筆界確定訴訟では公図の信用性についてどのように主張・立証するか
弁護士の視点8 公図の信用性が全面的に否定されることはあるか
1 公図の一般的な評価
2 公図についてほぼ全面的に信用性を否定した裁判例
(1) 東京高判昭62・8・31判時1251・103
(2) 長野地諏訪支判昭56・12・21訟月28・2・296
(3) 盛岡地一関支判昭43・4・10判時540・68
3 まとめ
第6章 境界確定の手法
第1 筆界の特定技法
1 筆界特定の能力と要素
(1) 調査
ア 資料調査
イ 現地調査(踏査・探索そして測量)
(2) 分析と判断
(3) 結論
2 筆界特定に当たっての詳細項目
(1) 登記記録・旧土地台帳
(2) 地図又は地図に準ずる図面
(3) 登記簿の附属書類の内容
(4) 対象土地及び関係土地の地形、地目、面積及び形状
(5) 工作物、囲障又は境界標の有無、その他の状況及びこれらの設置の経緯
(6) その他の事情
弁護士の視点9 筆界特定による境界紛争の解決
1 筆界特定によって境界紛争は解決しない?
(1) 境界杭が打設できない
(2) 越境物の問題が解決しない
(3) 売主の確定測量義務を果たしたことにならない?
(4) そもそも公に証明する効力しかない
(5) 筆界確定訴訟判決によって覆される可能性がある
2 それでも筆界特定を勧める理由
(1) そうはいっても筆界特定によって解決する境界紛争もある
(2) 筆界特定線を前提として訴訟が進行するため短期間に解決できることがある(決して遠回りではない)
(3) 結局、取得時効等の所有権界の争いになったとしても訴訟の争点を絞ることができるので、筆界特定を先行させる意味がある
(4) 筆界確定訴訟において筆界特定記録を取り寄せることによって大幅に立証負担が軽減される
(5) 当方の主張線が筆界特定で認められていれば、少なくとも筆界については既に勝ったも同然である
3 筆界特定が先行している場合の筆界確定訴訟における和解
弁護士の視点10 筆界特定の結果を覆した筆界確定訴訟判決
1 筆界特定は筆界確定訴訟においてどのように評価されているか
(1) 筆界特定の結果を尊重している筆界確定訴訟判決
(2) 筆界特定の結果を覆している筆界確定訴訟判決
第7章 境界確認 三つの時代区分(境界確定に当たって)
第1 三つの時代区分 境界探求(認証)の視点の推移の分析
第2 区分その1(数値資料のない筆界)
1 概要
2 考え方のポイント
(1) 数値及び与点がない
(2) 公図による現地復元の危険性
(3) 街区内における本番(元番)界どうしの境界確認
(4) 現況物の存在
(5) 空中写真の活用
(6) 面積の取扱い
(7) 分筆筆界の見方
(8) 合意(互譲)できる境界
3 事例
第3 区分その2(数値はあるものの、与点のない、あるいは与点が不明確な筆界)
1 概要
2 考え方のポイント
(1) 不安定的数値及び与点の不存在
(2) 精度区分の適用
(3) 公図求積の検討と面積按分
(4) 合意(互譲)できる境界
土地家屋調査士の視点8 土地改良地域における落とし穴
3 事例①
4 事例②
第4 区分その3(与点が明確な筆界)
1 概要
2 考え方のポイント
(1) 安定的与点と数値の存在
(2) 復元としての境界
(3) 一点一成果と観測値との収め方
(4) 合意(互譲)できない境界
3 事例
第8章 もう一つの境界確認(官有地道水路)
第1 官公署による境界確定協議の意味
1 立会いの目的とするところ
弁護士の視点11 官民境界確定事務取扱要領に基づく実務
1 境界確定事務取扱要領は内規であり直接住民を拘束するものではないが間接的に拘束される結果となる
2 最近の事務取扱要領の動向
3 官民境界確定協議の法的性質やあり方に触れた要領
4 官民境界確定協議は誰が主宰するのか(官か民か)
5 官民境界確定協議の資料収集は誰がするのか(官か民か)
6 官民境界確定協議の関係者の呼び出し等は誰がするのか(官か民か)
7 官民境界確定協議の費用負担は誰がするのか(官か民か)
8 官民境界確定協議の申請地(申請境界に接する土地)所有者の立会適格
(1) 共有、遺産分割未了
(2) 不在者
(3) 死亡者名義で相続人不明の場合
(4) 成年後見の被後見人
(5) 法人
(6) 破産者、清算会社
(7) 賃借権者
(8) 抵当権者、差押債権者
9 官民境界確定協議の隣接地(申請地の相隣接地)、対側地(申請地の道路・水路を挟む反対側の土地)所有者の立会適格
(1) 立会いを求める理由
(2) 相隣接地所有者及び対側地所有者の立会いの法的意義と立会適格
10 官民境界確定協議の錯誤、やり直し
11 官民境界確定協議の拒否(官が拒否、民が拒否)
2 各種境界証明
第2 道水路幅員
1 道水路幅員の確認
2 歴史的道水路幅員
① 明治9年6月8日太政官達第60号「道路等級ヲ廃シ更ニ別紙ノ通相定候」
第3 道水路内民地の考え方(土地台帳と実務)
1 上地成、国有地成等の意味
(1) 道水路内民地
(2) 道路内民地の類型
ア 権利登記未処理型
イ 分筆登記未処理型
ウ 例外(見かけ上の道路内民地)
(3) 各種類型における道路内民地の要因
ア 権利登記未処理型
(ア) 解説
① 土地台帳時代の取扱いと一元化時の誤った処理
② 地域の特別な慣習
③ 里道改良
④ セットバック等自主的後退
(イ) 権利登記未処理型の事例
① 明治27年3月1日坤第898号大蔵省主税局長通牒
② 明治29年4月6日大蔵省主税局長通牒
イ 分筆登記未処理型の事例
ウ 例外(見かけ上の道路内民地)の事例
2 第二種地成の意味
(1) 第二種地とは
弁護士の視点12 民有地が道路敷内にあることが判明したときの行政側の対応策
1 道路内民有地問題とは
2 民有地の第三取得者から自分が購入した土地の一部が道路敷になっているというクレームがあった場合の行政側の対応策
(1) 事実関係の確認
(2) 一筆の土地の一部の売買ではないか(道路敷になっている部分は未購入ではないか)の確認
(3) 背信的悪意者の主張
(4) 時効取得の主張(道路として供用を開始してから20年以上経過したので道路敷部分を時効取得したと主張する)
(5) 道路法の区域決定の効力が及んでいることの主張
(6) 占有妨害予防請求権の行使
(7) 今後の対応策
第9章 地籍調査と公図・地図
第1 地籍調査を通して
1 地籍調査事業と境界(筆界)の注意点
(1) 地籍調査事業は法律に基づく換地処分ではない
(2) 地籍調査事業前の資料(旧公図、地積測量図等)は生きている
第10章 境界確定もう一つのメカニズム
第1 なぜ当事者は理解し納得してくれないのか
1 呼び覚まされる意識と立会拒否の構図
(1) 意識化
(2) 不愉快の内在
(3) 排除の論理
2 権利意識と欲の二面性
3 意識と境界確定の選択肢
(1) 新たな所有の意思を持って使用する二つの境界と意識
(2) 新たな所有の意思を持たず間違って使用する境界と意識の変化
(3) 合意の選択肢
(4) 悪意の選択肢
(5) 錯誤の原因が全く不明(理解不能又は地図混乱)の選択肢
第2 境界確定の現場はどういう状況にあるのか
1 立会当事者の状況
2 依頼者と専門家の関係
3 隣接者等の意識の変化
第3 土地家屋調査士に求められる能力と役割
第4 専門家の心構えと依頼者等への対応
1 ニーズの把握
2 専門家の立ち位置
3 情報の伝達
4 やってはいけないこと
5 経験の不足
6 隣接者等への対応
7 怒りの感情のコントロール
索引
判例年次索引
巻頭資料2-1 比較的精度の良い地籍図の例
巻頭資料2-2 和紙公図(更正図)の例
巻頭資料3-1 精度の悪い地籍図の例
巻頭資料3-2 更正図の例
巻頭資料4 地籍図・地籍帳の所蔵範囲(愛知県の例)
第1章 境界について
第1 境界を論じる前に
1 公図の性格の変化
2 公図を扱う人の意識の変化
3 判例数の推移
4 一つの判例と公図
5 公図と地積測量図
第2 境界
1 境界とは何か
(1) 所有権界と筆界
(2) 「境」という意味
(3) 旧民法(明治29年法律第89号)における境界関係条文
(4) 現民法(平成16年法律第147号による改正後)における境界関係条文
土地家屋調査士の視点1 旧民法と現民法の素朴な疑問
弁護士の視点1 旧民法は隣地所有者の立会義務を認めていたか
1 境界紛争における立会請求権
2 旧民法は立会義務を認めていた?
3 現民法223条に関する裁判例
4 現民法223条が立会義務を認めていると解する余地は全くないのか
5 現民法下における隣地所有者の立会義務の法的根拠
6 対価を求める隣地所有者
7 立会協議に応じてもらえない場合の実務的な解決の方法
2 境界の種類
(1) 所有権の界限としての「所有権界」
ア 所有権の概念
イ 所有権界とは
ウ 所有権の公証と境界の時代考察
① 明治元年12月18日太政官布告第1096号
② 明治4年正月5日太政官布告第4号
③ 明治5年正月欠日大蔵省租税寮ヨリ各府県へ無号達「壬申地券」
④ 明治6年10月4日租税寮改正局日報第44号「地租改正ニ付人民心得書」
⑤ 字図の作成方法 栃木県「地租改正ニ付人民心得書」
⑥ 明治7年10月3日大蔵省達第133号「地所売買譲渡ニ付地券渡方規則改正」
⑦ 明治15年2月大蔵省「地租改正報告」
土地家屋調査士の視点2 求積のための測量図の作図
(2) 一筆の土地と隣接する土地との登記された境=「筆界」
ア 不動産登記法123条
イ 結線情報と曲線
ウ 筆界の定義成立時の国会質疑
エ 実務としての曲線問題
オ 地図への曲線記入
カ 不動産登記法123条1号前文と曲線問題
キ 点と線
ク 表題登記、分筆登記による後発創設筆界
(3) 塀や垣根等で囲まれた境としての「占有界」
ア 民法186条(占有の態様等に関する推定)1項
イ 民法186条(占有の態様等に関する推定)2項
ウ 民法188条(占有物について行使する権利の適法の推定)
エ 占有と所有権界
土地家屋調査士の視点3 占有界と所有権界の不一致
弁護士の視点2 境界紛争における「占有」の意義
1 「筆界」の争いにおいて「占有」していることは有利といえるか
2 筆界確定訴訟における主張・立証の実情
3 それでも「長年にわたり安定的に推移してきた占有支配状況」は極めて重要
弁護士の視点3 境界紛争における「占有」の限界事例-庇の下等-
1 占有の意義
2 判断のポイントは排他性、明認性、継続性
3 限界事例-庇の下、地中-
(1) 空中の工作物-庇の下は占有していることになるか-
(2) 地中の工作物-地中の土台、配水管によって土地を占有していることになるか-
(3) 境界標と占有-境界標があれば占有を認められるか-
(4) 地上権界・地役権界・借地権界
弁護士の視点4 境界紛争における借地権者の立場
1 境界紛争に登場する借地権者
2 借地権者にはできないこと
(1) 所有権界に関する合意の当事者となることはできない(ただし、対抗力のある借地権者に所有権界の合意の効力が及ぶか否か疑問がある)
(2) 筆界特定申請をすることはできない
(3) 官民境界確定協議の当事者になることはできない
(4) 筆界確定訴訟の当事者となることはできない
3 借地権者にできること
(1) 固有の妨害排除請求権の行使(対抗力を備えた借地権)
(2) 債権者代位権の行使
(3) 借地権の範囲について確認を求める訴訟を提起する
(4) 境界立会いに参加
(5) 行政界(都道府県界、市町村界)
ア 行政界とは
イ 地方自治法9条1項
ウ 地方自治法9条の2第1項
エ 歴史から見る行政界
① 明治8年7月8日「地所処分仮規則」
② 明治9年5月23日「地籍編製地方官心得書」
土地家屋調査士の視点4 行政界と筆界
(6) 公物管理界
ア 公物管理界と筆界の不一致
イ 境界の移動と裁判例
ウ 境界査定と境界協議
弁護士の視点5 旧法定外公共物をめぐる紛争
1 紛争の態様
2 旧法定外公共物の時効取得についての判例
(1) 最判昭51・12・24民集30・11・1104
(2) 各要件の検討
(3) 四つの要件を具備すべき時期
(4) 取得時効の援用権の喪失
(5) 旧法定外公共物の譲与と取得時効の関係
3 実務的な対応
第2章 境界の誕生(歴史的考察)
第1 視覚化される境界
① 明治3年7月欠日大蔵省達第505号「検見規則」
② 明治5年9月4日大蔵省達第126号「地券渡方規則」
③ 明治6年10月4日租税寮改正局日報第44号「地租改正ニ付人民心得書」
④ 明治7年12月28日内務省達乙第84号「地籍編纂調査ノ達」
⑤ 明治8年1月18日大蔵省・内務省「租税寮改正局体裁改革ノ儀ニ付太政官ヘ伺」
⑥ 明治8年3月24日太政官達第38号「地租改正事務局設置」
⑦ 明治8年7月8日地租改正事務局議定「地租改正条例細目」
⑧ 明治8年7月8日地租改正事務局議定「地所処分仮規則」
⑨ 明治9年5月23日内務省達丙第35号「地籍編製地方官心得書」
⑩ 明治10年2月8日地租改正事務局別報第69号達「崖地処分規則」
⑪ 明治14年6月30日大蔵省太政官達第59号「地租改正事務局ヲ廃ス」
⑫ 明治15年2月大蔵省(参議兼大蔵卿松方正義ヨリ太政大臣三条実美アテ)「地租改正報告」
⑬ 明治16年4月20日内務省達乙第16号(東京府 函館縣 札幌縣 根室縣 沖縄縣ヲ除ク)
⑭ 明治17年4月5日大蔵省達号外「地租条例取扱心得書」
⑮ 明治17年6月30日愛知県布達乙第48号「地租条例細目」
⑯ 明治18年2月18日大蔵大臣訓令主秘第10号(大蔵大臣ヨリ各府県知事県令ヘ発シタル訓示)「地押調査ノ件」
⑰ 明治19年1月欠日大蔵省主税局「地租便覧」
⑱ 明治20年6月20日大蔵大臣内訓「地図更正ノ件」
⑲ 明治20年6月20日大蔵省内訓第3890号「町村地図調整及更正手続」
⑳ 明治20年7月13日福島県知事訓令甲第250号「町村地図調整式及更正手続」
第2 分筆と地形図・測量図から見た境界
① 明治15年1月31日太政官布達第2号「土地分割取扱手続」
② 明治20年4月11日大蔵省訓令第25号「土地分合筆手続」
③ 大正3年3月28日東京税務監督局長訓令第20号「地租事務規程」
④ 昭和10年8月1日東京税務監督局長訓令第6号「地租事務規程」
⑤ 昭和29年6月30日民事甲第1321号民事局長通達「土地台帳事務取扱要領」
⑥ 昭和38年10月8日民事甲第2885号法務省民事局通達
第3 分筆申告図と境界
1 申告書・申告図の変遷と特徴
(1) 大正3年の分筆申告書
(2) 大正3年の合筆申告書
(3) 大正3年の開墾地成功届(申告)
(4) 大正3年の地目変換届
(5) 昭和9年の分筆申告書
(6) 昭和22年の合分筆申告書
(7) 昭和26年の道路分筆申告書
(8) 昭和33年の一団地開発の分筆申告図
(9) 昭和34年の嘱託分筆申告書
(10) 昭和39年の分筆申告書
第4 所有権としての境界
① 明治23年2月10日法律第6号「裁判所構成法」
② 明治29年4月27日法律第89号(旧民法)
③ 明治32年3月22日法律第85号「国有林野法」
④ 大正11年1月27日勅令第15号「国有財産法施行令」
⑤ 昭和23年6月30日法律第73号「国有財産法」
土地家屋調査士の視点5 所有権界と筆界のメカニズム
1 境界の観念
2 所有権界と筆界との関係(仮説その1)
(1) 境界の安定性と登記
(2) 棲み分け表現
3 相違する境界(仮説その1の2)
(1) 所有権の一部移転
(2) 推定する筆界の信ぴょう性
4 主張が相違する境界(仮説その2)
(1) 当事者一方のみの主張と推定筆界が相違する場合
(2) 当事者双方の主張と推定筆界が相違する場合
5 安定性の構造
6 境界のメカニズムから見えたもの
第5 筆界
1 平成17年4月13日法律第29号による改正後の「不動産登記法」
土地家屋調査士の視点6 筆界の起源と視覚化の考察
第3章 公図・地図の実態と評価
第1 不動産登記法の規定
第2 公図・地図の種類と読み方
1 旧土地台帳附属地図
(1) 改租図(地租改正事業による原始筆界)
(2) 更正図(地租改正事業による原始筆界)
2 所在図
(1) 土地区画整理事業による所在図(換地処分による後発原始筆界)
(2) 土地改良事業による所在図(換地処分による後発原始筆界)
3 地籍図(地籍調査事業による原始的筆界)
(1) 市町村でいうところの地籍図とは
4 法務局作成地図(不動産登記法14条1項による原始的筆界)
5 公図の加筆・修正・改製
第3 時代考証から見た地籍(編製)図の存在
1 地図変遷の考察
2 地籍編纂事業の概要
① 明治9年5月23日内務省達丙第35号「地籍編製地方官心得書」
② 明治17年3月17日愛知県布達乙第44号「地籍編製心得書」
3 公図変遷の概略図
4 大蔵省・内務省一対の事業
5 地籍図・地籍帳の内容
6 公図(旧土地台帳附属地図)の地域性の区分
7 南北逆転の公図
第4章 境界立会いと承諾から見た境界
第1 時代的記載と意識、その意味
① 明治6年10月4日租税寮改正局日報第44号「地租改正ニ付人民心得書」
② 明治18年月日不詳大蔵省「実地取調順序」
③ 明治20年7月13日福島県知事訓令甲第250号「土地丈量心得書」
④ 明治29年4月27日法律第89号(旧民法)
⑤ 大正3年3月28日東京税務監督局長訓令第20号「地租事務規程」
⑥ 大正11年1月27日勅令第15号「国有財産法施行令」
⑦ 昭和10年8月1日東京税務監督局長訓令第6号「地租事務規程」
⑧ 昭和23年6月30日法律第73号「国有財産法」
⑨ 昭和32年7月22日民事甲第1407号民事局長通達「土地台帳事務取扱要領」
⑩ 平成16年12月1日法律第147号(現民法)
弁護士の視点6 立会いの法的性質と立会適格の関係
1 隣地所有者らの立会いを求める場合
2 考え方の基本
(1) 立会いの対象とする境界の種類
(2) 立会いによって所有権界についての法的効果を生じるか否か
(3) 実務上は筆界の確認と所有権界の確定をきれいに分けて考えることができない
3 各場合における考え方
(1)分筆等の表示登記申請目的で民民境界の立会いを求める場合
(2) 売主の義務等として行われる民民の確定測量の場合
(3) 官民境界確定協議の場合-一応所有権界の和解であるとされているが、筆界の確認にとどまる場合もある-
(4) 国土調査法の地籍調査の場合-筆界の確認であるが隣地所有者には手続参画権がある-
(5) 筆界特定の場合-筆界特定のための資料提供行為ではあるが実質的対立当事者の主張・立証がなされ得る-
(6) 民事調停、ADR等において現地調停を実施する場合-所有権界について「争い」があることを前提としており、成立すれば、所有権界の和解と解される-
(7) 道路等境界明示の場合-公物管理界を示す行為であり所有権界の合意ではないが立会適格は自治体の事務取扱要領等による-
(8) 現況測量、確定している筆界に杭を打設する場合等
第2 立会いと承諾の今後
第5章 境界の見方の反省
第1 公図中心主義
1 公図を後ろ盾とする意識
土地家屋調査士の視点7 実務家としての疑問
1 実測の実態
2 時間的制約
3 公図の精度と取扱い
2 公図、地図の見方
(1) 時代と地域の背景
(2) 定性と定量への疑問
弁護士の視点7 境界紛争における公図の意味
1 公図と現地の違いによって生じる境界紛争
2 境界紛争における公図評価の実際
3 公図の信用性に関する裁判例
(1) 一般論としては定性的には信用できるが定量的には信用できない
(2) 公図の重要性について相反する裁判例
(3) 筆界確定訴訟では公図の信用性についてどのように主張・立証するか
弁護士の視点8 公図の信用性が全面的に否定されることはあるか
1 公図の一般的な評価
2 公図についてほぼ全面的に信用性を否定した裁判例
(1) 東京高判昭62・8・31判時1251・103
(2) 長野地諏訪支判昭56・12・21訟月28・2・296
(3) 盛岡地一関支判昭43・4・10判時540・68
3 まとめ
第6章 境界確定の手法
第1 筆界の特定技法
1 筆界特定の能力と要素
(1) 調査
ア 資料調査
イ 現地調査(踏査・探索そして測量)
(2) 分析と判断
(3) 結論
2 筆界特定に当たっての詳細項目
(1) 登記記録・旧土地台帳
(2) 地図又は地図に準ずる図面
(3) 登記簿の附属書類の内容
(4) 対象土地及び関係土地の地形、地目、面積及び形状
(5) 工作物、囲障又は境界標の有無、その他の状況及びこれらの設置の経緯
(6) その他の事情
弁護士の視点9 筆界特定による境界紛争の解決
1 筆界特定によって境界紛争は解決しない?
(1) 境界杭が打設できない
(2) 越境物の問題が解決しない
(3) 売主の確定測量義務を果たしたことにならない?
(4) そもそも公に証明する効力しかない
(5) 筆界確定訴訟判決によって覆される可能性がある
2 それでも筆界特定を勧める理由
(1) そうはいっても筆界特定によって解決する境界紛争もある
(2) 筆界特定線を前提として訴訟が進行するため短期間に解決できることがある(決して遠回りではない)
(3) 結局、取得時効等の所有権界の争いになったとしても訴訟の争点を絞ることができるので、筆界特定を先行させる意味がある
(4) 筆界確定訴訟において筆界特定記録を取り寄せることによって大幅に立証負担が軽減される
(5) 当方の主張線が筆界特定で認められていれば、少なくとも筆界については既に勝ったも同然である
3 筆界特定が先行している場合の筆界確定訴訟における和解
弁護士の視点10 筆界特定の結果を覆した筆界確定訴訟判決
1 筆界特定は筆界確定訴訟においてどのように評価されているか
(1) 筆界特定の結果を尊重している筆界確定訴訟判決
(2) 筆界特定の結果を覆している筆界確定訴訟判決
第7章 境界確認 三つの時代区分(境界確定に当たって)
第1 三つの時代区分 境界探求(認証)の視点の推移の分析
第2 区分その1(数値資料のない筆界)
1 概要
2 考え方のポイント
(1) 数値及び与点がない
(2) 公図による現地復元の危険性
(3) 街区内における本番(元番)界どうしの境界確認
(4) 現況物の存在
(5) 空中写真の活用
(6) 面積の取扱い
(7) 分筆筆界の見方
(8) 合意(互譲)できる境界
3 事例
第3 区分その2(数値はあるものの、与点のない、あるいは与点が不明確な筆界)
1 概要
2 考え方のポイント
(1) 不安定的数値及び与点の不存在
(2) 精度区分の適用
(3) 公図求積の検討と面積按分
(4) 合意(互譲)できる境界
土地家屋調査士の視点8 土地改良地域における落とし穴
3 事例①
4 事例②
第4 区分その3(与点が明確な筆界)
1 概要
2 考え方のポイント
(1) 安定的与点と数値の存在
(2) 復元としての境界
(3) 一点一成果と観測値との収め方
(4) 合意(互譲)できない境界
3 事例
第8章 もう一つの境界確認(官有地道水路)
第1 官公署による境界確定協議の意味
1 立会いの目的とするところ
弁護士の視点11 官民境界確定事務取扱要領に基づく実務
1 境界確定事務取扱要領は内規であり直接住民を拘束するものではないが間接的に拘束される結果となる
2 最近の事務取扱要領の動向
3 官民境界確定協議の法的性質やあり方に触れた要領
4 官民境界確定協議は誰が主宰するのか(官か民か)
5 官民境界確定協議の資料収集は誰がするのか(官か民か)
6 官民境界確定協議の関係者の呼び出し等は誰がするのか(官か民か)
7 官民境界確定協議の費用負担は誰がするのか(官か民か)
8 官民境界確定協議の申請地(申請境界に接する土地)所有者の立会適格
(1) 共有、遺産分割未了
(2) 不在者
(3) 死亡者名義で相続人不明の場合
(4) 成年後見の被後見人
(5) 法人
(6) 破産者、清算会社
(7) 賃借権者
(8) 抵当権者、差押債権者
9 官民境界確定協議の隣接地(申請地の相隣接地)、対側地(申請地の道路・水路を挟む反対側の土地)所有者の立会適格
(1) 立会いを求める理由
(2) 相隣接地所有者及び対側地所有者の立会いの法的意義と立会適格
10 官民境界確定協議の錯誤、やり直し
11 官民境界確定協議の拒否(官が拒否、民が拒否)
2 各種境界証明
第2 道水路幅員
1 道水路幅員の確認
2 歴史的道水路幅員
① 明治9年6月8日太政官達第60号「道路等級ヲ廃シ更ニ別紙ノ通相定候」
第3 道水路内民地の考え方(土地台帳と実務)
1 上地成、国有地成等の意味
(1) 道水路内民地
(2) 道路内民地の類型
ア 権利登記未処理型
イ 分筆登記未処理型
ウ 例外(見かけ上の道路内民地)
(3) 各種類型における道路内民地の要因
ア 権利登記未処理型
(ア) 解説
① 土地台帳時代の取扱いと一元化時の誤った処理
② 地域の特別な慣習
③ 里道改良
④ セットバック等自主的後退
(イ) 権利登記未処理型の事例
① 明治27年3月1日坤第898号大蔵省主税局長通牒
② 明治29年4月6日大蔵省主税局長通牒
イ 分筆登記未処理型の事例
ウ 例外(見かけ上の道路内民地)の事例
2 第二種地成の意味
(1) 第二種地とは
弁護士の視点12 民有地が道路敷内にあることが判明したときの行政側の対応策
1 道路内民有地問題とは
2 民有地の第三取得者から自分が購入した土地の一部が道路敷になっているというクレームがあった場合の行政側の対応策
(1) 事実関係の確認
(2) 一筆の土地の一部の売買ではないか(道路敷になっている部分は未購入ではないか)の確認
(3) 背信的悪意者の主張
(4) 時効取得の主張(道路として供用を開始してから20年以上経過したので道路敷部分を時効取得したと主張する)
(5) 道路法の区域決定の効力が及んでいることの主張
(6) 占有妨害予防請求権の行使
(7) 今後の対応策
第9章 地籍調査と公図・地図
第1 地籍調査を通して
1 地籍調査事業と境界(筆界)の注意点
(1) 地籍調査事業は法律に基づく換地処分ではない
(2) 地籍調査事業前の資料(旧公図、地積測量図等)は生きている
第10章 境界確定もう一つのメカニズム
第1 なぜ当事者は理解し納得してくれないのか
1 呼び覚まされる意識と立会拒否の構図
(1) 意識化
(2) 不愉快の内在
(3) 排除の論理
2 権利意識と欲の二面性
3 意識と境界確定の選択肢
(1) 新たな所有の意思を持って使用する二つの境界と意識
(2) 新たな所有の意思を持たず間違って使用する境界と意識の変化
(3) 合意の選択肢
(4) 悪意の選択肢
(5) 錯誤の原因が全く不明(理解不能又は地図混乱)の選択肢
第2 境界確定の現場はどういう状況にあるのか
1 立会当事者の状況
2 依頼者と専門家の関係
3 隣接者等の意識の変化
第3 土地家屋調査士に求められる能力と役割
第4 専門家の心構えと依頼者等への対応
1 ニーズの把握
2 専門家の立ち位置
3 情報の伝達
4 やってはいけないこと
5 経験の不足
6 隣接者等への対応
7 怒りの感情のコントロール
索引
判例年次索引
著者
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