概要
損害賠償請求と時効の関係を判断するための指針!
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商品情報
- 商品コード
- 5100359
- ISBN
- 978-4-7882-9486-8
- JAN
- 9784788294868/1923032050005
- サイズ
- A5判
- 巻数
- 1
- ページ数
- 524
- 発行年月
- 2025年5月
目次
第1章 民法724条の適用範囲
1 総説
(1) 問題となるケース
(2) 検討の視点
2 請求権競合の場合
(1) 3年より短期の時効規定がある場合
(2) 競合それ自体を否定するもの
3 会社法429条1項(旧商法266条ノ3第1項)の取締役に対する損害賠償請求権
(1) 責任の法的性質
(2) 民法724条の類推適用
(3) 平29改正前商法522条(5年の商事時効)の適用の検討(平29改正による削除前)
4 会社法423条1項(旧商法266条1項)に基づく取締役に対する損害賠償請求権
(1) 法的性質
(2) 消滅時効期間
5 不法行為に基づく損害賠償請求権の不履行により生ずる遅延損害金の時効期間
6 不法行為による損害賠償債務の弁済としての事務管理による費用償還請求権
7 代位取得された損害賠償請求権
8 後見人在職中の財産管理上の不法行為
9 不正競争防止法における損害賠償請求権
10 民法723条に基づく謝罪広告請求権
11 船舶衝突事故によって生じた債権
(1) 平30商法改正前
(2) 平30改正商法789条
12 国家賠償法による損害賠償請求の時効期間
13 損失補償請求権
14 損害賠償に関する示談又は和解後の請求権
第2章 民法724条の短期消滅時効―総論
1 民法724条の短期消滅時効の立法趣旨論の機能
(1) 三方向の立法理由の探究(改正前民法下での議論状況)
(2) 民法724条の適用範囲へ及ぼす影響
(3) 起算点の解釈へ及ぼす影響
(4) 権利濫用論に及ぼす影響
2 3年という期間の法的性質―時効期間か除斥期間か(理論的検討)
(1) 除斥期間説の再検討
(2) 除斥期間説への批判と反論
3 時効期間を3年の短期とした理由
(1) 継続した事実状態の保護説
(2) 被害感情の治癒説
(3) 償いを求める人間本性説
(4) 加害者の立証上の困難からの救済説
(5) 加害者における不安定な立場からの解放説
(6) 被害者の態度に対する加害者の信頼保護説
(7) 裁判所の負担解放説
4 不法行為の消滅時効と一般債権の消滅時効との対比・検討
(1) 一般債権の消滅時効制度の存在理由
(2) 不法行為の消滅時効制度
(3) 両者の相違点
5 特別法との対比
(1) 製造物責任法
(2) 不正競争防止法
6 時効期間の計算方法
7 不法行為の成否と時効消滅の判断の示し方
第3章 3年の短期時効の起算点
1 平29民法改正との関係
2 平29改正前民法166条1項(平29改正民法166条1項2号)との比較・検討
(1) 客観的起算点の採用
(2) 主観的起算点の採用の理由
(3) 特則としての位置付けか具体的な定めか(平29改正前)
3 時効期間との関係
4 主観的事情を起算点とした理由
(1) 判例による説明
(2) 学説
5 知りたる時
6 知りたる程度
(1) 確信又は確定判決の要否
(2) 疑いや推測
(3) 裁判外の請求か裁判上の請求か
(4) 裁判上の請求が可能な程度の具体的内容
7 知る主体―一般人か被害者本人か
(1) 問題の提起
(2) 一般人基準説
(3) 被害者基準説
(4) 判例の立場
8 立証責任
9 損害・賠償義務者を知りながらなお権利行使できないとき
第4章 関連裁判の確定と起算点
1 問題の所在
(1) 違法性を知ることと公権的判断
(2) 損害の発生を知ることと公権的判断
(3) 同種事件の訴訟提起や判決の存在
2 最高裁判例
(1) 消極の結論となった判例
(2) 積極の結論となった判例
3 例外としての関連裁判による公権的判断
(1) 違法性を知ることと関連裁判による公権的判断
(2) 損害の発生を知ることと関連裁判による公権的判断
4 個別分野ごとの裁判例
(1) 保全処分関係
(2) 競売関係
(3) 登記関係
(4) 行政関係
(5) 刑事関係
(6) 不当訴訟
(7) 交通事故関係
(8) 労働関係
(9) 金融関係
第5章 権利行使の事実上の可能性
1 問題の提起
(1) 事実上の障害と法律上の障害
(2) 被害者の主観的認識と権利行使可能性との関係
(3) 20年の除斥期間(平29民法改正前)と権利行使可能性との関係
2 最高裁判例の考え方
(1) 総括
(2) 最判昭49・12・20
(3) 最判昭42・7・18
(4) 最判平14・1・29(ロス疑惑配信事件)
(5) 最判平16・4・27(筑豊じん肺訴訟)
3 平29改正前民法166条1項(平29改正民法166条1項2号)との対比・検討
(1) 一般の債権の消滅時効の起算点と事実上の障害
(2) 平29改正前民法166条の解釈の修正
4 学説の概観
(1) 積極説
(2) 消極説
5 下級審裁判例
(1) 積極
(2) 消極
6 民法724条の解釈
第6章 起算点―知る主体
1 被害者
2 相続人
3 無能力者
(1) 未成年者
(2) 被保佐人(旧準禁治産者)
(3) 成年被後見人(旧禁治産者)
4 被害者が国の場合
5 被害者が法人の場合
(1) 職務担当者の知
(2) 代表者自身の加害行為の場合
第7章 起算点―加害者を知る
1 加害者の意義
2 加害者を知る―特にその住所・氏名
(1) 最判昭48・11・16
(2) 学説
3 加害者であることを知る
(1) 判決確定の要否
(2) 判断基準
4 「知った」の意義
(1) 法的当てはめの問題
(2) 現実認識か認識可能で足りるか
(3) 知る程度と具体的認定
5 代理監督者、運行供用者
6 共同不法行為の場合
7 法人の代表者が加担して共同不法行為を行った場合
8 加害者が不明の場合
第8章 使用者責任(民法715条)
1 加害者を知る
(1) 使用者責任(民法715条)の要件事実
(2) 知る対象事実
(3) 使用関係を知る
(4) 事業執行を知る
(5) 被用者の氏名を知る
(6) 被用者の加害を知る
2 被用者の賠償義務の時効完成との関係
3 被用者に対する時効中断効(更新)の使用者への影響
(1) 平29改正民法以前
(2) 平29改正民法下
4 民法715条3項の求償権の時効期間
第9章 不法行為を知る
1 時効の起算点としての要件
(1) 判例の立場
(2) 要件とする根拠
2 不法行為を構成することを知ることの内容
(1) 認識対象と判断主体
(2) 知る程度
(3) 法の不知
3 受忍限度超過の場合
(1) 受忍限度論
(2) 具体的認定
4 高度の法的判断を要する場合
5 知る時期に関する具体的認定
(1) 類型的な分類
(2) 被害者の関連裁判が確定しないと不法行為であることが認識しにくい類型
(3) 公害、建築瑕疵訴訟など損害発生の原因が複雑なため違法性を認識しにくい類型
(4) 加害者の説明を信じて違法性の認識を欠いていた類型
(5) 違法性の有無の判断が困難なケース
6 行政救済措置との関係
第10章 因果関係を知る
1 総説
2 具体的認定
3 知る程度に関する具体的認定
(1) 勝訴ができる程度に知ることは要しないとするもの
(2) 請求が可能な程度に具体的な資料に基づいて認識することができた時とするもの
(3) 因果関係について争いがあるときは、その結論が行政庁などによって公的に示された時とするもの
第11章 損害を知る
1 不法行為における損害の意味
(1) 損害=金銭説と損害事実説
(2) 起算点としての損害の意味
2 損害の発生と損害を知る
(1) 損害の発生時期及び損害類型
(2) 損害の発生時点と損害を知る
(3) 損害を知ることと法律的判断の要否
3 損害の範囲を知ることと損害を知る
(1) 牽連一体をなす予見可能な損害
(2) 一般理論の例外(損害類型論)
4 予見可能な損害の範囲
(1) 判断主体
(2) 具体的認定
5 現実認識の要・不要
(1) 問題の所在
(2) 学説の対立
(3) 最判平14・1・29(ロス疑惑関連事件)
(4) 損害の発生を現実に認識したときの具体的認定
6 知る程度
第12章 後遺障害
1 総説
(1) 後遺障害という損害の発生時期
(2) 起算点における問題点
2 3つの最高裁判例と2つの区分
(1) 3つの最高裁判例
(2) 最判昭42・7・18
(3) 最判昭49・9・26
(4) 最判平16・12・24(自動車保険料率算定会の認定と時効の起算点)
(5) 各判例の対比
3 予見可能の判断基準と後遺症における適用
(1) 予見可能の主体―一般人か被害者か
(2) 2つの後遺障害
(3) 区分の基準
4 受傷時か症状固定時か
(1) 裁判例
(2) 学説
5 後遺障害以外の傷害関係の消滅時効の起算点
6 請求の拡張
7 自賠責の等級認定との関係
第13章 継続的不法行為
1 総説
2 継続的不法行為の類型
(1) 類型
(2) 損害からのアプローチ
(3) 行為からのアプローチ
3 継続的不法行為における消滅時効の起算点
(1) 逐次進行説
(2) 新一括進行説
4 継続的不法行為における除斥期間(平29改正前)の起算点
5 具体的認定
(1) 特許侵害
(2) 違法な仮処分
(3) 不法占拠
(4) 騒音・大気汚染・日照被害・土壌汚染
(5) 不当訴訟
(6) 労働関係
(7) 夫婦・親子関係
(8) 名誉毀損
(9) 殺害遺体の長期間の隠匿
(10) 原子力損害賠償請求
(11) ビキニ環礁付近等における核実験による被ばく(昭和29年)
6 不作為と継続的不法行為論
(1) 総説
(2) 肯定した裁判例
(3) 否定した裁判例
第14章 3年の短期時効期間
1 3年の短期時効期間(平29改正前民法724条前段(平29改正民法724条1号))
2 特例としての5年(平29改正民法724条の2)
3 20年の長期時効期間(平29改正民法724条2号)
4 時効期間の計算方法
(1) 時か日か
(2) 初日不算入
5 不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金
(1) 平29改正前民法167条1項適用説
(2) 民法724条適用説
6 示談成立後に示談契約(和解契約)に基づき請求する場合
(1) 問題の所在
(2) 判例・学説
(3) 私見
7 訴訟上の和解成立の場合
8 会計法30条(5年の時効期間)との関係
第14章の2 不法行為により人の生命・身体を侵害する短期消滅時効の時効期間の特則
1 改正点―短期消滅時効の消滅時効期間
2 長期消滅時効の時効期間
3 時効の起算点の問題
4 特則の対象となる被侵害利益の範囲
5 平成29年改正法の経過措置
第14章の3 20年の長期時効期間(平29改正民法724条2号)
1 20年(平29改正民法724条本文及び2号)の長期時効期間への改正
2 立法趣旨及び立法論
3 予想される適用事例
4 長期消滅時効期間―20年
5 20年の起算点―不法行為の時
6 除斥期間としていた改正前の最高裁判例との関係
(1) 従前判例における3つの不適用要件との関係
(2) 時効の完成猶予規定の適用・類推適用
(3) 信義則・権利濫用論の適用
(4) 加害者による権利行使阻害要件
7 改正法の適用関係
8 判例変更を否定―最大判令6・7・3の多数意見
9 20年時効の更新後の時効期間
第15章 時効中断(更新)
1 訴訟告知
(1) 手形法86条
(2) 明文の規定がない場合
(3) 裁判例
2 債務承認(権利の承認)
(1) 総説
(2) 債務承認を認めたもの
(3) 債務承認と認めなかったもの
(4) 時効完成後の債務承認
3 自賠責保険の支払と債務承認(権利の承認)
4 裁判上の催告理論
(1) 裁判上の催告理論の意義
(2) 具体的適用
5 交渉の継続
(1) 平29改正前の解釈
(2) 立法提案
(3) 平29改正民法151条1項(協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)
6 刑事訴訟手続に伴う犯罪被害者等の損害賠償請求に係る裁判手続の特例における時効の完成猶予
(1) 手続の概要
(2) 時効の完成猶予
7 行政救済措置と時効中断(更新)
第16章 時効中断(更新)の範囲
1 訴訟物との関係
2 過失内容の追加
(1) 東京高判昭57・4・27
(2) 過失と訴訟物
3 受傷による損害賠償請求中の死亡による損害賠償請求
4 財産上の損害賠償請求と謝罪広告請求
5 製作・販売禁止の仮処分と損害賠償請求
6 契約責任による本訴に不法行為責任の予備的追加
(1) 名古屋高金沢支判昭56・1・28
(2) 訴訟物論からの検討
(3) 裁判上の催告理論(平29改正前)
7 安全配慮義務違反に基づく請求と不法行為責任
(1) 訴訟物
(2) 消極の裁判例
(3) 積極の裁判例
(4) 検討
8 瑕疵担保責任による請求と不法行為責任
(1) 福岡高判平24・1・10
(2) 検討
9 一部についての債務承認(権利の承認)と時効中断(更新)の範囲
(1) 時効中断(更新)の範囲に関する一般理論
(2) 一部についての債務承認(権利の承認)
(3) 裁判例
第17章 代位
1 代位ある場合の時効期間・時効の起算点
(1) 問題の提起
(2) 裁判例
(3) 人身傷害保険による代位の場合
2 時効中断(更新)事由
(1) 代位前の中断(更新)事由
(2) 代位後の中断(更新)事由
第18章 一部請求
1 訴訟物と一部請求
(1) 訴訟物
(2) 一部請求
(3) 一部請求と時効中断(更新)の範囲
2 いわゆる特定一部請求
3 明示の一部請求か否か
4 一部催告か否か
(1) 裁判例
(2) 考え方
第19章 請求の拡張
1 訴訟物の区別
(1) 総説
(2) 判例
(3) 学説
2 人的損害請求に物的損害請求の追加
3 死者の財産的損害請求に慰謝料請求を追加
4 傷害に基づく財産的損害金額の増額
(1) 増額
(2) 計算方式の変更による増額
5 慰謝料金額の増額
(1) 一部請求かどうか
(2) 拡張部分が慰謝料部分か明確でない場合
6 財産的損害項目の変更
7 遅延損害金の起算点の繰上げ
8 明示の一部請求における請求の拡張
第20章 平29改正前民法724条後段(除斥期間)
1 除斥期間一般
(1) 意義
(2) 分類
(3) 時効期間との識別基準
(4) 平29改正民法724条2号
2 20年期間制度の趣旨
(1) 20年除斥期間制度の趣旨
(2) 20年時効制度の趣旨
3 消滅時効期間との相違点
(1) 中断効(更新)の有無
(2) 援用又は当事者の主張の要否
(3) 除斥期間の起算点
(4) 遡及効
(5) 停止
(6) 利益の放棄
(7) 確定判決による期間の延長(平29改正前民法174条の2(平29改正民法169条))
(8) 相殺(民法508条)
4 除斥期間の効果
(1) 権利行使の効果
(2) 除斥期間経過による権利消滅
5 平29改正前民法724条後段20年の期間の性質
(1) 総説
(2) 判例の立場(除斥期間説)
(3) 除斥期間説の根拠と批判
(4) 公益性の有無
6 権利行使の方法
(1) 問題点
(2) 裁判例
(3) 平29民法改正との関係
7 平29改正前民法724条後段に関する経過措置
8 論点―判例変更の可能性(最大判令6・7・3)
第21章 除斥期間(平29改正前民法724条後段)の起算点
1 総説
(1) 問題の所在と判例の立場
(2) 起算点と不法行為の個数
(3) 起算点と権利行使可能性との関係
(4) 起算点の立証責任
(5) 平29民法改正との関係
(6) 最大判令6・7・3との関係
2 事実上の加害行為時説
(1) 根拠
(2) 加害行為時説の裁判例
(3) 加害行為時説に対する批判
3 損害発生時説
(1) 根拠
(2) 損害発生時説の裁判例
4 二元説
(1) 根拠
(2) クロム曝露
(3) じん肺(最判平16・4・27)
(4) 水俣病
(5) B型肝炎(最判平18・6・16、最判令3・4・26)
(6) C型肝炎
(7) らい予防法による強制隔離政策
(8) 固定資産税の過大評価(最判令2・3・24)
(9) 旧優生保護法による不妊手術
(10) その他
5 継続的不法行為と除斥期間の起算点
6 不作為型不法行為の場合
(1) 学説
(2) 裁判例
7 平29改正前製造物責任法の除斥期間
8 平29改正民法724条2号との関係
第22章 除斥期間(平29改正前)の停止・不適用・主張の制限
1 権利行使可能性との関係
(1) 問題の提示
(2) 消極の裁判例
(3) 立証困難性
2 除斥期間の停止・完成の猶予
(1) 問題の所在
(2) 判例
3 除斥期間の不適用、効果の不発生
(1) 問題の所在
(2) 判例における適用除外例1(最判平10・6・12)
(3) 判例における適用除外例2(最判平21・4・28)
(4) 判例における適用除外例3(最判平19・2・6)
4 除斥期間経過による権利消滅の主張の制限
第23章 共同不法行為関係
1 加害者を知る
(1) 原則
(2) 国家賠償請求
2 共同不法行為者の1人に対する請求の効果
(1) 平29改正前
(2) 平29改正後
3 共同不法行為者の1人に対する時効完成の効果
(1) 平29改正前民法439条(平29改正により削除)の適用の有無
(2) 求償権への影響
4 共同不法行為者間の求償権
(1) 消滅時効期間
(2) 消滅時効の起算点
5 平29民法改正との関係(まとめ)
第24章 相殺
1 不法行為による損害賠償債権と相殺禁止
(1) 不法行為の加害者からの相殺禁止
(2) 当事者双方が不法行為による損害賠償請求権を有しているケース
(3) 同一交通事故により生じた物的損害に基づく損害賠償請求権相互間のケース
(4) 不法行為の被害者からの相殺と民法508条(時効消滅債権)・平29改正前民法509条(債権の相殺禁止)
2 除斥期間により消滅した債権による相殺
(1) 問題の所在
(2) 過去の判例
(3) 学説
(4) 判例の変更
(5) 20年経過後の不法行為による損害賠償請求権
第25章 権利濫用・信義則違反
1 総説
(1) 消滅時効の援用
(2) 除斥期間の主張
2 損害賠償債権の消滅時効の援用と権利濫用
(1) 公害・薬害関係
(2) 親族関係
(3) 医療過誤
(4) 交通事故関係
(5) 労働災害関係
(6) 予防接種
(7) 国家賠償請求
(8) 消費者被害
(9) 労働関係
(10) 強制労働関係
(11) その他
3 除斥期間(平29改正前)の主張と信義則違反・権利濫用
(1) 問題の所在
(2) 学説
(3) 令和6年以前の裁判例
4 令和6年最高裁大法廷判決による判例変更(除斥期間の主張の制限)
5 除斥期間経過後の債務承認等と信義則
(1) 問題の所在
(2) 令和6年以前の裁判例と学説
(3) 令和6年最高裁大法廷判決との関係
6 平29民法改正以後(消滅時効期間としての20年)
第26章 安全配慮義務違反
1 法的性質と権利義務・損害の内容
2 不法行為責任との請求権競合論
(1) 不法行為責任との対比
(2) 過失の立証責任
(3) 遅延損害金
(4) 弁護士費用
(5) 時効中断(更新)
3 時効期間(平29民法改正前)―10年(平29改正前民法167条)か3年(平29改正前民法724条)か
(1) 問題の所在
(2) 判例
(3) 学説
4 時効期間(平29民法改正以後)
5 商事時効(平29改正による削除前)適用の有無
6 時効の起算点(平29改正前)その1一回的原因(事故型)
(1) 事故の時とする裁判例
(2) 学説
(3) 私見
7 時効の起算点(平29改正前)その2騒音
8 時効の起算点(平29改正前)その3じん肺
(1) 最高裁平成6年判決
(2) 最高裁平成16年判決 死亡した場合の起算点
(3) 石綿粉じん肺
(4) 消滅時効の段階的完成と損害控除
9 時効の起算点(平29改正前)その4刑務官の暴行
10 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の時効期間と起算点(平29改正民法167条及び平29改正民法724条の2)
(1) 時効期間の統一
(2) 時効期間の起算点
第27章 国家賠償法関係
1 総説
(1) 民法724条の適用
(2) 国家賠償請求における変容
2 加害者を知る
(1) 国家賠償請求における加害者を知ることの変容
(2) 具体的認定
(3) 行政救済措置による申請と加害者を知る
3 違法性を知る
4 損害を知る
5 規制権限不行使の場合の起算点
(1) 規制権限の不行使をめぐる国家賠償責任
(2) 時効の起算点
(3) 加害者を知る
(4) 不法行為であることを知る
(5) 除斥期間(平29改正前)の起算点
(6) 除斥期間(平29改正前)の不適用
(7) 除斥期間の主張の制限
6 立法の不作為と違法性を知る
7 時効の援用の要否
第28章 保全処分
1 総説
2 保全処分の申請と不法行為を知る
(1) 仮処分申請時とする判例
(2) 本案確定時とする判例
3 保全債権者に対する違法な保全処分を理由とする損害賠償請求
(1) 起算点
(2) 学説
(3) 具体的認定
4 完済後の仮差押登記の放置
5 無効な仮差押執行による国家賠償請求
第29章 強制執行・競売
1 不当執行と違法執行
2 申立てをした債権者に対するもの
(1) 損害を知った時
(2) 弁済後の差押えの不当継続
3 強制執行手続をなした国に対する国家賠償請求
(1) 動産執行
(2) 判決正本送達前の明渡執行
(3) 競売公告の不備
第30章 登記
1 総説
(1) 成立要件
(2) 除斥期間(平29改正前民法724条後段)との関係
(3) 継続的不法行為との関係
2 偽造の登記済証による登記
3 許可証のない所有権移転登記
4 二重登記
(1) 登記官の職権抹消義務
(2) 除斥期間(平29改正前民法724条後段)の起算点
5 登記の脱漏
(1) 所有権移転登記の脱漏と除斥期間(平29改正前民法724条後段)
(2) 嘱託された仮差押登記の脱漏
第31章 行政処分・課税処分
1 総説
2 行政処分の効力が争われている場合の起算点
(1) 取消判決又は無効判決の確定時説
(2) 取消判決の言渡時説
(3) 取消訴訟の提起時説
3 国の違法な買収・売渡処分に関する短期時効の起算点
(1) 従前の判例
(2) 関連訴訟が係属していた場合
4 国の違法な買収・売渡処分に関する除斥期間(平29改正前民法724条後段)の起算点
(1) 起算点を争った判例
(2) 不作為による継続的不法行為理論
5 課税処分
(1) 課税処分の違法を理由とする国家賠償
(2) 違法な固定資産税課税処分
(3) 違法な物品税課税処分
(4) 違法な特別土地保有税課税処分
6 違法な道路位置指定処分
第32章 刑事処分・警察官・検察官の不法行為
1 総説
(1) 国家賠償法1条の違法
(2) 3つの類型における時効の起算点
2 不法な逮捕・不法な身柄拘束・不法な勾留・違法な取調べ
(1) 不法な逮捕
(2) 不法な身柄拘束
(3) 不法な勾留
(4) 違法な取調べ
3 不法な公訴提起
4 再審による無罪判決の要否
(1) 再審経由必要説
(2) 直接請求可能説
5 押収物件の違法な公売処分による損害
6 警察官の不法行為
(1) 取調中の暴行
(2) 留置場における処置
第33章 不当訴訟
1 総説
2 起算点
(1) 不当な訴え提起
(2) 虚偽証拠の提出
3 前訴判決確定時説の根拠の検討
4 継続的不法行為との関係
第34章 医療事故
1 契約責任と不法行為責任の2つの法的構成
(1) 平29改正前
(2) 平29改正以後
2 不法行為構成による時効の起算点(平29改正前)
(1) 医療過誤であることの疑念と起算点
(2) 因果関係を知る程度
3 債務不履行構成による時効の起算点(平29改正前)
(1) 一般の債務不履行による損害賠償請求権の時効の起算点
(2) 医療過誤における修正
4 具体的認定(平29改正前)
5 平29民法改正後
(1) 人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権
(2) 時効の起算点の問題
第35章 交通事故
1 総説
2 加害者を知る
(1) 具体的認定
(2) 加害車両の運転者に争いがある場合
(3) 加害行為自体に争いがある場合
(4) 被害者が加害者として刑事訴追を受けていたとき
(5) 自動車損害賠償保障法3条(運行供用者の責任)
(6) 交通事故の無罪判決後の道路管理者に対する損害賠償請求
3 不法行為を知る
4 因果関係を知る
5 損害を知る
(1) 鞭打ち症
(2) 後遺障害及び自算会の算定
(3) 心因性疼痛
6 保険金請求権
(1) 自動車損害賠償保障法15条(被保険者(保有者・運転者)からの自賠責保険金請求)
(2) 自動車損害賠償保障法16条(被害者から保険会社に対する請求)
(3) 自動車損害賠償保障法72条(政府に対する保障金請求権)
7 時効の援用
(1) 信義則違反・権利濫用
(2) 被害者の病院への治療費支払債務の加害者による時効援用の可否
(3) 時効完成後の債務承認による援用権の喪失
8 時効の中断(更新)
(1) 自動車損害賠償保障法による被害者請求手続との関係
(2) 加害者からの調停申立て
(3) 一部請求
(4) 催告に対し善処するとの回答
(5) 債務承認(権利の承認)
9 時効期間の延長
10 平29改正の関係
(1) 時効期間
(2) 同一事故により物損と人身被害が生じた場合
第36章 公害・生活妨害・薬害
1 総説
2 振動
3 騒音
(1) 航空機騒音
(2) 新幹線による騒音
(3) 道路騒音
(4) その他の騒音・振動
4 大気汚染
(1) 大気汚染防止法25条の4
(2) 損害の把握
(3) 除斥期間(平29改正前)
5 日照被害
6 鉱害(ヒ素)
(1) 平29改正
(2) 人の生命又は身体を害した場合
(3) 時効の起算点
7 薬害
(1) 消滅時効の起算点
(2) 除斥期間(平29改正前)の起算点
(3) 権利濫用・信義則違反
第37章 不同意性交等被害
1 性犯罪に関する刑法改正
2 継続的不法行為の成否
3 現実的権利行使可能性の不存在
4 性的虐待(親族以外の者による)
第38章 夫婦・親子・相続
1 内縁関係の不当破棄
2 離婚による夫婦間の慰謝料請求
(1) 離婚それ自体の慰謝料請求
(2) 個別の違法行為を理由とする慰謝料請求
3 不貞の相手方に対する損害賠償請求
(1) 2つの法的構成及び離婚慰謝料請求
(2) 不貞慰謝料請求―最判平6・1・20
(3) 離婚慰謝料請求
4 虐待
(1) 虐待等
(2) 性的虐待(親族による)
5 相 続
6 継続的不法行為の成否
第39章 精神障害
1 総説
2 損害及び加害者を知った時
(1) 連れ戻しへの恐れ
(2) 準禁治産者(平成11年改正前民法)で保佐人の同意が得られない場合
3 除斥期間(平29改正前)の起算点
第40章 弁護士費用
1 総説
2 消滅時効の起算点
(1) 予見可能性
(2) 最判昭45・6・19
(3) 学説
3 控訴審における弁護士費用の消滅時効の起算点
4 不当訴訟における損害としての弁護士費用
第41章 マスコミ・名誉毀損
1 損害自体の発生と損害を知るの区別
(1) 新聞による名誉毀損の損害発生時
(2) テレビによる名誉毀損の損害発生時
2 損害を知った時
(1) 認識可能説
(2) 現実認識必要説
(3) 現実認識必要説の具体的適用
3 各マスコミ媒体ごとの裁判例(平成14年最高裁判決以前も含む)
4 継続的不法行為との関係(ウェブサイト)
5 差止請求権
6 原状回復処分
第42章 知的財産権
1 特許権・実用新案権
(1) 侵害による損害賠償請求
(2) 損害を知る
(3) 継続的不法行為
(4) 補償金請求権
2 意匠権
3 商標権
4 著作権
(1) 具体的認定
(2) 著作者人格権
5 不正競争防止法
(1) 虚偽事実の陳述又は流布
(2) 不正競争防止法における消滅時効規定
6 不法行為法による補充的保護
7 時効中断(更新)
第43章 会社法・手形
1 取締役に対する損害賠償請求権の時効期間(会社法429条)
2 損害を知る
(1) 法人の代表者が加担した共同不法行為
(2) 株券の担保差入れ
(3) 被用者による手形の偽造
(4) 株主総会で議決された取締役への退職慰労金に関する取締役会決議不存在
第44章 消費者被害
1 マルチ商法
(1) 意義
(2) 不法行為責任の根拠
(3) 時効の起算点
2 宗教に関連する行為の支出や物品の購入
(1) 信者本人からの損害賠償請求
(2) 宗教的呪縛の起算点への影響
(3) 家族からの損害賠償請求
3 製造物責任追及
(1) 製造物責任法5条の特則
(2) 裁判例
(3) 平29改正製造物責任法5条1項2号
4 建築・住宅関係
(1) 建築・住宅をめぐる不法行為責任の発生
(2) 時効の起算点
(3) 除斥期間(平29改正前)の起算点
(4) 請求の拡張
(5) 注文者の責任(民法716条ただし書)
5 消費者金融
6 先物取引被害
(1) 違法行為を知るとの観点から時効完成を否定したもの
(2) 時効の援用が信義則違反としたもの
(3) 3年時効の起算点
第45章 労働関係
1 差別的取扱い
(1) 思想・信条を理由とする賃金差別
(2) 性による賃金格差の起算点
(3) 組合員であることを理由とする昇任・昇格差別の起算点
(4) 聴覚障害を理由とする昇任差別に基づく年金損害と慰謝料
(5) 採用における差別
2 時効中断(更新)
(1) 地位確認の訴えと賃金請求権の裁判上の催告
(2) 労働委員会への救済申立てと時効の中断(更新)
3 セクハラ
(1) 定義
(2) 違法性判断の基準
(3) 時効の起算点
(4) 時効期間
4 労災関係
(1) 労災民事損害賠償請求権
(2) 労災保険の保険給付を受ける権利(労働者災害補償保険法42条)
5 不当労働行為
6 クロム禍
7 パワハラ
(1) 定義
(2) 不法行為構成
第46章 金融機関
1 使用者責任関係
(1) 支配人
(2) 支局長
2 預金関係
(1) 定期預金
(2) 導入預金
(3) 時効援用権の信義則違反・権利濫用
3 融資
(1) 偽造書類による融資
(2) 意思無能力者に対する無効となった貸付け
4 行員からの損害賠償請求
第47章 地方公共団体関係
1 地方自治法242条の2第1項4号請求訴訟
(1) 代位訴訟から義務付け訴訟への改正
(2) 訴訟告知と時効完成の猶予
2 損害を知る
(1) 市長の権限踰越による手形振出
(2) 入札談合
(3) その他
3 不法行為を知る
4 旧地方自治法243条の2の職員賠償責任
5 監査請求期間制限との関係
6 市長に対する損害賠償請求
第48章 平29改正後の一般債権の消滅時効における起算点との関係
1 債権一般の消滅時効における主観的起算点の導入
2 改正時の議論と主観的起算点の導入
3 起算点に関する学説と検討
第49章 平29改正民法の経過措置
1 総論
2 不法行為による損害賠償請求権の消滅時効に関する経過措置
〇判例年次索引
1 総説
(1) 問題となるケース
(2) 検討の視点
2 請求権競合の場合
(1) 3年より短期の時効規定がある場合
(2) 競合それ自体を否定するもの
3 会社法429条1項(旧商法266条ノ3第1項)の取締役に対する損害賠償請求権
(1) 責任の法的性質
(2) 民法724条の類推適用
(3) 平29改正前商法522条(5年の商事時効)の適用の検討(平29改正による削除前)
4 会社法423条1項(旧商法266条1項)に基づく取締役に対する損害賠償請求権
(1) 法的性質
(2) 消滅時効期間
5 不法行為に基づく損害賠償請求権の不履行により生ずる遅延損害金の時効期間
6 不法行為による損害賠償債務の弁済としての事務管理による費用償還請求権
7 代位取得された損害賠償請求権
8 後見人在職中の財産管理上の不法行為
9 不正競争防止法における損害賠償請求権
10 民法723条に基づく謝罪広告請求権
11 船舶衝突事故によって生じた債権
(1) 平30商法改正前
(2) 平30改正商法789条
12 国家賠償法による損害賠償請求の時効期間
13 損失補償請求権
14 損害賠償に関する示談又は和解後の請求権
第2章 民法724条の短期消滅時効―総論
1 民法724条の短期消滅時効の立法趣旨論の機能
(1) 三方向の立法理由の探究(改正前民法下での議論状況)
(2) 民法724条の適用範囲へ及ぼす影響
(3) 起算点の解釈へ及ぼす影響
(4) 権利濫用論に及ぼす影響
2 3年という期間の法的性質―時効期間か除斥期間か(理論的検討)
(1) 除斥期間説の再検討
(2) 除斥期間説への批判と反論
3 時効期間を3年の短期とした理由
(1) 継続した事実状態の保護説
(2) 被害感情の治癒説
(3) 償いを求める人間本性説
(4) 加害者の立証上の困難からの救済説
(5) 加害者における不安定な立場からの解放説
(6) 被害者の態度に対する加害者の信頼保護説
(7) 裁判所の負担解放説
4 不法行為の消滅時効と一般債権の消滅時効との対比・検討
(1) 一般債権の消滅時効制度の存在理由
(2) 不法行為の消滅時効制度
(3) 両者の相違点
5 特別法との対比
(1) 製造物責任法
(2) 不正競争防止法
6 時効期間の計算方法
7 不法行為の成否と時効消滅の判断の示し方
第3章 3年の短期時効の起算点
1 平29民法改正との関係
2 平29改正前民法166条1項(平29改正民法166条1項2号)との比較・検討
(1) 客観的起算点の採用
(2) 主観的起算点の採用の理由
(3) 特則としての位置付けか具体的な定めか(平29改正前)
3 時効期間との関係
4 主観的事情を起算点とした理由
(1) 判例による説明
(2) 学説
5 知りたる時
6 知りたる程度
(1) 確信又は確定判決の要否
(2) 疑いや推測
(3) 裁判外の請求か裁判上の請求か
(4) 裁判上の請求が可能な程度の具体的内容
7 知る主体―一般人か被害者本人か
(1) 問題の提起
(2) 一般人基準説
(3) 被害者基準説
(4) 判例の立場
8 立証責任
9 損害・賠償義務者を知りながらなお権利行使できないとき
第4章 関連裁判の確定と起算点
1 問題の所在
(1) 違法性を知ることと公権的判断
(2) 損害の発生を知ることと公権的判断
(3) 同種事件の訴訟提起や判決の存在
2 最高裁判例
(1) 消極の結論となった判例
(2) 積極の結論となった判例
3 例外としての関連裁判による公権的判断
(1) 違法性を知ることと関連裁判による公権的判断
(2) 損害の発生を知ることと関連裁判による公権的判断
4 個別分野ごとの裁判例
(1) 保全処分関係
(2) 競売関係
(3) 登記関係
(4) 行政関係
(5) 刑事関係
(6) 不当訴訟
(7) 交通事故関係
(8) 労働関係
(9) 金融関係
第5章 権利行使の事実上の可能性
1 問題の提起
(1) 事実上の障害と法律上の障害
(2) 被害者の主観的認識と権利行使可能性との関係
(3) 20年の除斥期間(平29民法改正前)と権利行使可能性との関係
2 最高裁判例の考え方
(1) 総括
(2) 最判昭49・12・20
(3) 最判昭42・7・18
(4) 最判平14・1・29(ロス疑惑配信事件)
(5) 最判平16・4・27(筑豊じん肺訴訟)
3 平29改正前民法166条1項(平29改正民法166条1項2号)との対比・検討
(1) 一般の債権の消滅時効の起算点と事実上の障害
(2) 平29改正前民法166条の解釈の修正
4 学説の概観
(1) 積極説
(2) 消極説
5 下級審裁判例
(1) 積極
(2) 消極
6 民法724条の解釈
第6章 起算点―知る主体
1 被害者
2 相続人
3 無能力者
(1) 未成年者
(2) 被保佐人(旧準禁治産者)
(3) 成年被後見人(旧禁治産者)
4 被害者が国の場合
5 被害者が法人の場合
(1) 職務担当者の知
(2) 代表者自身の加害行為の場合
第7章 起算点―加害者を知る
1 加害者の意義
2 加害者を知る―特にその住所・氏名
(1) 最判昭48・11・16
(2) 学説
3 加害者であることを知る
(1) 判決確定の要否
(2) 判断基準
4 「知った」の意義
(1) 法的当てはめの問題
(2) 現実認識か認識可能で足りるか
(3) 知る程度と具体的認定
5 代理監督者、運行供用者
6 共同不法行為の場合
7 法人の代表者が加担して共同不法行為を行った場合
8 加害者が不明の場合
第8章 使用者責任(民法715条)
1 加害者を知る
(1) 使用者責任(民法715条)の要件事実
(2) 知る対象事実
(3) 使用関係を知る
(4) 事業執行を知る
(5) 被用者の氏名を知る
(6) 被用者の加害を知る
2 被用者の賠償義務の時効完成との関係
3 被用者に対する時効中断効(更新)の使用者への影響
(1) 平29改正民法以前
(2) 平29改正民法下
4 民法715条3項の求償権の時効期間
第9章 不法行為を知る
1 時効の起算点としての要件
(1) 判例の立場
(2) 要件とする根拠
2 不法行為を構成することを知ることの内容
(1) 認識対象と判断主体
(2) 知る程度
(3) 法の不知
3 受忍限度超過の場合
(1) 受忍限度論
(2) 具体的認定
4 高度の法的判断を要する場合
5 知る時期に関する具体的認定
(1) 類型的な分類
(2) 被害者の関連裁判が確定しないと不法行為であることが認識しにくい類型
(3) 公害、建築瑕疵訴訟など損害発生の原因が複雑なため違法性を認識しにくい類型
(4) 加害者の説明を信じて違法性の認識を欠いていた類型
(5) 違法性の有無の判断が困難なケース
6 行政救済措置との関係
第10章 因果関係を知る
1 総説
2 具体的認定
3 知る程度に関する具体的認定
(1) 勝訴ができる程度に知ることは要しないとするもの
(2) 請求が可能な程度に具体的な資料に基づいて認識することができた時とするもの
(3) 因果関係について争いがあるときは、その結論が行政庁などによって公的に示された時とするもの
第11章 損害を知る
1 不法行為における損害の意味
(1) 損害=金銭説と損害事実説
(2) 起算点としての損害の意味
2 損害の発生と損害を知る
(1) 損害の発生時期及び損害類型
(2) 損害の発生時点と損害を知る
(3) 損害を知ることと法律的判断の要否
3 損害の範囲を知ることと損害を知る
(1) 牽連一体をなす予見可能な損害
(2) 一般理論の例外(損害類型論)
4 予見可能な損害の範囲
(1) 判断主体
(2) 具体的認定
5 現実認識の要・不要
(1) 問題の所在
(2) 学説の対立
(3) 最判平14・1・29(ロス疑惑関連事件)
(4) 損害の発生を現実に認識したときの具体的認定
6 知る程度
第12章 後遺障害
1 総説
(1) 後遺障害という損害の発生時期
(2) 起算点における問題点
2 3つの最高裁判例と2つの区分
(1) 3つの最高裁判例
(2) 最判昭42・7・18
(3) 最判昭49・9・26
(4) 最判平16・12・24(自動車保険料率算定会の認定と時効の起算点)
(5) 各判例の対比
3 予見可能の判断基準と後遺症における適用
(1) 予見可能の主体―一般人か被害者か
(2) 2つの後遺障害
(3) 区分の基準
4 受傷時か症状固定時か
(1) 裁判例
(2) 学説
5 後遺障害以外の傷害関係の消滅時効の起算点
6 請求の拡張
7 自賠責の等級認定との関係
第13章 継続的不法行為
1 総説
2 継続的不法行為の類型
(1) 類型
(2) 損害からのアプローチ
(3) 行為からのアプローチ
3 継続的不法行為における消滅時効の起算点
(1) 逐次進行説
(2) 新一括進行説
4 継続的不法行為における除斥期間(平29改正前)の起算点
5 具体的認定
(1) 特許侵害
(2) 違法な仮処分
(3) 不法占拠
(4) 騒音・大気汚染・日照被害・土壌汚染
(5) 不当訴訟
(6) 労働関係
(7) 夫婦・親子関係
(8) 名誉毀損
(9) 殺害遺体の長期間の隠匿
(10) 原子力損害賠償請求
(11) ビキニ環礁付近等における核実験による被ばく(昭和29年)
6 不作為と継続的不法行為論
(1) 総説
(2) 肯定した裁判例
(3) 否定した裁判例
第14章 3年の短期時効期間
1 3年の短期時効期間(平29改正前民法724条前段(平29改正民法724条1号))
2 特例としての5年(平29改正民法724条の2)
3 20年の長期時効期間(平29改正民法724条2号)
4 時効期間の計算方法
(1) 時か日か
(2) 初日不算入
5 不法行為に基づく損害賠償債務の遅延損害金
(1) 平29改正前民法167条1項適用説
(2) 民法724条適用説
6 示談成立後に示談契約(和解契約)に基づき請求する場合
(1) 問題の所在
(2) 判例・学説
(3) 私見
7 訴訟上の和解成立の場合
8 会計法30条(5年の時効期間)との関係
第14章の2 不法行為により人の生命・身体を侵害する短期消滅時効の時効期間の特則
1 改正点―短期消滅時効の消滅時効期間
2 長期消滅時効の時効期間
3 時効の起算点の問題
4 特則の対象となる被侵害利益の範囲
5 平成29年改正法の経過措置
第14章の3 20年の長期時効期間(平29改正民法724条2号)
1 20年(平29改正民法724条本文及び2号)の長期時効期間への改正
2 立法趣旨及び立法論
3 予想される適用事例
4 長期消滅時効期間―20年
5 20年の起算点―不法行為の時
6 除斥期間としていた改正前の最高裁判例との関係
(1) 従前判例における3つの不適用要件との関係
(2) 時効の完成猶予規定の適用・類推適用
(3) 信義則・権利濫用論の適用
(4) 加害者による権利行使阻害要件
7 改正法の適用関係
8 判例変更を否定―最大判令6・7・3の多数意見
9 20年時効の更新後の時効期間
第15章 時効中断(更新)
1 訴訟告知
(1) 手形法86条
(2) 明文の規定がない場合
(3) 裁判例
2 債務承認(権利の承認)
(1) 総説
(2) 債務承認を認めたもの
(3) 債務承認と認めなかったもの
(4) 時効完成後の債務承認
3 自賠責保険の支払と債務承認(権利の承認)
4 裁判上の催告理論
(1) 裁判上の催告理論の意義
(2) 具体的適用
5 交渉の継続
(1) 平29改正前の解釈
(2) 立法提案
(3) 平29改正民法151条1項(協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)
6 刑事訴訟手続に伴う犯罪被害者等の損害賠償請求に係る裁判手続の特例における時効の完成猶予
(1) 手続の概要
(2) 時効の完成猶予
7 行政救済措置と時効中断(更新)
第16章 時効中断(更新)の範囲
1 訴訟物との関係
2 過失内容の追加
(1) 東京高判昭57・4・27
(2) 過失と訴訟物
3 受傷による損害賠償請求中の死亡による損害賠償請求
4 財産上の損害賠償請求と謝罪広告請求
5 製作・販売禁止の仮処分と損害賠償請求
6 契約責任による本訴に不法行為責任の予備的追加
(1) 名古屋高金沢支判昭56・1・28
(2) 訴訟物論からの検討
(3) 裁判上の催告理論(平29改正前)
7 安全配慮義務違反に基づく請求と不法行為責任
(1) 訴訟物
(2) 消極の裁判例
(3) 積極の裁判例
(4) 検討
8 瑕疵担保責任による請求と不法行為責任
(1) 福岡高判平24・1・10
(2) 検討
9 一部についての債務承認(権利の承認)と時効中断(更新)の範囲
(1) 時効中断(更新)の範囲に関する一般理論
(2) 一部についての債務承認(権利の承認)
(3) 裁判例
第17章 代位
1 代位ある場合の時効期間・時効の起算点
(1) 問題の提起
(2) 裁判例
(3) 人身傷害保険による代位の場合
2 時効中断(更新)事由
(1) 代位前の中断(更新)事由
(2) 代位後の中断(更新)事由
第18章 一部請求
1 訴訟物と一部請求
(1) 訴訟物
(2) 一部請求
(3) 一部請求と時効中断(更新)の範囲
2 いわゆる特定一部請求
3 明示の一部請求か否か
4 一部催告か否か
(1) 裁判例
(2) 考え方
第19章 請求の拡張
1 訴訟物の区別
(1) 総説
(2) 判例
(3) 学説
2 人的損害請求に物的損害請求の追加
3 死者の財産的損害請求に慰謝料請求を追加
4 傷害に基づく財産的損害金額の増額
(1) 増額
(2) 計算方式の変更による増額
5 慰謝料金額の増額
(1) 一部請求かどうか
(2) 拡張部分が慰謝料部分か明確でない場合
6 財産的損害項目の変更
7 遅延損害金の起算点の繰上げ
8 明示の一部請求における請求の拡張
第20章 平29改正前民法724条後段(除斥期間)
1 除斥期間一般
(1) 意義
(2) 分類
(3) 時効期間との識別基準
(4) 平29改正民法724条2号
2 20年期間制度の趣旨
(1) 20年除斥期間制度の趣旨
(2) 20年時効制度の趣旨
3 消滅時効期間との相違点
(1) 中断効(更新)の有無
(2) 援用又は当事者の主張の要否
(3) 除斥期間の起算点
(4) 遡及効
(5) 停止
(6) 利益の放棄
(7) 確定判決による期間の延長(平29改正前民法174条の2(平29改正民法169条))
(8) 相殺(民法508条)
4 除斥期間の効果
(1) 権利行使の効果
(2) 除斥期間経過による権利消滅
5 平29改正前民法724条後段20年の期間の性質
(1) 総説
(2) 判例の立場(除斥期間説)
(3) 除斥期間説の根拠と批判
(4) 公益性の有無
6 権利行使の方法
(1) 問題点
(2) 裁判例
(3) 平29民法改正との関係
7 平29改正前民法724条後段に関する経過措置
8 論点―判例変更の可能性(最大判令6・7・3)
第21章 除斥期間(平29改正前民法724条後段)の起算点
1 総説
(1) 問題の所在と判例の立場
(2) 起算点と不法行為の個数
(3) 起算点と権利行使可能性との関係
(4) 起算点の立証責任
(5) 平29民法改正との関係
(6) 最大判令6・7・3との関係
2 事実上の加害行為時説
(1) 根拠
(2) 加害行為時説の裁判例
(3) 加害行為時説に対する批判
3 損害発生時説
(1) 根拠
(2) 損害発生時説の裁判例
4 二元説
(1) 根拠
(2) クロム曝露
(3) じん肺(最判平16・4・27)
(4) 水俣病
(5) B型肝炎(最判平18・6・16、最判令3・4・26)
(6) C型肝炎
(7) らい予防法による強制隔離政策
(8) 固定資産税の過大評価(最判令2・3・24)
(9) 旧優生保護法による不妊手術
(10) その他
5 継続的不法行為と除斥期間の起算点
6 不作為型不法行為の場合
(1) 学説
(2) 裁判例
7 平29改正前製造物責任法の除斥期間
8 平29改正民法724条2号との関係
第22章 除斥期間(平29改正前)の停止・不適用・主張の制限
1 権利行使可能性との関係
(1) 問題の提示
(2) 消極の裁判例
(3) 立証困難性
2 除斥期間の停止・完成の猶予
(1) 問題の所在
(2) 判例
3 除斥期間の不適用、効果の不発生
(1) 問題の所在
(2) 判例における適用除外例1(最判平10・6・12)
(3) 判例における適用除外例2(最判平21・4・28)
(4) 判例における適用除外例3(最判平19・2・6)
4 除斥期間経過による権利消滅の主張の制限
第23章 共同不法行為関係
1 加害者を知る
(1) 原則
(2) 国家賠償請求
2 共同不法行為者の1人に対する請求の効果
(1) 平29改正前
(2) 平29改正後
3 共同不法行為者の1人に対する時効完成の効果
(1) 平29改正前民法439条(平29改正により削除)の適用の有無
(2) 求償権への影響
4 共同不法行為者間の求償権
(1) 消滅時効期間
(2) 消滅時効の起算点
5 平29民法改正との関係(まとめ)
第24章 相殺
1 不法行為による損害賠償債権と相殺禁止
(1) 不法行為の加害者からの相殺禁止
(2) 当事者双方が不法行為による損害賠償請求権を有しているケース
(3) 同一交通事故により生じた物的損害に基づく損害賠償請求権相互間のケース
(4) 不法行為の被害者からの相殺と民法508条(時効消滅債権)・平29改正前民法509条(債権の相殺禁止)
2 除斥期間により消滅した債権による相殺
(1) 問題の所在
(2) 過去の判例
(3) 学説
(4) 判例の変更
(5) 20年経過後の不法行為による損害賠償請求権
第25章 権利濫用・信義則違反
1 総説
(1) 消滅時効の援用
(2) 除斥期間の主張
2 損害賠償債権の消滅時効の援用と権利濫用
(1) 公害・薬害関係
(2) 親族関係
(3) 医療過誤
(4) 交通事故関係
(5) 労働災害関係
(6) 予防接種
(7) 国家賠償請求
(8) 消費者被害
(9) 労働関係
(10) 強制労働関係
(11) その他
3 除斥期間(平29改正前)の主張と信義則違反・権利濫用
(1) 問題の所在
(2) 学説
(3) 令和6年以前の裁判例
4 令和6年最高裁大法廷判決による判例変更(除斥期間の主張の制限)
5 除斥期間経過後の債務承認等と信義則
(1) 問題の所在
(2) 令和6年以前の裁判例と学説
(3) 令和6年最高裁大法廷判決との関係
6 平29民法改正以後(消滅時効期間としての20年)
第26章 安全配慮義務違反
1 法的性質と権利義務・損害の内容
2 不法行為責任との請求権競合論
(1) 不法行為責任との対比
(2) 過失の立証責任
(3) 遅延損害金
(4) 弁護士費用
(5) 時効中断(更新)
3 時効期間(平29民法改正前)―10年(平29改正前民法167条)か3年(平29改正前民法724条)か
(1) 問題の所在
(2) 判例
(3) 学説
4 時効期間(平29民法改正以後)
5 商事時効(平29改正による削除前)適用の有無
6 時効の起算点(平29改正前)その1一回的原因(事故型)
(1) 事故の時とする裁判例
(2) 学説
(3) 私見
7 時効の起算点(平29改正前)その2騒音
8 時効の起算点(平29改正前)その3じん肺
(1) 最高裁平成6年判決
(2) 最高裁平成16年判決 死亡した場合の起算点
(3) 石綿粉じん肺
(4) 消滅時効の段階的完成と損害控除
9 時効の起算点(平29改正前)その4刑務官の暴行
10 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の時効期間と起算点(平29改正民法167条及び平29改正民法724条の2)
(1) 時効期間の統一
(2) 時効期間の起算点
第27章 国家賠償法関係
1 総説
(1) 民法724条の適用
(2) 国家賠償請求における変容
2 加害者を知る
(1) 国家賠償請求における加害者を知ることの変容
(2) 具体的認定
(3) 行政救済措置による申請と加害者を知る
3 違法性を知る
4 損害を知る
5 規制権限不行使の場合の起算点
(1) 規制権限の不行使をめぐる国家賠償責任
(2) 時効の起算点
(3) 加害者を知る
(4) 不法行為であることを知る
(5) 除斥期間(平29改正前)の起算点
(6) 除斥期間(平29改正前)の不適用
(7) 除斥期間の主張の制限
6 立法の不作為と違法性を知る
7 時効の援用の要否
第28章 保全処分
1 総説
2 保全処分の申請と不法行為を知る
(1) 仮処分申請時とする判例
(2) 本案確定時とする判例
3 保全債権者に対する違法な保全処分を理由とする損害賠償請求
(1) 起算点
(2) 学説
(3) 具体的認定
4 完済後の仮差押登記の放置
5 無効な仮差押執行による国家賠償請求
第29章 強制執行・競売
1 不当執行と違法執行
2 申立てをした債権者に対するもの
(1) 損害を知った時
(2) 弁済後の差押えの不当継続
3 強制執行手続をなした国に対する国家賠償請求
(1) 動産執行
(2) 判決正本送達前の明渡執行
(3) 競売公告の不備
第30章 登記
1 総説
(1) 成立要件
(2) 除斥期間(平29改正前民法724条後段)との関係
(3) 継続的不法行為との関係
2 偽造の登記済証による登記
3 許可証のない所有権移転登記
4 二重登記
(1) 登記官の職権抹消義務
(2) 除斥期間(平29改正前民法724条後段)の起算点
5 登記の脱漏
(1) 所有権移転登記の脱漏と除斥期間(平29改正前民法724条後段)
(2) 嘱託された仮差押登記の脱漏
第31章 行政処分・課税処分
1 総説
2 行政処分の効力が争われている場合の起算点
(1) 取消判決又は無効判決の確定時説
(2) 取消判決の言渡時説
(3) 取消訴訟の提起時説
3 国の違法な買収・売渡処分に関する短期時効の起算点
(1) 従前の判例
(2) 関連訴訟が係属していた場合
4 国の違法な買収・売渡処分に関する除斥期間(平29改正前民法724条後段)の起算点
(1) 起算点を争った判例
(2) 不作為による継続的不法行為理論
5 課税処分
(1) 課税処分の違法を理由とする国家賠償
(2) 違法な固定資産税課税処分
(3) 違法な物品税課税処分
(4) 違法な特別土地保有税課税処分
6 違法な道路位置指定処分
第32章 刑事処分・警察官・検察官の不法行為
1 総説
(1) 国家賠償法1条の違法
(2) 3つの類型における時効の起算点
2 不法な逮捕・不法な身柄拘束・不法な勾留・違法な取調べ
(1) 不法な逮捕
(2) 不法な身柄拘束
(3) 不法な勾留
(4) 違法な取調べ
3 不法な公訴提起
4 再審による無罪判決の要否
(1) 再審経由必要説
(2) 直接請求可能説
5 押収物件の違法な公売処分による損害
6 警察官の不法行為
(1) 取調中の暴行
(2) 留置場における処置
第33章 不当訴訟
1 総説
2 起算点
(1) 不当な訴え提起
(2) 虚偽証拠の提出
3 前訴判決確定時説の根拠の検討
4 継続的不法行為との関係
第34章 医療事故
1 契約責任と不法行為責任の2つの法的構成
(1) 平29改正前
(2) 平29改正以後
2 不法行為構成による時効の起算点(平29改正前)
(1) 医療過誤であることの疑念と起算点
(2) 因果関係を知る程度
3 債務不履行構成による時効の起算点(平29改正前)
(1) 一般の債務不履行による損害賠償請求権の時効の起算点
(2) 医療過誤における修正
4 具体的認定(平29改正前)
5 平29民法改正後
(1) 人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権
(2) 時効の起算点の問題
第35章 交通事故
1 総説
2 加害者を知る
(1) 具体的認定
(2) 加害車両の運転者に争いがある場合
(3) 加害行為自体に争いがある場合
(4) 被害者が加害者として刑事訴追を受けていたとき
(5) 自動車損害賠償保障法3条(運行供用者の責任)
(6) 交通事故の無罪判決後の道路管理者に対する損害賠償請求
3 不法行為を知る
4 因果関係を知る
5 損害を知る
(1) 鞭打ち症
(2) 後遺障害及び自算会の算定
(3) 心因性疼痛
6 保険金請求権
(1) 自動車損害賠償保障法15条(被保険者(保有者・運転者)からの自賠責保険金請求)
(2) 自動車損害賠償保障法16条(被害者から保険会社に対する請求)
(3) 自動車損害賠償保障法72条(政府に対する保障金請求権)
7 時効の援用
(1) 信義則違反・権利濫用
(2) 被害者の病院への治療費支払債務の加害者による時効援用の可否
(3) 時効完成後の債務承認による援用権の喪失
8 時効の中断(更新)
(1) 自動車損害賠償保障法による被害者請求手続との関係
(2) 加害者からの調停申立て
(3) 一部請求
(4) 催告に対し善処するとの回答
(5) 債務承認(権利の承認)
9 時効期間の延長
10 平29改正の関係
(1) 時効期間
(2) 同一事故により物損と人身被害が生じた場合
第36章 公害・生活妨害・薬害
1 総説
2 振動
3 騒音
(1) 航空機騒音
(2) 新幹線による騒音
(3) 道路騒音
(4) その他の騒音・振動
4 大気汚染
(1) 大気汚染防止法25条の4
(2) 損害の把握
(3) 除斥期間(平29改正前)
5 日照被害
6 鉱害(ヒ素)
(1) 平29改正
(2) 人の生命又は身体を害した場合
(3) 時効の起算点
7 薬害
(1) 消滅時効の起算点
(2) 除斥期間(平29改正前)の起算点
(3) 権利濫用・信義則違反
第37章 不同意性交等被害
1 性犯罪に関する刑法改正
2 継続的不法行為の成否
3 現実的権利行使可能性の不存在
4 性的虐待(親族以外の者による)
第38章 夫婦・親子・相続
1 内縁関係の不当破棄
2 離婚による夫婦間の慰謝料請求
(1) 離婚それ自体の慰謝料請求
(2) 個別の違法行為を理由とする慰謝料請求
3 不貞の相手方に対する損害賠償請求
(1) 2つの法的構成及び離婚慰謝料請求
(2) 不貞慰謝料請求―最判平6・1・20
(3) 離婚慰謝料請求
4 虐待
(1) 虐待等
(2) 性的虐待(親族による)
5 相 続
6 継続的不法行為の成否
第39章 精神障害
1 総説
2 損害及び加害者を知った時
(1) 連れ戻しへの恐れ
(2) 準禁治産者(平成11年改正前民法)で保佐人の同意が得られない場合
3 除斥期間(平29改正前)の起算点
第40章 弁護士費用
1 総説
2 消滅時効の起算点
(1) 予見可能性
(2) 最判昭45・6・19
(3) 学説
3 控訴審における弁護士費用の消滅時効の起算点
4 不当訴訟における損害としての弁護士費用
第41章 マスコミ・名誉毀損
1 損害自体の発生と損害を知るの区別
(1) 新聞による名誉毀損の損害発生時
(2) テレビによる名誉毀損の損害発生時
2 損害を知った時
(1) 認識可能説
(2) 現実認識必要説
(3) 現実認識必要説の具体的適用
3 各マスコミ媒体ごとの裁判例(平成14年最高裁判決以前も含む)
4 継続的不法行為との関係(ウェブサイト)
5 差止請求権
6 原状回復処分
第42章 知的財産権
1 特許権・実用新案権
(1) 侵害による損害賠償請求
(2) 損害を知る
(3) 継続的不法行為
(4) 補償金請求権
2 意匠権
3 商標権
4 著作権
(1) 具体的認定
(2) 著作者人格権
5 不正競争防止法
(1) 虚偽事実の陳述又は流布
(2) 不正競争防止法における消滅時効規定
6 不法行為法による補充的保護
7 時効中断(更新)
第43章 会社法・手形
1 取締役に対する損害賠償請求権の時効期間(会社法429条)
2 損害を知る
(1) 法人の代表者が加担した共同不法行為
(2) 株券の担保差入れ
(3) 被用者による手形の偽造
(4) 株主総会で議決された取締役への退職慰労金に関する取締役会決議不存在
第44章 消費者被害
1 マルチ商法
(1) 意義
(2) 不法行為責任の根拠
(3) 時効の起算点
2 宗教に関連する行為の支出や物品の購入
(1) 信者本人からの損害賠償請求
(2) 宗教的呪縛の起算点への影響
(3) 家族からの損害賠償請求
3 製造物責任追及
(1) 製造物責任法5条の特則
(2) 裁判例
(3) 平29改正製造物責任法5条1項2号
4 建築・住宅関係
(1) 建築・住宅をめぐる不法行為責任の発生
(2) 時効の起算点
(3) 除斥期間(平29改正前)の起算点
(4) 請求の拡張
(5) 注文者の責任(民法716条ただし書)
5 消費者金融
6 先物取引被害
(1) 違法行為を知るとの観点から時効完成を否定したもの
(2) 時効の援用が信義則違反としたもの
(3) 3年時効の起算点
第45章 労働関係
1 差別的取扱い
(1) 思想・信条を理由とする賃金差別
(2) 性による賃金格差の起算点
(3) 組合員であることを理由とする昇任・昇格差別の起算点
(4) 聴覚障害を理由とする昇任差別に基づく年金損害と慰謝料
(5) 採用における差別
2 時効中断(更新)
(1) 地位確認の訴えと賃金請求権の裁判上の催告
(2) 労働委員会への救済申立てと時効の中断(更新)
3 セクハラ
(1) 定義
(2) 違法性判断の基準
(3) 時効の起算点
(4) 時効期間
4 労災関係
(1) 労災民事損害賠償請求権
(2) 労災保険の保険給付を受ける権利(労働者災害補償保険法42条)
5 不当労働行為
6 クロム禍
7 パワハラ
(1) 定義
(2) 不法行為構成
第46章 金融機関
1 使用者責任関係
(1) 支配人
(2) 支局長
2 預金関係
(1) 定期預金
(2) 導入預金
(3) 時効援用権の信義則違反・権利濫用
3 融資
(1) 偽造書類による融資
(2) 意思無能力者に対する無効となった貸付け
4 行員からの損害賠償請求
第47章 地方公共団体関係
1 地方自治法242条の2第1項4号請求訴訟
(1) 代位訴訟から義務付け訴訟への改正
(2) 訴訟告知と時効完成の猶予
2 損害を知る
(1) 市長の権限踰越による手形振出
(2) 入札談合
(3) その他
3 不法行為を知る
4 旧地方自治法243条の2の職員賠償責任
5 監査請求期間制限との関係
6 市長に対する損害賠償請求
第48章 平29改正後の一般債権の消滅時効における起算点との関係
1 債権一般の消滅時効における主観的起算点の導入
2 改正時の議論と主観的起算点の導入
3 起算点に関する学説と検討
第49章 平29改正民法の経過措置
1 総論
2 不法行為による損害賠償請求権の消滅時効に関する経過措置
〇判例年次索引
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