コラム2007年04月16日 【SCOPE】 経済産業省がMBO取引に関する税務や法的論点を検討へ(2007年4月16日号・№207)
SCOPE
8月に報告書をまとめる
経済産業省がMBO取引に関する税務や法的論点を検討へ
MBO取引等を巡っては、多数の当事者との利害調整が生じるなか、既存の株主等から取引の透明性を求める指摘がなされている。このような状況に鑑み、経済産業省は4月9日、MBO取引等に関するタスクフォースを設置し、MBO取引等に関する法的な論点について検討を開始した。論点公開を7月上旬にも公表し、8月上旬には報告書を取りまとめる予定だ。また、現在、主にMBO取引で活用されている現金組織再編成について、その活用の背景等も含め、組織再編税制等の税務上の論点についても検討する。
公開買付価格算定の公正性を保つには?
最近では、すかいらーくやレックスホールディングスなど、会社の経営者が資金を出資し、事業の継続を前提として自社の株式を購入するMBO取引が増加傾向にある。経済産業省によると、平成18年のMBO件数は80件と過去最高を記録している(右図参照)。
しかし、現状のMBO取引では、多数の当事者との利害調整が生じるなか、既存の株主等から取引の不透明性が高いとの指摘が行われている。
MBO取引の不透明性の要因としては、①株式取得者の独立性の問題(株式取得者(経営者)が対象会社に強い影響を持つことによる利益相反性や情報の非対称性の問題等)、②株式取得に伴う強圧性の問題が挙げられる。
たとえば、業績の下方修正を行った後に、MBOにおける公開買付価格の算定を行うケースなどが①に該当しよう。また、MBO取引により、上場廃止となる可能性が高い場合には、既存の株主は公開買付価格の算定に疑問があっても売却せざるを得ないような状況が②に該当する。このため、どのように価格の算定の公正性の担保を行うかが論点となる。
端株調整金を交付した場合には非適格?
また、税務上の論点についても検討する予定だ。たとえば、従来、端株調整金を交付する株式交換であっても、端株券を交付したものとみなされ、対価要件を充足していると考えられていた。つまり、適格株式交換とされていたわけだが、平成19年3月13日付で改正された法人税基本通達1-4-2では、基本的にこれまでの取扱いを踏襲するものの、「交付された金銭が、その交付の状況その他の事由を総合的に勘案して実質的に当該株主等に対して支払う合併の対価であると認められるときは、当該合併の対価として金銭が交付されたものとして取り扱う」とされ、非適格株式交換となる可能性が出てきたわけだ。また、平成19年5月1日から合併等対価の柔軟化に伴い、端株調整金を交付する経済合理性がなくなるのではないかといった指摘もされている。
その他、仮に非適格とされた場合にどこまでの資産が時価評価されるのか(たとえば、のれんについては、「税務上の差額のれん」すべてなのか)といった論点も挙げられている。
MEMO
MBO等による公開買付の情報開示が拡充
平成18年12月13日施行の公開買付制度に関する証券取引法の政令・内閣府令の一部改正では、MBOや親会社による子会社株式の公開買付け等の場合、情報開示の充実が図られている。
具体的には、公開買付届出書において、①買付け等の価格の算定に当たり参考とした第三者による評価書、意見書その他これらに類するものがある場合にはその写しの添付、②買付価格の公正性担保のための措置を講じているときはその内容、③公開買付けの実施を決定するに至った意思決定の過程、および利益相反を回避する措置を講じている場合にはその具体的内容、④組織再編、企業集団の再編、解散、重要な財産の処分または譲受け、多額の借財、代表取締役等の選定または解職、役員の構成の変更、配当・資本政策に関する重要な変更、その他対象者の経営方針に対して重大な変更を加え、または重大な影響を及ぼす行為を予定している場合には、その内容および必要性、⑤買付け等の後、上場廃止となる見込みが有る場合には、その旨および理由を開示する。
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