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解説記事2025年08月04日 税制改正解説 令和7年度における国際課税関係の改正について(2025年8月4日号・№1085)

税制改正解説
令和7年度における国際課税関係の改正について
 菊地洋志/川又俊博/西田 翼

はじめに

 経済のデジタル化・グローバル化や取引の多様化・複雑化が進展する中、国際課税制度の重要性はますます高まっており、近年、我が国では、BEPSプロジェクトの合意事項等を踏まえ、国際的な課税逃れの防止に向けて累次の制度整備が行われてきた。
 令和3年(2021年)10月にOECD/G20「BEPS包摂的枠組み」(Inclusive Framework on BEPS)において最終的に合意された、市場国への新たな課税権の配分(「第1の柱」)及びグローバル・ミニマム課税(「第2の柱」)の「2本の柱」からなる解決策については、令和5年度税制改正において、「第2の柱」を構成する所得合算ルール(IIR:Income Inclusion Rule)が法制化(各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の創設等)された。また、令和6年度税制改正においても、所得合算ルールについて、OECDにより発出されたガイダンスの内容や、国際的な議論の内容を踏まえた制度の明確化等の観点からの見直しが行われた。
 「第2の柱」は、我が国の国際競争力の維持及び向上につながるものであり、今般の税制改正においても、令和5年度及び令和6年度に引き続き、国際合意に則った法制化が行われた。具体的には、「第2の柱」のうち、残された2つのルール、すなわち、軽課税所得ルール(UTPR:Undertaxed Profits Rule)及び国内ミニマム課税(QDMTT:Qualified Domestic Minimum Top-up Tax)の法制化が行われたほか、所得合算ルールについて、令和6年度税制改正に引き続き、OECDにより発出されたガイダンスや国際的な議論の内容等を踏まえた見直しが行われた。また、令和5年度税制改正において、所得合算ルールに関して構成会社等の租税債務の正確性を評価するために必要な情報を税務当局に提供することを目的に導入されていた特定多国籍企業グループ等報告事項等の提供制度について、軽課税所得ルールの法制化に伴って新たに提供義務者の追加や報告事項等の見直しが行われたほか、国内ミニマム課税についても、所得合算ルール及び軽課税所得ルールと並列的な情報申告制度として、新たにグループ国内最低課税額報告事項等の提供制度が創設された。
 今般の税制改正において、軽課税所得ルールや国内ミニマム課税の法制化等が行われたことで、グローバル・ミニマム課税については、全てのルールの法制化が完了したこととなる。
(注)グローバル・ミニマム課税の制度的枠組みは、各国が国内法整備に当たって参照すべき「モデルルール(Global Anti-Base Erosion Model Rules)」(令和3年(2021年)12月公表)及びその解釈を示した「コメンタリー(Commentary to the Global Anti-Base Erosion Model Rules)」(令和4年(2022年)3月公表)のほか、これらを補足する「執行ガイダンス(Administrative Guidance)」(令和5年(2023年)2月、7月、12月、令和6年(2024年)6月及び令和7年(2025年)1月公表)等によって構成されている。
  なお、上記のうち令和7年(2025年)1月に公表された執行ガイダンスについては、令和8年度以降の法制化を検討していくこととなる。
  加えて、「第2の柱」の導入により対象企業に追加的な事務負担が生じること等を踏まえ、令和5年度及び令和6年度税制改正に引き続き、外国子会社合算税制について追加的な見直しが行われた。具体的には、外国関係会社に係る所得の合算時期の見直しのほか、一定の書類添付・保存義務の見直しが行われた。
 また、令和9年(2027年)に開催される2027年国際園芸博覧会に関して、その公式参加者である外国法人等や公式参加者に勤務する非居住者等の得る一定の所得について法人税・所得税を課さないことを内容とする特例が創設された。

Ⅰ グローバル・ミニマム課税への対応

1 改正の内容
(1)各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の創設等

① 各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の創設
 イ 納税義務者
   内国法人(公共法人を除く。)は、各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税を納める義務があることとされた。また、外国法人は、特定多国籍企業グループ等に属する恒久的施設等(その所在地国が我が国であるものに限る。)を有する構成会社等であるときは、各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税を納める義務があることとされた(法法4①~③)。
 ロ 課税の範囲
   特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等である内国法人に対しては、各対象会計年度の国際最低課税残余額について、各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税を課することとされた。また、特定多国籍企業グループ等に属する恒久的施設等(その所在地国が我が国であるものに限る。)を有する構成会社等である外国法人に対しては、各対象会計年度の国際最低課税残余額について、各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税を課することとされた(法法6の3、8の2)。
 ハ 内国法人の法人税関係
 (イ)国際最低課税残余額
   「国際最低課税残余額」は、次の順序により算出することとされた。
  〇 まず、軽課税所得ルール(UTPR)の対象とされるグループ全体の「グループ国際最低課税残余額」を算出する。これは、グループ全体に係る基準税率に満たないとされる「グループ国際最低課税額」から各国・地域の所得合算ルール(IIR)の対象となる金額等を控除して算出する。
  〇 次に、グループ国際最低課税残余額について、軽課税所得ルール導入国の構成会社等の従業員等の数及び有形資産の額を用いて我が国に配分される「国内グループ国際最低課税残余額」を算出する。
  〇 最後に、我が国に配分された国内グループ国際最低課税残余額について、我が国の納税義務者である構成会社等の従業員等の数及び有形資産の額を用いて、各納税義務者に帰せられる「国際最低課税残余額」を算出する。
  i グループ国際最低課税残余額
  (i)概要
    「グループ国際最低課税残余額」とは、各対象会計年度に係る特定多国籍企業グループ等のグループ国際最低課税額から、その特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等の会社等別国際最低課税額等に係る国際最低課税額等及びその特定多国籍企業グループ等に係る共同支配会社等の会社等別国際最低課税額等に係る国際最低課税額等その他一定の金額を控除した残額をいうこととされた(法法82の11②)。
  (ii)国際的な事業活動の初期段階における適用関係
    特定多国籍企業グループ等の判定対象会計年度が、国際最低課税残余法人税等施行日以後最初に特定多国籍企業グループ等に該当することとなった対象会計年度開始の日以後5年以内に開始し、かつ、国際的な事業活動の初期の段階にあるものとされる対象会計年度に該当する場合等には、その判定対象会計年度に係るグループ国際最低課税残余額は、零とすることとされた(法法82の11③)。
  ii 国内グループ国際最低課税残余額
  (i)概要
    「国内グループ国際最低課税残余額」とは、各対象会計年度に係る特定多国籍企業グループ等のグループ国際最低課税残余額に、その特定多国籍企業グループ等に係る国内従業員等割合に100分の50を乗じて計算した割合とその特定多国籍企業グループ等に係る国内有形資産割合に100分の50を乗じて計算した割合とを合計した割合を乗じて計算した金額をいうこととされた(法法82の11②、法令155の59③④)。
  ※1 上記(i)の「国内従業員等割合」とは、次のaに掲げる数のうちに次のbに掲げる数の占める割合をいう。
   a 特定多国籍企業グループ等に属する全ての構成会社等(その所在地国が我が国又は国際最低課税残余額相当額課税国であるものに限るものとし、各種投資会社等を除く。)の従業員等の数の合計数
   b 特定多国籍企業グループ等に属する全ての構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限るものとし、各種投資会社等を除く。)の従業員等の数の合計数
  ※2 上記(i)の「国内有形資産割合」とは、次のaに掲げる金額のうちに次のbに掲げる金額の占める割合をいう。
   a 特定多国籍企業グループ等に属する全ての構成会社等(その所在地国が我が国又は国際最低課税残余額相当額課税国であるものに限るものとし、各種投資会社等を除く。)の有形資産の額の合計額
   b 特定多国籍企業グループ等に属する全ての構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限るものとし、各種投資会社等を除く。)の有形資産の額の合計額
  (ii)導管会社等がある場合の特例
     構成会社等のうちに導管会社等(各種投資会社等を除く。(ii)において同じ。)がある場合には、上記(i)※1aに掲げる数及び上記(i)※2aに掲げる金額にはそれぞれ導管会社等(その設立国が我が国であるもの又は国際最低課税残余額相当額課税国であるものに限る。)の従業員等の数及び有形資産の額を含むものとし、上記(i)※1bに掲げる数及び上記(i)※2bに掲げる金額にはそれぞれ導管会社等(その設立国が我が国であるものに限る。)の従業員等の数及び有形資産の額を含むものとされた。また、導管会社等の設立国を所在地国とする他の構成会社等がない場合その他の一定の場合には、その導管会社等の従業員等の数及び有形資産の額は、国内グループ国際最低課税残余額の計算において考慮しないこととされた(法令155の59⑤)。
  (iii)会社等の収入等の一部につき特定収入等がある場合の特例
     会社等について、その会社等の各対象会計年度に係る収入等のうちに特定収入等とその他の収入等がある場合には、特定収入等のみを有する導管会社等とその他の収入等のみを有する導管会社等以外の会社等があるものとみなして、国内グループ国際最低課税残余額の計算を行うものとされた(法法82の11④)。
  iii 国際最低課税残余額
    「国際最低課税残余額」とは、特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等である内国法人の各対象会計年度に係るその特定多国籍企業グループ等の国内グループ国際最低課税残余額に、その内国法人に係る構成会社等別従業員等割合に100分の50を乗じて計算した割合とその内国法人に係る構成会社等別有形資産割合に100分の50を乗じて計算した割合とを合計した割合を乗じて計算した金額をいうこととされた(法法82の11①、法令155の59①②)。
   ※1 上記iiiの「構成会社等別従業員等割合」とは、次の(i)に掲げる数のうちに次の(ii)に掲げる数の占める割合をいう。
   (i)特定多国籍企業グループ等に属する全ての構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限るものとし、各種投資会社等を除く。)の従業員等の数の合計数
   (ii)特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等である内国法人(その所在地国が我が国であるものに限るものとし、各種投資会社等を除く。)の従業員等の数
   ※2 上記iiiの「構成会社等別有形資産割合」とは、次の(i)に掲げる金額のうちに次の(ii)に掲げる金額の占める割合をいう。
   (i)特定多国籍企業グループ等に属する全ての構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限るものとし、各種投資会社等を除く。)の有形資産の額の合計額
   (ii)特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等である内国法人(その所在地国が我が国であるものに限るものとし、各種投資会社等を除く。)の有形資産の額
 (ロ)課税標準
    内国法人に対して課する各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の課税標準は、各対象会計年度の内国法人に係る課税標準国際最低課税残余額とされ、各対象会計年度の内国法人に係る課税標準国際最低課税残余額は、各対象会計年度の国際最低課税残余額とされた(法法82の12)。
 (ハ)税額の計算
    内国法人に対して課する各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の額は、各対象会計年度の内国法人に係る課税標準国際最低課税残余額に90.7%の税率を乗じて計算した金額とされた(法法82の13)。
 (ニ)申告及び納付等
  i 国際最低課税残余額に係る確定申告
   特定多国籍企業グループ等に属する内国法人は、各対象会計年度終了の日の翌日から1年3月以内(申告書を最初に提出すべき対象会計年度においてその申告書を提出する一定の場合には1年6月以内)に、税務署長に対し、その対象会計年度の課税標準である内国法人に係る課税標準国際最低課税残余額、その内国法人に係る課税標準国際最低課税残余額につき上記(ハ)に基づいて計算した法人税の額等の一定の事項を記載した申告書を提出しなければならないこととされた(82の14)。
  ii 電子情報処理組織による申告
    特定法人である内国法人は、原則として、各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の申告については、国際最低課税残余額確定申告書又はその申告書に係る修正申告書及び添付書類に記載すべきものとされ、又は記載されている事項を、電子情報処理組織を使用する方法により提供することにより、行わなければならないこととされた(法法82の15)。
  iii 国際最低課税残余額に係る確定申告による納付
    国際最低課税残余額に係る確定申告書に記載した法人税の額があるときは、その申告書の提出期限までにその金額に相当する法人税を国に納付しなければならないこととされた(法法82の17)。
  ⅳ 前対象会計年度の法人税額等の更正等に伴う更正の請求の特例
    更正等に伴い、更正等に係る対象会計年度後の各対象会計年度で決定を受けた対象会計年度に係る内国法人に係る課税標準国際最低課税残余額について計算した法人税の額が過大となる場合について、更正の請求の特例が設けられた(法法82の18)。
 (ホ)更正
  i 内国法人の各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の課税標準の更正をする場合には、その更正に係る更正通知書にその更正の理由を付記しなければならないこととされた(法法130②)。
  ii 内国法人の各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の課税標準は、推計による更正の対象外とされた(法法131)。
  iii 内国法人の各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税については、調査に際しその備え付けられた帳簿書類を検査するものとする措置の対象外とされた(法法150の2②)。
 ニ 外国法人の法人税関係
 (イ)国際最低課税残余額
   「国際最低課税残余額」とは、特定多国籍企業グループ等に属する恒久的施設等(その所在地国が我が国であるものに限る。(イ)において同じ。)を有する構成会社等である外国法人の各対象会計年度に係るその特定多国籍企業グループ等の国内グループ国際最低課税残余額に、その外国法人に係る構成会社等別従業員等割合に100分の50を乗じて計算した割合とその外国法人に係る構成会社等別有形資産割合に100分の50を乗じて計算した割合とを合計した割合を乗じて計算した金額をいうこととされた(法法145の2①、法令207)。
  ※1 上記(イ)の「構成会社等別従業員等割合」とは、次のiに掲げる数のうちに次のiiに掲げる数の占める割合をいう。
   i 特定多国籍企業グループ等に属する全ての構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限るものとし、各種投資会社等を除く。)の従業員等の数の合計数
   ii 特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等である外国法人(各種投資会社等を除く。)の恒久的施設等の従業員等の数
  ※2 上記(イ)の「構成会社等別有形資産割合」とは、次のiに掲げる金額のうちに次のiiに掲げる金額の占める割合をいう。
   i 特定多国籍企業グループ等に属する全ての構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限るものとし、各種投資会社等を除く。)の有形資産の額の合計額
   ii 特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等である外国法人(各種投資会社等を除く。)の恒久的施設等の有形資産の額
 (ロ)課税標準
    外国法人に対して課する各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の課税標準は、各対象会計年度の外国法人に係る課税標準国際最低課税残余額とされ、各対象会計年度の外国法人に係る課税標準国際最低課税残余額は、各対象会計年度の国際最低課税残余額とされた(法法145の3)。
 (ハ)税額の計算
    外国法人に対して課する各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の額は、各対象会計年度の外国法人に係る課税標準国際最低課税残余額に90.7%の税率を乗じて計算した金額とされた(法法145の4)。
 (ニ)申告及び納付等
  i 国際最低課税残余額に係る確定申告
   特定多国籍企業グループ等に属する外国法人は、各対象会計年度終了の日の翌日から1年3月以内(申告書を最初に提出すべき対象会計年度においてその申告書を提出する一定の場合には1年6月以内)に、税務署長に対し、その対象会計年度の課税標準である外国法人に係る課税標準国際最低課税残余額、その外国法人に係る課税標準国際最低課税残余額につき上記(ハ)に基づいて計算した法人税の額等の一定の事項を記載した申告書を提出しなければならないこととされた(法法145の5において準用する法法82の14)。
  ii 国際最低課税残余額に係る確定申告による納付
    国際最低課税残余額に係る確定申告書に記載した法人税の額があるときは、その申告書の提出期限までにその金額に相当する法人税を国に納付しなければならないこととされた(法法145の5において準用する法法82の17)。
  iii 前対象会計年度の法人税額等の更正等に伴う更正の請求の特例
    更正等に伴い、更正等に係る対象会計年度後の各対象会計年度で決定を受けた対象会計年度に係る外国法人に係る課税標準国際最低課税残余額について計算した法人税の額が過大となる場合について、更正の請求の特例が設けられた(法法145の5において準用する法法82の18)。
 (ホ)更正
  i 外国法人の各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の課税標準の更正をする場合には、その更正に係る更正通知書にその更正の理由を付記しなければならないこととされた(法法147において準用する法法130②)。
  ii 外国法人の各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の課税標準は、推計による更正の対象外とされた(法法147において準用する法法131)。
  iii 外国法人の各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税については、調査に際しその備え付けられた帳簿書類を検査するものとする措置の対象外とされた(法法150の2②)。
 ホ 罰則
   各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税のほ脱等について所要の罰則を規定することとされた(法法159、160、163)。
② 特定基準法人税額に対する地方法人税の見直し
  各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の創設に伴い、各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の付加税である「特定基準法人税額に対する地方法人税」を見直し、その課税の対象に特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等である法人の各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の額(附帯税の額を除く。)が追加されるとともに、その名称が「国際最低課税額等に係る特定基準法人税額に対する地方法人税」に改められる等の改正が行われた(地法法4、5②、6②、24の2~24の4、24の5①、24の6、24の7②、24の8②、27⑤、33、34、37)。
③ 特定多国籍企業グループ等報告事項等の提供制度の見直し
  各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税の創設に伴い、本制度の提供義務者の範囲に一定の外国法人が追加されたほか、本制度により提供すべき事項として国内グループ国際最低課税残余額に関する事項が追加されるとともに、本制度により提供すべき事項の名称が「グループ国際最低課税額等報告事項等」に改められる等の改正が行われた(法法150の3)。
(2)各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の創設等
① 各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の創設
 イ 納税義務者
   内国法人(公共法人を除く。)は、各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税を納める義務があることとされた。また、外国法人は、特定多国籍企業グループ等に属する恒久的施設等(その所在地国が我が国であるものに限る。イにおいて同じ。)を有する構成会社等であるとき又は特定多国籍企業グループ等に係る恒久的施設等を有する共同支配会社等であるときは、各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税を納める義務があることとされた(法法4①~③)。
 ロ 課税の範囲
   特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等である内国法人又は特定多国籍企業グループ等に係る共同支配会社等である内国法人に対しては、各対象会計年度の国内最低課税額について、各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税を課することとされた。また、特定多国籍企業グループ等に属する恒久的施設等(その所在地国が我が国であるものに限る。ロにおいて同じ。)を有する構成会社等である外国法人又は特定多国籍企業グループ等に係る恒久的施設等を有する共同支配会社等である外国法人に対しては、各対象会計年度の国内最低課税額について、各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税を課することとされた(法法6の4、8の3)。
 ハ 内国法人の法人税関係
 (イ)国内最低課税額
  i 概要
    「国内最低課税額」とは、次に掲げる内国法人の区分に応じそれぞれ次に定める金額をいうこととされた(法法82の19①)。
  (i)各対象会計年度において特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限る。(i)において同じ。)である内国法人又は過去対象会計年度においてその特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等であった内国法人でその対象会計年度においてその構成会社等でないもの その対象会計年度における構成会社等に係る国内最低課税額
  (ii)各対象会計年度において特定多国籍企業グループ等に係る共同支配会社等(その所在地国が我が国であるものに限る。(ii)において同じ。)である内国法人又は過去対象会計年度においてその特定多国籍企業グループ等に係る共同支配会社等であった内国法人でその対象会計年度においてその共同支配会社等でないもの その対象会計年度における共同支配会社等に係る国内最低課税額
  ii 構成会社等に係る国内最低課税額
  (i)概要
    構成会社等に係る国内最低課税額は、国内実効税率が基準税率を下回るか否か、国内グループ純所得の金額があるか否か等に応じ、「当期グループ国内最低課税額に係る帰属額」、「再計算グループ国内最低課税額に係る帰属額」、「未分配所得国内最低課税額」及び「永久差異調整に係るグループ国内最低課税額に係る帰属額」の合計額とされた(法法82の19②)。
  (ii)当期グループ国内最低課税額に係る帰属額
   a 概要
    「当期グループ国内最低課税額に係る帰属額」とは、当期グループ国内最低課税額(国内グループ純所得の金額から我が国に係る実質ベース所得除外額(一定の給与額の合計額の5%相当額と一定の有形資産の帳簿価額の合計額の5%相当額との合計額をいう。(イ)において同じ。)を控除した残額に基準税率から国内実効税率を控除した割合を乗じて計算した金額をいう。)に、帰属割合を乗じて計算した金額をいうこととされた(法法82の19②一イ)。
   b 帰属割合
    上記aにおける「帰属割合」とは、次の(a)に掲げる金額が次の(b)に掲げる金額のうちに占める割合をいうこととされた(法令155の62)。
   (a)上記i(i)に掲げる内国法人(上記i(i)の特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限る。)であるものに限る。)の国内調整後対象租税額が個別基準税額を下回る場合のその下回る部分の金額
   (b)(a)の特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限る。)の国内調整後対象租税額が個別基準税額を下回る場合のその下回る部分の金額の合計額
  (iii)再計算グループ国内最低課税額に係る帰属額
   a 概要
    「再計算グループ国内最低課税額に係る帰属額」とは、過去対象会計年度ごとの再計算グループ国内最低課税額に過去帰属割合を乗じて計算した金額をいうこととされた(法法82の19②一ロ)。
   b 再計算グループ国内最低課税額
    上記aにおける「再計算グループ国内最低課税額」とは、過去対象会計年度に係る納付すべき対象租税の減少額等の一定の金額がある場合において、その過去対象会計年度に係る再計算当期グループ国内最低課税額からその過去対象会計年度に係る当期グループ国内最低課税額を控除した残額をいうこととされた(法令155の64①)。
   c 過去帰属割合
    上記aにおける「過去帰属割合」とは、過去対象会計年度に係る次の(a)に掲げる金額がその過去対象会計年度に係る次の(b)に掲げる金額のうちに占める割合をいうこととされた(法令155の66①)。
   (a)上記i(i)に掲げる内国法人(その過去対象会計年度において上記i(i)の特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限る。)であったものに限る。)の再計算国内調整後対象租税額が再計算個別基準税額を下回る場合のその下回る部分の金額
   (b)その過去対象会計年度において(a)の特定多国籍企業グループ等に属していた構成会社等(その過去対象会計年度においてその所在地国が我が国であったものに限る。)の再計算国内調整後対象租税額が再計算個別基準税額を下回る場合のその下回る部分の金額の合計額
   d 合併により解散した場合等の特例
  特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限る。)であった内国法人が過去対象会計年度において合併により解散した場合又は過去対象会計年度においてその内国法人の残余財産が確定した場合において、各対象会計年度におけるその内国法人に係る再計算グループ国内最低課税額に係る帰属額があるときは、その金額は、再計算グループ国内最低課税額に係る過去対象会計年度における構成会社等に係る国内最低課税額に含むこととされた(法法82の19③、法令155の69)。
  (iv)未分配所得国内最低課税額
    「未分配所得国内最低課税額」とは、上記i(i)に掲げる内国法人(各種投資会社等に限る。)に係る未分配所得国内最低課税額をいうこととされ、ここでいう未分配所得国内最低課税額は、上記i(i)に掲げる内国法人(上記i(i)の特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その所在地国が我が国であるものであって、かつ、対象各種投資会社等であるものに限る。)であるものに限る。)の各対象株主等に係る株主等別未分配額の合計額とされた(法法82の19②一ハ)。
  (v)永久差異調整に係るグループ国内最低課税額に係る帰属額
   a 概要
    「永久差異調整に係るグループ国内最低課税額に係る帰属額」とは、国内グループ調整後対象租税額が零を下回る場合のその下回る額から我が国に係る特定国別調整後対象租税額を控除した残額に、帰属割合を乗じて計算した金額をいうこととされた(法法82の19②三ハ)。
   b 帰属割合
    上記aにおける「帰属割合」とは、次の(a)に掲げる金額が次の(b)に掲げる金額のうちに占める割合をいうこととされた(法令155の68)。
   (a)上記i(i)に掲げる内国法人(特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限る。)であるものに限る。)の国内調整後対象租税額が個別基準税額を下回る場合のその下回る部分の金額
   (b)(a)の特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限る。)の国内調整後対象租税額が個別基準税額を下回る場合のその下回る部分の金額の合計額
  iii グルーピング特例
    特定構成会社等(被少数保有構成会社等、被少数保有親構成会社等若しくは被少数保有子構成会社等又は各種投資会社等)がある場合には、特定構成会社等と特定構成会社等以外の構成会社等とに区分し、特定構成会社等を一定のグループに区分して、構成会社等に係る国内最低課税額に係る規定を適用することとされた(法法82の19④において準用する法法82の3③)。
  iv 各種投資会社等に係る国内最低課税額の計算の特例
    各種投資会社等の個別計算所得等の金額等について、最終親会社等が有するその各種投資会社等に対する持分に係る部分に限定した上で、国内最低課税額の計算を行うこととされた(法令155の78、法規38の65)。
  v 適用免除基準
  (i)収入金額等に関する適用免除基準
    特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限るものとし、各種投資会社等を除く。)である内国法人が各対象会計年度において収入金額要件(我が国における一定の収入金額の3対象会計年度の平均額が1,000万ユーロを本邦通貨表示の金額に換算した金額未満であること。)及び所得金額要件(所在地国所得等の金額の3対象会計年度の平均額が100万ユーロを本邦通貨表示の金額に換算した金額未満であること。)の全てを満たす場合には、その対象会計年度のその内国法人に係る当期グループ国内最低課税額は、零とすることとされた(法法82の19⑧、法令155の79①において準用する法令155の55)。
  (ii)連結除外構成会社等に関する適用免除基準
    特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その所在地国を我が国とする構成会社等のうちに連結除外構成会社等が含まれるものに限る。)である内国法人が各対象会計年度において実効税率要件(我が国における一定の実効税率が15%以上であること。)又は通常利益要件(我が国における一定の所得金額から損失金額を減算した金額と収入金額の合計額が我が国に係る実質ベース所得除外額以下であること。)のいずれかを満たす場合には、その対象会計年度のその内国法人に係る当期グループ国内最低課税額は、零とすることとされた(法法82の19⑨、法令155の79②において準用する法令155の55⑤⑥)。
 vi 我が国に係る実質ベース所得除外額の特例
   特定多国籍企業グループ等の選択により、我が国に係る実質ベース所得除外額を零とすることができることとされた(法法82の19⑫)。
 vii 永久差異調整に係るグループ国内最低課税額に係る特例
   特定多国籍企業グループ等の選択により、永久差異調整に係るグループ国内最低課税額を零とし、翌対象会計年度以降の対象会計年度における国内実効税率の計算において国内グループ調整後対象租税額から控除することができることとされた(法法82の19⑬)。
 viii 国際的な事業活動の初期段階における適用免除
   特定多国籍企業グループ等の判定対象会計年度が、国際最低課税残余法人税等施行日以後最初に特定多国籍企業グループ等に該当することとなった対象会計年度開始の日以後5年以内に開始し、かつ、国際的な事業活動の初期の段階にあるものとされる対象会計年度に該当する場合等(外国によって、我が国を所在地国とする構成会社等又は共同支配会社等についてグループ単位で算出された基準税率に満たない金額に対してIIRを課することとされている場合を除く。)には、その判定対象会計年度に係る国内最低課税額は、零とすることとされた(法法82の19⑭)。
 ix 共同支配会社等に係る国内最低課税額
   共同支配会社等に係る国内最低課税額は、基本的に構成会社等に係る国内最低課税額と同様に計算することとされたが、次の点については構成会社等に係る国内最低課税額と取扱いが異なることとされた(法法82の19⑤~⑦⑮)。
  (i)その所在地国を我が国とする2つの共同支配会社等がある場合において、これらの共同支配会社等が同一の資本系統に属していないときは、それぞれ区分して共同支配会社等に係る国内最低課税額を計算することとされた。
  (ii)共同支配会社等に係る国内最低課税額の計算において、連結除外構成会社等に関する適用免除基準等の特例は適用されないこととされた。
 x 会社等の収入等の一部につき特定収入等がある場合の特例
   会社等について、その会社等の各対象会計年度に係る収入等のうちに特定収入等とその他の収入等がある場合には、特定収入等のみを有する導管会社等とその他の収入等のみを有する導管会社等以外の会社等があるものとみなして、国内最低課税額の計算を行うものとされた(法法82の19⑯)。
 xi 移行期間CbCRセーフ・ハーバー
  (i)構成会社等に係る移行期間CbCRセーフ・ハーバー
    令和8年4月1日から同年12月31日までの間に開始する対象会計年度(令和10年6月30日までに終了するものに限る。)において次のaからcまでの要件のいずれかを満たす場合には、構成会社等に係る国内最低課税額は、零とすることとされた(改正法附則18①)。
   a デミニマス要件(国別報告事項又はこれに相当する事項として提供され、又は提供されるものとした場合における我が国に係る収入金額が1,000万ユーロを本邦通貨表示の金額に換算した金額未満であり、我が国に係る税引前当期利益の額に一定の調整を加えた金額((i)において「調整後税引前当期利益の額」という。)が100万ユーロを本邦通貨表示の金額に換算した金額未満であること。)
   b 簡素な実効税率要件(連結等財務諸表に記載された一定の法人税の額及び法人税等調整額の合計額が国別報告事項又はこれに相当する事項として提供され、又は提供されるものとした場合における我が国に係る調整後税引前当期利益の額に占める割合が17%以上であること。)
   c 通常利益要件(国別報告事項又はこれに相当する事項として提供され、又は提供されるものとした場合における我が国に係る調整後税引前当期利益の額がグルーピング特例を適用しないで計算した場合の我が国に係る実質ベース所得除外額以下であること。)
  (ii)共同支配会社等に係る移行期間CbCRセーフ・ハーバー
   令和8年4月1日から同年12月31日までの間に開始する対象会計年度(令和10年6月30日までに終了するものに限る。)においてデミニマス要件、簡素な実効税率要件又は通常利益要件のいずれかを満たす場合には、共同支配会社等に係る国内最低課税額は、零とすることとされた(改正法附則18③)。
  共同支配会社等に係る移行期間CbCRセーフ・ハーバーでは、構成会社等であれば国別報告事項に記載された情報を用いるとされているところを連結等財務諸表に記載された情報を用いることとされた。
 (ロ)課税標準
    内国法人に対して課する各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の課税標準は、各対象会計年度の内国法人に係る課税標準国内最低課税額とされ、各対象会計年度の内国法人に係る課税標準国内最低課税額は、各対象会計年度の国内最低課税額とされた(法法82の20)。
 (ハ)税額の計算
    内国法人に対して課する各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の額は、各対象会計年度の内国法人に係る課税標準国内最低課税額に75.3%の税率を乗じて計算した金額とされた(法法82の21)。
 (ニ)申告及び納付等
  i 国内最低課税額に係る確定申告
   上記(イ)iに掲げる内国法人は、各対象会計年度終了の日の翌日から1年3月以内(申告書を最初に提出すべき対象会計年度においてその申告書を提出する一定の場合には1年6月以内)に、税務署長に対し、その対象会計年度の課税標準である内国法人に係る課税標準国内最低課税額、その内国法人に係る課税標準国内最低課税額につき上記(ハ)に基づいて計算した法人税の額等の一定の事項を記載した申告書を提出しなければならないこととされた(法法82の22)。
  ii 電子情報処理組織による申告
   特定法人である内国法人は、原則として、各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の申告については、国内最低課税額確定申告書又はその申告書に係る修正申告書及び添付書類に記載すべきものとされ、又は記載されている事項を、電子情報処理組織を使用する方法により提供することにより、行わなければならないこととされた(法法82の23)。
  iii 国内最低課税額に係る確定申告による納付
   国内最低課税額に係る確定申告書に記載した法人税の額があるときは、その申告書の提出期限までにその金額に相当する法人税を国に納付しなければならないこととされた(法法82の25)。
  ⅳ 前対象会計年度の法人税額等の更正等に伴う更正の請求の特例
   更正等に伴い、更正等に係る対象会計年度後の各対象会計年度で決定を受けた対象会計年度に係る内国法人に係る課税標準国内最低課税額について計算した法人税の額が過大となる場合について、更正の請求の特例が設けられた(法法82の26)。
 (ホ)更正
  i 内国法人の各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の課税標準の更正をする場合には、その更正に係る更正通知書にその更正の理由を付記しなければならないこととされた(法法130②)。
  ii 内国法人の各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の課税標準は、推計による更正の対象外とされた(法法131)。
  iii 普通法人等である内国法人の各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税については、調査に際しその備え付けられた帳簿書類を検査するものとされた(法法150の2②)。
 ニ 外国法人の法人税関係
 (イ)国内最低課税額
  i 概要
   「国内最低課税額」とは、次に掲げる外国法人の区分に応じそれぞれ次に定める金額をいうこととされた(法法145の6①)。
  (i)各対象会計年度において特定多国籍企業グループ等に属する恒久的施設等(その所在地国が我が国であるものに限る。(イ)において同じ。)を有する構成会社等である外国法人又は過去対象会計年度においてその特定多国籍企業グループ等に属する恒久的施設等を有する構成会社等であった外国法人でその対象会計年度においてその構成会社等でないもの その対象会計年度における構成会社等の恒久的施設等に係る国内最低課税額
  (ii)各対象会計年度において特定多国籍企業グループ等に係る恒久的施設等を有する共同支配会社等である外国法人又は過去対象会計年度においてその特定多国籍企業グループ等に係る恒久的施設等を有する共同支配会社等であった外国法人でその対象会計年度においてその共同支配会社等でないもの その対象会計年度における共同支配会社等の恒久的施設等に係る国内最低課税額
 ii 構成会社等の恒久的施設等に係る国内最低課税額
   「構成会社等の恒久的施設等に係る国内最低課税額」とは、上記i(i)に掲げる外国法人の恒久的施設等につき、内国法人の各対象会計年度に係る国内最低課税額に対する法人税に関する規定に準じて計算した金額をいうこととされた(法法145の6②)。
 ⅲ 共同支配会社等の恒久的施設等に係る国内最低課税額
   「共同支配会社等の恒久的施設等に係る国内最低課税額」とは、上記i(ii)に掲げる外国法人の恒久的施設等につき、内国法人の各対象会計年度に係る国内最低課税額に対する法人税に関する規定に準じて計算した金額をいうこととされた(法法145の6③)。
 (ロ)課税標準
   外国法人に対して課する各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の課税標準は、各対象会計年度の外国法人に係る課税標準国内最低課税額とされ、各対象会計年度の外国法人に係る課税標準国内最低課税額は、各対象会計年度の国内最低課税額とされた(法法145の7)。
 (ハ)税額の計算
   外国法人に対して課する各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の額は、各対象会計年度の外国法人に係る課税標準国内最低課税額に75.3%の税率を乗じて計算した金額とされた(法法145の8)。
 (ニ)申告及び納付等
  i 国内最低課税額に係る確定申告
   上記(イ)iに掲げる外国法人は、各対象会計年度終了の日の翌日から1年3月以内(申告書を最初に提出すべき対象会計年度においてその申告書を提出する一定の場合には1年6月以内)に、税務署長に対し、その対象会計年度の課税標準である外国法人に係る課税標準国内最低課税額、その外国法人に係る課税標準国内最低課税額につき上記(ハ)に基づいて計算した法人税の額等一定の事項を記載した申告書を提出しなければならないこととされた(法法145の9において準用する法法82の22)。
 ii 国内最低課税額に係る確定申告による納付
   国内最低課税額に係る確定申告書に記載した法人税の額があるときは、その申告書の提出期限までにその金額に相当する法人税を国に納付しなければならないこととされた(法法145の9において準用する法法82の25)。
 iii 前対象会計年度の法人税額等の更正等に伴う更正の請求の特例
   更正等に伴い、更正等に係る対象会計年度後の各対象会計年度で決定を受けた対象会計年度に係る外国法人に係る課税標準国内最低課税額について計算した法人税の額が過大となる場合について、更正の請求の特例が設けられた(法法145の9において準用する法法82の26)。
 (ホ)更正
  i 外国法人の各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の課税標準の更正をする場合には、その更正に係る更正通知書にその更正の理由を付記しなければならないこととされた(法法147において準用する法法130②)。
  ii 外国法人の各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の課税標準は、推計による更正の対象外とされた(法法147において準用する法法131)。
  iii 普通法人等である外国法人の各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税については、調査に際しその備え付けられた帳簿書類を検査するものとされた(法法150の2②)。
 ホ 罰則
   各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税のほ脱等について所要の罰則が規定された(法法159、160、163)。
② 国内最低課税額に係る特定基準法人税額に対する地方法人税の創設
  各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の創設に合わせて、法人税を納める義務がある法人を納税義務者とし、各課税対象会計年度の内国法人に係る課税標準国内最低課税額又は外国法人に係る課税標準国内最低課税額について計算した法人税の額(国内最低課税額に係る特定基準法人税額)を課税標準とする、国内最低課税額に係る特定基準法人税額に対する地方法人税が創設され、各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税の申告期限等に併せて、国内最低課税額に係る特定基準法人税額に753分の247の税率を乗じて計算した国内最低課税額に係る特定基準法人税額に対する地方法人税の額等について申告し、その地方法人税の額を納付することとされた(地法法4、5③、6③、24の9~24の15、27⑤、33、34、37)。
③ グループ国内最低課税額報告事項等の提供制度の創設
 イ グループ国内最低課税額報告事項等の提供
   グループ国内最低課税額報告対象法人は、特定多国籍企業グループ等のグループ国内最低課税額報告事項等(特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等の名称、国内実効税率その他国内最低課税額に関する一定の事項等をいう。)を、各対象会計年度終了の日の翌日から1年3月以内に、電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により、納税地の所轄税務署長に提供しなければならないこととされた(法法150の3④)。
 ※ 上記イの「グループ国内最低課税額報告対象法人」とは、特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(その所在地国が我が国であるものに限る。)である内国法人、特定多国籍企業グループ等に係る共同支配会社等(その所在地国が我が国であるものに限る。)である内国法人、特定多国籍企業グループ等に属する恒久的施設等(その所在地国が我が国であるものに限る。※において同じ。)を有する構成会社等である外国法人、特定多国籍企業グループ等に係る恒久的施設等を有する共同支配会社等である外国法人又は過去対象会計年度において特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等若しくは特定多国籍企業グループ等に係る共同支配会社等であった一定の法人をいう。
 ロ グループ国内最低課税額報告事項等の提供義務の免除
   特定多国籍企業グループ等の最終親会社等の所在地国の税務当局がグループ国内最低課税額報告事項等に相当する情報の提供を我が国に対して行うことができると認められる一定の場合に該当するときは、上記イによる提供義務を免除することとされた(法法150の3⑥)。
 ハ 最終親会社等届出事項の提供
   上記ロの適用を受けるグループ国内最低課税額報告対象法人は、その特定多国籍企業グループ等の最終親会社等届出事項(最終親会社等の名称、所在地国その他一定の事項をいう。)を、各対象会計年度終了の日の翌日から1年3月以内に、電子情報処理組織を使用する方法(e-Tax)により、納税地の所轄税務署長に提供しなければならないこととされた(法法150の3⑦)。
 ニ 特定多国籍企業グループ等に係る報告事項等の提供期限の特例
   グループ国内最低課税額報告対象法人が最初にグループ国内最低課税額報告事項等又は最終親会社等届出事項を提供しなければならないこととされる一定の場合には、上記イ及びハの提供期限については、「1年6月以内」とすることとされた(法法150の3⑨)。
 ホ 罰則
   グループ国内最低課税額報告事項等の提供義務に対する違反行為等について所要の罰則が規定された(法法160、162、163)。
(3)各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税等の見直し
① 各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税の見直し
 イ 個別計算所得等の金額の計算
 (イ)当期純損益金額の決定における独立企業間価格に基づく調整等の見直し
   構成会社等と共同支配会社等との間の取引を当期純損益金額の決定における独立企業間価格に基づく調整の対象に加えることとされたほか、当期純損益金額に係る調整方法の見直しが行われた(法令155の16③④、法規38の15⑧)。
 (ロ)導管会社等に係る当期純損益金額の特例の見直し
   被分配会社等が対象導管会社等に対する所有持分を他の会社等を通じて間接に保有する場合における導管会社等に係る当期純損益金額の特例について、被分配会社等が所在する国又は地域の租税に関する法令がその対象導管会社等及び当該他の会社等の収入等をこれらの会社等の構成員の収入等として取り扱う場合に本特例を適用することとされたほか、本特例に係る要件の見直しが行われた(法令155の16⑬二イロ)。
 (ハ)恒久的施設等を有する構成会社等に係る個別計算所得等の金額の計算の特例の見直し
   恒久的施設等を有する構成会社等に係る個別計算所得等の金額の計算の特例について、恒久的施設等を有する構成会社等の各対象会計年度に係る特例適用前個別計算所得等の金額から減算される金額及びその恒久的施設等のその対象会計年度に係る特例適用前個別計算所得等の金額に加算される金額の見直しが行われた(法令155の30①、法規38の23の2)。
 ロ 調整後対象租税額の計算
 (イ)被配分当期対象租税額の見直し
   特定法人税法に係る被配分当期対象租税額の特例が創設されたほか、被配分当期対象租税額の計算の見直しが行われた(法令155の35③一~六、法規38の29①~⑨)。
 (ロ)被配分繰延対象租税額の創設
   繰延対象租税額の計算において、被配分繰延対象租税額を加算することとされた(法規38の28③一、④~⑩)。
 (ハ)取戻繰延税金負債の見直しに伴う対応等
   下記ハの取戻繰延税金負債の計算の見直し等に伴う繰延対象租税額の計算の見直しが行われた(法規38の28③二イ~ハ、三ハ、⑪~⑱、⑳)。
 ハ 再計算国別国際最低課税額
   取戻繰延税金負債は後入先出法、先入先出法又は個別法のうちから構成会社等がその繰延税金負債について選定した方法により算出した金額とすることとされたほか、取戻繰延税金負債の計算の見直しが行われた(法規38の32①二、②~⑦、38の35①②、38の37①、38の39①)。
 ニ 自国内最低課税額に係る税に関する適用免除基準
   自国内最低課税額に係る税に関する適用免除基準について、特定目的会社等に係るスイッチオフ・ルールが創設されたほか、本特例におけるスイッチオフ・ルールの見直しが行われた(法規38の43④一、三、四、38の45①、38の45①において準用する法規38の43④三)。
② 特定多国籍企業グループ等報告事項等の提供制度の見直し
  特定多国籍企業グループ等報告事項等について、国別実効税率等の水準に係る構成会社等又は共同支配会社等に係る所得合算ルールに係る税及び軽課税所得ルールに係る税を課することとされるものがない場合におけるその国別実効税率等の水準をその範囲から除外する等の見直しが行われた(法規68⑤四イロ)。
(4)各事業年度の所得に対する法人税の額の計算における各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税等の納付額及び還付額の取扱い
 各事業年度の所得に対する法人税の額を計算する場合には、各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税及び各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税並びに国際最低課税額等に係る特定基準法人税額に対する地方法人税及び国内最低課税額に係る特定基準法人税額に対する地方法人税の納付額は、損金の額に算入しないこととされ(法法38①)、その還付額は、益金の額に算入しないこととされた(法法26①)。
 各事業年度の所得に対する法人税の額の計算における各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税及び各対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税並びに国際最低課税額等に係る特定基準法人税額に対する地方法人税及び国内最低課税額に係る特定基準法人税額に対する地方法人税の納付額は、債務確定の日の属する事業年度において利益積立金額から減算することとされ(法令9一)、その還付額は、還付を受けることが確定した日の属する事業年度において利益積立金額に加算することとされた(法令9一ホ)。

2 適用関係
(1)上記1(1)①の改正は、法人(人格のない社団等を含む。)の令和8年4月1日以後に開始する対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税について適用することとされている(改正法附則13)。
(2)上記1(1)②の改正は、法人(人格のない社団等を含む。)の令和8年4月1日以後に開始する課税対象会計年度の国際最低課税額等に係る特定基準法人税額に対する地方法人税について適用し、内国法人の同日前に開始した課税対象会計年度の特定基準法人税額に対する地方法人税については、従前どおりとされている(改正法附則20)。
(3)上記1(1)③の改正は、令和8年4月1日以後に開始する対象会計年度に係るグループ国際最低課税額等報告事項等について適用し、同日前に開始した対象会計年度に係る特定多国籍企業グループ等については従前どおりとすることとされている(改正法附則19①)。
(4)上記1(2)①の改正は、法人(人格のない社団等を含む。)の令和8年4月1日以後に開始する対象会計年度の国内最低課税額に対する法人税について適用することとされている(改正法附則13)。
(5)上記1(2)②の改正は、法人(人格のない社団等を含む。)の令和8年4月1日以後に開始する課税対象会計年度の国内最低課税額に係る特定基準法人税額に対する地方法人税について適用することとされている(改正法附則20)。
(6)上記1(2)③の改正は、令和8年4月1日以後に開始する対象会計年度に係るグループ国内最低課税額報告事項等について適用することとされている(改正法附則19①)。
(7)上記1(3)①の改正は、内国法人の令和7年4月1日以後に開始する対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税について適用し、内国法人の同日前に開始した対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税については、従前どおりとされている(改正法令附則15、改正法規附則6)。
(8)上記1(3)②の改正は、令和7年4月1日以後に提供の期限が到来する特定多国籍企業グループ等報告事項等について適用することとされている(改正法規附則9①)。また、一部の改正は、令和7年4月1日に施行されている(改正法規附則1)。

Ⅱ 外国関係会社に係る所得の課税の特例(外国子会社合算税制)等の見直し

1 改正の内容
(1)GloBEルールの導入に伴う事務負担の軽減に関する見直し

① 課税対象金額等の合算時期の見直し
  従前の制度(会社単位の合算課税・受動的所得の合算課税)では、外国関係会社の各事業年度終了の日の翌日から2月を経過する日を含む内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入することとされていたが、今般の改正において、外国関係会社の各事業年度終了の日の翌日から4月を経過する日を含む内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入することとされた。また、この改正に伴い、内国法人が外国関係会社の各事業年度終了の日以後2月を経過する日までの間に合併により解散した場合における外国関係会社の判定に係る特例やその他の規定についても必要な見直しが行われた(措法66の6①⑥⑧⑪、措令39の17の4⑨、39の20②、措規22の11)。
② 書類添付義務・保存義務の対象とされる書類の見直し
  書類添付義務の対象とされる書類の範囲から次に掲げる書類を除外する改正が行われた(措規22の11において準用する)。
 イ 株主資本等変動計算書、損益金の処分に関する計算書その他これらに準ずるもの
 ロ 貸借対照表及び損益計算書(これに準ずるものを含む。)に係る勘定科目内訳明細書
  また、この改正に伴い、書類保存義務の対象とされる書類の範囲についても同様の見直しが行われた。
(2)控除対象所得税額等相当額の控除の見直し
 今般の改正において各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税(UTPR)が創設されたことに伴い、本控除制度の対象から外国関係会社に対して課される各対象会計年度の国際最低課税残余額に対する法人税を除外する等の改正が行われた(措法66の7④)。
(3)居住者の外国関係会社に係る所得の課税の特例
 居住者の外国関係会社に係る所得の課税の特例についても、上記(1)と基本的に同様の改正が行われた(措法40の4①⑥⑧⑪、措規18の20)。
(4)関連制度の見直し
 特殊関係株主等である内国法人等に係る外国関係法人に係る所得の課税の特例についても、上記(1)及び(2)と基本的に同様の改正が行われた(措法40の7①⑥⑧⑪、66の9の2①⑥⑧⑪、措令39の20の5⑦、39の20の9③、措規18の20の2⑬⑮、22の11の3⑭⑯)。

2 適用関係
(1)上記1(1)及び(2)の改正は、内国法人の令和7年4月1日以後に開始する事業年度に係る新適用対象金額等(適用対象金額及びその適用対象金額に係る課税対象金額、部分適用対象金額及びその部分適用対象金額に係る部分課税対象金額並びに金融子会社等部分適用対象金額及びその金融子会社等部分適用対象金額に係る金融子会社等部分課税対象金額をいい、その内国法人に係る外国関係会社の同年2月1日以後に終了する事業年度に係るものに限る。)について適用し、内国法人の同年4月1日前に開始した事業年度に係る適用対象金額及びその適用対象金額に係る課税対象金額、部分適用対象金額及びその部分適用対象金額に係る部分課税対象金額並びに金融子会社等部分適用対象金額及びその金融子会社等部分適用対象金額に係る金融子会社等部分課税対象金額については、従前どおりとされている(改正法附則50①)。
 ※ 上記1(4)のうち、特殊関係株主等である内国法人に係る外国関係法人に係る所得の課税の特例についても同様(改正法附則50③)。
(2)新制度と旧制度の重複適用を回避する観点から、上記2(1)を適用関係に係る原則としつつ、上記2(1)の特例が措置されている。具体的には、内国法人の令和7年4月1日前に開始した事業年度に係る旧適用対象金額等(適用対象金額及びその適用対象金額に係る課税対象金額、部分適用対象金額及びその部分適用対象金額に係る部分課税対象金額並びに金融子会社等部分適用対象金額及びその金融子会社等部分適用対象金額に係る金融子会社等部分課税対象金額をいい、その内国法人に係る外国関係会社の令和6年12月1日から令和7年1月31日までの間に終了する事業年度(その事業年度終了の日の翌日から4月を経過する日を含むその内国法人の事業年度が同年4月1日以後に開始するものである場合に限る。)に係るものに限る。)については、上記2(1)にかかわらず、改正後の規定を適用することができることとされている(改正法附則50②)。
 ※ 上記1(4)のうち、特殊関係株主等である内国法人に係る外国関係法人に係る所得の課税の特例についても同様(改正法附則50④)。
(3)上記1(3)の改正は、居住者の令和8年分以後の各年分に係る新適用対象金額等(適用対象金額及びその適用対象金額に係る課税対象金額、部分適用対象金額及びその部分適用対象金額に係る部分課税対象金額並びに金融子会社等部分適用対象金額及びその金融子会社等部分適用対象金額に係る金融子会社等部分課税対象金額をいい、その居住者に係る外国関係会社の令和7年11月1日以後に終了する事業年度に係るものに限る。)について適用し、居住者の令和7年分以前の各年分に係る適用対象金額及びその適用対象金額に係る課税対象金額、部分適用対象金額及びその部分適用対象金額に係る部分課税対象金額並びに金融子会社等部分適用対象金額及びその金融子会社等部分適用対象金額に係る金融子会社等部分課税対象金額については、従前どおりとされている(改正法附則36①)。
 ※ 上記1(4)のうち、特殊関係株主等である居住者に係る外国関係法人に係る所得の課税の特例についても同様(改正法附則36③)。
(4)居住者の令和7年分以前の各年分に係る旧適用対象金額等(適用対象金額及びその適用対象金額に係る課税対象金額、部分適用対象金額及びその部分適用対象金額に係る部分課税対象金額並びに金融子会社等部分適用対象金額及びその金融子会社等部分適用対象金額に係る金融子会社等部分課税対象金額をいい、その居住者に係る外国関係会社の令和7年9月1日から同年10月31日までの間に終了する事業年度に係るものに限る。)については、上記(3)にかかわらず、改正後の規定を適用することができることとされている(改正法附則36②)。
 ※ 上記1(4)のうち、特殊関係株主等である居住者に係る外国関係法人に係る所得の課税の特例についても同様(改正法附則36④)。

Ⅲ その他

1 改正の内容
(1)令和9年に開催される2027年国際園芸博覧会の公式参加者等に係る課税の特例の創設

① 令和9年に開催される2027年国際園芸博覧会の公式参加者(日本国政府からの2027年国際園芸博覧会への参加の公式の招請を受け入れた外国又は国際機関(外国法人に限る。)をいう。以下同じ。)及びその公式参加者の博覧会関連業務(2027年国際園芸博覧会の準備又は運営に関する業務で営利を目的としないものをいう。以下同じ。)を行う一定の外国法人並びに博覧会国際事務局の恒久的施設帰属所得等(令和7年4月1日から令和10年3月31日までの間に行う博覧会関連業務に係るものに限る。)については、法人税を課さないこととされた(措法67の16の2、措令39の33の2の2、措規22の19の3の2)。
② 公式参加者及びその公式参加者の博覧会関連業務を行う一定の外国法人に勤務する非居住者等並びに博覧会国際事務局の事務局長等である非居住者の給与(令和7年4月1日から令和10年3月31日までの間に行う博覧会関連業務に係る勤務に基因するものに限る。)については、所得税を課さないこととされた(措法29、措令19の2、措規11の2)。
(2)非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度の改正
① 任意届出書を提出する者がその任意届出書の提出をする報告金融機関等の営業所等の長に提示すべき居住地国確認書類等の範囲から、国民健康保険、健康保険、船員保険若しくは後期高齢者医療の被保険者証、国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証又は私立学校教職員共済制度の加入者証が除外され、その範囲に、新たに国民健康保険、健康保険、船員保険、後期高齢者医療、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合又は私立学校教職員共済組合制度の資格確認書が追加された(実特規16の4②一ハ等)。
 ※ 任意届出書の提出の際に提示する居住地国確認書類の範囲について経過期間(被保険者証等が効力を有するとされた間(その期間の末日が令和6年12月2日から起算して1年を経過する日の翌日以後であるときは、令和6年12月2日から起算して1年間)などその被保険者証等に係る各法令において定められた期間)において被保険者証等を居住地国確認書類とする経過措置等が講じられている(令和6年11月改正措規等附則6)。
② 報告対象国の範囲について、2か国・地域の租税条約等の相手国等が追加された(実特規別表七、四十五)。

2 適用関係
(1)上記1(1)①の改正は、外国法人の令和7年4月1日以後に終了する事業年度分の法人税について適用することとされている(改正法附則53)。また、上記1(1)②の改正は、令和7年4月1日から施行されている(改正法附則1)。
(2)上記1(2)①の改正は、令和6年12月2日から施行されている(令和6年11月改正措規等附則1)。また、上記1(2)②の改正は、令和6年12月27日から施行されている(令和6年12月改正実特規附則)。

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