税務ニュース2026年01月23日 全部取得条項株の取得決議は減額対象外(2026年1月26日号・№1108) 投資簿価修正 スクイーズアウト手法に起因する不合理な差異を解消
買収プレミアムを支払って買収し、通算グループに加入した法人の株式について、投資簿価修正により簿価純資産価額を引き継ぐだけでは、買収時に支払ったプレミアムが株式の簿価に反映されず、将来の株式譲渡時に当該プレミアム分について二重課税が生じる恐れがある。そこで令和4年度税制改正では、買収時に認識された「資産調整勘定対応金額(買収プレミアム相当額)」を簿価純資産価額に加算できる措置(法令119の3⑥二イ・ロ)が講じられたのは周知の通り。
ただ、現行制度では、通算グループへの加入(100%支配関係の発生)以前に当該子法人株式の一部を「譲渡」している場合、その譲渡割合に応じて、加算できる買収プレミアム額を減額する仕組みとなっており、対象株式は購入した有価証券など一定の株式とされている。しかしながら、かつてスクイーズアウトの主流であった「全部取得条項付種類株式」を用いた手法では、100%子会社化の過程で、既存の普通株式を全部取得条項付種類株式に転換し、取得決議によってその全てを会社が取得した対価として新たな株式を交付することになる。この「取得決議による取得」が、税務上の文理解釈では「譲渡」に該当してしまい、形式的には「グループ加入前の譲渡」とみなされることで、本来加算されるべき買収プレミアムが消滅または大幅に減額されてしまう。株式併合などの手法を用いればこうした制約は生じない。過去の再編手法によって現在の税負担に差異が生じることは不公平を生む原因となっており、日本貿易振興会などからは見直しを求める声が上がっていた。
そこで令和8年度税制改正では、投資簿価修正における加算措置の計算上、通算完全支配関係発生日以前に行われた子法人株式の譲渡のうち、「全部取得条項付種類株式に係る取得決議による完全子法人化の際の離脱法人の株式の譲渡」を、調整勘定対応金額の調整の対象から除外する。これにより、スクイーズアウトのために形式上の譲渡が生じた場合でも、買収時に支払ったプレミアムを離脱時の簿価に加算することが可能となる。本改正は、令和8年(2026年)4月1日から施行される。なお、この除外規定が適用されるのは、取得決議により交付を受けた離脱法人の株式の価額が、譲渡をした株式の価額と「おおむね同額」となっていると認められる場合に限定される。
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