税務ニュース2026年01月23日 非関連者基準の収入保険料を巡る裁決(2026年1月26日号・№1108) 審判所、保険リスクの一部を他者へ移転するための保険料は差し引かず
外国子会社合算税制における非関連者基準では、「当該各事業年度の収入保険料」のうちに「関連者以外の者から収入する収入保険料」の占める割合が50%を超えた場合には、同税制は適用されないこととされている。
本事案は、内国法人である請求人の自社キャプティブ保険会社であるK社(外国関係会社)はその主たる事業が保険業であり、非関連者基準を満たさないため、請求人に係る対象外国関係会社に該当し、外国子会社合算税制の適用があるなどとして、原処分庁が法人税等の更正処分等を行ったことから、請求人が原処分の一部の取消しを求めたものである。具体的には、「当該各事業年度の収入保険料」のうちに、K社の非関連者からの収入保険料の額の占める割合が100分の50を超えるかどうかが争点となっている。
請求人の自社キャプティブ保険会社である外国関係会社のK社は、スポンサードキャプティブ保険会社(M社)を通じて、第三者である各U社と請求人に係る保険リスクを引き受ける再保険契約(再保険契約2)を締結し、さらに、請求人の特定の保険リスクについてM社を通じて第三者であるR社に譲渡し(再保険契約3)、R社により引き受けられた非関連者の保険リスクと交換する契約を締結した(再保険契約4)(図参照)。

請求人は、①再保険契約2及び再保険契約3によれば、最終的にK社は、請求人に係る保険リスクのうち19%(又は49%)を引き受け、K社には再保険料2の19%(又は46%)のみの経済的利益が帰属する、②再保険料2の過半はK社に帰属せず、R社に帰属するという認識の下で本件の再保険プログラムを採用し、再保険料2も、経済的利益の帰属や請求人の認識に沿って、U社からM社を経由してK社とR社に直接送金された。また、会計処理についても経済的利益の帰属や請求人の認識に従って行われており、その処理は会計監査人によって是認されている、③関係当事者が真に意図していたのは、最終的にK社は請求人に係る保険リスクのうち一部のみを引き受けるものであったため、d州保険局の承認を得た上で、再保険契約の内容を遡及的に修正したことなどからすれば、請求人に係る保険リスクの一部をR社に移転するための保険料(再保険料3)を除いた金額(再保険契約修正後の収入保険料の金額と同額)を前提として非関連者割合を判断すべきであると主張。一方、原処分庁は、修正前の再保険契約2に基づいて、K社の収入保険料のうちの非関連者割合を判断すべきであるとした。
審判所は、K社は請求人に係る外国関係会社であり、K社の主たる事業が保険業であることから、K社が各事業年度において非関連者基準を満たすか否かの判断に当たっては、「当該各事業年度の収入保険料」(分母)のうちに「関連者以外の者から収入する収入保険料」(分子)の占める割合が100分の50を超えるか否か(措令39条の14の3第28項5号)が問題になるとした。その上で、M社は、K社のために各U社との間で、再保険契約2を締結しているところ、再保険契約2のカバー・ノート(保険で損害が担保されることを証明する書類)には再保険契約2により各U社が譲渡する保険責任の割合や再保険料の金額が明示されており、再保険契約2により移転する保険責任の割合やその対価である保険料の金額が一部であることを示す記載は見当たらないと指摘。再保険契約2の当事者の間には、締結日において再保険契約2に係るカバー・ノートの記載通りの合意が成立し、その合意が変更後再保険契約の締結まで存続していたと認められるとした。
そして、非関連会社割合の判断は外国関係会社の事業年度ごとに行うこととされているが、各変更後再保険契約が締結されたのはK社事業年度の終了後であることから、K社事業年度において有効に存在していたのは再保険契約2であり、K社事業年度後にd州保険局が再保険契約2の変更を承認したとしても変わるものではないとし、変更前の再保険契約2に基づいて、K社事業年度におけるK社の収入保険料の額を判断するのが合理的であると判断。保険リスクの一部をR社に移転するための保険料(再保険料3)を除いて計算すべきではないとして、請求人の主張を斥けた。
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