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税務ニュース2026年01月30日 最高裁、非課税規定の空間別適用を否定(2026年2月2日号・№1109) 商業施設併存の参道の固定資産税は非課税とならず、納税者が逆転敗訴

  • 寺院の山門と商業施設が一体になった建物の空洞部分に対する固定資産税の非課税規定の適用が争われた事案で、最高裁第二小法廷は令和8年1月26日、寺院側が勝訴した控訴審判決を破棄し、控訴を棄却(995号、1097号に関連記事)。

 本件土地上には、参道として使用されている空間(非課税用途)と商業施設が存する空間(課税用途)が混在する。そこで大阪市は、地方税法348条2項3号の要件である「専ら」その本来の用に供するものには当たらないと主張した。一方、寺院側は、同号の適用範囲は土地の用途に即して画定すべきとした上で、参道部分とその上部の商業施設部分は用途が明確に異なる以上、それぞれ同号の適用の可否を判断すべきであり、参道部分に限ってみれば「専ら」本来の用に供するものと言えると主張。また、このように解さなければ、土地上の建物の一部が非課税用途に供される場合にその敷地の一部について非課税規定を適用してきた従前の課税実務の取扱いと整合せず、租税負担の公平に反すると主張した。
 これに対し最高裁は、土地の所有権は土地の上下に及び(民法207)、空間のみを所有権の目的とすることはできないから、法令に特別の定めがない以上、空間ごとに地方税法348条2項3号を適用することはできないと判示した。
 本判決には三浦守裁判官の補足意見が付された。同意見は、固定資産税等が非課税となる「境内地」について、①境内建物が存する一画の土地(宗教法人法3二)と②「参道として用いられる土地」(同三)とを区別した上で、前者では、建物の一部が境内建物に当たる場合に当該建物が存する一画の土地の一部が同号に当たるかが問題となり得るのに対し、後者では、課税用途と非課税用途が併存する場合であっても、その全部が境内地に該当し、その上で宗教法人が「専ら」その本来の用に供するものに当たるかが問題となる旨指摘している。これは、寺院側が提起した従前の課税実務との整合性に関する疑問に対し、両者は適用条文及び要件を異にする問題であることを示したものと言える。
 また、本判決には、解釈論として同号の適用を一部認めるべきとする高須順一裁判長の反対意見も付されている。三浦守裁判官の補足意見でも、立法政策の問題としつつ、土地の利用における建物や工作物の立体化、重層化に対する固定資産税等の課税の在り方は重要な課題との認識が示された。本件は、土地の立体的利用が進展する現状を踏まえ、現行法の下での固定資産税の課税の在り方に一石を投じたと言えよう。

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