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2023年07月03日 更新
裁判官の異動履歴(官報から参照)や、その裁判官が扱った主な判決(裁判所ウェブサイトから引用)などを掲載し、随時更新しています。
※できる限り正確な情報を提供できるよう努めておりますが、誤りがないことを保証するものではありません。
判決日 2020年02月04日平成31(ネ)535号
損害賠償等請求控訴事件
大阪高等裁判所 第3民事部
判示事項 1 第二次世界大戦中,日本国により中国から日本に強制連行され,日本各地の事業場で強制労働に従事させられたことを原因とする控訴人らの被控訴人に対する慰謝料請求を,最高裁平成19年4月27日第二小法廷判決の考え方に則り,日中共同声明5項によって裁判上訴求する権能を失ったとした原判決の判断は,相当である。 2 強制連行・強制労働という先行行為があったとしても,戦後,侵害の回復という作為義務(とりわけ,金銭支払義務)が別個に生ずるとはいえず,その不履行が別個独立の損害賠償請求権の発生根拠となることはない。 3 昭和29年から昭和35年にかけての国会における外務省アジア局長及び内閣総理大臣の答弁は,具体的な事実を摘示したものではなく,それ自体で被害者らの社会的評価を低下させたとは認められないから,いずれも被害者らに対する名誉棄損とはならない。
結果
裁判長裁判官 江口とし子 裁判官 大藪和男 裁判官 角田ゆみ
(原審) 大阪地方裁判所 平成27(ワ)6338号
判決文判決文は裁判所ウェブサイトへのリンクです。
判決日 2019年07月19日平成30(ネ)628号
損害賠償請求控訴事件
大阪高等裁判所 第3民事部
判示事項 タイヤ製造等を目的とする会社に雇用され,タイヤ製造業務に従事していた被用者らが,作業工程から発生する石綿及び石綿を不純物として含有するタルク(滑石を微粉砕した無機粉末であり,ゴムの充填剤ないし粘着防止の打ち粉として使用されていた)の粉じんに曝露し,これによって石綿関連疾患(悪性胸膜中皮腫,肺がん,石綿肺)に罹患したとして,被用者ら及びその相続人ら(一審原告ら)が,タイヤ製造会社(一審被告)に対し,債務不履行(安全配慮義務違反)又は不法行為に基づき,慰謝料の支払を請求した事案において,昭和35年には石綿が生命・健康に対して危険性を有するものであるとの抽象的な危惧を抱かせるに足りる知見が集積し,一審被告の同業者が設置した病院の医師が昭和35年にタルクが不純物として石綿を含むことが多い旨の論文を公表していたことから,一審被告もその頃にはこれらの知見を有していたのに,一審被告は高濃度の石綿又は石綿を不純物として含有するタルクの粉じんが飛散する状態で被用者らを職務に従事させていたとして,被用者ら全員に対する安全配慮義務違反が認められるとした事例。
結果
裁判長裁判官 江口とし子 裁判官 大藪和男 裁判官 森鍵一
(原審) 神戸地方裁判所 平成25(ワ)108号
判決文判決文は裁判所ウェブサイトへのリンクです。
判決日 2019年02月15日平成30(ネ)406号
地位確認等請求控訴事件
大阪高等裁判所 第3民事部
判示事項 期間の定めのある労働契約を締結して被控訴人(学校法人)においてアルバイト職員として勤務していた控訴人が,期間の定めのない労働契約を締結して正職員として勤務していた労働者との間で,基本給,賞与,年末年始及び創立記念日の休日における賃金支給,年休の日数,夏期特別有給休暇,業務外の疾病(私傷病)による欠勤中の賃金並びに附属病院の医療費補助措置に相違があることは労働契約法20条に違反すると主張して差額賃金等相当額の損害賠償を請求した事案において,正職員との職務内容等との違いに鑑み,賞与を正職員の支給基準の6割を下回る支給しかしない限度,夏期特別有給休暇(年間5日)を支給しない限度並びに私傷病による欠勤中の賃金につき1か月分及び休職給(2割)につき2か月分を下回る支給しかしない限度で労働条件の相違が不合理であるとして,これに相当する賞与等相当額の損害賠償の限度で請求が認容された事例
結果
裁判長裁判官 江口とし子 裁判官 大藪和男 裁判官 森鍵一
(原審) 大阪地方裁判所 平成27(ワ)8334号 棄却
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判決日 2018年09月20日平成28(ネ)863号
損害賠償請求控訴事件
大阪高等裁判所 第3民事部
判示事項 1 被控訴人国の国賠法1条1項に基づく損害賠償責任 (1) 国が,建築作業従事者が石綿含有建材の切断,穿孔等の作業により石綿関連疾患に罹患することを防止するため,労働安全衛生法(安衛法)上の規制権限を行使し,①昭和50年10月1日以降,事業者に対する防じんマスクの着用義務付け,作業現場における警告表示の義務付け並びに建材メーカーに対する石綿含有建材への警告表示の義務付けを行わなかったこと,②平成3年末以降,石綿含有建材の製造等を禁止しなかったことは,国賠法1条1項の適用上違法である。 (2) 国の安衛法55条,57条に基づく規制権限の不行使については,いわゆる一人親方も,国家賠償の保護範囲に含まれる。 (3) 国が国賠法1条1項に基づき被災者らに負うべき責任の範囲は,被災者らに生じた損害の2分の1とするのが相当である。 2 被控訴人企業らの民法719条1項に基づく損害賠償責任 (1) 建材メーカーは,昭和50年1月1日以降,建築作業従事者に対し,石綿含有建材の切断,穿孔等の作業により石綿関連疾患を発症する危険性等について警告表示する義務を負い,被控訴人企業らには警告表示義務違反が認められる。 (2) 共同不法行為の加害行為に当たるというためには,特定の被控訴人企業が警告表示義務に違反して製造販売した石綿含有建材が特定の被災者に到達したことの立証が必要であるが,マーケットシェアを利用した加害行為者の特定という方法も,建材使用が極めて多数回に及ぶ状況では合理性を有し,当該建材のシェアが10%以上を占める被控訴人企業の製造販売行為は,被災者らの就労した建築作業現場に到達する高度の蓋然性が認められる。 (3) 上記被控訴人企業らは,民法719条1項後段の類推適用により,被災者の曝露期間とメーカーの責任原因期間,主要原因企業以外のメーカーの寄与を考慮した範囲で,連帯して責任を負う。
結果
裁判長裁判官 江口とし子 裁判官 大藪和男 裁判官 影浦直人
(原審) 大阪地方裁判所 平成23(ワ)8942 号
判決文判決文は裁判所ウェブサイトへのリンクです。
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