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住民基本台帳法の一部改正(令和7年4月25日法律第29号〔附則第10条〕 令和7年10月1日から施行)
法律
新旧対照表
- 公布日 令和7年04月25日
- 施行日 令和7年10月01日
こども家庭庁
昭和42年法律第81号
法律
新旧対照表
- 公布日 令和7年04月25日
- 施行日 令和7年10月01日
こども家庭庁
昭和42年法律第81号
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◇児童福祉法等の一部を改正する法律(法律第二九号)(こども家庭庁)
一 児童福祉法の一部改正関係
1 令和七年一〇月一日施行事項
㈠ 保育士・保育所支援センターとしての機能を担う体制の整備
⑴ 都道府県は、次に掲げる業務を行う拠点としての機能(以下この㈠において「保育士・保育所支援センター」という。)を担う体制を整備しなければならないものとした。(第一八条の二四第一項関係)
イ 保育に関する業務への関心を高めるための広報を行うこと。
ロ 保育に関する業務に従事することを希望する保育士に対し、職業紹介、保育に関する最新の知識及び技能に関する研修の実施その他の保育に関する業務に円滑に従事することができるようにするための支援を行うこと。
ハ 保育所の設置者に対し、保育士が就業を継続することができるような勤労環境を整備するために必要な助言その他の援助を行うこと。
ニ イからハまでに掲げるもののほか、保育に関する業務に従事することを希望する保育士の就業及び保育所における保育士の就業の継続を促進するために必要な業務を行うこと。
⑵ 指定都市及び中核市は、保育士・保育所支援センターとしての機能を担う体制を整備するよう努めなければならないものとした。(第一八条の二四第二項関係)
⑶ 国、地方公共団体、保育士・保育所支援センターとしての機能を担う者その他の関係者は、保育に関する業務に従事することを希望する保育士の就業及び保育所における保育士の就業の継続を促進するため、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならないものとした。(第一八条の二五関係)
㈡ 地域限定保育士の資格の創設
⑴ 保育士となる資格を有する者に、⑶の地域限定保育士登録を受けた日から起算して三年を経過し、かつ、内閣府令で定める期間以上の期間⑶の業務に従事した者を追加するものとした。(第一八条の六関係)
⑵ 都道府県又は指定都市は、保育士の確保のための措置を講じてもなおその区域内において保育士が不足するおそれが特に大きいときは、その旨を証する書類等を添付した当該区域内において専門的知識及び技術をもって児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする保育士以外の者として必要な知識及び技能を有するかどうかを判定するための試験の科目、方法、実施回数等を記載した書面(以下この⑵及び⑶において「試験実施方法書」という。)を作成し、内閣総理大臣に申請した上で、当該試験実施方法書に記載した内容が適当である旨の内閣総理大臣の認定を受けることができるものとした。(第一八条の二六第一項及び第二項関係)
⑶ ⑵の認定を受けた地方公共団体(以下この㈡において「認定地方公共団体」という。)の長が当該認定に係る試験実施方法書に定めるところにより実施した試験(以下この㈡において「地域限定保育士試験」という。)に合格した者は、当該認定地方公共団体の長の登録(以下「地域限定保育士登録」という。)を受けることができるものとするとともに、地域限定保育士登録を受けている者は、当該地域限定保育士登録を行った認定地方公共団体の長の管轄する区域内に限り、地域限定保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、業として、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことができるものとした。(第一八条の二八関係)
⑷ 認定地方公共団体は、地域限定保育士登録を受けている者が保育士と連携して児童の保育等を適切に行うことができるようにするために必要な研修等の措置を講じなければならないものとした。(第一八条の二九関係)
⑸ 内閣総理大臣は、認定地方公共団体に対し、地域限定保育士試験及び⑷の措置の実施の状況に関する事項について報告を求めることができるとともに、これらの適正かつ確実な実施のため必要があると認めるときは、必要な措置を講ずることを求めることができるものとした。(第一八条の三〇第二項及び第三項関係)
⑹ 認定地方公共団体の長は、法人であって、地域限定保育士試験の実施に関する事務(以下この⑹において「地域試験事務」という。)を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして当該認定地方公共団体の長が指定するものに当該地域試験事務の全部又は一部を行わせることができるものとし、一般社団法人及び一般財団法人以外の法人について⑵の知識及び技能を有するかどうかの判定に関する事務を行わせようとするときは、内閣総理大臣の同意を得なければならないものとした。(第一八条の三二第一項及び第二項関係)
⑺ 認定地方公共団体の長は、地域限定保育士登録を受けている者が拘禁刑以上の刑に処せられた場合等には、その地域限定保育士登録を取り消さなければならないものとし、地域限定保育士の名称の表示に係る義務に違反したとき等は、その地域限定保育士登録を取り消し、又は期間を定めて地域限定保育士の名称の使用の停止を命ずることができるものとした。(第一八条の三四第一項及び第二項関係)
㈢ 保育所等の職員等が行った児童への虐待についての通告に関する規定の整備
⑴ 被措置児童等虐待の定義に、児童自立生活援助事業、放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、一時預かり事業、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、病児保育事業、意見表明等支援事業、妊産婦等生活援助事業、児童育成支援拠点事業、乳児等通園支援事業、母子生活支援施設、保育所、児童館及び認可外保育施設における施設職員等が行う虐待を加え、通告義務の対象とした。(第三三条の一〇第一項及び第三三条の一二第一項関係)
⑵ 被措置児童等虐待に係る事業、里親、施設及び一時保護の区分ごとに所管行政庁を規定した上で、被措置児童等虐待の通告等を受けた都道府県知事又は市町村長は、当該通告等に係る被措置児童等虐待の防止又は被措置児童等の保護のため必要があると認めるときは、当該被措置児童等に係る事業、里親、施設又は一時保護の所管行政庁に速やかに通知しなければならないものとするとともに、当該被措置児童等が施設入所等の措置が行われている児童であるときは、通告等を受けた所管行政庁は、当該措置を行う都道府県の知事(⑶において「措置実施都道府県知事」という。)に、その旨を通知しなければならないものとした。(第三三条の一〇第二項、第三三条の一四第一項及び第三三条の一六の二第一項関係)
⑶ 所管行政庁及び措置実施都道府県知事は、⑵の通知があった場合等であって、被措置児童等虐待の防止又は被措置児童等の保護のため必要があると認めるときは、速やかに、被措置児童等の状況その他の通告等に係る事実を確認するための措置を講ずるものとするとともに、当該措置を講じた場合において、被措置児童等虐待の防止又は当該被措置児童等と生活を共にする被措置児童等の保護のため必要があると認めるときは、当該被措置児童等に係る事業を行う者、里親、施設の設置者又は一時保護を行う者に対する指導、助言その他児童の安全な生活環境を確保するために必要な措置を講ずるものとした。(第三三条の一四第二項及び第三項並びに第三三条の一六の二第二項及び第三項関係)
2 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日施行事項
児童虐待の防止等に関する法律に規定する面会若しくは通信の全部若しくは一部の制限を行う場合又は当該制限の全部若しくは一部を行わなくなる場合を意見聴取等措置の対象に追加するものとした。(第三三条の三の三関係)
3 令和八年四月一日施行事項
㈠ 小規模保育事業の定義に、保育を必要とする児童であって満三歳以上のものについて、当該保育を必要とする児童を保育することを目的とする施設(利用定員が六人以上一九人以下であるものに限る。)において、保育を行う事業(㈡及び七の1において「満三歳以上限定小規模保育事業」という。)を位置付けるものとした。(第六条の三第一〇項第三号関係)
㈡ 市町村長は、満三歳以上限定小規模保育事業の認可の申請があった場合において、当該申請に係る満三歳以上限定小規模保育事業を行う事業所の所在地を含む教育・保育提供区域に所在する他の満三歳以上限定小規模保育事業を行う事業所について定められた利用定員の総数が、市町村子ども・子育て支援事業計画において当該教育・保育提供区域について定められた必要利用定員総数に既に達しているか、又は当該申請に係る満三歳以上限定小規模保育事業の開始によってこれを超えることになると認めるとき等には、認可をしないことができるものとした。(第三四条の一五第五項関係)
4 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日施行事項
㈠ 児童相談所長及び都道府県知事は、次に掲げる者(㈡において「登録一時保護委託者等」という。)に一時保護を行わせることができるものとした。(第三三条第一項及び第二項関係)
⑴ 一時保護を適正に行うことができる者として都道府県知事の登録を受けた者
⑵ 児童福祉法又は他の法律に基づいて児童の福祉に関する業務若しくは事業を行い、又は施設を設置する者であって、一時保護を適正に行うことができる者
㈡ 児童相談所長及び都道府県知事は、自ら一時保護を行うことができず、かつ、登録一時保護委託者等に一時保護の委託をすることができない場合であって、直ちに一時保護が必要な児童等があるときは、二週間以内に限り、登録一時保護委託者等以外の適当な者に児童等の一時保護を行わせることができるものとするとともに、当該者に対し、必要な指示をし、又は必要な報告をさせることができるものとした。(第三三条第二一項~第二三項関係)
㈢ ㈠の⑴の登録(以下この4において「登録」という。)を受けようとする者は、申請書に基準に適合していることを証する書類等を添えて、都道府県知事に提出するものとするとともに、都道府県知事は登録の申請が一時保護を行うために必要なものとして条例で定める基準に適合しているときは、登録をするものとした。(第三四条の二二第一項及び第二項関係)
㈣ 都道府県知事は、登録一時保護委託者に対して、必要な報告を求め、又は当該職員に、関係者に対して質問させ、若しくは登録一時保護委託者が一時保護を行う場所に立ち入り、設備、帳簿書類その他の物件を検査させることができるものとした。(第三四条の二五第一項関係)
㈤ 都道府県知事は、登録一時保護委託者が基準に適合しないと認められるに至った場合等には、当該登録一時保護委託者に対し、必要な改善を勧告し、当該勧告に従わないときは、必要な改善を命ずることができるものとした。(第三四条の二五第三項関係)
二 学校教育法の一部改正関係
就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(六において「認定こども園法」という。)の規定を準用することにより、幼稚園及び特別支援学校幼稚部(五において「幼稚園等」という。)の職員等による虐待についての通告義務等を規定するものとした。(第二八条第二項及び第八二条関係)
三 教育職員免許法の一部改正関係
幼稚園教諭の免許状の取得に係る特例の対象に、地域限定保育士登録を受け、かつ、学位等の基礎資格を有する者を追加するものとした。(附則第一八項関係)
四 児童虐待の防止等に関する法律の一部改正関係
1 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日施行事項
㈠ 一時保護が行われている児童に対して当該児童の保護者が児童虐待を行った疑いがあると認められる場合において、当該児童と当該保護者との面会又は通信を認めたとすれば当該児童の心身に有害な影響を及ぼすおそれが大きいと認めるときは、児童相談所長は、当該面会又は通信の全部又は一部を制限することができるものとした。(第一二条第三項関係)
㈡ 一時保護が行われている児童に対して当該児童の保護者が児童虐待を行った疑いがあると認められる場合において、当該保護者に対し当該児童の住所又は居所を明らかにしたとすれば、当該児童の保護に著しい支障を来すと認めるときは、児童相談所長は、当該保護者に対し、当該児童の住所又は居所を明らかにしないものとした。(第一二条第五項関係)
2 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日施行事項
児童相談所長が通告等を受けた場合の措置等に、一の4の㈡の一時保護を加えるものとした。(第八条第二項、第一一条第五項、第一二条(1の改正事項を除く。)~第一二条の三、第一三条第二項及び第一三条の二関係)
五 構造改革特別区域法の一部改正関係
構造改革特別区域法における学校教育法の特例に基づき認定を受けた地方公共団体の長を、学校設置会社又は学校設置非営利法人が設置する幼稚園等の職員等による虐待に係る所管行政庁として定義するものとした。(第一二条第一項及び第一三条第一項関係)
六 認定こども園法の一部改正関係
1 幼稚園教諭の普通免許状を有し、かつ、地域限定保育士登録を受けている者についても、認定地方公共団体の区域に所在する幼保連携型認定こども園で保育教諭等として勤務することができるものとした。(第一五条第一項関係)
2 幼保連携型認定こども園の長、その職員その他の従業者による虐待(以下この六において「入園児虐待」という。)を受けたと思われる園児を発見した者は、速やかに、その旨を都道府県知事又は市町村長に通告しなければならないものとした。(第二七条の二第一項及び第二七条の四第一項関係)
3 幼保連携型認定こども園の区分ごとに所管行政庁を規定した上で、通告等を受けた都道府県知事又は市町村長は、当該通告等に係る入園児虐待の防止又は園児の保護のため必要があると認めるときは、当該園児に係る幼保連携型認定こども園の所管行政庁に、速やかにその旨を通知しなければならないものとした。(第二七条の二第二項及び第二七条の五第一項関係)
4 所管行政庁は、3の通知を受けた場合等であって、入園児虐待の防止又は園児の保護のため必要があると認めるときは、速やかに、園児の状況その他の通告等に係る事実を確認するための措置を講ずるものとするとともに、当該措置を講じた場合において、入園児虐待の防止又は当該措置に係る園児若しくは当該園児と共に在籍する他の園児の保護のため必要があると認めるときは、当該園児に係る幼保連携型認定こども園の設置者に対する指導又は助言その他の園児の安全な環境を確保するために必要な措置を講ずるものとした。(第二七条の五第二項及び第三項関係)
5 所管行政庁は、4の措置を講じたときは、速やかに、当該措置の内容、当該措置に係る園児の状況等を都道府県児童福祉審議会等に報告するものとし、都道府県児童福祉審議会等は、報告に係る事項について、当該所管行政庁に対し、意見を述べることができるものとした。(第二七条の六第一項及び第二項関係)
6 主務大臣及び都道府県知事は、毎年度、幼保連携型認定こども園において発生した入園児虐待の状況等を公表するものとした。(第二七条の七第二項関係)
7 国は、入園児虐待の事例の分析を行うとともに、入園児虐待の予防及び早期発見のための方策、入園児虐待があった場合の適切な対応方法に資する事項について調査及び研究を行うものとした。(第二七条の八関係)
七 子ども・子育て支援法の一部改正関係
1 子ども・子育て支援法第一九条第二号に掲げる小学校就学前子どもに該当する教育・保育給付認定子ども(以下この七において「満三歳以上保育認定子ども」という。)が、満三歳以上保育認定子どもを対象とする特定地域型保育(満三歳以上限定小規模保育(満三歳以上限定小規模保育事業として行われる保育をいう。以下同じ。)に限る。)であって、保育必要量の範囲内のものを受けたときについて、地域型保育給付費を支給するものとした。(第二九条第一項関係)
2 満三歳以上保育認定子どもが、教育・保育給付認定に係る申請の日から当該教育・保育給付認定の効力が生じた日の前日までの間に、緊急その他やむを得ない理由により特定地域型保育を受けたときについて、特例地域型保育給付費を支給することができるものとした。(第三〇条第一項関係)
3 満三歳以上限定小規模保育の事業を行う特定地域型保育事業者の確認について、事業所ごとに、子ども・子育て支援法第一九条第二号に掲げる小学校就学前子どもに係る利用定員を定めて、市町村長が行うものとした。(第四三条第一項及び第二項関係)
4 市町村子ども・子育て支援事業計画において、各年度の教育・保育提供区域における特定地域型保育事業所に係る子ども・子育て支援法第一九条第二号に掲げる小学校就学前子ども(満三歳以上限定小規模保育を利用するものに限る。)の必要利用定員総数等について定めるものとした。(第六一条第二項関係)
八 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の一部改正関係
保育教諭等の資格の特例として、地域限定保育士登録のみを受けた者についても、認定地方公共団体の区域に所在する幼保連携型認定こども園に保育教諭等として勤務することができるものとした。(附則第五条第一項関係)
九 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の一部改正関係
保育所等の設置者等が、在籍している医療的ケア児等が適切な医療的ケア等の支援を受けられるようにするために講ずる措置の例示に、地域限定保育士登録を受けている者の配置を追加するものとした。(第九条第二項関係)
一〇 学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律の一部改正
児童福祉法第三三条第一項第一号に規定する登録一時保護委託者を学校設置者等に位置付けるものとした。(第二条第三項関係)
一一 施行期日等
1 検討規定
政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとした。(附則第二条関係)
2 経過措置及び関係法律の整備
この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、関係法律の規定の整備を行うこととした。(附則第三条~第二一条関係)
3 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、令和七年一〇月一日から施行することとした。
一 児童福祉法の一部改正関係
1 令和七年一〇月一日施行事項
㈠ 保育士・保育所支援センターとしての機能を担う体制の整備
⑴ 都道府県は、次に掲げる業務を行う拠点としての機能(以下この㈠において「保育士・保育所支援センター」という。)を担う体制を整備しなければならないものとした。(第一八条の二四第一項関係)
イ 保育に関する業務への関心を高めるための広報を行うこと。
ロ 保育に関する業務に従事することを希望する保育士に対し、職業紹介、保育に関する最新の知識及び技能に関する研修の実施その他の保育に関する業務に円滑に従事することができるようにするための支援を行うこと。
ハ 保育所の設置者に対し、保育士が就業を継続することができるような勤労環境を整備するために必要な助言その他の援助を行うこと。
ニ イからハまでに掲げるもののほか、保育に関する業務に従事することを希望する保育士の就業及び保育所における保育士の就業の継続を促進するために必要な業務を行うこと。
⑵ 指定都市及び中核市は、保育士・保育所支援センターとしての機能を担う体制を整備するよう努めなければならないものとした。(第一八条の二四第二項関係)
⑶ 国、地方公共団体、保育士・保育所支援センターとしての機能を担う者その他の関係者は、保育に関する業務に従事することを希望する保育士の就業及び保育所における保育士の就業の継続を促進するため、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならないものとした。(第一八条の二五関係)
㈡ 地域限定保育士の資格の創設
⑴ 保育士となる資格を有する者に、⑶の地域限定保育士登録を受けた日から起算して三年を経過し、かつ、内閣府令で定める期間以上の期間⑶の業務に従事した者を追加するものとした。(第一八条の六関係)
⑵ 都道府県又は指定都市は、保育士の確保のための措置を講じてもなおその区域内において保育士が不足するおそれが特に大きいときは、その旨を証する書類等を添付した当該区域内において専門的知識及び技術をもって児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする保育士以外の者として必要な知識及び技能を有するかどうかを判定するための試験の科目、方法、実施回数等を記載した書面(以下この⑵及び⑶において「試験実施方法書」という。)を作成し、内閣総理大臣に申請した上で、当該試験実施方法書に記載した内容が適当である旨の内閣総理大臣の認定を受けることができるものとした。(第一八条の二六第一項及び第二項関係)
⑶ ⑵の認定を受けた地方公共団体(以下この㈡において「認定地方公共団体」という。)の長が当該認定に係る試験実施方法書に定めるところにより実施した試験(以下この㈡において「地域限定保育士試験」という。)に合格した者は、当該認定地方公共団体の長の登録(以下「地域限定保育士登録」という。)を受けることができるものとするとともに、地域限定保育士登録を受けている者は、当該地域限定保育士登録を行った認定地方公共団体の長の管轄する区域内に限り、地域限定保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、業として、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことができるものとした。(第一八条の二八関係)
⑷ 認定地方公共団体は、地域限定保育士登録を受けている者が保育士と連携して児童の保育等を適切に行うことができるようにするために必要な研修等の措置を講じなければならないものとした。(第一八条の二九関係)
⑸ 内閣総理大臣は、認定地方公共団体に対し、地域限定保育士試験及び⑷の措置の実施の状況に関する事項について報告を求めることができるとともに、これらの適正かつ確実な実施のため必要があると認めるときは、必要な措置を講ずることを求めることができるものとした。(第一八条の三〇第二項及び第三項関係)
⑹ 認定地方公共団体の長は、法人であって、地域限定保育士試験の実施に関する事務(以下この⑹において「地域試験事務」という。)を適正かつ確実に実施することができると認められるものとして当該認定地方公共団体の長が指定するものに当該地域試験事務の全部又は一部を行わせることができるものとし、一般社団法人及び一般財団法人以外の法人について⑵の知識及び技能を有するかどうかの判定に関する事務を行わせようとするときは、内閣総理大臣の同意を得なければならないものとした。(第一八条の三二第一項及び第二項関係)
⑺ 認定地方公共団体の長は、地域限定保育士登録を受けている者が拘禁刑以上の刑に処せられた場合等には、その地域限定保育士登録を取り消さなければならないものとし、地域限定保育士の名称の表示に係る義務に違反したとき等は、その地域限定保育士登録を取り消し、又は期間を定めて地域限定保育士の名称の使用の停止を命ずることができるものとした。(第一八条の三四第一項及び第二項関係)
㈢ 保育所等の職員等が行った児童への虐待についての通告に関する規定の整備
⑴ 被措置児童等虐待の定義に、児童自立生活援助事業、放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、一時預かり事業、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、病児保育事業、意見表明等支援事業、妊産婦等生活援助事業、児童育成支援拠点事業、乳児等通園支援事業、母子生活支援施設、保育所、児童館及び認可外保育施設における施設職員等が行う虐待を加え、通告義務の対象とした。(第三三条の一〇第一項及び第三三条の一二第一項関係)
⑵ 被措置児童等虐待に係る事業、里親、施設及び一時保護の区分ごとに所管行政庁を規定した上で、被措置児童等虐待の通告等を受けた都道府県知事又は市町村長は、当該通告等に係る被措置児童等虐待の防止又は被措置児童等の保護のため必要があると認めるときは、当該被措置児童等に係る事業、里親、施設又は一時保護の所管行政庁に速やかに通知しなければならないものとするとともに、当該被措置児童等が施設入所等の措置が行われている児童であるときは、通告等を受けた所管行政庁は、当該措置を行う都道府県の知事(⑶において「措置実施都道府県知事」という。)に、その旨を通知しなければならないものとした。(第三三条の一〇第二項、第三三条の一四第一項及び第三三条の一六の二第一項関係)
⑶ 所管行政庁及び措置実施都道府県知事は、⑵の通知があった場合等であって、被措置児童等虐待の防止又は被措置児童等の保護のため必要があると認めるときは、速やかに、被措置児童等の状況その他の通告等に係る事実を確認するための措置を講ずるものとするとともに、当該措置を講じた場合において、被措置児童等虐待の防止又は当該被措置児童等と生活を共にする被措置児童等の保護のため必要があると認めるときは、当該被措置児童等に係る事業を行う者、里親、施設の設置者又は一時保護を行う者に対する指導、助言その他児童の安全な生活環境を確保するために必要な措置を講ずるものとした。(第三三条の一四第二項及び第三項並びに第三三条の一六の二第二項及び第三項関係)
2 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日施行事項
児童虐待の防止等に関する法律に規定する面会若しくは通信の全部若しくは一部の制限を行う場合又は当該制限の全部若しくは一部を行わなくなる場合を意見聴取等措置の対象に追加するものとした。(第三三条の三の三関係)
3 令和八年四月一日施行事項
㈠ 小規模保育事業の定義に、保育を必要とする児童であって満三歳以上のものについて、当該保育を必要とする児童を保育することを目的とする施設(利用定員が六人以上一九人以下であるものに限る。)において、保育を行う事業(㈡及び七の1において「満三歳以上限定小規模保育事業」という。)を位置付けるものとした。(第六条の三第一〇項第三号関係)
㈡ 市町村長は、満三歳以上限定小規模保育事業の認可の申請があった場合において、当該申請に係る満三歳以上限定小規模保育事業を行う事業所の所在地を含む教育・保育提供区域に所在する他の満三歳以上限定小規模保育事業を行う事業所について定められた利用定員の総数が、市町村子ども・子育て支援事業計画において当該教育・保育提供区域について定められた必要利用定員総数に既に達しているか、又は当該申請に係る満三歳以上限定小規模保育事業の開始によってこれを超えることになると認めるとき等には、認可をしないことができるものとした。(第三四条の一五第五項関係)
4 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日施行事項
㈠ 児童相談所長及び都道府県知事は、次に掲げる者(㈡において「登録一時保護委託者等」という。)に一時保護を行わせることができるものとした。(第三三条第一項及び第二項関係)
⑴ 一時保護を適正に行うことができる者として都道府県知事の登録を受けた者
⑵ 児童福祉法又は他の法律に基づいて児童の福祉に関する業務若しくは事業を行い、又は施設を設置する者であって、一時保護を適正に行うことができる者
㈡ 児童相談所長及び都道府県知事は、自ら一時保護を行うことができず、かつ、登録一時保護委託者等に一時保護の委託をすることができない場合であって、直ちに一時保護が必要な児童等があるときは、二週間以内に限り、登録一時保護委託者等以外の適当な者に児童等の一時保護を行わせることができるものとするとともに、当該者に対し、必要な指示をし、又は必要な報告をさせることができるものとした。(第三三条第二一項~第二三項関係)
㈢ ㈠の⑴の登録(以下この4において「登録」という。)を受けようとする者は、申請書に基準に適合していることを証する書類等を添えて、都道府県知事に提出するものとするとともに、都道府県知事は登録の申請が一時保護を行うために必要なものとして条例で定める基準に適合しているときは、登録をするものとした。(第三四条の二二第一項及び第二項関係)
㈣ 都道府県知事は、登録一時保護委託者に対して、必要な報告を求め、又は当該職員に、関係者に対して質問させ、若しくは登録一時保護委託者が一時保護を行う場所に立ち入り、設備、帳簿書類その他の物件を検査させることができるものとした。(第三四条の二五第一項関係)
㈤ 都道府県知事は、登録一時保護委託者が基準に適合しないと認められるに至った場合等には、当該登録一時保護委託者に対し、必要な改善を勧告し、当該勧告に従わないときは、必要な改善を命ずることができるものとした。(第三四条の二五第三項関係)
二 学校教育法の一部改正関係
就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(六において「認定こども園法」という。)の規定を準用することにより、幼稚園及び特別支援学校幼稚部(五において「幼稚園等」という。)の職員等による虐待についての通告義務等を規定するものとした。(第二八条第二項及び第八二条関係)
三 教育職員免許法の一部改正関係
幼稚園教諭の免許状の取得に係る特例の対象に、地域限定保育士登録を受け、かつ、学位等の基礎資格を有する者を追加するものとした。(附則第一八項関係)
四 児童虐待の防止等に関する法律の一部改正関係
1 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日施行事項
㈠ 一時保護が行われている児童に対して当該児童の保護者が児童虐待を行った疑いがあると認められる場合において、当該児童と当該保護者との面会又は通信を認めたとすれば当該児童の心身に有害な影響を及ぼすおそれが大きいと認めるときは、児童相談所長は、当該面会又は通信の全部又は一部を制限することができるものとした。(第一二条第三項関係)
㈡ 一時保護が行われている児童に対して当該児童の保護者が児童虐待を行った疑いがあると認められる場合において、当該保護者に対し当該児童の住所又は居所を明らかにしたとすれば、当該児童の保護に著しい支障を来すと認めるときは、児童相談所長は、当該保護者に対し、当該児童の住所又は居所を明らかにしないものとした。(第一二条第五項関係)
2 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日施行事項
児童相談所長が通告等を受けた場合の措置等に、一の4の㈡の一時保護を加えるものとした。(第八条第二項、第一一条第五項、第一二条(1の改正事項を除く。)~第一二条の三、第一三条第二項及び第一三条の二関係)
五 構造改革特別区域法の一部改正関係
構造改革特別区域法における学校教育法の特例に基づき認定を受けた地方公共団体の長を、学校設置会社又は学校設置非営利法人が設置する幼稚園等の職員等による虐待に係る所管行政庁として定義するものとした。(第一二条第一項及び第一三条第一項関係)
六 認定こども園法の一部改正関係
1 幼稚園教諭の普通免許状を有し、かつ、地域限定保育士登録を受けている者についても、認定地方公共団体の区域に所在する幼保連携型認定こども園で保育教諭等として勤務することができるものとした。(第一五条第一項関係)
2 幼保連携型認定こども園の長、その職員その他の従業者による虐待(以下この六において「入園児虐待」という。)を受けたと思われる園児を発見した者は、速やかに、その旨を都道府県知事又は市町村長に通告しなければならないものとした。(第二七条の二第一項及び第二七条の四第一項関係)
3 幼保連携型認定こども園の区分ごとに所管行政庁を規定した上で、通告等を受けた都道府県知事又は市町村長は、当該通告等に係る入園児虐待の防止又は園児の保護のため必要があると認めるときは、当該園児に係る幼保連携型認定こども園の所管行政庁に、速やかにその旨を通知しなければならないものとした。(第二七条の二第二項及び第二七条の五第一項関係)
4 所管行政庁は、3の通知を受けた場合等であって、入園児虐待の防止又は園児の保護のため必要があると認めるときは、速やかに、園児の状況その他の通告等に係る事実を確認するための措置を講ずるものとするとともに、当該措置を講じた場合において、入園児虐待の防止又は当該措置に係る園児若しくは当該園児と共に在籍する他の園児の保護のため必要があると認めるときは、当該園児に係る幼保連携型認定こども園の設置者に対する指導又は助言その他の園児の安全な環境を確保するために必要な措置を講ずるものとした。(第二七条の五第二項及び第三項関係)
5 所管行政庁は、4の措置を講じたときは、速やかに、当該措置の内容、当該措置に係る園児の状況等を都道府県児童福祉審議会等に報告するものとし、都道府県児童福祉審議会等は、報告に係る事項について、当該所管行政庁に対し、意見を述べることができるものとした。(第二七条の六第一項及び第二項関係)
6 主務大臣及び都道府県知事は、毎年度、幼保連携型認定こども園において発生した入園児虐待の状況等を公表するものとした。(第二七条の七第二項関係)
7 国は、入園児虐待の事例の分析を行うとともに、入園児虐待の予防及び早期発見のための方策、入園児虐待があった場合の適切な対応方法に資する事項について調査及び研究を行うものとした。(第二七条の八関係)
七 子ども・子育て支援法の一部改正関係
1 子ども・子育て支援法第一九条第二号に掲げる小学校就学前子どもに該当する教育・保育給付認定子ども(以下この七において「満三歳以上保育認定子ども」という。)が、満三歳以上保育認定子どもを対象とする特定地域型保育(満三歳以上限定小規模保育(満三歳以上限定小規模保育事業として行われる保育をいう。以下同じ。)に限る。)であって、保育必要量の範囲内のものを受けたときについて、地域型保育給付費を支給するものとした。(第二九条第一項関係)
2 満三歳以上保育認定子どもが、教育・保育給付認定に係る申請の日から当該教育・保育給付認定の効力が生じた日の前日までの間に、緊急その他やむを得ない理由により特定地域型保育を受けたときについて、特例地域型保育給付費を支給することができるものとした。(第三〇条第一項関係)
3 満三歳以上限定小規模保育の事業を行う特定地域型保育事業者の確認について、事業所ごとに、子ども・子育て支援法第一九条第二号に掲げる小学校就学前子どもに係る利用定員を定めて、市町村長が行うものとした。(第四三条第一項及び第二項関係)
4 市町村子ども・子育て支援事業計画において、各年度の教育・保育提供区域における特定地域型保育事業所に係る子ども・子育て支援法第一九条第二号に掲げる小学校就学前子ども(満三歳以上限定小規模保育を利用するものに限る。)の必要利用定員総数等について定めるものとした。(第六一条第二項関係)
八 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の一部改正関係
保育教諭等の資格の特例として、地域限定保育士登録のみを受けた者についても、認定地方公共団体の区域に所在する幼保連携型認定こども園に保育教諭等として勤務することができるものとした。(附則第五条第一項関係)
九 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の一部改正関係
保育所等の設置者等が、在籍している医療的ケア児等が適切な医療的ケア等の支援を受けられるようにするために講ずる措置の例示に、地域限定保育士登録を受けている者の配置を追加するものとした。(第九条第二項関係)
一〇 学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律の一部改正
児童福祉法第三三条第一項第一号に規定する登録一時保護委託者を学校設置者等に位置付けるものとした。(第二条第三項関係)
一一 施行期日等
1 検討規定
政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとした。(附則第二条関係)
2 経過措置及び関係法律の整備
この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、関係法律の規定の整備を行うこととした。(附則第三条~第二一条関係)
3 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、令和七年一〇月一日から施行することとした。
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