会社法ニュース2004年01月05日 日本経団連・会社法現代化要綱試案へのコメントを公表(2004年1月5日号・№049) 株主代表訴訟制度の改正を強く求める
日本経団連・会社法現代化要綱試案へのコメントを公表
株主代表訴訟制度の改正を強く求める
日本経済団体連合会(日本経団連)は12月24日、法務省民事局参事官室がパブリック・コメントを求めていた「会社法制の現代化に関する要綱試案」について、経済界のコメントをとりまとめ、提出した。
また、法制審議会会社法部会は12月17日に部会を開催し、主に訴訟委員会制度を中心とした株主代表訴訟制度の見直しについて、検討を行った。
募集設立は残すべき
今回、日本経団連が提出したコメントは、10月21日に日本経団連が公表した「会社法改正への提言─企業の国際競争力の確保、企業・株主等の選択の尊重─」(弊誌11月10日号16頁参照)で提案済みのものが中心となっているものの、その後、新たに取りまとめられたコメントも一部盛り込まれている。
例えば、要綱試案において、利用のニーズが減少しているとして廃止が提案されていた募集設立については、発起設立では外国法人が出資者になる場合に手続的に煩雑となることから、募集設立という方式を残すことに実務界のニーズがあるとしている。
また、日本版LLCについては、要綱試案において、社員はやむを得ない事由があるときは、定款の定めにかかわらず、退社(社員たる資格を消滅させること)ができるものとする旨の提案がされている。これについては、LLCの信用を確保することを目的として、定款の定めにより、退社の告知の後、一定期間は退社できないようにすることを可能にするといった提案もなされている。
濫訴が目立つ株主代表訴訟制度
コメントを受ける側の法制審議会でも、コメント締切前の12月17日に部会が開催された。今回は、主要団体からのコメントが未提出だったこともあり、既に提出済みのコメントを検討することはせず、訴訟委員会制度を中心とした株主代表訴訟制度の改正に関して検討が行われた。
株主代表訴訟は、実際のところ、株主全体(会社)にとって利益にならない訴訟が目立つのが現状だ。そこで、適切代表の考え方を導入し原告の資格を制限するとともに、責任軽減制度の改善や訴訟委員会の導入により過重とされている取締役等の負担軽減を図ること等が提案されている。なかでも、12月17日の部会では訴訟委員会制度を中心に議論が進んだ。訴訟委員会制度は、被告が勝訴する蓋然性が高い場合や代表訴訟の追行によって得られる利益より、それによって必要となる他の訴訟等への対応の不利益の方が大きい場合、取締役個人の行為というより会社のコンプライアンス・システムの整備が争点になっている場合等に有効に機能することが期待されている。今後の議論の展開が注目される。
株主代表訴訟制度の改正を強く求める
日本経済団体連合会(日本経団連)は12月24日、法務省民事局参事官室がパブリック・コメントを求めていた「会社法制の現代化に関する要綱試案」について、経済界のコメントをとりまとめ、提出した。
また、法制審議会会社法部会は12月17日に部会を開催し、主に訴訟委員会制度を中心とした株主代表訴訟制度の見直しについて、検討を行った。
募集設立は残すべき
今回、日本経団連が提出したコメントは、10月21日に日本経団連が公表した「会社法改正への提言─企業の国際競争力の確保、企業・株主等の選択の尊重─」(弊誌11月10日号16頁参照)で提案済みのものが中心となっているものの、その後、新たに取りまとめられたコメントも一部盛り込まれている。
例えば、要綱試案において、利用のニーズが減少しているとして廃止が提案されていた募集設立については、発起設立では外国法人が出資者になる場合に手続的に煩雑となることから、募集設立という方式を残すことに実務界のニーズがあるとしている。
また、日本版LLCについては、要綱試案において、社員はやむを得ない事由があるときは、定款の定めにかかわらず、退社(社員たる資格を消滅させること)ができるものとする旨の提案がされている。これについては、LLCの信用を確保することを目的として、定款の定めにより、退社の告知の後、一定期間は退社できないようにすることを可能にするといった提案もなされている。
濫訴が目立つ株主代表訴訟制度
コメントを受ける側の法制審議会でも、コメント締切前の12月17日に部会が開催された。今回は、主要団体からのコメントが未提出だったこともあり、既に提出済みのコメントを検討することはせず、訴訟委員会制度を中心とした株主代表訴訟制度の改正に関して検討が行われた。
株主代表訴訟は、実際のところ、株主全体(会社)にとって利益にならない訴訟が目立つのが現状だ。そこで、適切代表の考え方を導入し原告の資格を制限するとともに、責任軽減制度の改善や訴訟委員会の導入により過重とされている取締役等の負担軽減を図ること等が提案されている。なかでも、12月17日の部会では訴訟委員会制度を中心に議論が進んだ。訴訟委員会制度は、被告が勝訴する蓋然性が高い場合や代表訴訟の追行によって得られる利益より、それによって必要となる他の訴訟等への対応の不利益の方が大きい場合、取締役個人の行為というより会社のコンプライアンス・システムの整備が争点になっている場合等に有効に機能することが期待されている。今後の議論の展開が注目される。
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