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解説記事2004年02月02日 【編集部レポート】 納税者には歯痒い改正?法定外税の改正項目から現状を探る(2004年2月2日号・№052)

レポート
納税者には歯痒い改正?法定外税の改正項目から現状を探る

編集部

 平成16年度税制改正では、課税自主権の拡大を図るため、法定外税について2つの改正が行われる予定だ。具体的には、①既存の法定外税の税率の引き下げ、課税期間の短縮及び廃止については、総務大臣への協議・同意を不要とする、②特定少数の納税者が税収の大半を納税することとなる法定外税を新設又は変更する場合について、条例制定前に議会で納税者の意見を聴取する手続きを設ける点である。
 最近では、各自治体で法定外税を新設する動きが活発化する一方、納税者とのトラブルも後を絶たない。今回は、法定外税の改正点及びその現状についてレポートする。

有利変更は国の関与の必要なし

 ①については、すでに昨年の11月に総務省が各自治体に対して、通知しているもので、これを法定化するもの(本誌No.46参照)。税率の引き下げや廃止などは、納税者にとっての有利変更であるため、国の関与は必要ないとの趣旨である。
 参考までに今回の法定化には直接関係ないが、今年の4月から、神奈川県の臨時特例企業税は、3%から1%程度引き下げることを検討中だ。現在、経済界などと存続の有無についての調整が行われている模様だが、仮に条例を改正するにしても、総務大臣の同意は必要ないことになる(なお、神奈川県では、2月17日の定例議会に臨時特例企業税を存続又は廃止するにせよ、条例改正案を提出する予定)。
 ただ、税率が引き下げられたとしても、臨時特例企業税に対する企業側の反発は強い模様だ。臨時特例企業税は、繰越欠損金の控除制度により、当年度が黒字にもかかわらず法人事業税を納めていない資本金等が5億円以上の企業を対象とするもの。4月から外形標準課税が導入されることになるため、企業によっては二重課税ではないかとの不信感が強い。納税者にとって何が有利なのかといった点に疑問が残りそうだ。

あくまでも意見聴取にすぎず

 18ページの表にあるように、各自治体が法定外税を創設するケースが相次いでいる。平成12年4月以降でみると、法定外税新設は37件。法定外税については、特定の納税者が対象になることも多く、“狙い撃ち”された納税者が納得せず、後になって紛糾するケースも珍しくない。福島県の核燃料税がこのケースだ。
 このため、前記②の改正点は、地方議会において、条例制定前に何らかの意見を述べる機会を設けるというもの。従来でも、総務省では、各自治体に対して、意見聴取の機会を設けるよう通知を出していたが、地方税法には明記されていなかったため、意見聴取をするかどうかは各自治体の判断に任されていた。今回の改正では、意見聴取を法定化するものである。なお、意見を述べることができる特定少数の納税者の定義については、現在、政令に記載するかどうかを含めて総務省で検討中だ。
 しかしながら、今回の意見聴取は、法定化されるものの、反対意見によって必ずしも条例が否決されるわけではない。当然だが、条例は、あくまでも地方議会が決定することになる。

不同意は横浜市の勝馬投票券発売税のみ

 また、条例が制定されても、総務大臣の同意がなければ法定外税の新設は実現されない。法定外税を新設等するには、まず条例が可決された後、総務大臣の同意又は不同意の判断を仰ぐことになるが、判断するにあたっては、財務大臣に通知、また、地方財政審議会に意見聴取を行うことになる(下図参照)。
 参考までに、平成12年4月1日以降に法定外税の新設の動きは全部で38件。このうち、総務大臣が同意しなかったのは、横浜市の勝馬投票券発売税のみ。条例が制定されることになれば、実際のところ、総務大臣の同意が得られるケースがほとんどである。
 総務大臣は、原則として、①国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、かつ住民の負担が著しく過重となること、②地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること、③①及び②の他、国の経済施策に照らして適当でないことのいずれかがあると認める場合を除き、同意することになっているからだ。いずれにせよ、納税者にとっては歯痒い改正といえそうだ。
 
 法定外税
 法定外税とは、固定資産税や住民税など、種目とその課税対象や税率が地方税法で定められている税とは異なり、地方公共団体が独自に条例で定める税のこと。法定外税は、使途に限定がない一般財源である法定外普通税と、使途が限定されている法定外目的税に区分される。平成12年4月の地方分権一括法による地方税法の改正により、法定外普通税について許可制から同意を必要とする協議制に改められるとともに、法定外目的税が創設された。各自治体にとって法定外税は、課税の選択の幅を広げると同時に、地域にあった財源を確保することができるとされている。
 

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