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解説記事2004年02月23日 【税務解説】 国税庁、法人税関係の通達を発出(2004年2月23日号・№055)

国税庁、法人税関係の通達を発出
設備投資減税等の取扱いが明らかに


 編集部

 国税庁は、法人税基本通達、連結納税基本通達、租税特別措置法関係通達(法人税編)、租税特別措置法関係通達(連結納税編)、耐用年数の適用等に関する取扱通達の一部改正を行い公表した(平成15年12月16日付、課法2-22 課審5-22)。今回の通達の一部改正は、平成15年度税制改正における法人関連税制の改正に伴うものが主な内容となっている。
  
1.法人税基本通達関係
・平成15年度改正により、自己株式を有する会社の同族会社の判定では、判定会社の株主等からその自己株式を有する判定会社を除くこととし、また、判定会社の株主等の持分割合の計算で発行済み株式の総数等からその自己株式の数等を除くこととされたため、それぞれ「含むもの」としていた旧1-3-2(自己株式を有する法人についての同族会社の判定)は廃止された。
・法基通1-5-1(資本の増加の日)では、(2)利益若しくは準備金の資本組入れによる増資の場合に次の(注)が留意的に加えられた。
(注)利益又は準備金の資本組入れにより増資が行われた場合には、当該資本の増加の日において当該組み入れた額に相当する金額の資本積立金額を減算することになることに留意する。
・一つの株式会社が発行する普通株式と種類株式を有する場合では、下記のように銘柄を区分して帳簿価額を算出する取扱いが新設された。
・法基通7-5-1(償却費として損金経理をした金額の意義)では、(5)に次の(注)を付して評価損の金額に法人が計上した減損損失の金額が含まれることを明らかにするとともに(7)を新設した。
(注)評価損の金額には、法人が計上した減損損失の金額も含まれることに留意する。
(7)令54条第1項の規定によりソフトウェアの取得価額に算入すべき金額を研究開発費として損金経理をした場合のその損金経理をした金額

(普通株式と種類株式とが発行されている場合の銘柄の意義)
2-3-17 法人が、他の法人の発行する普通株式と種類株式とを有する場合において、その種類株式の権利内容等からみて、当該種類株式が普通株式の価額と異なる価額で取引が行われるものと認められるときには、当該種類株式は普通株式と異なる銘柄の株式として、令第119条の2第1項《有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法》の規定を適用するものとする。


2.租税特別措置法関係
 平成15年度税制改正で創設・拡充された下記の税制について、それぞれ、課税上の取扱いを明らかにしている。
(1)試験研究費関係
・平成15年度改正では、税額控除限度超過額の繰越制度が導入されたが、繰越控除ができるのは、前年度よりも試験研究費が増加した場合に限られる(措法42条の4④⑧)。この場合の試験研究費の多寡の判定は、開発研究用資産の特別償却費の額を含まない金額で行うことが規定されているが、税額控除額の算定の基礎となる「試験研究費の額」から当該特別償却費の額を控除するものではないことを次のように措通42の4-6(試験研究費の額の統一的計算)の(注)で留意的に明らかにしている。
(注)措置法令第27条の4第1項(同条第5項において準用する場合を含む。)に規定する「特別償却実施額」は、措置法第42条の4第4項又は第8項の規定の適用があるかどうかの判定においてこれらの項に規定する「試験研究費の額」から控除するのであるが、例えば、同条第2項の規定の適用を受ける試験研究費の額から控除する必要はないことに留意する。
・繰越税額控除限度超過額を有する場合に、他の試験研究費の税額控除(例えば中小)との重複適用はできないことを下記のように明らかにしている。

(繰越税額限度超過額を有する場合等の重複適用)
42の4-10の2 措置法第42条の4第7項の規定の適用に当たって、例えば、その適用を受けようとする法人が同条第4項に規定する繰越税額控除限度超過額を有する法人であっても、同一の事業年度において同項を重複して適用することはできず、いずれかの規定を適用することに留意する。
 同条第8項の規定の適用に当たっての同条第2項の規定の適用についても、同様とする。


(2)IT投資促進税制関係
・IT投資促進税制は、その法人の資本の金額又は出資金額等の区分に応じて、それぞれ異なる取得価額基準により判定することになるため、事業年度の中途において特定事業者等に該当しなくなった場合の適用関係についてその取扱い明らかにしている(42の11-1)。その特定事業者等に該当していた指定期間内に取得等して事業の用に供したもので、取得価額基準を適用することになる。
・このほか、IT投資促進税制が新設された制度であるため、42の11-2(取得価額の判定単位と適用対象となる「特定情報通信機器等」)、42の11-3(圧縮記帳をした情報通信機器等の取得価額)、42の11-4(貸付けの用に供したものに該当しない資産の貸与)、42の11-5(ソフトウェアの改良費用)、42の11-6(附属機器等の同時設置の意義)、42の11-7(情報通信機器等の対価につき値引きがあった場合の税額控除限度額の計算)など、14項目の取扱いを明らかにしている。

(3)開発研究用設備関係
・平成15年度税制改正で新設された「開発研究用設備の特別償却」については、44の3-1(開発研究の意義)、44の3-2(専ら開発研究の用に供されるもの)、を下記のように明らかにするほか、44の3-3(取得価額の判定単位)、44の3-4(圧縮記帳をした開発研究用設備の取得価額)、44の3-5(委託研究先への貸与)の取扱いが明らかにされた。

(開発研究の意義)
44の3-1 措置法第44条の3第1項に規定する「開発研究」(以下「開発研究」という。)とは、次に掲げる試験研究をいう。
 (1)新規原理の発見又は新規製品の発明のための研究
 (2)新規製品の製造、製造工程の創設又は未利用資源の活用方法の研究
 (3)(1)又は(2)の研究を基礎とし、これらの研究の成果を企業化するためのデータの収集
 (4)現に企業化されている製造方法その他の生産技術の著しい改善のための研究
(専ら開発研究の用に供されるもの)
44の3-2 措置法令第28条の6第2項に規定する専ら開発研究の用に供される機械及び装置並びに器具及び備品とは、専ら開発研究の用に供されるものをいうのであるから、開発研究を行う施設において供用されるものであっても、他の目的のために使用されている減価償却資産で必要に応じ開発研究の用に供されるものは、これに該当しないことに留意する。


(4)少額減価償却資産関係
 新設された中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入については、措通67の8-1(事業年度の中途において中小企業者に該当しなくなった場合の適用)で事業年度の中途において中小企業者に該当しなくなった場合でも中小企業者等に該当する間に取得等をして事業の用に供した少額減価償却資産については適用があることを留意的に明らかにするほか、67の8-2(少額減価償却資産の取得価額の判定単位)、67の8-3(明細書の添付)の取扱いが明らかにされた。
 67の8-3(明細書の添付)では、既に取扱いが公表(本誌2003.5.26号【No.020】ニュース参照)されているように、①取得価額30万円未満の減価償却資産について、措置法67条の8第1項の規定を適用していること、②適用した減価償却資産の取得価額の合計額、③適用した減価償却資産の明細は別途保管していること、が、確定申告書に添付する「減価償却費の償却額の計算に関する明細書」の備考欄に記載して提出し、かつ、当該減価償却資産の明細を別途保管している場合には、措置法67条の8第2項に規定する「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」の提出を省略して差し支えないことを明らかにしている。

(5)留保金課税の不適用関係
 中小企業者等に対する同族会社の特別税率の不適用(措法68条の2)では、留保金課税の不適用制度に関する明細書(付表)の様式・記載の仕方が明らかになるとともに措通68の2-8(総資産の帳簿価額の計算)などの取扱いが明らかにされた。

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