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コラム2007年07月23日 【ML耳より情報】 定期同額給与の改定時期はいつから(2007年7月23日号・№220)

定期同額給与の改定時期はいつから

改定決議後の支給額が変わっていないとダメ?
 定期同額給与の改定について定める法人税法施行令第69条は、期首からまたは「給与改定前の最後の支給時期の翌日」から、期末までまたは「給与改定後の最初の支給時期の前日」までの各支給時期の支給額が同額であるものを要件にしています。これについて、6月23日の定時総会で給与の改定が決議され、6月25日に改定前の金額で給与を支払うと、改定前同額・改定後同額にならず、条文に違反しないかとの疑問が提起されています。検討してみましょう。

支給日と改定の日との関係  6月23日定時総会で改定決議を行う3月決算法人で、月給を50万円から70万円に改定し、(A)当月分を25日に支払う場合と、(B)当月分を翌月5日に支払う場合とを扱ってみます。
 
 まず、(A)について、6月23日に改定決議された直後の6月25日に支給される給与は50万円ではダメでしょうか。ここで、原始就任の場合を想定すると、給与を6月25日からすぐ支払開始する会社はむしろ少数で、多くは7月25日支給開始でしょう。
 2年目で改定するなら、7月25日から改定するはずです。6月25日支給分から70万円に改定しろといって納得する経営者はいないでしょう。改定は職務執行期間の更新の意味ですから、むしろ、7月25日から変更した方が趣旨にも合うはずです。
 次に、(B)についてですが、7月分給与からの改定と決議すると、8月5日支給分から70万円で、7月5日支給分は50万円の支払いです。これは一見条文から外れてアウトのようにもみえます。

定期同額給与は発生主義を否定するか  結局、問題は「給与改定後の最初の支給時期」をどのように読むべきかです。
 ここでは、「給与改定決議で約定された新金額が支給される最初の支給時期」と読むことが可能です。支給時期を改定決議の前後で分けるのではなく、支給額の新旧切替えを改定後という言葉で意味しているととらえるのです。こう読まなければ、改定前の職務執行期間の役務提供の対価を、改定決議後に支払うと定期同額給与にならないという矛盾を抱えてしまいます。
 50万円の対価性しかないのに、70万円支払え、そうでないと定期同額給与にならないということを事実上強制するのがこの制度の趣旨ではないでしょう。
 (B)で7月5日支給分給与は、「給与改定前の最後の支給時期における支払」であり、8月5日支給分は、「給与改定後の最初の支給時期の支払」でよいはずです。更にいえば、当月分が翌月に支払われる場合に未払計上する、既存の発生主義実務との整合性という問題もあります。

  taxMLグループ 税理士・公認会計士 濱田康宏

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