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解説記事2009年01月19日 【ニュース特集】 税制改正、与党と民主党との違いを検証(2009年1月19日号・№291)

民主党政権になったらこう変わる!
税制改正、与党と民主党との違いを検証

 麻生政権の支持率低迷とともに、次期衆議院選挙における現与党から民主党への政権交代が現実味を帯びてきた。
 民主党は昨年12月24日に「民主党税制抜本改革アクションプログラム」(以下「民主党アクションプログラム」という)を打ち出したが(本誌289号9頁参照)、これも、民主党政権実現の可能性の高まりとともに、単なる野党の“絵空事”ではなくなりつつある。
 民主党アクションプログラムと、現与党による平成21年度税制改正大綱、および「中期プログラム」における「税制抜本改革の基本的方向性」を、両者の意見が衝突するところを中心に比較してみた。

民主党 消費税「複数税率」の導入を完全否定  税制抜本改革についてみると、現与党と民主党の間で大きく意見が異なるものが少なくない。
 たとえば所得税の税率について、与党が「最高税率の引き上げなど税率構造を見直して累進性の強化」を掲げているのに対し、民主党は「担税力の高い者ほど納税する場所を自ら選択できるような状況の中で、最高税率を引き上げることは、再分配機能の回復策として実効性に乏しい」としている(ただし、「給付付き税額控除」の導入の方向性では一致している)。
 また、消費税に関しては、与党が「複数税率」の導入の方向性をにじませているのに対し、民主党は「複数税率は実質的に消費税の物品税化につながり、消費税の特性である水平的な公平性を大きく損ない、また軽減税率の対象を選択することは極めて困難」などとして「逆進性緩和策として適当とはいえない」と断言、代わりに「給付付き消費税額控除」の導入を打ち出している。
 相続税改正においてもスタンスの違いは明確だ。与党は元々は「遺産取得課税方式」を志向していたものの、結局、平成21年度税制改正では現行の「法定相続分課税方式」を維持したが、民主党は「遺産課税方式」への転換を検討すべきであるとしている。

【現与党と民主党の税制改正プラン・比較表~意見が衝突する項目を中心に~】
〈税制抜本改革関係〉

 
現 与 党
民 主 党
税制改正の主体 与党税制調査会
税制改正に関する意見集約は、党内各部門において、各部門の税制担当主査が行っている。
与党税制調査会は廃止
財務大臣の下に、新たに政治家をメンバーとする政府税制調査会を設置し、政治家が責任を持って税制改正作業及び決定を行う。税制改正に関する意見集約は、各省庁に税制担当政務官を配置し、政務官が各省庁で行う。
法人税 国際的整合性の確保及び国際競争力の強化の観点から、社会保険料を含む企業の実質的な負担に留意しつつ、課税ベースの拡大とともに、法人実効税率の引下げを検討する。 租税特別措置の抜本的な見直しを進めて課税ベースが拡大した際には、企業の国際的な競争力の維持・向上などを勘案しつつ、法人税率を見直していくこととする。
租税特別措置 関係業界の要望を受け、各省庁が税制改正要望を出すのが基本 租特の新設・継続に当たっては、補助金同様、対象者が明確であること、効果や必要性が明白であることなど、透明性の確保を通じて、納税者の納得が得られるように改めるため、「租税特別措置透明化法案」を通常国会に提出し、租特の整理・合理化を進める。
所得税 格差の是正や所得再分配機能の回復の観点から、最高税率の引き上げなど税率構造を見直して累進性の強化を図るとともに、給与所得控除の上限の調整等により高所得者の税負担を引き上げる。
また、税額控除額が所得税額を上回る場合には控除しきれない額を現金で給付する「給付付き税額控除」の検討を含む歳出面も合わせた総合的取組の中で子育て等に配慮して中低所得者世帯の負担の軽減を検討する。
担税力の高い者ほど納税する場所を自ら選択できるような状況の中で、最高税率を引き上げることは、再分配機能の回復策として実効性に乏しい。
そこで、現行の所得控除に変え、「給付付き税額控除」の導入を進める。
また、現行の特定支出控除(通勤費など一定の経費の実額を収入から控除する制度)を見直し、自己研鑽費用、新聞等購読費、業務上不可欠な衣服費など特定支出の対象を大幅に広げることにより、サラリーマンにとって使いやすい制度とする。
金融所得課税 金融所得課税の一体化を更に推進する。 「総合課税」が望ましいと考えるが、当分の間は、金融所得については分離課税とした上で、損益通算の範囲を拡大していくことが適当である。
消費税 消費税の全額がいわゆる確立・制度化された年金、医療及び介護の社会保障給付と少子化対策に充てられることを予算・決算において明確化した上で、消費税の税率を検討する。その際、歳出面も合わせた視点に立って複数税率の検討等総合的な取組みを行うことにより低所得者の配慮について検討する。 複数税率の導入は実質的に「消費税の物品税化」につながり、消費税の特性である水平的な公平性を大きく損なう。また軽減税率の対象を選択することが極めて困難であることに加え、課税ベースが大きく侵食されて、結果的に基本税率が高くなることにもつながるため、逆進性緩和策として適当とはいえない。
逆進性緩和策としては、家計調査などの客観的な統計に基づいた年間の基礎的な消費支出にかかる消費税相当額を一律に税額控除し、控除しきれない部分については給付を行う「給付付き消費税額控除」の導入が適当である。
なお、消費税率の引き上げについては、民主党が政権を獲得した後に税金のムダづかいを徹底的に根絶した上で、社会保障目的税化やその使途となる上記の社会保障制度の抜本的な改革の具体的内容を示した上で検討する。仮に引き上げが必要となる場合には、引き上げ幅などを明らかにして総選挙で国民の審判を受け、具体化する。
相続税 相続人ごとに取得した財産の価額に着目して課税を行う「遺産取得課税方式」を志向していたが、平成21年度税制改正では結局、現行の「法定相続分課税方式」を維持。
また、格差の固定化防止、老後扶養の社会化の進展への対処等の観点から、相続税の課税ベースや税率構造等を見直し、負担の適正化を検討する。

相続人の数や遺産分割に関係なく、被相続人の財産のみに着目して課税する「遺産課税方式」への転換を検討すべきである。
相続税の課税ベース、税率の見直しにあたっては、わが国社会の安定や活力に不可欠な中堅資産家層の育成に配慮しつつ、本人の努力とは関係のない大きな格差が固定化しない社会の構築に配慮すべきである。
さらに、相続税の課税方式の見直しに合わせて、現役世代への生前贈与による財産の有効活用などの視点を含めて、贈与税のあり方も見直していく。

自動車関係諸税 自動車関係諸税については、税制の簡素化を図るとともに、厳しい財政事情、環境に与える影響等を踏まえつつ、税制の在り方及び暫定税率を含む税率の在り方を総合的に見直し、負担の軽減を検討する。 自動車取得税は消費税との二重課税を回避する観点から廃止する。
自動車重量税及び自動車税は、保有税(地方税)に一本化。
ガソリン等の燃料に対する課税は、一般財源の「地球温暖化対策税(仮称)」として一本化し、特定の産業に過度の負担とならないよう十分配慮しつつ、排出権取引制度と一体的な制度設計を行う。
地方税 地方分権の推進と、国・地方を通じた社会保障制度の安定財源確保の観点から、地方消費税の充実を検討するとともに、地方法人課税の在り方を見直すことにより、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築を進める。 国税の租税特別措置と同様、地方税の非課税等特別措置のあり方について、検討を進めていく。
また、将来的には、地方6団体(全国知事会、全国市長会、全国町村会、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会)を核とし、地方自治体の主体的判断に委ねる仕組みとする。

〈平成21年度税制改正関係〉

 
現 与 党
民 主 党
道路特定財源に係る暫定税率 現行の税率水準を原則維持(暫定税率分を含めた税率のあり方は今後の税制抜本改革の際に検討。上記参照) 暫定税率を廃止し、減税する。
証券税制 現行税制を3年間延長 一体課税の環境が整備できるまでの間、現行の優遇税制を延長
住宅ローン減税 最大控除可能額を過去最高水準を上回る600万円に引き上げるほか、自己資金で省エネ、バリアフリー改修を行う場合にも税額控除を認める。 平均的なローン残高が1,600万円程度(平成18年度・家計調査)であることから、いたずらに最大控除可能額を拡大するのではなく、バリアフリー化や省エネなどの社会ニーズの高い分野に対して重点的な負担軽減策を講じる。
また、自己資金で住宅を新改築・購入した場合でも、住宅ローン減税と同程度の負担軽減を受けることができる制度(投資減税)を創設する。
中小企業に対する軽減税率 現行の22%から18%に引き下げる(2年間)。 現行の22%から11%に引き下げる。
特殊支配同族会社の役員給与に対する損金不算入措置 適用状況を引き続き注視 廃止

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