コラム2013年08月26日 【SCOPE】 1つの事業所に複数の事業、「事業所税」の納税義務者は?(2013年8月26日号・№512)
貸ビルでのレンタル収納スペース事業が問題に
1つの事業所に複数の事業、「事業所税」の納税義務者は?
近年、オフィスビルの空室を活用する方法として、空室状態の居室をビル所有者から賃借し、一定の加工を施したうえで「レンタル収納スペース」として顧客に貸し出す事業者が目立つようになってきた。このレンタル収納スペース事業をめぐり、その居室に係る事業所税の納税義務者が問題となった訴訟事案が発生した。裁判所は、収納スペースを顧客に貸し付けている原告企業が事業所税の納税義務者であると判示。ビル所有者や収納スペースの利用者は、納税義務者には該当しないと判断した(東京地裁平成25年6月28日判決)。
裁判所、“人や車両が参集する原因となる本格的な事業”のみが課税対象
事業所税は、一定規模以上の事業を行っている事業者に対して課税される税金で、事業所などの床面積(資産割)と従業者の給与総額(従業者割)により計算される。現在、東京都23区や人口30万人以上の政令指定都市など全国77の地方公共団体において課税が行われている地方税の1つだ。
この事業所税は、「事業所において法人または個人の行う事業」に対して課税されるが、同一の事業所で「事業」が重畳的に存在するようなケースでは、どの事業者による事業が事業所税の対象となるかが問題となる。本事案は、レンタル収納スペース事業に係る事業所税の納税義務者が問題となっていた。
原告企業は、オフィスビルの所有者から空室となっている居室を賃借し、その内部に仕切りや扉などの加工を施すなどして居室に多数の収納空間(レンタル収納スペース)を設けたうえで、個別の収納空間を顧客に貸し付ける事業を行っていた。
裁判では、このレンタル収納スペース事業をめぐり、①原告企業へ建物を賃貸している所有者(オフィスビルのオーナー)、②収納スペースを顧客に貸し付けている原告企業、③自己の事業のために商品などを収納スペースに保管する事業者のうち、どの事業者が事業所税の納税義務者になるかが争われていた(図参照)。
原告企業が居室を整備、多数の顧客が出入り 裁判所は、建物の所有者が他の者に賃貸し、これを借り受けた賃借人がさらに別の者に転貸し、その者が建物において事業を営む場合のように、同一の建物をめぐって事業所税の課税対象となる「事業」が重畳的に存在するような場合は、そのうち、事業を担う人や車両が参集し、事業の作用として人や車両が参集する直接的な原因となる本格的な事業と認められるものに限り、その事業を行うものだけが事業に係る事業所税の納税義務者になるとの判断の枠組みを示した。
本事案については、原告企業が建物の居室に特殊な造作を施して物品の保管を可能にする物的設備を備えていること、多数の顧客が居室に出入りするなど人が参集する場所であるということもできることなどを勘案すると、居室は、レンタル収納スペース事業に係る「事業所等」に該当すると指摘。その「事業所等」の用に供されている居室については、原告企業が事業所税の納税義務者になると判断した(表参照)。
1つの事業所に複数の事業、「事業所税」の納税義務者は?
近年、オフィスビルの空室を活用する方法として、空室状態の居室をビル所有者から賃借し、一定の加工を施したうえで「レンタル収納スペース」として顧客に貸し出す事業者が目立つようになってきた。このレンタル収納スペース事業をめぐり、その居室に係る事業所税の納税義務者が問題となった訴訟事案が発生した。裁判所は、収納スペースを顧客に貸し付けている原告企業が事業所税の納税義務者であると判示。ビル所有者や収納スペースの利用者は、納税義務者には該当しないと判断した(東京地裁平成25年6月28日判決)。
裁判所、“人や車両が参集する原因となる本格的な事業”のみが課税対象
事業所税は、一定規模以上の事業を行っている事業者に対して課税される税金で、事業所などの床面積(資産割)と従業者の給与総額(従業者割)により計算される。現在、東京都23区や人口30万人以上の政令指定都市など全国77の地方公共団体において課税が行われている地方税の1つだ。
この事業所税は、「事業所において法人または個人の行う事業」に対して課税されるが、同一の事業所で「事業」が重畳的に存在するようなケースでは、どの事業者による事業が事業所税の対象となるかが問題となる。本事案は、レンタル収納スペース事業に係る事業所税の納税義務者が問題となっていた。
原告企業は、オフィスビルの所有者から空室となっている居室を賃借し、その内部に仕切りや扉などの加工を施すなどして居室に多数の収納空間(レンタル収納スペース)を設けたうえで、個別の収納空間を顧客に貸し付ける事業を行っていた。
裁判では、このレンタル収納スペース事業をめぐり、①原告企業へ建物を賃貸している所有者(オフィスビルのオーナー)、②収納スペースを顧客に貸し付けている原告企業、③自己の事業のために商品などを収納スペースに保管する事業者のうち、どの事業者が事業所税の納税義務者になるかが争われていた(図参照)。
原告企業が居室を整備、多数の顧客が出入り 裁判所は、建物の所有者が他の者に賃貸し、これを借り受けた賃借人がさらに別の者に転貸し、その者が建物において事業を営む場合のように、同一の建物をめぐって事業所税の課税対象となる「事業」が重畳的に存在するような場合は、そのうち、事業を担う人や車両が参集し、事業の作用として人や車両が参集する直接的な原因となる本格的な事業と認められるものに限り、その事業を行うものだけが事業に係る事業所税の納税義務者になるとの判断の枠組みを示した。
本事案については、原告企業が建物の居室に特殊な造作を施して物品の保管を可能にする物的設備を備えていること、多数の顧客が居室に出入りするなど人が参集する場所であるということもできることなどを勘案すると、居室は、レンタル収納スペース事業に係る「事業所等」に該当すると指摘。その「事業所等」の用に供されている居室については、原告企業が事業所税の納税義務者になると判断した(表参照)。
当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。
週刊T&Amaster 年間購読
新日本法規WEB会員
試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。
人気記事
人気商品
-

-

団体向け研修会開催を
ご検討の方へ弁護士会、税理士会、法人会ほか団体の研修会をご検討の際は、是非、新日本法規にご相談ください。講師をはじめ、事業に合わせて最適な研修会を企画・提案いたします。
研修会開催支援サービス -















