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解説記事2017年10月02日 【SCOPE】 個人事業者の接待交際費、裁決でみる必要経費の分岐点(2017年10月2日号・№709)

事業に直接関連し事業遂行上必要なものに限定
個人事業者の接待交際費、裁決でみる必要経費の分岐点

 個人事業者が税務調査を受けた際に問題となりがちなのが、接待交際費を事業所得の必要経費に算入することができるか否かという点である。この点について今回紹介する裁決事例で国税不服審判所は、原処分庁が必要経費算入を否定した接待交際費の一部を必要経費と認める判断を下している(平成29年2月6日裁決・広裁(所・諸)平28第12号)。審判所は、レンタル物品や事務用品の販売業者に顧客を紹介する事業(以下「B紹介事業」)などを営んでいた納税者について、B紹介事業に関係する者の関係強化を目的として実施されたゴルフコンペ(B紹介事業の顧客や契約先事業者が参加)の費用、B紹介事業に関する取扱商品を利用していない者を対象としたディナーショーの開催費用などについて、事業に直接関連し、かつ、事業遂行上必要な費用であることから必要経費と認めている。

事業遂行上必要な部分を明らかに区分できない場合は必要経費に算入できず
 今回紹介する裁決事例で納税者が事業所得を得ていた事業は、飲料水の販売業者に顧客を紹介するA紹介事業や玄関マット等のレンタル物品や事務用品の販売業者に顧客を紹介するB紹介事業(以下併せて「本件紹介事業」)のほか、パチンコ店に自販機を設置させてその自販機設置業者から自販機売上高に対応した手数料を受け取るというもの(以下併せて「本件事業」)。所得税決定処分等の異議申立てのなかで納税者は、本件事業の必要経費と主張する領収書の一覧表を提出したものの、原処分庁が事業の遂行上必要であると認められるものはないとして、接待交際費を含むすべてを必要経費として認めなかったことから、納税者が審査請求を行っていた。
 納税者が審査請求のなかで主張した主な接待交際費は、「①取引先等との懇親会参加費や取引先の開店祝い」、「②取引先との飲食費(飲食店等に対する支出)」、「③本件紹介事業の顧客の子供等が通う学校へ寄贈した制服など」、「④B紹介事業の顧客等が参加したゴルフコンペに係る費用」、「⑤納税者の前所属先が開催した会議にOBとして参加した際の飲食費等」、「⑥本件紹介事業の顧客に対する開店祝いの花代」、「⑦B紹介事業に関するディナーショーに係る支出」である。
ゴルフコンペ費用などを必要経費と判断  国税不服審判所は、必要経費に算入できる「販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」(所法37①)について、単に業務と関連があるというだけでなく、客観的にみてその費用が業務と直接の関係を持ち、かつ、業務遂行上必要なものに限られると解釈。また、家事関連費の主たる部分が業務遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる一定部分に限ってこれを必要経費にすることが認められていることを踏まえると(所令96①一)、所得税法は明確に事業上の経費といえないものは、原則として必要経費としないこととしていると解釈した。
 そして本件について審判所は、「④B紹介事業の顧客等が参加したゴルフコンペに係る費用」については、ゴルフ参加者にB紹介事業の顧客やB紹介事業の契約先事業者のブロック長等が含まれていることなどから、ゴルフコンペは納税者を含めたB紹介事業に関係する者の関係強化を目的として実施されたものであると認定。その支出は、客観的にみて本件事業に直接関連し、かつ、本件事業の遂行上必要な費用であると認められることから、必要経費に算入することができると判断した。
 また、「⑦B紹介事業に関するディナーショーに係る支出」については、ディナーショー参加者は主にB紹介事業に関する取扱商品を利用していない者であること及びそのディナーショーにおいてB紹介事業に関する取扱商品が説明されていることからすると、そのディナーショーの開催目的は納税者が行うB紹介事業の新規顧客の開拓及び知名度の拡充を図ったものであると認定。その支出は、客観的にみて本件事業に直接関連し、かつ、本件事業の遂行上必要な費用であると認められることから、必要経費に算入することができると判断した。さらに、「⑥本件紹介事業の顧客に対する開店祝いの花代」については、事業上の関係強化を目的とするものであると認定。その支出は、客観的にみて本件事業に直接関連し、かつ、本件事業の遂行上必要な費用であると認められることから、必要経費に算入することができると判断した。
 一方で審判所は、領収書の提出がなく、審判所の調査の結果によっても支出の事実を認めることができなかった「①取引先等との懇親会参加費や取引先の開店祝い」は必要経費に算入できないと判断した。また、「②取引先との飲食費(飲食店等に対する支出)」については、支出の主たる部分が本件事業の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分できないことから、必要経費に算入できないとした。さらに、「③本件紹介事業の顧客の子供等が通う学校へ寄贈した制服など」及び「⑤納税者のかつての所属先が開催した会議にOBとして参加した際の飲食費等」についても、支出の主たる部分が本件事業の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分できない以上、必要経費に算入できないと判断した(参照)。

【表】審判所が必要経費として認めた接待交際費の金額の一覧(平成21年~平成26年の合計額)
①取引先等との懇親会参加費や取引先の開店祝い 0円
②取引先との飲食費(飲食店等に対する支出) 0円
③本件紹介事業の顧客の子供等が通う学校へ寄贈した制服など 0円
④B紹介事業の顧客等が参加したゴルフコンペに係る費用 177万0246円
⑤納税者の前所属先が開催した会議にOBとして参加した際の飲食費等 0円
⑥本件紹介事業の顧客に対する開店祝いの花代 3万0750円
⑦B紹介事業に関するディナーショーに係る支出 363万5,613円

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