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解説記事2018年01月22日 【SCOPE】 中小企業はIoT投資減税と固定資産税特例との重複適用可(2018年1月22日号・№723)

生産性向上設備投資促進税制のイメージ
中小企業はIoT投資減税と固定資産税特例との重複適用可

 平成30年度税制改正では、賃上げ・生産性向上のための税制の1つとしてIoT投資減税が創設される。IoT投資減税とは、一定のサイバーセキュリティ対策が講じられたデータ連携・利活用により生産性を向上させる取組みに必要なソフトウェアや機械装置等を取得した場合、30%の特別償却又は3%の税額控除(賃上げに伴う場合は5%)の適用を受けることができるというもの。中小企業だけでなく、大企業も適用することができる。このため、制度のイメージ的には平成29年3月末で廃止された生産性向上設備投資促進税制のB類型に似たものといえそうだ。また、中小企業に限っていえば、要件を満たし計画の認定を受ければ、IoT投資減税と平成30年度税制改正で手当てされる固定資産税の特例との重複適用もできる方向となっている。

IoT投資減税、現時点では業種制限はなし
 いわゆるIoT投資減税とは、平成30年度税制改正では「情報連携投資等の促進に係る税制」と呼ばれる。通常国会に提出予定の「生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)」の制定が前提となっており、同法の「革新的データ活用計画(仮称)」の認定を受けた青色申告書を提出する企業等が対象となる。企業は当該計画を作成し、主務大臣が認定する仕組み(図表1参照)。以前の生産性向上設備投資促進税制や中小企業経営強化税制などと同様のスキームとなりそうだ。

 対象は中小企業だけでなく、大企業も適用できる。かつ現時点では業種制限もしない方向で検討が進んでいる(次頁コラム参照)。また、策定する計画の認定要件は図表2の通りとなっている。


中小企業経営強化税制では医療保険業は対象外
 平成29年度税制改正で創設された中小企業経営強化税制では、医療保険業についても同税制の適用対象となる方向で議論が進んでいたが、最終的に中小企業等経営強化法施行規則により、医療保険業を行う事業者が取得等する器具備品及び建物附属設備に関しては、他の税制との兼ね合いから対象外となったという経緯がある。医療保険業については、高額な医療用機器に係る特別償却制度(医療保険業を営む個人又は法人が、取得価格500万円以上の医療用機器を取得した場合に、取得価格の12%の特別償却が可能)が措置されているなど、他の業種に比べて優遇されていることなどがその理由。このため、現時点では、IoT投資減税に業種制限はない方向となっているものの、最終的には「生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)」の省令などを待つ必要がありそうだ。

3%の賃上げで税額控除は5%に  税制措置としては、同法の施行日から平成33年3月31日までの間に、「革新的データ活用計画(仮称)」によりソフトウェアを新設等し、情報連携利活用設備の取得等をして、事業の用に供したときは、取得価額の30%の特別償却又は取得価額の3%の税額控除の適用ができる(図表3参照、所得税も同様)。さらに一定の賃上げを行った企業は5%の税額控除が可能。平均給与等支給額の対前年度増加率3%以上が要件となっている。


対象は国内投資のみ  対象となる情報連携利活用設備とは、データ収集機器(センサー等)、データ分析により自動化するロボット・工作機械、データ連携・分析に必要なシステム(サーバ、AI、ソフトウェア等)、サイバーセキュリティ対策製品などが挙げられている。これらについては、最低取得価額はなく、設備全部の合計で5,000万円以上であれば対象となる。また、対象となるのは国内投資のみであり、海外への投資は対象外となっている。そのほか、中古資産も対象外となる見込みである。
それぞれの認定を受ければダブル適用も  平成30年度税制改正では、中小企業に限っては償却資産に係る固定資産税の特例措置が講じられる。同特例措置は、IoT投資減税と同様、通常国会に提出予定の「生産性向上の実現のための臨時措置法(仮称)」の制定を前提とするもの(本誌722号40頁参照)。中小企業が策定する「先端設備等導入計画(仮称)」に記載された一定の機械・装置等であって、同法の施行日から平成33年3月31日までの間に取得されたものに係る固定資産税について、課税標準が最初の3年間に限り、市町村の条例により最大でゼロから2分の1以下の範囲で軽減される。
 策定する計画は異なるが、適用期限や労働生産性を年平均3%以上向上させることなど、計画の認定要件で一部重なる部分もある。中小企業に限られるが、それぞれの税制の要件を満たした上で計画の認定を受ければ、ダブルでの適用も可能となっている。

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